赤蜥蜴と黒髪姫   作:夏期の種

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原作曰く”あまり才能に恵まれない”悪魔が、王の駒でトップランカーとのこと。
個人的にリスク無しの超強化はあれだと思うので、このような解釈となりました。


第80話「破られた平穏」

「……お屋形さまの仰ったとおり、それは絶対使用なさらないで下さい。そのようなおぞましい物に頼らずとも、姫様には我々が付いております」

「不安な顔は止めてください。借り物の力嫌いな私が許せる妥協点は神器まで。これ以上は、何であろうと受け入れませんから」

 

 神器は眷属が産み出した想いの結晶なので、遺憾ながらノーカウント。

 だってこの神器は、ドライグやアルビオンと同じ存在です。

 違いは言葉を発するか、しないかだけ。

 つまり私と元愛馬の関係は、一方的に頼る物でも頼られる物でもない。

 ”赤兎の飾り布” は共に戦うパートナーであり、生まれた時点で備えていた才能の一つであるとの答えは出ています。

 でも、過保護騎士が親の敵を見る目で睨みつけるこれはダメ。

 弦さんと夕食後の洗物を済ませている私が洗剤の横に置いたのは、シャルバさんに持たされたお土産の箱に入っていた悪魔の駒。

 種類はキング。何故か前に魔王様から貰ったワンセットに欠けていた、最後のピースです。

 

『また厄介な物を押し付けられたな……』

『呪いの品の類でしょうか?』

『そうではない。それはな、名門悪魔の凡人を救済する為のお助けアイテムなのじゃよ』

『凡人限定ですか』

『うむ。王の駒はレーティングゲーム上位を、何が何でも名家だけで独占したい老害共が無理やり作らせた物じゃからな』

『え、才能に胡坐をかいたライザーや、史上最低の落ち零れと評されたサイラオーグさんでさえ並の悪魔を寄せ付けない化け物です。そんな血筋が力に直結する悪魔世界、余計な真似をせずとも上位は所謂七十二柱で独占できませんか?』

 

 仮に転生悪魔の最強クラスがゲームへの参加意思を見せても、そこは私の時と同じように無理難題を吹っかけて落とせばいいだけの話。

 残る平民は王への道が皆無ですし、特に裏で手を回す必要が感じられない私です。

 

『そうか、爰乃は次世代が優秀な貴族しか知らんか。丁度良いから教えておくとだな、実は純血の由緒正しい貴族にも、結構な確率で平民真っ青なのが産まれて来る』

『あれ、そうなんですか?』

『考えてみなさい。もしも親の力を超える子や孫が誕生しているなら、悪魔が三大勢力最弱の地位に甘んじる訳があるまいて』

 

 確かに先生曰く堕天使は新規幹部ゼロで且つ、数を増やさない緩やかな滅び路線。

 天使も何とかエルシリーズの二代目を認めず、色欲を欠片でも抱いた時点で堕天使街道まっしぐらな種族欠陥が災いして純血天使の増加はほぼゼロ。妥協案の転生天使でさえ、厳選に厳選を重ねた信者縛りにより極少数のみが迎え入れられる始末です。

 そんな中で唯一多種族をポコポコ身内に引き入れ、しかも婚姻で純血悪魔もそこそこ増やすことに成功している悪魔が、数の優位を無視した最下位な理由は何故か。

 

『ひょっとして、代を重ねる毎に質が下がっていると?』

『うむ、世代が下がる毎に力が弱まる確率が高い。現魔王達の様なイレギュラーはほぼ皆無であり、混血が加速する昨今は状況が加速する傾向さえあるのじゃよ』

『……人間の小娘にさえ勝てないディオドラが、若手最強の一角に数えられる理由がやっと分かりました。比喩抜きにあの程度が有望株なのですね』

『その通り。サーゼクスが和平の道を急いだ理由も、頂点を失い底辺の大きい台形に変貌してしまった冥界を憂いた為だと思うとる』

『悪魔の未来が予想以上に暗い……』

 

 私も実感していますが、所詮人外の戦いは数より質。

 個の力で拮抗しない限り、あっさり蹂躙されてしまうのが辛いところでしょう。

 

『さて、脱線したので戻す』

『はい』

『そんな訳で一定数発生する雑魚貴族に対し、家格に相応しい戦績を収めさせる為のドーピング剤は必要となるのじゃ。これで必要性は理解出来たな?』

『素朴な疑問をしても構いませんか?』

『可愛い孫の役に立つことは、万国共通で爺の楽しみ。遠慮は不要ぞ』

『じゃあ、甘えちゃいます。王の駒が弱者を強者に変えるなら、強者が使用するとどうなります?』

『オーバーフローを起こして命の危険は免れん。恐らく使える限界は、何も持たずそれなりに修行した兵藤君程度じゃろう』

『なるほど』

『実は王の駒の歴史は浅く、生産コストの高さから被験者の長期的な実験データが揃っていない。故に副作用も判明しておらんし、人間への影響は使用した前例が無いため全く分からん』

『事実上の治験患者祭り……」

『王の駒は分の悪い博打よ。間違ってもこんな劇物には頼ってはならんぞ?』

『はいっ!』

『それと駒は少数生産で一部の家にのみ行き渡る物故、他言無用。この話はトップシークレットとして扱うように』

『了解です』

 

 お爺様との会話を反芻しながら、洗い終えたお皿を拭く。

 王の駒の存在をゲームに潔癖を求める部長や会長が知ればインチキと騒ぐのでしょうけど、私はそうは思いません。

 だって生家の力は、足が速い、特別な魔力を受け継いだ、最強の神器を授かった、等々と同じ本人の才覚です。

 もしも王の駒が卑怯と言うのなら、フェニックスの涙を使う部長達も同じ穴の狢。

 資金不足で涙を用意できない貧乏人からすれば、フェニックス家と繋がりを持ち優先的に品物を回してもらえる大金持ちはチートなのであしからず。

 そもそもインチキとは、ルール違反のこと。

 私は使いませんが、ルールブックにドーピングの禁止項目が無いことは確認済みです。

 

「それでこそ我らが主。ささ、家事は家臣に任せて御寛ぎを。この弦は姫様の為に働くことが無常の喜びで御座います。是非、やらせて頂きたく」

「……じゃあ、お願いします」

「在り難き幸せっ!」

 

 ま、まぁ、喜んでくれるなら構いませんけど。

 上機嫌に鼻歌まで奏で始める弦さんに何も言えなかった私は、恒常的に境内の掃き掃除でも頼むべきかと思案しながら台所を後にする。

 エプロンを外し、ラフな格好で目指すは眷属の溜まり場となっているリビング。

 今日は何人居るのか分かりませんが、眷族の顔を見て回る日課を効率よく済ませたいところです。

 

「待った」

「残念ながら、四手前の時点で詰んでいますの。延命は無意味でしてよ?」

「くっ」

「納得したのであれば、わたくしの勝ち」

「も、もう一戦」

「腕の差がここまでですと、指導対局にしかなりませんわ。本気の再挑戦がお望みでしたら、せめてもう少し棋力を付けてからにして頂けます?」

「……分かった」

 

 部屋に入り先ず飛び込んできたのは、タイミング良く決着の付いた棋士たちの姿。

 敗者は肩を落とした渋い顔のヴァーリで、勝者はヤレヤレと手を振る期待の新人ですね。

 

「勝負に水を差して悪いけど、ちょっといい?」

「構いませんわ。勝敗は既に明らかですし、主のお言葉を最優先してこそ眷属と言うもの。それでマイロード、このレイヴェル・フェニックスに何用ですの?」

 

 片目を閉じて悪戯っぽく笑うレイヴェルが我が家にホームステイしたのは、私の帰還に合わせた昨晩のこと。

 本当はもう少し先の筈でしたが、予定を前倒したのはレイヴェル本人です。

 曰く次に不測の事態が起きた際、冥界に居て蚊帳の外は困る。

 一致団結して素早いレスポンスを取る為にも、転居は急務とか言ってたかな?

 実際問題として、私としても頭脳担当が側に居てくれると大助かり。

 常に一手先を見据える姿勢は、私も見習わないと駄目だと思う。

 

「ほら、レイヴェルって引っ越したばかりでしょ? 何か困ったことは無いかなって」

「部屋のインテリアはこれからですが、当座に必要な一式は揃っています。食事も箸とか言う謎の食器に目を瞑れば味は良好でしたし、何事もありませんわね」

「そう言ってくれると、ホストとしても嬉しい限り。雑貨に関しては駅前にお勧めのお店があるから、今度の休みでも一緒に行かない?」

「ふふふ、マイロードのセンスを楽しみにさせて頂きます」

 

 挑戦的な笑顔を浮かべる令嬢を見て思うのは、単純な驚きです。

 お城暮らしの感覚なら犬小屋サイズの我が家を趣があると評し、本来の自室と比べ物にならない狭い部屋を与えられても涼しい顔。

 おまけに気難しいヴァーリと平然とチェスですよ?

 幾ら顔合わせが済んでいると言っても、初日のアウェーでこの余裕は凄いと思います。

 これぞ社交界にも顔を出す貴族様の面目躍如。下手をすると、実は見た目より中身が幼い弦さんより精神年齢が高いんじゃないでしょうか。

 

「そういえば、爰乃も打てると聞いているが?」

「嗜みレベルですけどね」

「なら、一局付き合え。何時も鳥や弦の相手ばかりしているのだから、たまには俺と付き合ってくれても罰が当たらんと思うぞ」

「いいでしょう。但し、歯応えが無くても落胆しないでくださいよ?」

「そこは安心しろ。例えお前の腕が拙かろうと問題は無い。何度悪手を打とうが、現実のゲームなら優秀な駒が力不足を補ってやる」

「……臣下におんぶ抱っこの王様は恥ずかしいですね」

「そう言うことだ。ま、これも勉強と思って掛かって来い」

 

 挑まれた勝負からは逃げないと、小さく頷いて同意を示しておく。

 そして駒を並べ始めたヴァーリの前に座り、残された白の王を掴みながら考える。

 お爺様と打つ将棋と違いヴァーリが持ち込むまで触れたことも無かったチェスですが、こんなこともあろうかと最低限の定石は学習済みです。

 囲いと言う概念がないことに違和感は感じるけど、そこはルールと割り切って頑張ろう。

 

「さて、わたくしは長丁場に備えてお茶でも入れて参りますわ」

 

 観客気分のレイヴェルが立ち上がる中、私とヴァーリは真顔で視線をぶつけ合う。

 遊びだからこそ全力で、何も賭かっていないからこそ面白い。

 そう、今の私達は純粋なる敵同士です。

 ここから先に言葉は不要。言いたいことは、盤面で語るとしましょうか。

 

「色的に先手は私ですね。行きなさい、白龍皇」

 

 カツン、とポーンを動かした音が部屋に響く。

 さて、次なる一手はどう打つべきか。

 思考の全てをゲームに費やし始めた私は、大切なことを聞き逃してしまう。

 

「一緒に行くのは、ポーンとルークだがな」

 

 

 

 

 

 第八十話「破られた平穏」

 

 

 

 

 

 俺にとっての学校は日常の象徴で、人の生を送る最後の拠り所だった。

 松田や元浜とバカをやり、桐生にバッサリ切り捨てられ、程ほどにしなさいと苦笑する爰乃が〆る人間だった頃と変わらない穏やかな日々。

 クラスにアーシアが混ざったり、放課後はオカ研優先と多少の変化はあったけど、一日の大半を過ごす教室での暮らしは入学時から何も変わっちゃ居ない。

 今日も、明日も、明後日も、同じ平穏な日々が続く。

 そう思っていた矢先、奴らは朝のホームルームに突然現れた。

 

「私はゼノヴィ……こほん、瀬野ヴィア。良く分からんが香千屋爰乃の親戚で、実はこう見えてもバチカンで徳を積んだ元シスターだ。得意分野は悪魔退治だが、日本固有の妖怪とやらもバッサリ斬れることが最近分かった。化け物関係で困った時は、気軽に声をかけて欲しい」

 

 桐生の眼鏡がずり落ちる程度に突っ込みどころ満載の自己紹介だが、これでも純人間で美少女だから俺としては無問題。

 飼主の爰乃が首輪を握っているから暴力沙汰も起こさんだろうし、ゼノヴィアについては妥協して受け入れてやらんこともない。

 

「同じくヴァーリ・ルシファーだ。今まで欧州を渡り歩いてきた為、いまいち日本の常識が疎い。君達……特に顔見知りの数人には迷惑を掛けると思うが、宜しく頼む」

 

 問題なのは露骨に俺を挑発中のお前だよ、お前っ!

 知らん間に爰乃の兵士になっている以上、お前もテロ紛いの事件は起こさんとは思う。

 でも、分からん。学歴社会とは無縁のヴァーリが、高校で何を学ぶんだ?

 

「ちなみにゼノヴィアと俺は、香千屋爰乃の家で厄介になっている。つまり彼女は家主の娘で最優先すべき王。何らかの決を取る場合、俺たちは爰乃の決定に従うことを明言しておこう」

 

 え、何それ。同居しているなんて初耳だぞ!?

 こ、爰乃に限って間違いは無いと思うが、何て羨ましい。

 俺が羞恥心ゼロの部長や朱乃さんの裸やら下着を拝んでいるように、お前も爰乃のあれやこれやに遭遇して美味しい思いをしている……のか?

 せめて爰乃を女として見ていない木場やギャー介ならともかく、ヴァーリだけは許せん。

 何故かって? そりゃ簡単だ。

 俺と奴は同じ女に惚れた間柄だ。

 例えば爰乃の風呂上り姿を見て何を思うのか、誰よりも分かっちまうんだよチクショウ!

 

「互いに長い人生だ。卒業までは敵愾心を捨て、仲良くやろうじゃないか兵藤君」

 

 自己紹介を終えた転校生がすれ違い際に告げたのは、事実上の休戦宣言。

 確かに内容は友好的だ。しかし、内情は宣戦布告にしか聞こえない。

 まさかヴァーリが背中から刺しに来るとは思わんが、俺にとって生涯のライバルが同じフィールドに居座るだけで脅威過ぎる。

 つーかこれから卒業までの二年間、勉強、スポーツ、バレンタインのチョコの数等々、日常の全てでイケメン相手に優劣を競うのかと考えただけで憂鬱だぞ、マジ。

 もしもこれで爰乃の心を持っていかれたなら、即効で屋上から飛び降り自殺するね!

 

「アーシア・アルジェント。かつて私は悪魔に身を窶したお前を愚かと断じたが、それは全て誤りだった。死んだ神より、目の前の暖かい悪魔。これこそが ”水は幾ら飲んでもノンカロリー” と同じ真理だったよ」

「よ、良く分からない理屈ですが、とりあえず分かって頂けたなら幸いです」

「本当に酷いことを言ってしまったと後悔している。必要なら土下座もしよう。だから今後は遺恨を捨てて仲良くしてくれないか?」

「頭を下げずとも結構です。種族は変わっても、私の心は変わらず聖職者。神父様ではありませんが、心からの懺悔には許しを与えたいと思います」

「聖女様……」

「こうしてもう一度巡り会えたのも神の思し召し。これからはクラスの仲間として、そして友達として手を取り合っていましょう」

「うむ、改めて宜しく頼む!」

「ゼ、ゼノヴィアさん、もう少し声を小さく……」

 

 赤と白のドラゴンと違って、女の子同士は綺麗に和解してるなぁ。

 時に渦中の中心に居る爰乃さんよ、何故にお前まで唖然としてるんだ?

 まさかとは思うが、お前も知らなかったってオチは無いよな?

 

「どうした兵藤。偶然にも真後ろの席を与えられた俺には、君の行動が丸見え。あまり挙動不審に体を揺すられると目障りなんだが?」

「俺は青天の霹靂にいっぱいいっぱいなんだよ!」

「ふむ」

「ちなみにこれは、お前にも利のある質問だ。学校に潜り込んだ理由は何だ? もしも何らかの策略絡みじゃないなら、少しは俺も落ち着けるぞ」

「そういうことなら仕方が無い。一言で言えば爰乃の護衛任務だ」

「マジか」

「冥界で名が売れ始め、禍の団にも目を付けられている我が王だ。もしも悪意が爰乃を襲うなら、警戒の強い神社以外……つまり学園とその往路の可能性が高いと俺たちは結論付けている。ここまでは理解できるな?」

「おうよ」

「そこで年齢も近く、暇を持て余している俺とゼノヴィアに白羽の矢が立った。一応護衛が主任務だが、アドラメレクから集団生活を学べとも言われている。だから安心しろ。お前達から絡んで来ない限り、好んで争うつもりは無い。戦うとすれば、それは合法の範疇。そう、例えば目の前に控えた体育祭のような催しだけだろう」

 

 ぐぬぬ、けちの付けられない真っ当な言い分だ。

 メンバー全員が偶然にも同じ学校の生徒にしろ、部長も会長も眷属を手の届く所に置いている理由は身辺警護の意味合いが強い。

 なら、自称眷族を従える爰乃とて王の端くれ。その権利があって然るべきだ。

 

「……公式行事は魔力を含む特殊能力禁止の駒王学園ルールに従えよ」

「当然、規則は守る」

「……爰乃も渡さないぞ」

「それ以前の問題だ。実はこの想いがLIKEなのかLOVEなのか、俺自身分からん」

「最大の恋敵と認定していたのに、まだその段階だと!?」

「だから愛を自覚しているのに手をあぐねているヘタレと同じく、暫くは側に居られるだけで満足さ」

「アアアアアア、アーシアには告ってOK貰ってるし! ヘタレ違ぇし!」

 

 アーシアは俺の女神様。おっぱい控え目でも金髪美少女最強ですよ! と思う反面、実はNOを突きつけられた場合に爰乃が付き合ってくれる話がポシャって嬉しいやら悲しいやら。

 それはそれとして、流れで告白同然な会話を何度か交わしてることをお忘れなく。

 攻めの姿勢を崩してない以上、ビビリの腰砕けと一緒にして欲しくないねっ!

 

「騒ぐな赤蜥蜴。授業が始まるぞ?」

「れ、冷静っすね」

「これでも人生初の学校生活に胸躍らせている。横槍は止めてくれ」

「意外と真面目だった……」

 

 分からん、コイツと言う悪魔が何を考えているのか分からん。

 出会った頃のヴァーリは喧嘩上等の硬派キャラだった癖に、気付けばおっぱいは良いものだと真顔で語るわ、エロさで俺に競り勝つわ、何処を目指してるんだ?

 俺が史上初の変態赤龍帝なら、ヴァーリも立派な色物白龍皇ルートまっしぐら。

 好き好んで教科書を広げるルシファーは、未来永劫コイツだけだろうなぁ。

 

「しゃあない、状況確認は昼だ昼。俺もたまには本気で頑張るか」

 

 一時限目は苦手な数学だが、居眠りする姿を宿命のライバルには見せられない。

 勝負だ魔術書(きょうかしょ)。眠りの効果を持つ数字の羅列には負けないぞ。

 毎日は無理でも、せめて初日くらいは……と気を引き締める俺だった。

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