ソードアートオンライン《ユウキの可能性》   作:十六夜 遼

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あらすじにも書きましたが、ユウキ生存ルートです。
今回はリンク・スタートまで、どのような感じでいったかってところです。プロローグだと思って捉えてもらって結構です。
ではどうぞ!


『リンク・スタート!』

 紺野(コンノ)木綿季(ユウキ)は出生時の血液製剤によりHIVに感染してしまい、小学生高学年の頃AIDSを発症してしまう。いまは病床についていて、無論、そこは病院だ。

 

 2022年11月某日

 

 そんな彼女の元に1人の男性が足を運んだ。彼の名前は茅場(カヤバ)晶彦(アキヒコ)といった。

「ユウキさん、お会いになりたいというお方がいらっしゃるのですが…よろしいですか?」

 

といったのはユウキの主治医の倉橋だ。

 

「その方のお名前はなんですか?」

 ユウキはそう質問した。すると倉橋は、

 

「えっと、茅場晶彦さんですね」

 するとユウキは、

 

「本当ですか!是非、通してください!」

 ユウキは最近となっては珍しい笑顔を見せた。これには倉橋も驚いた面持ちで頷いた。

 

「どうぞ、おかけになってください」

 そういってユウキは横の座席を示した。

 

「これは、ご丁寧にどうも」

 茅場もそれに従う。

 

「で、ボクなんかにどんなご用件で?」

 ユウキは思った通りのことを口にした。

 

「いや〜、キミの先生とはちょっとした知り合いでね、ちょうど1ヵ月前だったかな。キミの話が出て興味が湧いたんだよ」

 しばらく間を置いて、

 

「聞く話によると君はゲームが好き。だそうだね。」

 

 ユウキは迷わずこう答えた。

 

「はい、大好きです!」

 

 と。それに対し茅場は

 

「その言葉を聞けて安心したよ。で、今日こうして話をしに来たのは他でもない。ユウキくんに初代MOV(Medicine Of Virtual)の被験者になってもらいたいからなんだ。」

 

 再び間を置いて、

 

「MOVっていうのは、いま君が数日おきにモニター用につけているナーヴギアの出力をあげて、現実と仮想の体を完全に分けるというものだ。例えば、君が仮想世界にいるとき、現実(リアル)では体が痛みを感じていても仮想世界にいる間は大丈夫だ。ということなんだ。ここまでで質問は?」

 と茅場は常人ならポカンとしていてもおかしくない話について、ユウキに質問があるかどうか聞いた。

 

「……質問というよりかは、補足してほしいんですけど、具体例をわかりやすくしてもらえますか?」

 

「分かった。じゃあ、順を追って説明していくと、君はいま仮想世界にいると仮定する。ここまではいいよな。そのとき現実(リアル)では何らかの原因で普通なら痛みを感じる要因が生じている。しかし、現実での感覚はシャットアウトされているために、仮想世界にいる君は痛みを感じない。ということだ。今までなら仮想世界にいる間にも現実の痛みを感じていただろ?これでいいかな?」

 

「はい、大丈夫です」

 ユウキは納得した顔で頷いた。

 

「では、それによる医療の面でのメリットについてだ。単純に言えば病気での痛みを無効化できる。もう少し拡張して言えば、痛みを伴う危険性のある治療も本人の意思さえあれば行える。もちろん仮想世界にいれば痛みは感じない」

 

 つまりはこうだ。病気末期になってしまった人が最期の余生を楽に過ごせる夢のような機械なのだ。または、完治が難しいと思われていた病気の治療を痛みというリスクなしで行えるのだ。

 

「で、だ。ユウキくん今の話を聞いてMOVの被験者になってくれないかな?もちろん代価は支払おう。」

 ユウキは悩んだ。MOVの被験者になるということ、それはつまり長期間、多分病気の治療にあたるので年単位での仮想世界暮らしを求められるということだ。安全性は確保されているだろうが、心配が大きいのは否めない。

 だがもう一つユウキには気になることがあった。

 そこまで長期間ずっと仮想世界に居られる気がしないのだ。ユウキはせいぜい最長でも1週間しか(それでも十分すごいのだが)仮想世界で連続して居たことがない。

 飽きてしまうのだ。1週間もあればほぼすべてのことをやり尽くしてしまう。

 

 ユウキは思った通りのことを口にした。

 

「長期間仮想世界に居られる気がしないっていうこと以外ならなんとかなりそうなんですけどね。年単位でずっと仮想世界に漬け込むっていうのは多分飽きちゃうと思うんですよ」

 

 その言葉を聞いて茅場は人の悪い笑みを浮かべた。そして、

 

「つまり、キミを夢中にさせるゲームならいいんだね。そうそう、代価についての話をしておこう。代価は

 

 

 《ソードアート・オンライン》

 

 

 これでどうかな?」

 

 ユウキはゴクリと息を呑んだ。《ソードアート・オンライン》といえば迫る明日発売のソフトで、ユウキの目の前にいる茅場晶彦が手がけたナーヴギアを使用するVRゲームである。ユウキはこのとおり病院にいる身なので、手にすることはないのだろうと思っていたのだが……。ユウキの思考はそこで停止した。しばらく時間をかけ再起動したユウキの思考から絞り出された答えはもちろん、

 

「ぜひ!やらせてください!」

 

 この一言だった。

 

「そういってくれると思っていたよ。だが、キミには言っておこう。

 

 これはゲームであっても遊びではない。

 

 という言葉をキミなら知っているだろう。これはかっこづけるために言ったのではない。

 

 この世界での死は

 現実世界での死に直結する。

 

 これは、本当だ。ナーヴギアの出力を上げれば電子レンジの要領で、正確に言えばマイクロウェーブを当てることによって脳内の水分を高速振動させ、その摩擦熱によって脳を蒸し焼きにすることだってできるんだ。向こうで死ぬとそれが実行される。そのことを理解した上でMOVの被験者になってくれるかい?」

 

 と言い、茅場は同意が取れたことを確認するために右腕を差し出した。それに対しユウキは

 

「ボク、死にませんので」

 

 と言い右手を差し出し、固い握手を交わした。

 

 

 ーー翌日午後1時ちょっと前

 

「じゃあ、いってくるね!」

 ユウキはこれまで見せたことの無いほどいい笑顔をしていた。

 

「ユウキくん、くれぐれも無理はしないようにね」

 

「分かってますよ!」

 キラキラした目がワクワクという無邪気な感情をより鮮明に表している。

 

「そうですか。では健闘を祈ります。頑張ってくださいね。私も頑張りますから」

 

「うん、先生も頑張って!」

 そうユウキは言い、胸いっぱいに息を吸い込むと

 

「リンク・スタート!」

 と言い、剣の世界へと一歩を踏み出した。

 




いかがでしたか?稚拙な文章、いろいろ原作ブレイクしていたでしょうが、評価、お気に入り登録してもらえると幸いです。なろうの方でオリジナルストーリーを出しているので気になったら同じ名前で出しているので検索してみて下さい。(Twitterの方が早いと思います)
次回の投稿は、タグにもある通り未定です。所詮、気分屋なので褒めてもらえると、早くなるかも?
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