さて、今回のメカ生体は。
前回の無人機襲撃から、ご覧いただこう。
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ここは(自称)天才科学者の篠ノ之束のラボ。例の無人機はどうやらここから遠隔操作されている模様。
「ふっふん。馬鹿だなあ君達は。一体誰のお陰でただの女の子がその輝かしい地位に座っていれると思っているのかな?そんな恩知らずの馬鹿女には自分の立場って言うのを分からせてあげないと。ISじゃなくてゾイドなんて野蛮な兵器に乗るなんて、それもいっくんや箒ちゃんにやたら近づくゴミクズの甘言に動かされるなんて・・・ふふ・・・あっははははっは。あ~おっかしいなあ。人の初恋なんて得てして実らないものなのに健気に気を引こうと頑張っちゃって。・・・まあ今から、そんな悪い夢から覚まさせてあげるよ。」
そんな彼女の他人を嘲笑う独り言を聞くものも共に笑うものもいない・・・
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「凰さん!何をしているのですか!早く体勢を立て直しなさい!」
ここにきてゴジュラスの巨体と重量が仇となる。ゴジュラスほどの巨体を持ったゾイドが前のめりに倒れた場合、そこから立ち直るのはかなり難しいことである。
それは鈴も分かっていたのかいつもの勢いで虚勢を張るもその声にはあまり迫力がなかった。
「うっさいわね!わかってるわよ!」
(ぐっ!自分で選んどいてこういうのも勝手だけど、ゴジュラスの機体重量じゃ立ち上がれない・・・このままじゃ・・・)
二人が焦る間にも無人機の攻撃は苛烈さを増していく。
その攻撃の一つが鈴のゴジュラスの頭部に迫る。
(ヤバッ!?やられる!)
そう思った鈴は覚悟を決め、目を瞑る。だが、その攻撃が鈴に届くことはなかった。
(あれ?痛くない?というかそれ以前に衝撃すら来ていない・・・どういうことなの?)
命中の際の衝撃が来ないことに怪訝になりながらも閉じていた目を開ける。
そこには、無人機の攻撃から鈴を守りパイロットのセシリア共々満身相違のコマンドウルフが仁王立ちしていた。
「な!?なんで・・・どうして私なんか庇ったのよ!」
やや怒気を混じらせた鈴の質問に震えながらもセシリアは答える。
「さあ・・・?なん・・・ででしょうね・・・なにか・・・ここでやらなければ私は・・・大切なものを・・・失ってしまうかもしれない。そう・・・思ったとき何故か・・・私もこの子も身体が自然とあなたの方へ動いてしまったの・・・ですわ・・・”ドジュン!!”バゴン!!”」
「ッ!?セシリア!?」
訳を説明している間に特大の砲撃が二発、ウルフに命中する。
もはや限界だったのか、セシリアは気絶しそうになる。だが・・・
(もう私は・・・昔の私ではない!強き母に憧れているだけの私でも天狗だった私でもない!なにが、代表候補生だ!そんな小さな肩書きは今はもう捨てろ!セシリア・オルコット!私はもう何も失いたくないから、守りたいものを守りたいからここへ来たんじゃないのか!こんな感情の無い兵器風情に・・・)
「負・け・て・た・ま・り・ま・す・かああああああああ!!!!!」
そう言って自らを奮い立たせウルフを特攻させるセシリア。
だが・・・そんな決意の一撃も天災の兵器は無情にも払いのける。
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「ふう、そろそろ虫の息だし止めは痛くないようにしてあげるよ。・・・さようなら、馬鹿でビッチなお嬢様・・・アハッ。」
そのときである!
「ん?っ!?ぐっ・・・離せ!離せ!」
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無人機はウルフに噛み付かれて身動きが取れず、それを必死に引き剥がそうとしていた。
「何所の誰だかハァ・・・存じ・・・上げませんがハァ・・・これ以上ハァ・・・好きには・・・させません!」
管制室の刃から通信が入る。
「セシリアもうよせ!お前もコマンドウルフもとっくに限界だ!撤退し「残念ですがそれは聞けませんわよ?刃さん?」っ・・・どうしてだ!」
「だって・・・ここで・・・逃げてしまったら・・・私はまた、”独り”になってしまう・・・目の前に救える命があるのに手を差し伸べないほど・・・私は・・・愚か者ではありませんわ!」
鈴から通信が入る。その声には怯えと涙がが混じっていた。
「もう・・・やめて・・・私なんかのために・・・もうこれ以上・・・傷つかないで・・・」
「鈴さん・・・」
「私はただ・・・刃が今まで守ってくれたから・・・その恩返しがしたかったから・・・今度は私が刃を守ってやりたかったから・・・この学園に来たのに・・・なんで・・・なんでまた皆が私のために傷つかなきゃならないの・・・」
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時は少し遡り一夏と刃が4年生の頃、凰 鈴音は転校してきた。
「ふぁ、凰 鈴音です!きょ、今日からよろしくお願いします!」
だが、異国からやってきた健気で快活な少女は何故か常にイジメの対象だった。
「おらっリンリン!笹食えよ笹!」
「中国生まれなんだから食えるんだろ?え?このパンダ女!」
そういって苛めっ子たちはあるときは笹を食べることを強要し、またあるときは彼女の道具を目の前で燃やしたり、またあるときは・・・
「おいリンリン!裸になれよ。」
「え?」
「だから裸になれっつってんだろ!」
「え?やだよ・・・どうしてそんなことするの・・・?」
「はあ?理由なんてねえし。何言ってんだ?」
「理由もないのに裸になんかなりたくないよ。」
「じゃあ今から理由を作ってやるよ。お前は俺たちの奴隷なんだから言う事聞くのは当然だろ。脱がないなら手伝ってやるよ、オラッ!」
鈴は「やめて!」となんども懇願するが彼らがそれを聞き入れるはずも無くどんどん鈴の服を破き、彼女を犯していった。
そのときである!
「「やめろおおおおおおおお!!!」」
悲鳴を聞きつけた一夏と刃が駆けつけ、苛めっ子たちを撃破した。
事が終わった後、互いに無事を確認する。
「大丈夫か?怪我とかは?」
「へ?ああうん。大丈夫だよ。」
「良かった。ところで、なんで服が破けているの?」
「そ、それは・・・さっきの奴等に無理矢理・・・」
「そうだったのか・・・」
「ひでえ事しやがる・・・」
「とりあえず、助けてくれてありがとう!あたしは凰 鈴音。あなたたちは?」
「俺は、織斑一夏。」
「そんで俺が、烏間刃。」
「刃に一夏か・・・」
「ところで先生には?」
「ううん・・・言ってない・・・」
「わかった。じゃあ今からチクッてやろうぜ。」
「ああそうだな。二度とこんなひでえことできないようにしてやろうぜ。」
「あ、あの・・・」
「ん?どうした?」
「どうして・・・あたしを・・・?」
「どうしてって・・・ねえ。」
「人を助けるのに・・・理由なんているか?」
「へ?そ、それは・・・」
「あいにく、困っている奴、目の前に救える奴がいるのに手を貸さないほど俺たちは薄情じゃない。」
「そのとおりだな。」
鈴は少々口ごもる。
「よし!そんじゃ、俺らの役目は終わったしあとは先生の仕事だな!」
「そうだな。」
「あ、あの!」
「「ん?」」
「助けてくれて・・・本当にありがとう!!」
「「どういたしまして。」」
そして3人は最後は笑顔で別れた・・・
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(あのあとも何度も同じようなことをされた。その度に刃が守ってくれた。戦争が起きてイジメが激しくなったあとも刃は私を守ってくれた。・・・私は・・・今まで刃が守ってくれたから・・・恩返しがしたかったから・・・今度は私が刃を守ってやりたいからこの学園に来たのに・・・結局はまた守られてる・・・私ってそんなに弱いのかな・・・守られてばかりの威勢がいいだけのダメな女なのかな・・・)
「・・・いいん!・・・りいいいいいいいん!大丈夫か!鈴!」
気がつくとセシリアはアリーナの端でウルフ共々ボロボロになりながらへたり込んでおり、それに変わって今度は刃が凱竜輝で無人機から鈴を守っていた。
「刃?刃!?アイツは!?セシリアは大丈夫なの!?」
「ああ、なんとか間に合ってな・・・応援も要請したがいつまでもつかも分からん。鈴、なんとか立てるか?」
「私は大丈夫・・・大丈夫だから・・・其処どいて?」
「何言ってんだ!このままじゃ俺たちは全員奴に殺される「いいの・・・」鈴!?」
「私だって最後くらい刃を守って死にたいもの・・・私が時間を稼ぐから、荷電粒子砲で一気に蹴りをつけて!」
「馬鹿野郎!ゴジュラスの速度で奴を止められるか!そんなことすればお前は!」
「いいから行って!少しでも奴の気を引ければそれでいいんだから!行って!刃!」
「・・・わかった・・・だが、必ず生きて帰れ・・・!必ずだ・・・!」
それだけ言い残して刃は一旦離れる。一方の鈴はゴジュラスを立て直し、無人機に向き直る。
「ゴジュラス・・・無理させてごめんね?だけど直ぐに終わるから・・・!」
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「束さんに従わない奴は・・・皆皆死んでね。キャハッ。」
そう言って束は荷電粒子砲の発射スイッチに指を置く。
「じゃあね~。お馬鹿な恐竜さん・・・」
そう言ってスイッチを押した。
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”フッビュウウウウウウウウウウウウウウンンンン!!!!!”
無人機から高出力の荷電粒子砲が発射され一直線にゴジュラスに向かう。
「クソッ!間に合わない!鈴!逃げろおおおおおおおおお!」
粒子砲は避ける素振りすら見せなかったゴジュラスに命中した・・・
「そんな・・・嘘だろ・・・鈴、返事してくれよ・・・うっうあ・・・鈴・・・りいいいいいいいいいいいいいん!!!!」
刃の悲痛な叫びが木霊する。
だが、その絶望は直ぐに希望に変わる。
なぜなら・・・
{エヴォルト完了。ゴジュラスギガ、起動します。}
砂塵から機械音声が聞こえ、砂煙が晴れる。
そこにいたのは・・・
「さあ、反撃開始よ!刃!」
いつもの快活な声を上げる鈴と、ゴジュラスが進化し新たに誕生したゾイド・{ゴジュラスギガ}だった・・・
次回は無人機フルボッコ予定。