夕日が紅く火星の大地を照らす。
トウモロコシの穂が揺れる大地と、遠くに望むクリュセ市を見下ろす小高い岩山の上。そこに真新しい慰霊碑が建てられていた。
「良い景色だろう? こんなところが火星にあるなんざ、俺達も知らなかったよ」
碑の前に跪き、銀髪の少年が語りかける。碑に刻まれているのは、これまでの戦いで命を落とした仲間の――家族達の名前。その上に、紅き鉄の華を模したエンブレムが誇らしげに記されている。
「いつか俺達が、土産話を山ほどこさえてそっちに行くまで、ここで見守っていてくれ。俺達の、火星の……世界の行く末を」
碑の前に供えられた花束が、風に優しく揺れていた。
鉄華団。2年前に起きたアーヴラウ事変にて脚光を浴びることとなった民兵組織である。
現在火星にて【アイゼン・ブルーメ商会】を設立し、ハーフメタル事業の多くを取り仕切る才女、クーデリア・藍那・バーンスタイン氏を地球に送り届けるという、当時の常識から考えれば無謀に過ぎる任務を彼らは見事成し遂げ、さらにはアーヴラウ代表蒔苗 東護ノ介氏に協力し、アーヴラウに政治的な介入を試みたギャラルホルン総司令イズナリオ・ファリドの野望を打ち砕いた。
その後、彼らの発展はめざましいものがある。アーヴラウで設立される防衛組織の軍事オブサーバーを務めるために地球支部を開設。さらにアイゼン・ブルーメ商会と提携を結び、ハーフメタル採掘関連事業やインフラ整備事業などへの人材派遣。近隣農場との業務提携や孤児院、学校の設立への協力。デブリのサルベージ事業など様々な分野に手を伸ばしつつあった。その規模拡大を受け、後ろ盾である複合企業テイワズは彼らを正式に傘下企業として編入。関係の強化を図る。
順風満帆と言える彼ら。だがその影響は決して良い結果だけを生むものではない。彼らの活躍により少年兵の存在価値は高まり、またヒューマンデブリ、阿頼耶識システムの利用価値もあまねく広まることとなった。それは各勢力の戦力増加と安易な闘争を招くこととなり、ギャラルホルンの権威失墜もあって各地の情勢は不安定なものと成りつつある。また、有効な戦力としてMSの存在価値も高まり、各勢力はこぞってそれを求め、水面下での開発競争も激しさを増してきているようだ。
台風の目。この情勢の行く末、その鍵を握るのが彼らだと確信した私は、火星に飛んだ。
「【アヤ・アナンダ・アレン】。フリージャーナリスト、ね」
今時珍しい名刺を受け取ったオルガは、眉を顰めて目の前に座る女性を見る。
つややかな黒髪を肩口までのボブカットにした、美人と言うよりは可愛らしい容貌を持つ女性。洗いざらしのシャツにカーゴベストを纏い、キュロットを履いた活動的な格好。そして挑みかかるような笑みで向ける好奇心を隠そうともしない瞳は、確かに記者と言われればそう見えるが。
「ドルトネットワークと労働者組合からの紹介と聞いてるが……なんでまたわざわざ火星にまで? ここにゃさほど目新しいものもないと思うんだが」
自分たちのことを取材させて欲しい。目の前の女はそう申し出ていた。もちろん自分たちがそれなりに注目されているという自覚がオルガにもある。だがそれは所謂『出る杭』というやつで、いまはまだ時折生じる跳ねっ返りの部類でしかないと、彼はそう判断していた。立身出世を目指す餓鬼など巷に溢れているのだ。わざわざ火星くんだりまできて取材するほどの価値が自分たちにあるのかと、その目はどこまでも訝しげであった。
対する女性――アヤは、にこやかながらもどこまでも挑戦的な色を瞳に乗せて、オルガと相対する。
「GHに喧嘩を売って、そして勝った。その事実だけで十分度肝を抜く成果だと思いますよ? それはいままで誰も出来なかった事なのですから」
「だれもやらなかった、の間違いだろ。無事に終わったのは、結局向こうのポカが原因だったってだけさ。俺らはそれに便乗したに過ぎねえ」
「そう簡単に出し抜ける組織であれば、とうの昔に誰かがやっていたでしょう。謙遜も過ぎると嫌味に聞こえますけど」
そんなつもりはねえんだがなあと、頭を掻く少年――いや、もう青年と言っていいだろう男の姿を見て、アヤは微笑ましくも感じる。
痩躯に臙脂色のスーツを纏ったこの青年は、言ってはなんだが見た目ヤクザの下っ端かチンピラのようにしか思えない。だがこの青年は、孤児達を率いて民兵組織を乗っ取り、困難というのも生ぬるい任務をやり遂げた。確かに運と多くの手助けがあったればのことだろう。されどそれを成し遂げようと決めたのはこの青年だ。そしてそのことが、今の世界に幾ばくかの影響を与えていることは確かである。
しかしこの青年はそれに驕るどころか、大したことはしていないと本気で思っているようだ。自己評価が低いようには見えないのだが、務めて謙虚に考えるよう心がけてでもいるのだろうか。
面白い。ドルトで報道ネットワークのデレクターをしている先輩から「まるで鴉みたいだな」と評された好奇心がむくむくと膨れあがっているのが分かる。それに従うまま彼女は言葉を紡ぐ。
「火星に帰還してからも、様々な事業を展開し規模を拡大していると聞きました。傭兵としてだけではなく企業家としても注目されているのですよ貴方は」
「やれることを『探している』だけさ。まだまだ手探りの状態だよ。いつまでもどんぱちばかりやってちゃ、落ち着いて暮らせねえしな」
できれば民兵組織から脱却したい。オルガはそう考えている。元々武力で成り上がったのだから即座にそれが出来るはずもないが、ゆくゆくは戦いから離れるべきだと思っていた。様々な事業に手を出しているのは、戦わなくとも飯を食えるだけの技術と実績を積み上げたいがためであった。
しかし、それが上手くいっているとは言い難い。
「……それにどうしても持ち込まれる仕事は傭兵としてのものが多い。それにこの2年で新たに人を雇い入れたが、来るのはほとんどが戦闘要員や整備を希望してる連中ばっかりだ。他の事業にゃなかなか人手が回せねえ。軌道に乗ってるたあ言えねえよ」
民兵組織としては名が上がり、順風満帆であろう。しかしオルガとしては満足のいかない展開である。
焦っても仕方のないことだとは分かっているが、腰を据えてどっしりと構えるには、彼はまだ若すぎた。
「……まあともかく、こんな状況でよけりゃあ取材してくれて構わないが……」
「もちろん。ありのままを見せて頂ければ、それで十分ですので」
「つってもヤクザな商売だ。見せられねえところも記事にして欲しくねえところもある。その辺は考慮してくれるんだろうな?」
「その辺は魚心あれば何とやらという奴で。当然記事を上げる前には、団長さんに目を通して貰います。それでよろしいでしょうか」
「そこまで言うんなら、こっちとしても嫌とは言えねえな。まあ俺はともかく、団員は格好良く書いてくれや」
「ええ、それはもう見たまま感じたままに。ではよろしくお願いします」
差し出されるアヤの右手をオルガはがっちりと握る。ごつりとした、力強い手。戦う漢(おとこ)の手であった。アヤはにっこりと微笑んだまま、舌なめずりせんばかりの心持ちである。
(うん、数年もすればいい男になるでしょうね。……特等席で『魅せて』貰いますよ、オルガ・イツカ)
こうして、鉄華団を見守る一羽の鴉が降り立った。
彼女が紡ぐのは立身出世の物語か、それとも。
この2年間で、鉄華団もその規模を徐々に大きくしていったのは前述の通り。そして新たに入団したものたちの多くが戦いで身を立てようと志しているのもまた同様。
団の方針としてはもう少し別の方面に秀でた人材(特に机仕事が出来る人)が望ましかったのだが、だからといって折角入団してきたものたちを放り出すような真似はできない。それに実際傭兵家業は人手不足なほど盛況で、そう言った人材が必要なのも確かであった。
ともかく新規の団員達が『使える』ようになり、欲を言えば戦う以外の仕事も覚えて貰いたい。そういう思惑の元、新人達は基礎から鍛え上げられていた。
鉄華団本部周辺の岩山。そこでは教官役のシノに率いられた新人達が、ランニングを行っている。
「よーしここでストップ! 10分休憩すんぞー!」
汗だくだが大して息を乱していないシノが振り返って声をかける。その後を付いてきていた新人達は、這々の体でへたり込んだり肩で息をしたりしていた。
「し、しんど……」
「思ったよりきつくないこれ……?」
「あんだけ上り下りあって、なんでシノさん平気なんだよ……」
よほど辛い行程だったのか、小声で話す様子もへたれている。まだまだ鍛え方が足りんなあと、シノは苦笑を浮かべていた。
と、そこに。
「よう、調子はどうよ」
そう声をかけながら、ユージンが現れた。新人達は「ふ、副団長!?」と驚き慌てふためきながら姿勢を正そうとする。そんな彼らに「ああ、いいから休んどけ」と言って、ユージンはシノに語りかける。
「ちいと根を詰めすぎじゃねえ? 鍛えるに越したことはねえけどよ」
「なに、俺が嫌われ役になるくらいで丁度良いのさ。それに……」
そこでシノが、なんか沈痛な表情になる。
「この程度でへばってるようじゃ、ランディさんの『アレ』にゃ耐えられねえだろうし」
「まあ、それもそうだよな……」
ユージンもなんか深刻な表情になってしまった。え、なにどういうことと、新人達の間に不安が生じる。
微妙にどんよりとした空気が流れる中、ごうんと重い衝撃音が響く。何事かと顔を見合わせる新人達であったが、その疑問はすぐに払拭された。
「おっと、あっちはあっちで張り切ってんな」
「本格的なお披露目前の最終調整ってヤツだかんな。……おうお前ら、あっち見てみろ。面白いモンが見られるぞ」
シノが指し示す先。火星の荒野にて、鋼の巨体が二つ、激しく鎬を削っていた。
「軽い分マン・ロディよりふらつくなァ! 立て直しは楽だけど!」
「反応はいいっすよ! その代わり足止めての打撃戦になると踏ん張り効かねっすね!」
轟音が響く中で通信を交わしているのはダンテとライド。彼らが駆っているMSはテイワズが最新鋭のフレームである【イオフレーム】を用いた機体、【獅電(しでん)】である。GH以外で唯一新規に開発されたこのフレームは、鉄華団が鹵獲したグレイズと、ガンダムフレームをベースに設計されている。その特徴は徹底的な簡略化による整備性と拡張性、そして扱いやすさである。
基本性能はグレイズに一歩及ばないという程度だが、チューニングとカスタマイズによってその能力を向上させることも容易であり、各部の簡略化によって整備がしやすく同時に強度も高くなっている。そして阿頼耶識システムの搭載にも対応しており、運用次第でグレイズ以上の能力を発揮することも期待されていた。何よりもこの機体、グレイズよりも何割かは安価だ。グレイズの廉価版である【フレック・グレイズ】とほぼ同レベルで、なおかつかの機体よりも扱いやすいというのが最大の売りだった。
テイワズはこの機体をアーヴラウの鉄華団支部に宣伝させ、売り込むことにしている。現在アーヴラウはフレック・グレイズと改装型マン・ロディ――【ランドマン・ロディ】を仮の主力として採用しているが、それは現在の所間に合わせと言っていい。正式に主力機として採用するには安定した、なおかつ『GHに頼らない』供給元が必要とされた。GH以外でMSの生産能力を持つテイワズは、アーヴラウにとって理想の取引相手と言える。
双方の思惑が合致し、獅電には大きな期待が寄せられていた。鉄華団としても今回の仕事はかなり力を入れている。直接戦闘に関わらない内容であるという事もあり、この仕事を足がかりに商売の窓口を広げられるのではないかという考えがあった。
そう言ったオルガの思惑を、シノやユージンはよく理解している。自然とその視線にも期待が籠もっていた。
「すげえ、良く動くなあ……あれが阿頼耶識か……」
新人の誰かが呆然と声を発した。確かに作業用のMS等の動きを見慣れていれば、獅電の動きは派手に映るだろう。シノはくく、と小さく笑う。
「いやいや、あれはコマーシャルモデルってやつだからな。阿頼耶識は積んでねえ」
『え?』
シノの言葉に新人達は目を見張る。それに構わず彼は続けた。
「鍛えりゃ阿頼耶識なしでもあれくらいは出来るようになるってこった。パイロット張りてえってんなら、お前らも精進しろよ?」
その言葉に顔を見合わせる新人達。ざわめく彼らの中、誰かがぽつりと言った。
「じゃあ、阿頼耶識を付けたらあれ以上のことができるようになるって事――」
「そいつはあまりお奨めしねえなあ」
新人の言葉を遮るようにユージンが言う。彼は獅電が打ち合う光景から目を逸らさぬまま、至極真面目な様子で続けた。
「昔に比べりゃマシになっったとはいえ、阿頼耶識の手術にゃあ依然危険が伴う。付けないに越したことはねえよ」
「で、でも『医者のじいさん』は8割は成功するって……」
「5人に1人は失敗するってこった。良くて半身不随、悪きゃ死ぬ分の悪い賭けだ。そう言うのを目の当たりにしてきた俺らからすりゃ、とてもじゃないが付けろとは言えねえ。そも付けなくても済むように作られてんのが獅電だ。端末(ピアス)なしでも阿頼耶識付きを上回ってみせるくらいの気合いを見せてみな」
ユージンの言葉に、新人の一人――灰色の髪の少年がぴくりと反応したが、誰にも気付かれることはない。
「……まあウチで一番強いのも阿頼耶識なしなんだが、あれは参考にならないから例外な」
「うん絶対真似すんなよ。真似できるモンじゃないけど」
なんだか再びどよーんとした空気を纏って話を締めるユージンとシノ。
この先一体何が待ってるの。希望や野心を胸に鉄華団の門を叩いた新人達の前に、早くも暗雲が広がりつつあるかも知れなかった。
「……ったく、なんで俺が伝令とか……」
ぶつぶつ言いながら灰色の髪の新人――【ハッシュ・ミディ】は鉄華団本部の中庭に向かっていた。トレーニングが終わった後、ユージンから裏庭にいる人物の呼び出しを頼まれたのだ。
彼は『ある目的』の元、鉄華団に入った。その目的を果たすためには早く手柄を立てて成り上がらなければという思いを持っている。故に基礎訓練と雑用ばかりの現状に、不満を抱いていた。
当然のことだが入団したばかりの新人に早々活躍の機会があるはずもない。彼もそれは分かっているはずだが、どうにも苛立ちのような感情は抑えきることが出来ないようだ。
ともかくぶつくさ言いながらも彼は目的地である中庭へと出る。そこに広がるのは畑。様々な作物が、枯れたりしなびたりなんか変なな成長の仕方をしたり様々な様相を見せていた。統一性ってモンがねえなあとか思いながら、ハッシュは声を上げて呼ばわる。
「三日月班長、三日月班長はいますかー?」
その声に応えて畑の間だからひょこひょこ顔を出すのは目的の人物ではない。かつて年少組と呼ばれた、ハッシュよりも先任の団員達だ。
「んー? なんだよ新入り、三日月さんに用か?」
「あ……はい、副団長が呼んでこいって」
年下相手に敬語を使わなければならないということに、妙な感覚を覚えながらハッシュは応えた。団員達は顔を見合わせて言葉を交わす。
「あ、そういやバルバトスの改修がそろそろ終わるって言ってたな。それじゃね?」
「今回長かったもんなー。フレームにも手を加えてるんだっけ?」
「いよいよ三日月さんの本領発揮ってとこか」
「あ、あの~、それで、三日月班長は?」
話に割って入っておずおずと尋ねるハッシュに対し、団員達は揃って――
『そこで寝てる』
と一カ所を指さした。『ハッシュの傍らを』。
「うをっ!?」
中庭に通じる通用口。ハッシュが立つその横の地面。そこに無造作に寝っ転がっているもの。鉄華団のジャケットを羽織った小柄な少年――三日月・オーガスその人であった。
まさかそんなところにいるとは思わなかったハッシュは心底ビビる。と、騒ぎに気付いたのか、三日月はぱちりと目を開いてむくりと起きあがった。
「……ん、なに?」
「ああ起きたっすか三日月さん。そこの新人が呼びに来たんすよ」
「あ、ええっと、副団長が呼んでますんで……」
「ん、分かった。ロビーだろ?」
「は、はい」
立ち上がってぱたぱたと体に付いた汚れを払い、欠伸をしながら三日月は中庭を後にする。その背中を見ながら、ハッシュは眉を顰めた。
(本当にこんなのが、鉄華団で一目も二目も置かれてる人間なのか……?)
鉄華団遊撃隊長兼農業班班長。そんな肩書きを持つ彼だが、ハッシュは入団してからこっち、畑をいじっているか寝てるかしてる姿しか見たことがない。それだけ見ていれば遊撃隊長とかいう肩書きは名ばかりなのかと勘ぐりたくもなるが、話を聞くところによれば地球へ向かったおりには、鬼神のごとき戦いぶりを見せたという。
どうにもぼんやりとしているこの男がそれほどのことを成し遂げられたのか。ハッシュには納得いかない様子である。それを見越したのか団員の一人が彼に言葉をかけた。
「疑わしいって顔だな?」
「あ、いえ、それは……」
「ま、しょうがねーわ。新人はまだ三日月さんの本気見たことないもんな」
「本気……ですか?」
「おう、あの人はすごいぞ? ま、戦闘班でやってくってんなら、そのうち見られるさ」
「はあ……」
どうにもぴんとこない。そう言いたげなハッシュの様子に、団員達は苦笑を浮かべ肩をすくめた。その内嫌でも見せつけられることになるさと。
その機会は、存外に早く訪れることになった
「そんなわけで、こっちはまあ順調だ。相変わらず戦闘班と整備班しか人こねえがな」
「机仕事の人手が足らないのはどこでも一緒だね。うちでもラディーチェさんがひいひい言ってるよ」
「すまねえ。事務を何人か回せれば良かったんだが」
「贅沢言っても仕方がないよ。団員で任せられる人間だって限られてる。幸いこっちは慌てて規模を大きくする必要はないんだ。焦らずやるよ」
鉄華団の事務室で、オルガは定期通信を行うため回線を開いていた。相手は地球支部のビスケットと、そして。
「そんで、ランディ『教官』の方は?」
「おう、航海訓練共に良好。明日にはデブリベルトでサルベージの講習兼作業に入る。順調にいきゃあ来週には歳星に着けるな」
もう一方の回線には、火星と地球を往復しながら団員達に訓練を施したり各種技能を教え込んだりしているランディからのものだ。正式に鉄華団と契約を結んだ彼は、主にそうやって教官として働いて貰っている。かなりハードな教練を課しているが、年少組などが「ししょー」と呼んで慕っているところから、それなりに人望は厚いと思われる。
「そうか。教官が帰ってきたら、いよいよ獅電を地球に送ることになる。そん時に追加の人員も何人か回せるはずだ。ランディ教官はほとんど折り返しって事になっちまうが」
「構わんよ。どのみち獅電の宇宙用データも蓄積せにゃならんし、新人もまだ暫くはこっちで面倒見られるレベルにゃならんだろう。その代わりデータ取りのために隊長格を一人預かりたいんだが」
「あ、だったらシノあたりをお願いできるかな。こっちの方でデモンストレーションやらせたいんだ」
「ああ、あいつなら愛想もいいし、隊長格の中じゃあ一番バランスが良いか。分かった、そう言う方向で話を纏めておく。何事もなけりゃあ、来月中には地球に届けられるはずだ」
「了解。『半年くらいは』覚悟しておくよ」
「はは、こう言うときになんか起こるのはお約束だしな」
冗談めかして言葉を交わすが、実際現状ではシャレになっていない。各所で治安は悪化し、宇宙海賊や犯罪組織などの活動も活発になってきている。そして名を上げるため鉄華団に挑もうとしてくる連中も後を絶たない。いつどんな妨害が入ってもおかしくない状況であった。
今のところは全ての障害をはね除け順調にいっているが、この先もそうであるとは限らない。常に何かが起こる、それを前提にしろとランディの教練を受けた鉄華団の幹部は揃って肝に銘じている。
そしてそれは、当然のことのように的中した。
「ですから今こそ! 貴女には起って頂きたいのです! 火星の独立、その火を絶やさぬためにも!」
ソファーから身を乗り出し熱弁する眼鏡の男に対し、クーデリアはにこやかに笑いながら内心辟易していた。
この男、火星独立運動組織の一つ【テラ・リベリオス】の代表を務める【アリウム・ギョウジャン】という人物だ。かつて独立運動の大々的な会合、ノキアスの七月会議以前からクーデリアとも顔見知りである。
2年前のハーフメタル関連の利権獲得に伴い、独立運動の多くが沈静化したり方針を転換したりしている。声を上げ気運を高めるより、この機に乗じて資金や人材を蓄え力を付け独立のために備える。そう言った方向に皆シフトしていったのだ。だがテラ・リベリオスを含む少数の独立勢力は、依然『独立運動を行うこと』に拘り、組織の低迷を招いていた。
運動によって独立を促すのではなく、運動そのものが目的として入れ替わってしまったという事態。そもそもこういった社会運動自体は生産性のないものである。ただ闇雲に続ければ資金難になるのは目に見えていた。それでも運動を『やめられない』彼らはなんとしてでも起死回生を計らねばならない。
ゆえに交渉成功の立役者であり運動の中心人物でもあったクーデリアに助力を願ったのだが。
「残念なことに、今の私は運動家としては動けません。商会の仕事も軌道に乗りこそしましたがまだまだ予断を許さない状況ですし、今ここで下手を打てば向上し始めている火星の経済にも打撃を与えるでしょう。まずは市民の生活を安定させること。改めて運動を行うのはそれからになると思います」
「しかしそれではモチベーションを維持することが……」
「私を含めネットなどを通じ草の根運動を続けているものは多くおります。7月会議のように大仰なイベントはなくとも、火星独立の気運はまだまだ下火になっていないかと」
暖簾に腕押しである。事実クーデリアは派手に独立運動で働きかけるよりも、今のように経済を回していく立場になってからの方が手応えを感じている。形が変わったにせよ独立の気運は絶えていないのだ。むしろ静かに燃え盛っていると言って良いだろう。いずれまた動き出さなければならないだろうが、今はその時ではない。
暫くアリウムは食い下がるが、クーデリアは頑として首を縦に振らない。やがて。
「……ではどうあっても、ご協力は頂けないと言うことですか」
「ええ、申し訳ありませんが」
これまでと違い押し殺したかのようなアリウムの声。その目の奥に見える危険な色に気付かなかったふりをして、クーデリアは毛ほども態度を変えずに応えた。
「分かりました、今日の所はこれまでとしましょう。……『気が変わったら』いつでも声をかけて下さい。お持ちしております」
そう言い残してアリウムは席を辞した。緊張が解かれ、クーデリアはやれやれと息を吐く。
「お疲れ様でした社長。……向こうさんはやはり資金繰りが苦しいようですね」
応接室のドアを開けてクーデリアを労うのは恰幅の良い中年女性――【ククビータ・ウーグ】。商会の事務を務める人物である。彼女に次いで、クーデリアの傍らに黙って控えていた女性が口を開いた。
「お嬢様、彼は裏社会の人間とも繋がりが多いようです。あの様子からすると何やらイリーガルな動きに出る可能性もあるのでは」
現在はクーデリアの個人秘書を務めるフミタンである。彼女はノブリスと裏の繋がりを維持したまま、それを利用して影に日向にクーデリアの助けとなっていた。
フミタンの言うとおり、アリウムは何かを企んでいる節がある。追いつめられた今、大胆な手段に訴えることは容易に予想できた。さほど考えるまでもなく、クーデリアは決断する。
「鉄華団に連絡を。対策を取ります」
「……それでこっちの方まで出向いて罠を張る、と。……あんたもなかなか図太くなってきたな、お嬢」
数日後、ハーフメタル採掘場についての会合という名目で、クーデリアは鉄華団本部を訪れていた。勿論その情報をわざとフミタン経由で流出させた上で。
勿論事前にオルガには話を通してある。クーデリアとほぼ一蓮托生である鉄華団の団長は、苦笑しながらも彼女を受け入れた。
「現在火星で一番安全なのはここでしょう。成し遂げた実績、そしてテイワズという後ろ盾。これで手を出そうとするのはよほど無謀な相手と言わざるを得ません」
「火星の中に関して言えば、だが」
実際仕事の最中にちょっかいをかけてきたものはあれど、直接この本部にカチ込みをかけてきたものは未だ皆無である。火星内であればそんな馬鹿をやらかすものはいないだろうが。
「アリウム・ギョウジャンの伝手は火星の外にも伸びているようです。それに頼る可能性は大きいでしょう。テイワズの威光を知るものであれば手出しは控えると思いますが……」
「万が一は十分にあり得るな」
フミタンの言葉にオルガは頷く。どこにでも例外というものは存在するものだ。よしんばこの本部にちょっかいをかけなくとも、クーデリアが戻れば何かしらの手出しを行う可能性もある。暫くは彼女の周りに護衛の人間を派遣することで話は付いていた。
「ま、今期の新人を迎えたばかりでばたばたしてるが、大船に乗った気で任せてくれればいい。うちとしても新人に経験を積ませる機会だと考えることにするさ」
「ありがとうございます。……ところで三日月はいつこちらに戻るのでしょうか」
頭を下げてから即座に周囲を見回しつつ尋ねるクーデリア。オルガは肩をすくめながら応えた。
「バルバトスを受け取ったらすぐにでも戻って来るさ。遅くとも3日かかるってこたあないだろう」
そうですかと微笑むクーデリア。三日月への好意を隠そうともしない素直な態度である。
一方フミタンは、さりげなく視線を周囲に巡らし警戒しているようだ。
「ん? どうかしたかいフミタンさん」
「いえ……『不埒な人物』がいないかどうか、気にする習慣のようなものです」
その言葉に、オルガはちょっとからかうような調子で言った。
「ランディさんなら、あと3ヶ月は帰ってこねえぜ?」
その途端、どぎゅんと凄い勢いでフミタンはオルガに迫った。
「オルガ団長、私はあのフリーダム腐れ外道もとい傍若無人一人人外魔境な男のことなど一切合切毛ほども気にしていません。良いですね?」
「OK分かったちょっと落ち着け」
真顔で凄むフミタンの様子に、さしもののオルガもたじろぐ。その様子を見てクーデリアはくすりと笑った。
相性が悪いのかなんなのか、フミタンは顔を合わせるごとにランディと絡む。生真面目な彼女はランディからすればからかいがいがあるのだろうが、さしものの彼も敵だと認識してないからか全力でおちょくるような真似はしない。しかしながらやりこめられる形になるのが常である。
彼女は気付いているのだろうか、『そのやりとりが周囲の猜疑心を薄めている』ことに。そして『ランディが関わるときにだけ、目に見えて感情を露わにしている』ことに。
そんなオルガたちの様子を、離れた位置でアヤは窺っていた。
「あれがクーデリア・藍那・バーンスタイン。……彼女も時代の中心人物でしょうね」
革命の乙女。そう呼ばれた少女は今の火星をもり立てる原動力と言って良い。さほど遠くない未来、本当に火星独立に手が届くのでは。多くのものにそんな希望を抱かせ、そしてそれを叶えんがため邁進している。
そんな彼女と鉄華団の繋がりは深く、強いもののようだ。ただの業務提携だけではない絆のようなものが感じられた。
その立場から、双方色々な意味で狙われている。だがただの小娘、子供と侮っていては、痛い目に遭うのだろう。早速何やら面倒ごとだが、果たしてどう乗り切るのか。アヤは子供のようにわくわくしながら事の推移を見守っていた。
鉄華団の警戒網に反応があったのは、早速その日の午後であった。
「エイハブウェーブが12! 中隊規模のMS集団がこっちに真っ直ぐ向かってくるようです!」
地球帰還後に改装された鉄華団の本部。その地下に設けられたCIC(戦闘指揮所)で、オペレーターの団員が声を張り上げる。駆けつけたオルガは、鉄華団のエンブレムが入ったジャンパーに袖を通しつつ指示を飛ばす。
「総員戦闘態勢に移れ。非戦闘員は地下へ、新人でまだ訓練に入っていない連中もだ。整備班はMSの出撃準備を。MSが出るまでMW隊で足止めだ。『ネズミ花火』を前に出して攪乱しろ。新人連中は前に出すんじゃねえぞ、後方からの援護を徹底させるんだ」
予想以上に規模が大きい。しかしオルガを始めとしてCICに詰めている人間は誰一人として動揺の欠片も見せなかった。
「流石になれてますねえ」
感心したように、オルガの後を付いてきたアヤが言う。一通り指示を飛ばしたオルガは腕を組んで応える。
「ドンパチばっかが上手くなっちまってな。……こういうのはどうにも尻が落ちつかねえんだが、ウチの教官、「頭が前線に出てどうすんだ」って、こんな所作らせやがった。まああんたも落ち着いて取材できるだろうし、じっくり見ていってくれ」
言葉の端から自信がうかがえる。これまで幾多の鉄火場を乗り越えてきた、歴戦の風格がすでにあった。
「こちらユージンだ。今配置についた」
地表からの通信が入る。連絡を入れてきたユージンは、MWの上部ハッチから身を乗り出して現場の指揮を執っている。
「目標を望遠で確認、画像をそっちに回す。ああ、こっちは任せろ。……ようしお前ら、これより鉄華団は迎撃に移る! 日頃の成果を存分に見せてやれ!」
檄を飛ばす中、てきぱきと動く団員達にどやされたり宥められたりしながら、新人達も何とか配置につく。
「いいかお前ら、指示をしっかり聞いてそれに従え。絶対に前に出るなよ」
まだ声変わりもしていないような団員に言い含められ、ハッシュは眉を顰めた。
(なんなんだこの人ら。まるで動じていねえ)
普段のどちらかと言えばのんびりした雰囲気とはうってかわって、歴戦の強者がごとき空気。突然の敵襲(事情を知らされていない彼らにはそう感じられていた)にもかかわらず、緊張感を漂わせながらもまるで日常の延長であるかのように淀みなく動いている。これが、鉄華団の本当の姿なのか。戦慄にも似た感覚をハッシュは体験している。
「なにやってんだ、急げよ」
「あ、ああ」
副座型であるMWのコクピットから急かすのは、同じ新人である【ザック・ロウ】だった。お調子者の彼もさすがにこの状態で軽口を叩く気はないらしく、真剣な表情である。ハッシュも気を取り直してガンナーシートにつくが。
「? あれ、あのMW……」
モニターを見れば、配置につく自分たちを尻目に、多数のMWが土埃を上げて荒野へと走り出す。見れば旧型のものばかりだ。迂闊に前に出れば的にしてくれと言っているようなものなのに。
「ええっと……【エンビ】、さん? あのMWいいんすか、あんなに前に出て」
通信を開いて自分たちに指示を飛ばしていた団員――エンビに問う。聞かれたエンビは自分のMWを遮蔽物の後ろに移動させ、トレードマークであるニット帽を弄りながら応えた。
「あれはあれでいいんだよ。まあ見てなって、『派手な花火が上がる』からよ」
「……?」
どういう事だと首を捻るハッシュ。ともかく鉄華団側の準備は整った。無数のドローンが空を舞う中、ついに肉眼で敵集団の姿が確認できるまで迫る。骨太のがっしりとしたMS【ガルム・ロディ】で構成された部隊の指揮官は、彼方に捉えた旧世紀の基地を見やり口元を歪めた。
「鉄華団、どれほどのものか見せて貰おう」
ここ最近急成長してきた民兵組織。GH火星支部や自治区にも協力し、海賊の討伐にも積極的なかの組織は最近目障りにもなってきたところだ。依頼のついでに片づけることが出来れば名も売れるし一石二鳥という奴だろう。皮算用を腹に、彼ら――宇宙海賊【夜明けの地平線団】の精鋭は、蹂躙せしめんと進撃を開始しようとしていた。
「ふん、MWごときを前に出すか。やはりガキの浅知恵よな」
岩陰や窪地を渡りながらこちらに向かってくるMWの群れを確認。牽制か足止めのつもりだろうが、MWの火器ではMSに損傷を負わせることは出来ない。ヒューマンデブリの使い捨てにしたところで時間稼ぎにもなりはしないと鼻で笑う指揮官。
「遠慮無く踏みつぶせ!」
弾が勿体ないとばかりに、構うことなく直進。足下に寄りつこうとするMWを文字通り蹴散らし――
爆発の衝撃が、機体を揺るがした。
「な、なんだっ!?」
予想外のことに動揺する指揮官。いきなりのことに不意をつかれ、転倒するものすら出る。蹴散らそうとしたMWが『自爆した』。それを理解した彼は思わず声を上げる。
「正気か!? 鉄華団はヒューマンデブリの保護と解放を売りにしていたはずだろうが!」
自爆特攻。それを行わせているのだと戦慄を覚える。
しかし当然ながらタネはありありで。
「ちょ、な、あ、あんな!?」
「な、あれ、じ、自爆って!?」
慌てふためくハッシュとザック。信じがたい外道を易々と行った……ように見えたからだ。そんな彼らに向かって、エンビはくすりと笑ってからこう言った。
「落ち着け落ち着け、あれにゃ『人は乗ってねえよ』」
『……は?』
「あのMWは簡単な自動操縦機能とLCSの無線で動いてる。コクピットにゃあプラスチック爆弾が山積みさ。油断して近づいたらどかんって代物だよ」
所謂自走地雷のようなものである。2年前のエドモントン攻防戦にて使われた技術を元に開発された、通称ネズミ花火。このような地上戦に置いて、MWを舐めきっているMS乗りに対し有効なトラップとして用いられていた。事実襲撃してきた敵は混乱に陥っているようだ。
「おっしゃ、足が止まったぞ。各部隊砲撃開始! 奴らを釘付けにしてやれ!」
ユージンの指示が飛び、居並ぶMWが一斉に砲撃を開始する。威嚇を目的としているのか、その砲弾はMSの足下に集中し直撃弾はない――
「ぐうおわっ!?」
直撃はしていないのだが、地面が派手に爆発しMS部隊を翻弄する。明らかにMWの砲撃では生じない規模の爆発であった。
「『地雷』か! やつらこのあたりに埋め込んだ地雷に向かって砲撃してきやがる!」
対MS用に埋設された簡易地雷――というか爆薬の固まり。MWの砲撃によって起爆させたのだ。地上戦になれていない夜明けの地平線団にとって、悪夢のような光景であっただろう。
そしてそれは、致命的なまでの足止めになる。
「待たせたなユージン! 【流星隊】、只今参上っ!」
スラスターを吹かして本部から飛び出していくピンクの獅電。シノの駆る【三代目流星号】である。各部にスラスターブロックを増設して機動力を上げたその機体は、頭部のバイザーを開いてセンサーを瞬かせた。そしてそれに数機の獅電が続いていく。
「勝手に変な部隊名つけないで下さいよ!」
「こっちはちいと重いんだ、置いていかないでくれよ」
両腕にガントレットアーマーを備えたライドの機体と、頭部と背中に電子戦闘用のモジュールを追加したダンテの機体。さらに。
「こ-ら前に出すぎ!」
「調子に乗ってドジるんじゃないよ!」
獅電のデータ取りを名目に鉄華団へと出向してきているラフタとアジーが、阿頼耶識を備えていないノーマルの獅電で続く。
足止めを受けていたガルム・ロディの群れに、獅電が襲いかかる。倍以上の戦力差に対して無謀とも思われる行為であったが。
「は、トロくせえ!」
機動力を活かし、一撃離脱で敵を翻弄する流星号。
「装甲の厚さに頼りすぎなんだよ!」
射撃をかいくぐり、隙を見せた相手を殴り倒すライド。
「抜け出た奴のセンサーを一時的に潰す。止まったところをたのんます!」
「おっけー、任せなさい!」
「は、こりゃ鴨撃ちだ」
電子兵装を駆使して妨害を行うダンテと、その妨害のおかげで足の止まった機体に攻撃を喰らわせるラフタとアジー。
格が違う。数の差をものともしない戦いぶりに、新人達は唖然と見守るしかない。
そしてCICでは、オルガが次の指示を飛ばそうとしていた。
「後続を急がせろ。この機に押し込んで……」
「団長、おやっさんから通信です!」
割って入ったオペレーターの言葉に、オルガはにっと笑みを浮かべた。
「来たか、早かったな」
「相変わらずこう言うところは逃しませんね」
傍らのクーデリアもくすっと笑う。
「まーた無茶すんな」
「このくらいならそうでもないよ」
降下中のシャトルから、一つの影が飛び出す。
連絡を受けたシノは、不敵に笑んだ。
「もたもたしてっから来ちまったぜぇ、うちの『番犬サマ』がよォ!」
「なんだ!?」
上空より、襲撃者達に向かって銃弾が撃ち込まれる。次の瞬間、轟音を立てて隕石のように何かが大地に降り立った。
衝撃で吹き飛ばされる数機のガルム・ロディ。噴煙の中、クレーターを穿ったそれがゆっくりと身を起こす。
各部に増設されたスラスター。全て新規になった鋭角的な装甲。細長い鉄塊のような得物をだらりと提げたその白きMS――【ガンダムバルバトス・ヴィント】は、カメラアイを力強く光らせる。
鉄華団には【リボン付きの悪魔】ランディール・マーカスを筆頭に幾人かの名付きエースパイロットが所属していた。
【阿修羅】昭弘・アルトランド。【流星】ノルバ・シノ。そして一番名が売れたのが彼だ。
【悪魔の直弟子】、【鉄華団の鬼神】、【白き破壊者】。数々の二つ名で呼ばれる中恐らくもっとも広まっていたのは、常に前線に立って仲間に害をなそうとする敵の一切合切を噛み砕くような戦いぶりから付けられたものだろう。
【地獄の番犬(ガルム)】三日月・オーガス。
私はその戦いぶりを目の当たりにすることとなる。
「おかえり、ミカ」
「ただいま、オルガ」
※今回のえぬじい
「あれ? 俺台詞だけ?」←出番がすっぱり削られた外道。
「……名前だけしか出てねえ……」←がっかりしてる筋肉。
『纏めて出番が次に回された我々よりマシだろう』←セッタ。
よし続いた。
勿論OPは【RAGE OF DUST】でも良いんですが、個人的には仮面ライダー鎧武OP【JUST LIVE MORE】をお奨め。多分「き~●だ~●の~かじっ●!」の所でバエルのシルエットが現れて目が光るんだぜ捻れ骨子です。
はいそういうことで第二期始めました良くある冷やし中華感。どっかの外道が乱入したおかげで、色々と変化が起こっています。基本鉄華団は全体的に強化済み。なんだか獅電もちょっと怪しいことに。早速夜明けのヴァンもとい地平線団がボコられてますが、うんすまない、この程度じゃないんだ。成仏してくれい。
そして新たなオリキャラさんの登場。エスコンつったら語り部の記者だるォ!? ってことでジャーナリスト。しかも女性。趣味だよ。
なお彼女の外観は某東方の鴉天狗さんがモデル。わりと巨乳。趣味だよ。
そして最後に暖めておいたネタ炸裂。実は三日月がガルム1だったのだよなんだってー。うんこれがやりたかったことの一つなんですよ。いや大出力レーザー砲台とか超兵器とか倒しませんけれど倒すかも知れないけれどどっちだよ。さらっとバルバトスも名前変わっていますが、果たして原作と比べどこまで酷くなっているのか。(おい)
まあその、盛り込みすぎたおかげでどっかのセッタの人たちが出番無くなってますが、気にしない方向で。(酷)
そんなこんなで今回はこのあたりで。第二期もよろしくお願いします。