刀が振るわれる見えていた、分かっていたなのに避けられない咄嗟に槍で防ぐも槍は半ばから断ち切られ首を落とす筈だった刃は俺の胸を真一文字で斬り裂いた。
「ガフ…」
口から血が溢れてくる、セイバーとそのマスターとのやり取りは観ていた油断などしたつもりは無かっただというのに次の瞬間には目の前にいてこうして斬られた。
「何故だ、やっと辿り着いたのだ忠義を尽くし主の為に戦う戦場が用意されたというのに貴様は!」
「死人が喋るな…良いですか?死人は死ななければなりませんこれは世界のルールです、決定事項です。そこに個人の意思やひとつ種族の集合的無意識なんて関係ありません、ガイアの星の意思なんて知りません。
この宇宙の無数に有る宇宙を内包するこの黄昏の女神の世界の決定事項です。何せこの世界は輪廻転生の世界なのですからだから死人が何時迄も現世で止まるな、安心してください私が貴方を祝福しましょう大丈夫です死は終わりでは有りません新しい旅立ちです。来世が約束されたこの優しい世界できっと次は貴方も幸せになれますよ。
先程はすみません、言い訳もできませんね苦しまないように魂は成仏させないといけないのに次はちゃんと成仏させますので」
その言葉とともに振るわれた一線がランサーの今世の最後の景色だった。
「さて次はライダーさんですね。きちんと迷わず死んでくださいね」
「坊主しっかりと掴まれ‼︎」
ライダーの戦車は空を駆け上がるライダーと共に戦場を駆けた牛達も恐れからか全力で夜空を駆け上っていく。
真正面から目を見たときライダーには分かってしまった、アレは死なのだと全ての生きとし生けるものが行き着く先にある死なのだと気がついてしまった。栄華盛衰どんなものでもいずれ終りを迎える、忘れていたわけでは無くいずれ来るだろうとも思っていた。
彼とて王だ自分の死後、死してなお英霊として付き従ってくれた配下も大勢いる、だがそれ以上に多くの民は死に輪廻の輪に至って今世を生きていると知っていて、いつか人々に忘れ去られ自分も輪廻を巡るのだと思ってはいた。だがまだ早過ぎる今世に降り立ち数多の人々の営みを見たその輝かしい宝物を世界を自分の物にしたいと簒奪し蹂躙したいと、それに頼らなくともこれからの成長が楽しみなマスターにも出会えただからまだ死ねない。
故に死すらも蹂躙してみせよう‼︎
「ここらで良いか」
降り立ったのは冬木に架かる大橋の中央、戦車からマスターを降ろし正面を見据える。
「ライダーどうしたんだ」
ライダーは振り向かないただ背中で雄弁に語る、この一戦を見よ、王の生き様を見よそして後世に語れと。
その二人の前に降り立つのはさえないおっさんどこをどう見ても強そうには見えない街で見かけても意識にも登らないだろう
「坊主アレは死だ英霊の座なんぞに付いて随分と長引かせたがついに我の元にも死が来たらしい、故に見ておけこの勝負勝とうと負けようと我も輪廻の輪に飲み込まれこの命を終える、イスカンダルの一世一代の大勝負だ」
振り向き歯を見せにかりと笑顔を見せると腰から剣を抜き天高く掲げ。
「敵は世界の法!生者が行き着くべき終端よ、最後の敵としてこれに見合うほどの敵はいまい!
なればこそ、なぜ征服王が挑まずにおれようか。アレを乗り越えたその先こそが世界の果てだ。
『彼方にこそ栄えあり』届かぬからこそ挑むのだ! 覇道を謳い! 覇道を示す! この背中を見守る臣下のために!
最果てになど至りようもないと、そんな弱気に駆られたこともあった。愚かな、征服王がなんたる失態か!
求めた果てが今 世の行く末に屹立している! ならば超える! あの死の上を踏み渡り、最果てオケアノスへと至る!」
掲げられた剣を中心に強烈な風が吹き荒れ刹那の間に世界は灼熱の太陽と砂漠に塗りつぶされた。
そしてその地平の果てより数えるのも億劫なほどの死者の軍勢が現れた。
「見よ、我が無双の軍勢を!」
「肉体は滅び、その魂は英霊として『世界』に召し上げられて、それでもなお余に忠義する伝説の勇者たち。
時空を越えて我が召喚に応じる永遠の朋友たち。
彼らとの絆こそ我が至宝! 我が王道! イスカンダルたる余が誇る最強宝具『王の軍勢アイオニオン・ヘタイロイ』なり!!」
鈴木は顔をしかめた。
この異様な世界に驚いた訳では無く、大量の魂が現世に流れ込んでしまったからだ。固有結界といっても所詮世界の一部を塗り替える事で展開する結界魔術、現世である事には変わらないそんな場所に魂が大量に流れ込めば何らかの影響が出て当然である。
「『世界』とは大きく出ましたね。所詮は人間の『世界』でしょうこの世界を見守り全てに分け隔てなく抱きしめてくださる女神の地平を終わらせる可能性は一つとして残してはおけません、天狗道は一度で充分なのですから、故に私も死をもって貴方を祝福しましょう」
☆
全てが終え静寂となった橋の上傷だらけのライダーの背中から突き出た刃と無傷で刃を握るおっさん。
ふう、流石にあの数は成仏させきるのに時間がかかりましたね。一人一人切らなければならないので時間がかかりました、まあ一週間はかからなかったですね。
所でライダーのマスターくん大丈夫ですか?途中ライダーさんの配下の方にご飯や水を買って来てもらっていましたが数日戦争している横で食べたり寝たりするのは大変だったでしょう。まだ貴方の来る時ではありませんので頑張って生きなければなりませんよ良いですね。
眠そうですねほら頑張って帰ってください家に着くまでが旅行ですよ。
私の仕事はこの後ですね、ライダーさんが大量の純度の高い魂を召喚したから虚達が釣られて大量に来てしまいました。影分身で何とか被害を少なくしましたが。こういう時は山元君の斬魄刀みたいな範囲攻撃型の斬魄刀が欲しくなりますね。