カムロドゥヌムに住むローマ人の多くは退役軍人とその家族で、
「我らが女王、降伏した捕虜はいかがしますか?」
臣下が
ローマ帝国では、捕虜はみな奴隷にして死ぬまで
だが、
「
「ッ!……よいのですか?」
臣下は
「ええ、皆の者も聞きなさい」
「憎きローマ人は全て殺せ! 忌まわしきローマ建築は全て焼き払え!
反乱軍は固唾を飲んで
「幼子も老人も迷わず殺せ! 神殿も偶像も関係なく燃やし尽くせ!
もし、その手が殺人を拒み、火を放つことを躊躇うなら、思い出せ……
その言葉で、皆の目に光が灯る。
「さあ、殺しなさい、燃やしなさい……」
そして、いつか剣に誓った言葉を叫ぶ。
「全ては、××を××ために!」
その瞬間、反乱軍は歓声を上げ、動き出した。
ある者は降伏した兵士を縛り首にし、ある者は子供を生きながらに焼き、またある者は女を磔にして無残に殺し広場で晒し者にした。
全てのローマ人を殺し尽くした後は、建物に火を放ち、跡形もなく更地に変えた。
これでいい。あれ程傲慢に支配してきたローマには相応しい末路だ――そう思っているのに、
地面に落ちたガラス片に映る自分の顔はどこか辛そうに見える。
気のせいだ――笑みを浮かべていないのは、きっと復讐が足りないためだろう。
進もう、次はロンディニウムだ。ネロの築いた新しい都市、そこでより多くのローマ人を殺そう。
そうすれば、きっと笑えるよね?
「どうして
前日にありすと白野が一緒に遊んでいたことがブーディカに知られた。
「部屋から出るなって言ったよね。敵と会うなって言ったよね
どうして、私の邪魔をするの?
いつもそう。みんなみんな私の邪魔ばっかり……」
「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」
苛立ち、不満をぶつけるブーディカに対して、ありすは謝り続ける。
ありすはブーディカが何に対して怒り、自分が何に対して謝っているのかも分からない。
ただ、元の優しい“母”に戻って欲しくて――
「ごめんなさい……」
“母”の笑顔が戻ることを願いながら、謝り続けるのだった。
つづく