さてさて、世にも恐ろしい化け物の競演の場の後の我がクラスはとても癒される。
金ぴか、若づく……メイド、軍人に残念名族、バイ、ちょいヤバ不思議ちゃん、ロリコン。
これだけそろっていても癒される。
……泣いていいかな?
「義経と弁慶、与一だ。皆転入生とは仲良くするんだぞ」
てなわけで、先ほどはあまり聞いていなかったが改めて自己紹介のようだ。
うん、美少女、美女、美少年と言ったところか。
しかし! この川神! 美形ほどぶっ飛んでいるという謎法則があり得る土地、油断はできん!!
現に、男女関係なく口説こうとする美形に早速決闘吹っかける美形がいるくらいだしな!!
「そおい」
うへぇ、完全パワータイプだねぇ弁慶は。
あれ喰らったら大変だな。
うわ、軍人さん正面からガードしたよ、ありゃ無理だろ。
てか、あれで認められるって学校としてはどうなんだろうか?
最高の校風ですね、ええ、非常に助けられています。
「では、次は、義経が威を示す番だな!」
そして始まる真面目チャンタイム。
多馬川の野鳥の推移って……。
まあしらけるわな。
ここがS組じゃなければ下心ありきで盛り上がったかもしれないが……。
「……カルガモ」
あ、落ち込んでる義経ちゃん慰めたいです。
しかし、何のフォローも浮かばんよ。
ああ、口舌に長を持たぬが武辺者の性か……。
「ところで、1年も2年も、S組に人数が増えた分、S組の最大人数も増えたのであろう?」
「ウイ、ごもっとも」
きた! ちょい怖くなる話題だぜ!
「ぬるいのう。此方は嫌じゃぞ、余分に……ヒイ!」
「ム! すさまじい殺気!!」
余計なことは言うな心よ!
ついでに賛同しようとしてた軍人プラスαよ!!
フハハハ! 軍人二人と英雄以外真っ青になって口をつぐんでおるわ!!
葵に慰められたが残留確定じゃないからな、鬼にでもなってくれるわ!!
「おい、そこの一か月休学者! とりあえず即落ちはないからその殺気引っ込めろ! おじさんもちびるところだったぞ……」
あ、そうなんだ。
安心して気を収める。
おお、クラスに安堵の息の大合唱がおきたぞ。
なかがいいなぁ、うん。
「へぇ、大した気の量じゃないのにおっそろしく研ぎ澄まされてたね、コワイコワイ」
「彼は……、東西交流戦で大将を討ち取っていた人だな。ものすごい練度だ……」
「っく……、こんなところにまで機関の人間か!? いいぜ、たやすくやれると思うなよ!?」
おお、本質理解できるのか英雄s、これはヤリたいなー。
一人なんか妙なの居たけど……。
放課後。
とりあえず俺が行くまで待てと暴力執事さんから連絡と言う名の脅迫があったので待っていると野次馬が来るわ来るわ。
下心から好戦的なのまでいっぱいです。
お、風間ファミリーまで来てらーな。
「おす、トラ」
「あ、高坂君だー。放課後残ってるの珍しいわね」
「どもども、二人とも。ちょっと約束があってね。椎名、直江の妻アピールしとかなくていいの?」
「挨拶が済めばすぐに行くに決まってるんだ!!」
すごい速さで夫のもとに向かう妻。
あの速さは脅威だな。
夫じゃない! 高坂! 煽るなーー!! などと聞こえてくる気がするが気のせいに違いない。
椎名もこっちに親指建てているしね。
いいことした後は気持ちがいい。
ちょいちょい交流していると直江と与一の共通点が発覚した。
うん、黒歴史か、僕にとってはあの武神に叩きのめされる前の天狗の時期かな。
「やめろー!! そんな優しい目で俺を見ないでくれ!!!」
おっと、気が付かないうちに慈愛の目で見つめてしまっていたようだ。
必要以上に傷つけてしまったようだ。
ニヤリ。
「オイ、俺様が思うにあいつからも隠れドSのにおいがプンプンするんだが?」
「うん、ちょっとブルって来ちゃったよ」
「アイツも怒らせないようにした方がよさそうだな……」
「そう? 高坂君優しいわよ?」
男どもは失礼なことを言っているようだ。
一子ちゃんはいい子だなー。
なんやかんや与一が弁慶に窓から投げられた頃、……普通に言ってるがなんかおかしいな?
まあいいそんな時に、
「よーしつーねちゃーん、たったかおー☆」
はいはい来ましたよ武神ちゃん☆
「酷い! 先輩!! 僕もいるのに真っ先にほかの女に声をかけるなんて!! 僕とのことは遊びだったのね!?」
「な!? 高坂!!? いや、違うんだ! 一番はお前だよ、だがでもそれだけじゃあっていうかだな……」
あ、乗ってきた。
「いいわ! その気なら僕だって!! べんけーちゃーんたったかおー☆」
さりげなく?迫ってみる。
「うん、高坂って大人しいやつだと思ってたけど実際姉さんとそっくりなのかな?」
「トラは寸劇も楽しんでるけど実際は仕合狙いだと思うな。見てよあの目、寸前までふざけてたとは思えないほどギラギラしてるでしょ?」
「うわ、姉さんクラスって本当だったんだ。目だけで理解しちゃったよ……」
武神と似てるってのは言い過ぎじゃないだろうか?
女漁りなんかしてないもん!
っと、いつ来るかと思ったが遂に来たか。
「はしゃぐな小僧ども」
ヒュームさんチース。
「どもども、で、何の用事だったんですかね?」
気が付いてなかったようで急に出てきた執事に武神含め目を丸くしている。
「小僧、川神百代、今は引け。そのうち機会は作ってやる」
ちぇーやっぱりか、まあ、九鬼は絡むわなぁ。
「……むう、機会は作ってくれるのですね?」
お!? 最近大人しいと思ったけど聞き分けよくね?
なにがあったし。←原因
「……ああ、約束しよう。それで、小僧。お前に前約束していた組手相手の斡旋だ。義経たちの学園外からの挑戦者をふるいにかけろ」
おお!
堀の外の代わりキター!!
「了解でーす!! いつからでしょうかね?」
「とりあえず近日中からだ。まだ大人しく待たせられる範囲だからな」
ま、今日の今日じゃそんなもんか、流石は九鬼である。
「おいおい、お前だけうらやましいじゃないか―分けろよー」
げ、武神が仲間になりたそうにこっちを見ている。
ふざけるな、肉なんか投げてねーぞ。
肉投げてたら一子ちゃんあたりならワンフィッシュな気もするが。
「貴重な経験値を分割されてなるものか!!」
「おーい、いいじゃないか―私とお前の仲だろ?」
これ以上ないほどバイオレンスな仲な気がするんだが。
は!? 力ずくで奪いに来るつもりなのかこの武神は!?
「そうやってまた僕に乱暴するつもりなんだな!? 青年誌のように! 青年誌のように!!」
「おい、なんか違わないか? そのセリフは」
「いや、もう教育とか気にしなくていいくらいぐっちゃぐちゃでしょ?」
回復するとはいえぐんにゃぐにゃにしたしこっちなんか昇天半歩前だった。
「オイ! 青年誌だってよ? なんかリアリティあってエロティックじゃね!?」
「いや、あの二人の雰囲気見てまだそっちに妄想できるお前が非常にうらやましいよ」
興奮している一人を除いて青ざめてるね、特にワン子ちゃんなんかは実態見た分もう泣きそうだ。
まあ、流石にこんなとこで大暴れするわけもなく仲良く鉄心さんの拳骨をくらうことになった。
……鉄心さんもうちょっと手加減してくれないと僕にはきついよ……。
以上でした。
次回もよろしくお願いします