さて、今回のメカ生体は。
セシリアVS鈴の対決をご覧いただこう。
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「レディ・・・GO!!」
試合開始の合図が鳴ると、最初に仕掛けたのはセシリアのコマンドウルフだった。
ウルフは素早く鈴のゴジュラスへ接近すると体当たりを1撃お見舞いする。
「っ!」
突然の奇襲に傾くゴジュラスと鈴だったが直ぐに体勢を立て直す。
「こんのおおおおお!やってくれたわねこの乳牛がああ!」
「ホホホホ。やはり戦闘は速さに限りますわね。あなたのその鈍重なゴジュラスでは、私のウルフの攻撃を避けるのが精一杯ではなくって?」
セシリアの言うとおりだった。いくらこの1週間二人にその道の実力者である刃が直接指導したからといってもやはり初心者同士の対決は、ことゾイドバトルにおいてはスピードの速い方が有利なのは当然のことだった。
ゾイド乗りは通常、大体が最初はウルフかライガーに乗り経験を積みソレを得た上でゴジュラスのような大型恐竜ゾイドに乗るのである。
だが、鈴は「実際強そうだから」という理由で素人には乗りこなせないゴジュラスを選んでしまったのである。これでは機動力で勝るウルフにゴジュラスがボロ負けを食らうだけなのだが、コクピットの鈴はどうやらなにか秘策がある模様。
(っ・・・けど、私が好きになった人の見ている前で恥掻くわけにはいかない!)
そう思っている間に第二波攻撃が迫る。
(そうだ!セシリアのウルフは確かに機動力では勝っているけど、機動力がある兵器の共通の弱点は・・・装甲!)
徐々に苛烈さを増していくウルフの連続攻撃。ソレを受けながらも鈴はゴジュラスを留まらせ続けた。
「あっはははは。どうしましたの凰さん?このまま何も出来ずに終わるおつもりですの?なら、お望みどおり息の根を止めて差し上げますわ!」
そう豪語したセシリアはウルフの速度を上げ、鈴のゴジュラスに一直線に突撃する。
(勝ちましたわ・・・)
その時である!
”ガジィッ!!”
金属の軋む音と共にコマンドウルフを両手で鷲掴みしたのはゴジュラスだった。
「なっ・・・!?」
ピンポイントで捕らえられているためゴジュラスの手から逃れられないウルフとセシリア。徐々にだがゴジュラスの握力も上がっていく。
「な、なぜ・・・」
「私もダメ元でやってみたけど、こんなピンポイントで上手くいくとは思わなかったよ。」
「なぜ、なぜ機動力では遥かに上のウルフがゴジュラスに捕らえられるのですか!」
「そう・・・私が着目したのはその機動力だよ、セシリア・・・」
「どういうことですの!?まるで意味が分かりませんわ!」
「セシリア、兵器ってのはね何かしらの共通点があるの。」
「え?・・・」
「現在の全世界の戦力からISを除いた戦闘兵器は全て似たような進化をしてきた。」
鈴は続ける。
「戦車はより硬く、戦艦はより大きく、そして戦闘機はより速く進化してきた。だけど進化というものは必ずしもいい結果ばかりを残さない。それは、生き物も同じよね。」
「だからなんだというのですか!」
「より進化を進めるという事は、それだけ弱点が肥大化、あるいは増殖していく。戦車はそういう影響をあまり受けないけど、戦艦や戦闘機は違う。戦艦はより遅くより重く、戦闘機はより軽く・・・装甲を薄くしていった。」
「ああもう!早く言ってしまいなさい!」
だんだんとセシリアの苛立ちが増してくるが鈴は尚も続ける。
「そこから私が導き出した答えが・・・ゴジュラスの重量を逆手に取った耐久戦だった。そしてそれはたった今成功した。」
「っ!?」
どうやらセシリアも鈴が言いたいことが分かったようである。
「つまり、ゴジュラスの身体そのものを使ってアンタの攻撃を受け止めその直後に鷲掴みにする。そうすれば、鈍重なゴジュラスでもウルフを捕らえることが出来る。コイツに掴まれた以上、もうアンタは逃げられない。終わりよ!」
ウルフにゴジュラスの巨大な顎が迫る。
だが・・・
”バシュンッ!”ズドンッ!”という轟音と共にゴジュラスの体勢が崩れ前のめりに倒れる。
「えっ・・・?きゃあああああああああああ!!!」
その隙を縫って、セシリアはウルフを脱出させる。
「全くなんなんです・・・っ!?凰さん、刃さん!敵襲です!侵入者です!」
「なんだと!?」
管制室の刃は急いでモニターを映す。
「な、なんなんだ・・・あのISは・・・!?」
そうぼやいた刃の目に映る襲撃者の姿は・・・
正体不明・パイロット不明・全身装甲のISだった・・・・
というわけで次回は対無人機戦です。