゚*。:゚ .゚*。:゚ 姫ノ語 .゚*。:゚ .゚*。:゚ 作:ロベオン
あてんしょん
前回と同じくです
緑起床
相変わらず黄熊とレオです
カヌレの作り方
「ガキンチョ。」
「へっ?」
「だから、ガキ。生意気な糞ガキだ。」
「…私には見えないわよ?」
「…テメェ馬鹿か?俺の背中の方から見て見える訳がねェだろうが。」
!
「今は居ねェな……。」
「ぼくはここだよぉー。」
「!?テメェ、どんな芸使ってンな所に…!?」
「れ、冷蔵庫?」
その少年は冷蔵庫の中にピッタリと収まっていた。
「…お前、頭狂ってンのか?何をどう考えたら其処に入ろうと思うンだよ。」
「んー?なんかおいしそうなものはいってないかなーっておもってさー。いやー、さすがおじょうさまがっこうなだけあるわー。ごうかごうか。」
「…。いや、何処のこそ泥だよ。何処の無銭飲食者だよ。」
「あんたは人の事言えないでしょ。自販機荒らし。」
「それとこれとは話が別だろうが!!それは前科だっての!!!此奴は現行犯なんだよ!!!」
「あーもう。ちわげんかはよしてよぉ。かぎいらないのぉ?」
「痴話喧嘩じゃねェわ!!!誰がこんなサイコパスメイドと付き合うか!!!つーか鍵渡すつもりなのかよ!?」
「? うん。」
「…………え?いやいやいや、冗談だよな?」
「ううん。ほんとぉ。」
「………。ホントだな?」
「うん。でもじょうけんはのんでもらうよぉ。」
「…お、おー…」
「わぉ。」
その少年はとても幼い顔立ちをしていた。レオも充分に童顔だが、この少年はランドセルを背負っても違和感が無い程だった。オレンジに近いブラウンの髪をふわふわと揺らして笑っていた。
「わぉ、って…何をンな驚いてンだ。…そんなに意外か?」
「いやぁ、めいどさんがいるなぁって。」
「………………はっ!
な、何?誰よあんた。」
「ぼくぅ?ぼくはねーカリナっていうんだー。」
「…あー、此奴に驚いたのな。そりゃ納得だ。」
「ちょっ、それはどう言う意味よ?」
「さァね。自分で考えな、サイコパスメイド。」
「なっ、あんt…。」
「はいはいそこまでー。そろそろはじめてもらうよぉ!」
「…。始めンのは構わねェが、何すンだ?」
「んっとねー。たぶんそこのめいどさんか…さましかできないとおもうよぉ?」
「なんだそりゃ。何するつもりなんだよ。」
「おかしをつくってほしいの!」
満面の笑みでカリナは言った。
「…………はっ?お菓子?菓子作れっての?」
「うん!」
「は、はぁ…。まぁここでなら大抵のものは作れるけど…。」
「…お、其処はやっぱり腐ってもメイドって訳か。頑張れ。」
「は、はぁっ?腐ってなんかいないわよっ!…でも…。」
「でも?……まさか、ダークマターしか作れねェのか?」
「ち、違うわよ!私も作れることは作れるけど場所が…。それにお菓子ならお嬢様の方がお上手でいらっしゃるわ。」
「ふーん…。じゃあ病人駆り立てて作らせンのか?テメェ。」
「い、いや、そういうわけでは…。」
「私がやりますわ。」
!
「お、お嬢様?どうかご無理はなさらずに…。寝ていて下さいませ。」
「そんな訳には行かないわ。私この家庭科室には慣れていますもの。私に出来ることがあるのなら、喜んでやらせて頂きますわ。」
「…。無理はすンなよ?今、緑に死なれたら困るンだ…。」
「いえ。大丈夫です。ありがとうございます。」
「わぉ。…さまみずからつくっていただけるなんて!ありがとうございます!」
!?
緑の額に薄く汗が滲んでいるのはレオにだけ見えていた。
「お嬢様…。どうかご無理はなさらずに。申し訳ありません。私のせいで…。」
「良いのよ黄熊。今は私に出来ることをやらせて頂戴。お二人が休ませて下さったから良くなって来たのよ。黄熊が謝る事は何一つ無いわ。」
「…」
(何が良くなっただよ。額に汗滲んでるじゃねェか。クソッ、無理なんかすンなって叫びてェけど、俺じゃあ何も出来ねェ…!!!…頼むから、これ以上具合が悪くなることだけはやめてくれ…!)
「何を作れば良いのでしょうか?」
「うーん、そうだなぁ、じゃあ…かぬれで!」
「分かりましたわ。」
「…カヌレって何だ?(ボソッ)」
「フランスの伝統菓子よ。(ボソッ)」
「そーなのかー。あ、言っとくが何処かのパクリじゃないぞ?」
?
「今はそんな事言ってる場合じゃないでしょ。」
そんな事を言っている内にも緑は、生地をほぼほぼ完成させていた。部屋の中にバニラビーンズの香りが充満する。
「本当ならここで生地を寝かせなければいけませんが、時間が無いのでこのまま焼いてしまいますね。食感が弱くなってしまうかも知れませんが…。」
「わかったー。だいじょうぶでーす。」
型に生地を入れる緑の手は僅かに震えていた。
「…」
(手、震えてやがる…。めちゃくちゃ危ういじゃねェかよ!!!…ったく、あのガキ、こうなる事をわかっててやったのか?…わかってたら、後で殺してやる…)
「後は45分焼くだけです。」
「やったぁ!じゃあまってるあいだはすきにしていてかまいませんよぉ?」
「…なら休ンどけ。病み上がりの奴に重労働なんざ死亡フラグ建設だからな。」
「では、そうさせて頂きますわ。でも、10分経ったら声をかけて頂けますか?」
「かしこまりました。10分後ですね。」
「えぇ。お願い。」
「…」
(10分、か…。そんな時間で具合が良くなるかっつの。)
〜少女休憩中〜
……
10分後
「お嬢様、10分後ですよ。」
「ありがとう。」
それからは何度も温度を調整したりして35分が経った。
「出来ましたわ。」
カヌレ型から中身を取り出して、皿に並べる。
「わーい!ありがとうございます!ぼくかぬれだいすきなんだぁ!いただきまーす。」
緑が焼き上げたとても美味そうなカヌレをカリナは幸せそうに頬張っている。
「あー、おいしかったぁ。じゃあかぎをあげるね。」
「…」
「はい。それじゃ、じゃあね〜。」
左手をヒラヒラと振って立ち去ろうとした。
!?
「あんた…、右手は?」
立ち上がったカリナは白のシャツにベージュのベストを着ていて、星や月の飾りが付いたブローチを付けていた。しかし、そのシャツの右腕の方は風に揺れていた。肩の当たりから血の跡が付いていて、袖の先からは血が滴っていた。
「?あぁ。とられちゃったよ。それじゃ。」
髪の毛をふわふわと揺らして無邪気に笑いながら立ち去って行った。
「…ちょっと待てよ!!?テメェ、ンな簡単な条件で鍵渡すつもりだったのかよ!!?」
「?うん。そうだよ。」
「はあぁぁぁッ!!?何考えてンだよ糞ガキ!!!テメェの腹満たす為だけとか何処のお坊ちゃんだっつの!!!!」
「まぁ、かぎもらえたんだからいいじゃないか。きみたちがしるひつようはないよぉ。」
「あ"あ"っ!!!?テメェ、やっぱ一編俺に殺されろ!!!!死んでこい!!!」
「やーだーよ。じゃあね。」
そう言っていなくなってしまった。
「待ーちーやーがーれー!!!!!!このガキ!!!」
「もう行っちゃったわよ。」
「ふざけんなァァァァァ!!!!」
「落ち着いてください。レオさん。」
「餅なんか付いてられっか!!!」
「餅、ですか…?」
「テメェが言ったんだろうが!?餅付けって!!!」
「お、落ち着いて下さいって言ったのですが…。」
「落ち着け!?落ち着けるかっての!!!?」
「ちょっと、よしなさいよ!お嬢様をこれ以上困らせないで頂戴っ!」
「…!…ちっ。わーったよ。」
「…。」
「…んじゃー、これは何処の鍵なんだ?」
「ドアの鍵じゃないの?」
「そンくらい俺にだってわかるわ!!!」
「じゃあ何で聞くのよ?」
「何・処・の!教室なのか部屋なのかって聞いてンだよ俺は!」
「はぁっ?今家庭科室に居るんだからここのに決まってるじゃないの。」
「黄熊、これは…職員室の鍵よ。それに、ここの鍵はカリナ様が開けて行かれたじゃないの。」
「…ほー。やっぱお前の言葉よりも緑の言葉の方が信用できンな、知ったかぶりさん。」
「はぁっ?ふざけないでよ。い、今のはたまたま間違えただ、だけよ?」
「めちゃくちゃ動揺してンじゃねェか。強情張って認めねェなんざ、素直じゃないねェ。俺は素直な奴の方がすきだぜ?」
「は、はぁ?素直じゃ無くて結構よ。誰があんたなんかに好かれたいと思うわけ?」
「さァ?俺、こう見えて恋愛経験はそれなりにあンだよ。結構モテっからな〜、二股も三股もした事あるぜ?」
「ふ、ふたまた?」
「同時に二人の奴と付き合うってことだ。いやぁ、バレた時は修羅場だったぜ?やれ、私の方が愛されてるだの、私の方がデートの回数が多いだの……モテる男は辛いねェ〜。」
「…。」
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
おまけ 〜黄熊さんのぼやき〜
「全くあいつは…。お嬢様の知らない事ばっかり…。後二股、三股何て。知らなかったわ。何なのよ童顔の癖に。それに沢山付き合えば偉いってもんじゃ無いのよ?はぁ、何かしらこの胸がモヤモヤする感じは…。
ってわ、私は何を思ってるのよ?あ、あんな奴の事なんて…。」
「何一人で頭ぶっ叩いてンだよ。ンな馬鹿になりてェの?」
「な、何でも無いわよっ!黙れ馬鹿男っ!」
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
今回はおまけを付けさせて頂きました。
カヌレの作り方間違ってるかも知れません。申し訳ありません。
相変わらず抜け抜けの話を読んでくださりありがとうございます!色々と足りない所があったと思いますが、9章もよろしくお願いします。