゚*。:゚ .゚*。:゚ 姫ノ語 .゚*。:゚ .゚*。:゚   作:ロベオン

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あてんしょん

前回と同じくです
レオと黄熊が…?
セリフに「」がつきます



五章
お嬢様と一般庶民の違い


「…!あ、いや、何でもない…」

 

「へっ?」

 

「はぁ?教えなさいよ!勿体ぶらなくてもいいじゃない。」

 

「るせェッ!!!気安くホイホイと聞いてくんじゃねェッ!!!何も知らねェ癖に…!!!」

 

「…何かあったんですか?それとも知っている方でしたか?」

 

「…っ!…言えね。」

 

「え?」

 

「…急に怒鳴った事は謝る。…けどよ、いくら口が軽い俺でもこればっかしは言えねェ。…知る必要は、ねェ。」

 

「…。そうですか。無理に言う必要はありませんわ。それより…。」

 

ガチャガチャッ

 

「…閉じ込められてしまいましたわ。」

 

「…。蹴破るか?」

 

「……………レオさん。きっとさっきの文字にヒントがあるはずですわ。レオさんに開けて頂いても良いのですが、もしかしたらここでも何か手に入るかもしれません。ここはこの場所の規則に従った方が良いと思いますわ。」

 

「…かーめんどくせー。大体よォ、こういうのは大抵すげー面倒な仕掛けとかがあって開かねーパティーンだろ?だったら素直にドア蹴破った方が早いだろーが。この手のゲームはやり込んだからわかるっての。」

 

「ぱてぃーん?」

 

「今度説明しますから!

あんたさっきから現代語使い過ぎよ。ちゃんとお嬢様に分かるように説明しなさいよ!」

 

「申し訳ありません。何も知らなくて…。」

 

緑が申し訳ないという感情を最大限込めたかの様な顔をしてレオに謝った。

 

「あー…その、なんだ、"パティーン"ってのは、英語の"パターン"から来てる。"パターン"の意味は"場合"ってこった。…つーか、本気で謝らなくてもいいぞ?庶民の俗語だし、緑みてェなお嬢様が知ってる方が驚かれさる。」

 

「ご丁寧にありがとうございます。」

 

(あぁ。なんであいつなんかがお嬢様のエンジェルスマイルを見てんのよ。さっきから何度も何度もお嬢様に謝らせて…。)

 

「おーい、サイコパスメイド〜。睨むとスゲェブッサイクになんぞ、テメェの顔。素は結構良いンだから大事にしとけ〜。」

 

バッシーンッ!

 

!?

 

「なっ、ななな何おぉ?き、急に何を言い出すかと思えばぁ!」

 

黄熊が顔を真っ赤にしていて、床にはレオが頬を抑えてうずくまっていた。

 

(ふふ。黄熊ったらお顔がまるで林檎のよう。まるでお兄様にあった時の窓花様の様だわ…。)

 

「痛ってー!!!?…いきなり何すンだよこの暴力女!!!俺は事実を述べただけだろーが!!!」

 

ドッ

 

!?

 

「ふぐっ!!!?」

 

「あ、あああんたはさっきからじ、自分の言ってる事が分かってるのぉ?」

 

さっきよりも顔を真っ赤にした黄熊が体を震わせながらレオの腹にアクリル棒を突き刺した。どうやらレオはレオで鈍感だし、黄熊も黄熊で美人だと言われたことに過剰に反応しているらしい…。

 

「う"お"お"お"…。さ、流石に今のはやりすぎだろ…。もろ脇腹にぶっ刺さったぞ…。…もう言わねェって。それでいいだろ?」

 

「い、いやその…。別にぃゃってゎけじゃ……。」

 

「あ?てけじ?」

 

「な、何でも無いわよっ!」

 

「…照れてンなら素直に言えばいいのに…(ボソッ)」

 

 

(ふふ。もしかしてレオさんは黄熊が…。)

 

どうやらレオの呟きは緑の耳にだけ届いていた様だ…。

 

「そろそろ本題に戻りましょうか?」

 

「そ、そうですね。取り乱してしまい申し訳ありません。」

 

 

「ん?何だ、人の顔ジロジロと見て。何か顔についてるか?」

 

「あっ、いえその…。申し上げにくいのですが…。」

 

「ンだよ。ハッキリしろや。ついてンのか?ついてねェのか?」

 

「あっははは!あんた顔に爪楊枝くっ付いてるわよ?なんで気づかないのよぉ?」

 

黄熊がお腹を抑えて笑っている。どうやらいつもの調子を取り戻した様だ。

 

「……はあぁぁぁッ!!?ついさっきまでンなことになって無かったぞ!!?爪楊枝!?爪楊枝ってマジで言ってンのか!!!?」

 

「…これで見てみて下さい。」

 

緑から渡された手鏡で見てみると、確かに右頬にぺっとりと爪楊枝がくっついていた。

 

「確かにおかしいわね…。私が引っぱたいた時はこんなのくっ付いて無かったわよ?」

 

「げっ…これあのインクでくっついてやがる…。クセェ…。…というか、さっきお前に引っぱたかれるまで俺顔に何か当たって記憶ねェぞ?」

 

「これ…『つまようじ』って言うんですね…。」

 

「そこにツッコむかお前!?…あー、そうだよ。弁当の割り箸とかについてる極普通のやつだよ。」

 

「わり…ばし?」

 

「だー!!!割り箸ってのは木製の安物の箸だ!!!コンビニ行かねェのか!!!……って、緑が行く訳ねェのか。あー…ほんっとに世間知らずだな。」

 

「申し訳ありません…。」

 

(こんびにって何の事なのでしょうか?)

 

「…まさかとは思うがコンビニまで知らねェって言う気じゃねェよな?」

 

「い、いえ…。確かに知りませんが…。世間知らずで申し訳ありません…。」

 

「…はー。もういいや。説明する俺がアホらしくなってきた。」

 

「も、申し訳ありません…。」

 

(あぁぁぁー!お嬢様を泣かせたァー!あいつ気づいてないよぉ!お嬢様の目元が潤んでるの見えないんかい!コンビニなんてお嬢様が知ってるはずないじゃないのぉ!フッざけんなぁ!)

 

「おい、サイコパスメイド。お前ン所のお嬢様の教育はどうなってンだ?世間一般の常識教えてないのか?」

 

(はあぁぁぁッ!!?何言ってんのよこいつぅ!失礼にも程があんだろうがあぁ!)

 

「申し訳ありません…。本当にごめんなさい…。あの、本当に、勉強足りなくて…。ごめんなさい…。」

 

「謝られてもねェ…。…色々と知っとけ。ンな知識じゃ俺も喋りくいし。」

 

(ぁあああ!?テメェがお嬢様にあーだこーだ言える立場かよぉ?フッざけんなぁ!)

 

「申し訳ありません…。」

 

「…。あ、やべ、マジで泣かせた?俺泣かせちゃったパティーン?これ完全に俺悪いパティーン?」

 

「……っっっっあったり前でしょうがぁぁぁぁ!!!!!?あんたいい加減にしなさいよねぇぇぇ!!!!!さっきからさっきからぁ!お嬢様は何も悪くないのにぃぃ!追い討ちばっか掛けてぇ!悪いのは全ッ部あんたよぉ!」

 

「わ、わかったって!!わかったから!その棒振り回すな!!……あー、すまんな。俺も言い過ぎた。気にしないでくれ。緑と俺は、お嬢様と一般庶民、っていう壁があンの、忘れちまってたよ。」

 

「ごめんなさい。一般的に生まれて来れなくてごめんなさい…。世間知らずでごめんなさい…。ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい……。」

 

「お嬢様?大丈夫ですか?しっかりなさって下さい!」

 

「え、ちょ、ま……おい!しっかりしやがれ!!!」

 

「ごめんな……」

 

ドサッ…。

 

……。

 

「貧血……だけでは無さそうですね…。とりあえず寝かせましょう…。」

 

黄熊が頭を打つ寸前の所で緑を押さえて、床に寝かせた。テキパキと作業をこなす所を見ると、初めての事では無いようだ。

 

「…何が起こったんだ?此奴、何か発作でも持ってるのか?」

 

「お嬢様は重い貧血をお持ちなのよ…。それに…。」

 

「それに?」

 

「…っ。なんでもないわ。

お嬢様はきっと今まで耐えていたんだと思う。急にこんな事になって今にも倒れそうだったはずなのに…。」

 

「…。そーか。まあ、子兎が猛獣の檻に突っ込まれた様な状況だしな。…しかし、ここまで良く持ったもんだ。」

 

「えぇ。暫くは休んで頂かないといけないから…。少しここの中を探してきて。あとさっきお嬢様がおっしゃていたんだけど、みつけテの『テ』だけカタカナなのが気になるって。」

 

「…ん、わかった。…そういやさ、アンタは休まなくて平気なのか?」

 

 

「……。私はいいわ。お嬢様に頼ってばっかりだったもの。こんな時こそお守りしなければならないのに…。倒れてしまったのは私の責任でもあるもの…。」

 

「……お前…」

 

「…あと、そ、その…、あ、ありがと…。」

 

顔をうっすらと赤く染めて黄熊が目をそらす。

 

「……。これ貸してやる。枕にするなり、掛け布団にするなり好きにしな。」

 

バサッ、と何か黒い塊を黄熊に投げるレオ。

 

「これは……?」

 

「俺の来てた上着。昨日買ったばっかのおニューだからまだ何も汚れてねェ。」

 

上着を脱いだレオは、タンクトップだった。

首元にシルバーのネックレスがキラリと光る。

 

「…そう。ありがと……。」

 

黄熊は上着を綺麗に畳んで緑の頭の下にひいた。

 

「本当は足を少し上げられればもっと良いけど、場所も場所だしね…。」

 

「…何冊か本重ねりゃいいんじゃねェの?こんな事態だ。二、三冊汚れたって文句言われねェだろ。」

 

「そうしたいけど、お嬢様は肌も弱くていらっしゃるから…。」

 

「…わーった。アンタ、後ろ向いてろ。こっち見ンなよ?」

 

再び、バサッと何かが投げられる。

 

「…まさか、これ…」

 

「もう脱げねェからな。流石にズボン脱ぐわけにゃいかねェし。つーかズボンを脱ぐ趣味はねェ。」

 

「…ぷっ!あんた何言ってんのよ?私だってズボンを脱がせる趣味なんて無いわよ。」

 

「…。やっぱ、威勢のいいアンタの方がアンタらしいよ(ボソッ)」

 

「え?」

 

「ンでもねーよ。俺が探してくっから、アンタは緑の傍に居てやんな。」

 

ニカッ、と歯を見せてレオが笑った。




今回も最後まで読んでくださりありがとうございます!
まだまだ足りない所があったかも知れませんが6章もよろしくお願いします。
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