さて、今回のメカ生体は。
前回と同時刻に別の場所で起きていたハプニングについてご覧いただこう。
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ラウラの全裸騒動と同じ頃、御手洗数馬はかなり困惑していた。
原因は目の前のベッドに座っている一人の女性だった。
しかも、その顔は自分の知っている人物であるから余計にだ。
数馬はその女性に声をかける。
「な、なあ。」
「……なに…?」
「一応聞いとくけど、なんで男装なんてしていたんだ?」
「へ?そ、それは…」
現在尋問を受けている者の名は{シャルル・デュノア}。フランス代表候補生である。
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時は少し遡ること1時間前。夕食を終えた数馬は自分の部屋へ帰路についている最中だった。
幼馴染たちと一緒に食事をとっていたが、彼だけ量が少なかったため一足先に食べ終えてきたのである。
「はぁ…やっぱ改めてみると此処も国立なんだよな…部屋も設備も飯も豪華だし。最近は国立ってこういうのばっかなのか?」
などとぼやいていると部屋の前に着きドアノブに手をかけた。中から微かにだがシャワーを使っている音が聞こえる。
「なんだなんだ?誰かシャワーでも使ってんのか?そういや今日転校生三人のために部屋変えしたって聞いたが……女子じゃねえよな?二人くらい男だったし。」
そう呟きながらドアノブを引き中に入る。
すると、どうやらバスルームの方も事を済ませたようである。
「あれ?誰かいるのかな?僕は…」
そう言って出てきたのは…
「へ?ああ、よろし…?……っ!?」
「あれ?君って確か…っ!?」
男なのに華奢でほっそりとした腕と男性では絶対有り得ない肢体をした少女、シャルル・デュノアだった…
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と、いうような経緯があり、それ以降かれこれ一時間こうしてお互い眼を合わせ辛い空気が続いていたのだが、その空気を破るように数馬が質問をする。
「あ、あのさ…」
「へ!?な、なに?僕の顔に変なもの付いてる!?」
「あ…いや、そういうのじゃ無くてさ…どうして男装していたんだってことだけど…」
一瞬取り乱すが、男装の件で一気に顔が暗くなるシャルル。
(ん?デュノアの奴なんで男装のことになった途端にさっきより暗くなるんだ?顔色も悪いし。)
こりゃただ事じゃないと感じたのかさらに質問を続ける。
「いや、別に嫌なら答えなくていいんだけどさ…性癖とかそういうのじゃなくてもっと重要なことだったのか?」
「うん…」
「そっか…無理に答えなくても「いいよ…どうせバレてもおかしくないことだったし…」デュノア?」
「ちょっと僕の昔話でもしようか…」
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今から16年ほど前、シャルル…いや、シャルロット・デュノアは兵器工廠デュノア社の社長の愛人の娘として生を受けた。
愛人の娘であることになんの負い目も感じずに生きてきたシャルロットだったが、その平穏は母の死で一変する。
父である社長の下に半ば強制的に迎え入れられたが社長婦人からは何度も罵倒され、時代錯誤でしかない奴隷のような扱いを受けていた。
「アンタは私から夫を奪った屑の血を引くゴミ。ゴミをゴミらしくボロボロになるまで扱ってなにが悪いの?アンタは死んで逃げたくせに碌な償い一つしてこなかったあの屑の分まで贖罪の人生を歩み続けなさい。」
屑から生まれたゴミ。それが社長婦人のシャルロットに対する口癖だった。
そんな人間以下な悲惨な毎日は婦人が事故死するまで続いた。
婦人が事故死したとき、シャルロットの中には安堵のみが残っていた。これで漸くこの地獄から抜け出せる。そんなときだった、ISが幅を利かせていたのは。
IS登場以降もデュノア社は着々とその価値を増していったが、開発が第3世代型に移行し始め徐々に陰りが見え始めた頃だった。
世界に”世界初のIS男性操縦者出現”の報が駆け巡ったのは…
デュノア社が盛り返すにはコイツを利用するしかない。そう考えた社長はシャルロットを呼び出し、彼女の社会地位を盾にこう命じた。
{二人目の男性操縦者として潜入し、織斑一夏からデータを奪取しろ}
社長以外の身寄りの居ないシャルロットには肯定以外の選択肢は無かった。
こうして、二人目の男性操縦者{シャルル・デュノア}が誕生したのである…
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「ごめんね?こんな下らない話で時間食っちゃって…」
「ああ、本当に下らないな…」
「だよね…御手洗にはどうでもいい「本当にどうしようもないな。お前の周りの大人は…」御手洗…?」
「屑の血を引いたゴミだぁ?随分命を舐めたこと言ってくれるじゃねえかよ…!親が居なけりゃ確かにガキは生まれてこねぇ。だがよ…だからってそいつの命や人生を親が好き勝手決めていいモンじゃねえんだよ!そんな奴は親ですらねえんだよ!ふざけんな!」
「あ、あの…御手洗?」
「ああ?」
「も、もうあの人はこの世にいないんだし…御手洗がそれで怒鳴るのは…」
シャルロットが数馬を嗜める。ハッと我に返った数馬は直ぐに謝罪する。
「あ、ああ悪い。怖がらせちまったか?」
「ううん…大丈夫だよ…」
「…そういやさ。」
「何?」
「お前…これからどうする?」
「…やっぱり強制送還かな…言われたこともやる前から頓挫したんだし…」
「………だったらよデュノア。」
「うん?なに?」
「この国に、永住しろ。いや、亡命って言ったほうがいいか…」
「え…?」
一瞬なにがなんなのか分からなくなるシャルロット。
「この国に亡命すりゃ、少なくともフランス政府やデュノアの連中も迂闊に手出しは出来なくなる。そうすりゃ晴れてお前は自由だ。」
「でも亡命なんて…お母さんのこともあるし…」
故郷にある母の墓のことなどから渋るシャルロットだったが…
「…だったらどうする?また地獄のような毎日に戻りたいのか?此処を出て行ったらもう日本政府の庇護下には置かれなくなる。もうお前を守ってくれるものも居ない。それでもか?」
「…」
「………いいかデュノア。」
「え?」
「家族ってのはな、血筋とかじゃないんだよ。」
「どういうこと?」
「まあ簡単に言うと家族かどうかは…そこに本当の{愛}があるかどうかなんだよ…難癖つけて個人の意思を尊重せず縛り付け虐待する。俺は少なくともそんなのは{家族}とは思えない。そんなの家族の振りした唯の他人だ。」
「…」
「ただよ…年に一回の命日になったら御袋さんとこ言ってやれ。それがお前に出来ることのひとつだ。」
「…」
「まあこんだけ言っても、結局決めるのはお前の自由だ。向こうに帰ろうがここに残ろうが好きにしろ。」
「御手洗は…その…家族に何か問題でも?」
「いや…俺じゃないんだが俺の友達がな…物心付く前に親に捨てられたんだよ。だが、アイツは親が居なくても十分確りしてる。だけどそこに到るまでには周りの沢山の愛に囲まれて生きてきたから、支えてくれる人が周りに居たからそこまでいけたのかもしれない。だったらさお前にも、今からでもやれるんじゃないのか?シャルル・デュノアとしてじゃなくてシャルロットデュノアとして。」
「…分かったよ。」
「は?」
「そこまで言うんだったら僕も僕なりに頑張ってみるよ。」
「そっか…ならそうしろ。これからお前は誰かのためじゃなく、自分のために生きていけ。シャルロット・デュノア。」
「学園では暫くシャルって呼んでね?」
「ああ、いいぜ?なら俺も御手洗じゃなくて数馬って呼んでもらう。」
「それからさ…」
「ん?」
「あれだけ偉そうなこと言ったんだから数馬も…て、手伝ってよ?」
若干頬を染めるシャルロット。
「…いいぜ。じゃあ付き合ってやるよ。お前がちゃんとシャルロット・デュノアとして立派にになるまでな。」
「うん…よろしくね?数馬?」
「よろしくな。シャルロット。」
これが数馬の部屋で起こった一部始終である…
自分のスケジュールやらで忙しかったけど言わせて貰います。
投降サボってすいませんでしたあああああ!