「契約は成された…」
老婆が小さく呟く。
少年……銀次には聞き取れないほどの小ささだったが何かを呟いたのはわかった。
「?」
「おぉ…。すいませんな…。それでは占いに移らせていただきましょう。」
老婆が何を呟いたのか銀次は考えていたがその一言で気にするのをやめた。
どうせわからないと思ったようだ
「あ、あぁ…。よろしくお願いします。」
老婆はその返事に目を細くして笑うと机の上に青いカードの束を出した。
「今から行いますのはタロットカードを使った占いです。」
銀次も名くらいは聞いたことがあった。
どのように占うのかまではわからないが…。
カードをシャッフルし、数枚を裏で並べる。
並べ終わると今度は表にしていく。
「ほう…。これはこれはおもしろい。」
老婆はニヤリと笑った。
「?すいませんね。占いってよくわからないんで。何がおもしろいんですか?」
銀次は尋ねる。
「いやいや、申し訳ない。この先、貴方には試練が訪れる…。と出ております。しかし、一つではなくいくつかあるようですな。」
「試練ね…。」
《試練》という言葉がどこか引っ掛かる銀次だが、気にしないことにする。
「その試練がどうおもしろいんです?」
「貴方はその試練でヒーローになる。」
「はい?ヒーロー?」
「占いにはそうでておりますよ。ヒーローとなり仲間と共に乱世を駆けると…。」
「ヒーローで乱世?仲間もいるんですか?よくわからない内容ですね…。」
「まぁ占いなどとはそういうものでありますよ。心の片隅に置いておくだけでよいでしょう。」
「そうですね…。そうします。ありがとうございます。」
深く考えてみてもどうせわからないと銀次は思う。
思うが良心で占ってくれたのだと思い老婆に礼を言った。
「なに、此方が好きで占ったこと。礼を言うには及びませんよ。それより大分足止めをしてしまったようですね。申し訳ない。さぁ、先へお進みなさい。また、機会があれば会うこともありましょう。」
「そうですね。ありがとうございました。」
銀次はもう一度礼を言うと老婆に背を向け、駅の方へと戻って行く。
「真に目覚めるは時空を継ぐ力…。つまらないと思っていたこの児戯も少しは楽しめるか…。」
銀次の背を見ながら老婆は呟き、その手には「愚者」のカードがゆっくりと燃えていた。
銀次は駅まで戻ってくると沿線沿いに再び歩いていく。
(ヒーローとなる《試練》ね…。この先、マジでどうなっちまうのか…。まぁ親父の考えることだしな…。)
軽くため息をつくとここに来た経緯を銀次は思い出していた。
どうもありがとうございます。
ところで、
主人公・竜美銀次について
ですが…
P4の彼とは全く関係ありません!
偶然テキトーに名前付けた結果、何故かほぼだだ被りという私でもよくわからない事態になりました。
名前を付けたときのことを抜粋すると…
(なんか良い名字ないかなぁ…)チラッ
→沖縄の広告
(奄美とか…。直接的だと…文字にてるし竜美にするか…。)
銀次という名前は決まっていたので特に何も考えずにこうなってしまいました…。
投稿してからも2週間ほど気付かず久しぶりにP4やって気が付きました。
まぁ今さら変えるのもアレなんでこのままいきたいと思います。
それではまた、よろしくお願いします