煙草好きな提督の日常 作:八白
気づけば春イベも終わり、季節は梅雨へ……艦娘達も梅雨モードに移行し、祥鳳さんがめっちゃ美人になってますね。本編は去年の暮れから動かないから、早くしないと……(焦り)
特別作戦後夜祭当日、今日に限り遠征も出撃もない。
今日も広場に皆集まってもらったが、朝礼みたいに所属隊の列じゃなく、それぞれ仲の良い艦と一緒にいる。ちなみに今日の司会も那珂ちゃんだ。
「はーい、それじゃあ「秋の特別作戦終了お疲れ様でした後夜祭(パーティー)」はっじめるよー!!」
『イェーイ!!!!』
朝の9時だと言うのに、皆ハイテンションだ。那珂ちゃんの乗せ方も上手いしな、
「さて、最初は提督からのお話だよー。提督、よっろしくー☆」
那珂ちゃんからの紹介により、俺は昨日みたいに朝礼台の上に上がる。
「おはよう。まず特別作戦「艦隊作戦第三法」攻略、おめでとう。そして、ありがとう。お前らのおかげでまた一つ、敵を食い止める事ができた。
て、堅苦しい挨拶はこのぐらいにして、お前ら……」
そこで一旦マイクを口から離して、
「全力で楽しめぇええ!!!!」
全力でシャウトした。俺はこういうイベントは顔に似合わず大好きだ。
そして、鎮守府の皆はこういう性格だって事を知ってるから、全員乗ってくれる。
「そいじゃ、那珂ちゃん。司会頼んだぜ!」
「はーい☆以上、提督の挨拶でしたー。
それじゃあ、早速後夜祭恒例カラオケ大会いっくよー!一曲目は……」
那珂ちゃんにマイクを渡して、俺は煙草を吸うため、会場から少し離れた桟橋に移動していた。艦娘達に知られない様に、隠れて歩いている。
★
「ふぅ……ん?」
煙草の火を付けようとしたところで、誰かの視線を感じた。
「相変わらず煙草が好きだな、提督よ」
誰かと思ったら、長門か。
艦娘の前では煙草を吸わないのが、この鎮守府のルールなので、俺は慌てて火を消そうとしたが、
「いや、私は気にしないから吸ってて良いぞ。新品みたいだし、もったいないだろ?」
「そ、そうか。じゃあ遠慮なく」
許可も出たので、俺は再び煙草を吸う。
「お前だけか?」
「あぁ。他の奴らは皆カラオケ大会に夢中だ」
少し微笑んで、長門はそう言った
「……長門、今回の作戦だが、お前には少し辛い戦いになっただろう。すまないことをした」
「辛い?何のことだ?」
「今回の最終海域、あれはお前さんが沈んだビキニ環礁での戦いだったはずだ」
「あぁ、そのことか……で、それがどうした?」
長門は俺の言いたい事が分からないといった顔をしている。
「艦娘にとって、沈没とはトラウマのはずだ。沈んだ場所で戦うのは艦娘(おまえ)にとって辛い事だろ?」
「フ、やはりその程度のことか」
俺の言葉に、長門は鼻で笑う。
「確かに私は、あの海に沈んだ……しかし、何もできずに沈んだあの時の借りをこの身体で返す機会を与えてくれたと思っているんだが、それは私だけかな?」
「……」
長門の言葉を、静かに目を閉じて聞いていた。
「それに、あの場で戦えたおかげで、酒匂とも邂逅できたではないか。それだけじゃあ不満か?」
「いや。お前に心配は必要なかったな」
「あぁ、連合艦隊旗艦を務めた身としては当然だ。これしきのことで弱音を吐いてられんだろ」
「そういや、そうだったな」
ハハ、と苦笑し、俺は長門の方を見る。
「心配せずとも、ここにいる艦娘は皆強い。それは貴様が一番分かってるだろ?」
「そうだな。余計なことを話してすまない」
俺の言葉に長門は「何、気にするな」と言ってくれた。
「それじゃあ会場の方にも行ってやれよ。皆、貴様の事が好きなのだから。もちろん私もだが」
「これが吸い終わったら行くよ」
「待ってるぞ」
そう言って、長門はこの場を立ち去った。
ふぅ~、と大きく息を吐き、俺は煙草を携帯灰皿に押し付けた。
「さて、行くか」
この後、俺は祭りを楽しんだ。
16年の秋イベは長門・酒匂・プリンツが特効艦でした。その中で私が持っていたのは長門一人だけだったので、必然と武勲艦になりました。過去の沈没(トラウマ)より今その借りを返せる……長門はそんな気持ちで挑んでいたんだじゃないかな?と思い、今回の話を作りました。まぁプリンツが出なかったのは残念でしたが、次回以降もガンガン狙っていきたいと思います。