魔球闘士イナズ☆マギカ~魔法少女と革命(カゼ)の少年達~   作:サニーブライト

13 / 40
アニメイナズマ終わっちゃったなぁ……。
その代わり、祝!まどマギ『新編』販売&イナズマベストイレブン映画化決定!

それはさておきこんな拙い駄文に新たな評価者を着けてくれる方が現れました。桔梗 紫蘭さん、ありがとうございます。

さて皆様お待たせしました。アニメイナズマは終わってしまいましたけど、こちらはここからが天馬達の本格的なストーリーが始まります。

お楽しみいただけたら幸いです。では投下。


――OP『ルミナス』――



第9話『絶望のさやか!魔女の正体!』 Aパート

 

 

 

 

~~翌朝・見滝原中学~~

 

 

 

「………」

 

さやかが逃げ出してから翌日、教室の自分の席でまどかは暗い顔をして落ち込んでいた。

 

「さやかちゃん……」

 

今日も通学路でさやかを待ったが遅刻寸前の時間になっても現れず仕方なく登校したものの、結局学校にも来なかった。担任の早乙女和子からは病気で欠席と聞かされた。

 

 

 

『だったらあんたが戦ってよ!』

 

「………」

 

まどかは昨日さやかに言われたことを思い出していた。確かに魔法少女になってさやかと同じになればさやかを変えられるかもしれない。

 

 

 

『あたしの事を想うって言うなら、まずあたしと同じ立場になって見なさいよ!無理でしょ?当然だよね!ただの同情で人間やめられるわけないもんね!』

 

 

 

しかしさやかに言われた通り魔法少女になる事は出来なかった。天馬たちは『魔法少女は人間』だと言っていたが、それでもあんな命懸けの危険な戦いをする度胸も、戦いの運命を受け入れるほどの願いも彼女には無かった。さやかの為に願って魔法少女になることも考えたがどうしても自分の身の安全を優先してしまい、その想いをためらわせていた。

 

 

 

『今のあなたが彼女に出来ることは何もないから』

 

 

 

ほむらの言葉が頭に響く。共に戦おうとすることが出来ず、さやかの為にしてやれることが何もない臆病で無力な自分をまどかは責めた。そんな自分が恥ずかしくてどうしようも無かったのだった。しかしそれでもさやかの問題を解決する術を思いつく事は出来なかった。

 

 

 

「どうすればいいのかな……わたし…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

一方で恭介も自分の席に着きながら頬杖をついて一人考え込んでいた。

 

(さやか……来ていないのか……珍しいな……そういえば神童君も会いに来ないな……二人共、一体どうしたんだろう…)

 

いつも自分の見舞いに来てくれたさやかが登校せず、最近知り合った神童も会いに来ない事に違和感を覚える恭介。

 

「………」

 

 

 

 

『苦しんでいる君を必死に支えようとしてくれる人がいるんだ』

 

 

 

 

「僕を支えようとしてくれる人、か………」

 

恭介は神童が自分に言った言葉を思い出すと同時に何故かさやかの顔が浮かんだ。それは彼女がいつも自分に気にかけて何度も見舞いに来てくれたからかもしれない。しかし恭介の胸中にはそれだけでは収まらない妙な違和感があった。

 

 

 

『恭介!』

 

『大丈夫?恭介!』

 

『恭介!今日もCD持ってきたよ!』

 

 

 

その違和感がよぎるたびに彼女が自分に見せた色んな顔が自分の頭の中に浮かぶ。笑顔のさやか。自分を心配するさやか。自分を励まそうとするさやか。どれもこれも自分の脳裏に焼き付いて離れることができなかった。しかし恭介はただの幼馴染でしかないさやかのことが何故こんなにも気になるのか理解できなかった。

 

「さやか……」

 

 

 

「上条くん」

 

 

 

不意に呼ばれ、ハッと顔を上げる恭介。そこには仁美が真剣な顔で立っていた。

 

「志筑さん…?」

 

「今日の放課後―――お話があります」

 

 

 

 

~~放課後・さやかの家~~

 

 

 

「さやかちゃん、大丈夫かな………」

 

学校が終わった直後、まどかはさやかの見舞いに彼女の家にやって来た。

 

「あら、まどかちゃん……」

 

インターホンを押して数秒待つとさやかの母が出てきた。しかしその顔色は血の気がなく、目にも隈が出来ていて活気が失われており、まどかは一瞬驚いてしまう。

 

「あ…あの、今日、さやかちゃんが病気で学校を休んでるって聞いてお見舞いに来たんですけど……」

 

戸惑いながらも用件を伝えるまどか。

 

「…まどかちゃん、それが……」

 

しかし、この時のまどかは

 

「―――――」

 

「……えっ!?」

 

想像すらしていなかった話を聞かされたのであった。

 

 

 

 

 

 

~~河川敷~~

 

 

 

その頃、河川敷ではいつも通り天馬たちが練習をしていた。マミが学校を終えて到着してからは神童にこれからの戦いに向けてのある特訓の続きを行い、天馬たちはシュートとキーパーの特訓をしていた。ただ違っていたのは、

 

 

 

「はあっ!」

 

「てい!」

 

剣城も天馬と共に信助にシュートを放ち、その様子を杏子がチョコ棒を加えながらマネージャーたちと共に眺めていた事だった。

 

「にしても、今日もやって来るとはな。それもマミが来る前から」

 

「けっ、なんとなくここにたどり着いちまったんだよ。ここに来ればアイツも来ると思ってな…」

 

「やっぱりさやかが気になるみてえだな」

 

「うっせえ!///」

 

さやかを心配してやって来た杏子を水鳥がにやけながらからかう。ぶっきらぼうな雰囲気を持つその二人の姿は傍から見たら悪友にも見えるほどだった。

 

「でもそのおかげで剣城くんもこうして練習に参加してますし、いいじゃないですか」

 

「……まあ、元々ここがあいつの居場所だからな……」

 

 

 

「いくぞ!」

 

「来い!」

 

一方で練習中の剣城は河川敷に設置されたゴールを守る信助に向けてシュートを放っていた。

 

「でやっ!」

 

「ふんっ!」

 

信助はその小さい体で剣城の放ったシュートに素早く飛びついて両手で力強くキャッチする。

 

「よし、もう一発お願い!」

 

「ああ!」

 

信助は剣城に勢いを込めてボールを投げ返す。その気合いに答えるように剣城も力強く返事を返した。

 

「………」

 

杏子はシュート練習に精を出す剣城の姿をただじっと見つめていた。自分が知っている普段の彼はクールで寡黙であまり感情を見せていなかったこともあり、どこかほむらに似ているイメージがあった。しかし信助の守るゴールに向けて力強くシュートを放つ姿を見て彼のサッカーに対する熱い情熱が静かに燃えているのが感じられた。

 

「……フッ」

 

杏子にはそんな生き生きとしている剣城の姿が微笑ましく見えてしまい、思わず笑みを浮かべてしまう。

 

「ん?どうした?」

 

「なっ、何でもねえよ!///」

 

杏子はとっさに視線をそらして誤魔化した。

 

「それにしてもさやかさん、大丈夫ですかね……」

 

ここで葵がさやかの事を気に掛ける。

 

「さあな…あの馬鹿、どこまでも一人で突っ走りやがって……」

 

「でも、あいつの事を気にかけてるのはやっぱりあんただけじゃないみたいだぜ」

 

水鳥は両腕を組みながら視線を天馬たちより少し横に移した。

 

 

 

 

 

「はぁ!」

 

水鳥の視線の先で神童はマミの指導の元、自分の特技を生かしたある特訓をしていた。今はマミのリボンを何かに見立てているようだった。

 

ヒュン!ガシッ

 

「く!」

 

手を動かし続けながら走っていた神童だったが、地面から伸びたマミのリボンに足をからめ捕られてしまう。

 

「ダメね。神童くん、やっぱり集中できてないみたいね」

 

マミは変身を解くと同時に一般人には見られないようにするための結界とリボンを消し、神童に歩み寄る。

 

「すみません、マミさん」

 

「ううん、いいの。私も気持ちはわかるから……」

 

「さやかさん……」

 

やはり神童もさやかの事が気がかりで特訓に集中出来ていないようだった。

 

「神童くん、やっぱり美樹さんが心配なのね…」

 

「はい……さやかさんは、ただ愛する上条の為に魔法少女になっただけなのにあんな目にあって……それを考えたらどうしても気になってしまうんです。彼女の為に俺に出来ることは無いのかと……」

 

神童は暗い表情をしながらさやかの事を憂いていた。そんな神童を見かねたマミは一度溜息をつく。

 

「……神童くん、聞いてくれる?」

 

「……?」

 

怪訝な顔をする神童にマミは何かを思い出すように目を閉じる。

 

「私はあなたたちと出会うまで、ずっと一人で悩んでいた。本当は戦いそのものが怖くて……その戦う理由も失いかけていた………でもあなたたちは私の命を救い、一人で泣いていた私の涙を拭いてくれた……その時わかったの………」

 

ここでマミは目を開けて優しく微笑む。

 

「私は一人じゃないって」

 

「!」

 

マミの言った言葉。それは以前、一人で悩み苦しんでいたこの世界の親友に向けて神童が言った言葉だった。自分がわかっていたはずのものを失いかけていたことに気づき、神童の心に天馬に言われて吹かれたそよ風のような感覚が甦る。

 

「今の私は一人じゃない。私の悩みを聞いてくれる人たちがいるんだって。だから今度は私が皆の悩みを聞いてあげようって決めたの」

 

その時のマミの姿はいつもの頼りがいのある先輩の姿だったが、その雰囲気は明らかに以前とは違っていた。そこには母親の持つ母性のような器の大きさが感じられた。

 

「神童くん、美樹さんは私の後輩であると同時に大切な友達なの。そしてあなたも私にとって大切な友達…だからこれはあなただけの問題じゃない。一人で抱え込んじゃダメよ?」

 

「マミさん……」

 

神童にとってマミのその一つ一つの言葉はまるで天馬が話しているような温かみを感じられた。

 

「だって私たちは『仲間』、でしょう?」

 

「!」

 

マミの『仲間』という言葉が神童の心に響き渡る。彼女もまた天馬に勇気を与えられ、心のもやを払われた者。それゆえに仲間を心から支え合う思いが生まれた。そして神童も同じく天馬の影響を受けた者として彼女の言葉が響き渡ったのであった。

 

「……そう、ですね…」

 

神童はやさしく微笑んだ。まだ何も解決したわけではないが、その微笑みは何か吹っ切れたように柔らかな物だった。

 

「その言葉、忘れるところでした。ありがとうございます、マミさん」

 

「いいのよ。これはあなたたち雷門が教えてくれた事だもの。さあ、再開しましょ。練習が終わったら一緒に美樹さんを迎えに行きましょう」

 

「はい!」

 

元気を取り戻した神童が練習を再開しようとしたその時、

 

「皆!」

 

まどかが慌てた様子でやってきた。

 

「はぁ、はぁ……」

 

よほど慌てていたのか、まどかは天馬たちの前にたどり着くと両膝に手を置いて息切れする。

 

「まどかさん?どうしたんです?そんなに慌てて……」

 

天馬がまどかを心配すると彼女は一度息を吸って呼吸を整えながらまだ火照って赤くなった顔のまま緊迫した表情で叫ぶ。

 

「た、大変なの…!さやかちゃんが……

 

 

 

 

 

 

さやかちゃんが家に帰ってないの!」

 

「何だって!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~街中~~

 

 

「今日、学校にさやかちゃんが来なかったから、放課後お見舞いに行ってみたの……そしたらさやかちゃん、昨日の夜から帰ってないって……」

 

まどかの話を聞きながら一同はさやかを探すために街の中を駆け巡っていた。

 

「それってあの魔女退治の後からそのまま帰ってないってことじゃないですか!」

 

「くそっ…!やはりあの時引き留めておくべきだったか!」

 

神童はさやかを放っておくべきではなかったとを後悔し、歯を食いしばる。

 

「みんな、ここからは分かれて探そう!」

 

「「「ああ(ええ)(うん)!」」」

 

天馬の提案で一同は効率良く捜索するために散っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所~~

 

 

「うああああぁッ!!!」

 

見滝原の一角にできた結界の中でさやかはただひたすら使い魔を倒しまくっていた。

 

「はあ……はあ……」

 

彼女は昨夜からずっと魔女や使い魔の結界を探してはそれらを駆逐していた。しかし影の魔女との戦いの時同様、魔女にダメージを与える事と引き換えに自分の身体を傷つけ、その度に魔力で体を修復するという無茶極まりない戦法を続けていた。今の自分には魔女退治をする事しかない。そうでなければ魔法少女になったことが何の意味も無いと認めたくなくて必死だった。自分の弱さを受け入れられず、親友と仲間の手を振り払った自分の不甲斐なさを振り払うように使い魔を蹴散らしていたのだった。

 

「はっ……はあ……」

 

しかし彼女はグリーフシードを手にしても自分のソウルジェムを浄化せず、その青い輝きを彼女の負の念と魔力消費によって黒く濁らしていくばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

~~工場地帯~~

 

 

「はあ、はあ…」

 

杏子は剣城と共にさやかと初めて出会った場所でもある工場地帯を捜索していた。

 

「美樹さやかを探しているのね」

 

「「!」」

 

走っていた二人の前に突如ほむらが現れ、二人は足を止める。

 

「あんた……」

 

「私も探すわ。彼女を見つけたら、直ぐに彼女のソウルジェムにグリーフシードを使いなさい」

 

「どういう意味だ?」

 

「彼女はソウルジェムに穢れを溜めこみすぎている。早く浄化しないと取り返しのつかない事になるわ。急ぎなさい」

 

「なんだかよくわかんねーが、言われなくても急ぐよ!行くぞ!」

 

「はい!」

 

杏子はほむらの様子に不信を抱きつつも剣城と共にさやかを見つけるために再び走り出した。

 

「………」

 

ほむらは走り去っていく二人の背中を見つめながら呟く。

 

「私……何故、あんな事を…」

 

ほむらは何故自分が二人にそう言ったのかわからなかった。彼女にとってさやかはどうでもいい存在のはずだった。自分のある目的のために彼女がどうなろうと構わなかった。その目的の為なら彼女を殺すこともいとわないはずだった。なのに今はさやかを手遅れになる前に助けようとしている。

 

「あの子以外、誰が死んでも構わなかったはずなのに………」

 

ほむらは今までとは違ってきている自分に戸惑いを覚え、苦しそうな表情で空気を含むように片手で作った拳を胸に当てながら顔を俯かせる。

 

『―――仲間を守れない様じゃ何も守れない!』

 

『―――俺達は大切なものを守りたいんだ!』

 

「…っ!」

 

ほむらの頭の中で彼らの言葉が何度も甦る。

 

「あなたたちのせいなの…?雷門……」

 

 

『―――ほむらさん…あなた、自分に嘘をついてませんか?』

 

 

「松風天馬……」

 

 

 

 

 

 

 

 

~~市立公園~~

 

 

「志筑さん、話って何?」

 

「………」

 

夕暮れの光が差し掛かる公園の中をまだ年端もいかない一組の男女が並んで歩いていた。少年は松葉杖を携え、少女は常に真剣な眼差しで少年を見つめていた。そして少女は公園のベンチに差し掛かった所で少年と向き合う。

 

「上条くん……」

 

 

 

 

 

「………」

 

少女が少年と向き合った直後、青い髪の人魚姫はひっそりとやって来た。少年と少女はベンチに腰掛けながら笑顔で語り合っていた。少し離れた物陰から見ていた人魚姫にその会話の内容は聞こえなかったがその仲睦まじい二人の姿は人魚姫の目にも恋人同士に見えてしまうほどだった。

 

「………」

 

そして人魚姫は二人に気づかれないよう、その場から逃げるように走り去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夜・住宅街~~

 

 

「さやかちゃん……どこ…?」

 

夕日が沈み、夜の闇に包まれた住宅街の中をまどかは一人さやかを探し続けていた。

 

「君も、僕の事を恨んでいるのかな」

 

そこに暗くなった住宅街を照らす電灯の上から話しかける者がいた。

 

「……キュゥべえ」

 

まどかがその声に顔を上げるとあの白い悪魔がいた。キュゥべえはそこから飛び降りてまどかの肩に降り立つ。しかし、まどかはその赤い瞳と目を合わそうともせず、ただ棒立ちしているだけだった。

 

「……あなたを恨んだら、さやかちゃんを元に戻してくれる?」

 

キュゥべえを肩に乗せたまま、まどかはそう尋ね返す。

 

「無理だね。それは僕の力の及ぶことじゃない」

 

キュゥべえはあっさり答える。

 

「―――美樹さやかの事は諦めた方がいい。彼女はすでに穢れを溜めこみすぎた」

 

「そんな…!」

 

キュゥべえの非常な宣告にまどかは思わずキュゥべえの方を向いて涙ぐみそうになる。

 

「まどかさん?」

 

そこに再び声がする。まどかが涙目でハッと正面を向くとそこに一人の少年が立っていた。

 

「天馬くん……」

 

 

 

 

 

~~同時刻・河川敷~~

 

 

「いたか!?」

 

「いえ…」

 

「こっちにもいなかったわ」

 

一方、河川敷では天馬とまどか以外の全員が現状報告のために合流していた。しかし、やはり誰もさやかを見つけることは出来なかった。

 

「美樹さんの魔力を追ってみたんだけど……彼女、魔力の反応を消しているみたいで見つけられなかったわ」

 

「くそっ……どこまで馬鹿野郎なんだあいつは…」

 

一人で突っ走るさやかに杏子は悔しそうに呟く。

 

「さやかさん……」

 

「………」

 

さやかを心配する神童の隣で剣城は一人俯いて考え込んでいた。

 

「…?どうかしたか、剣城」

 

「……いえ」

 

 

 

 

 

(……そもそも、この魔法少女というシステム……何かがおかしい……)

 

この世界に来てからの出来事を追憶しながら考えを張り巡らす剣城。剣城は以前から魔法少女という『システム』を作り出すキュゥべえを信用していなかった。あの可愛らしい姿でありながら、魂を抜き取り、それを黙っていたという非人道的な行いから自分の勘は正しかったと確信する剣城。その確信からキュゥべえの生み出した『魔法少女』というものについて疑問を抱いていた。

 

 

 

『僕と契約して、魔法少女になってよ!』

 

(あいつは普通の少女を魔法少女に変えることを『契約』と言っていた………契約とは、俺が兄さんの手術費のためにフィフスセクターのシードになったように……お互いに相手の利益を生み出すために行うもの……)

 

 

 

『願いを叶える代わりに魔女を倒すという使命が課せられるんだ』

 

(確かに人々を脅かす魔女は放っておけない……だが魔女を倒すことが、あいつにとってどんなメリットがあるというんだ…?)

 

 

 

『僕の役目はね―――君たちの魂を引き抜いてソウルジェムに変える事なんだ』

 

(それに魔女との戦いが命懸けとはいえ、どうして魂をソウルジェムに変える必要がある?あいつがさやかさんに対して言っていた機能が付くというなら、その機能だけを魔法少女に付加してやればいいはずだ)

 

 

 

『訊かれなかったからさ。知らないままでも別に不都合は無いからね』

 

(そして何故魂を引き抜くことを黙っていた?あいつはこれまで何人もの魔法少女と契約してきたはず………黙っていれば後に知られて俺たちのような反応をするのはわかっていたはずだ。なのにどうしてそれを改善しない…?初めから説明したら契約する少女がいなくなってしまうからか?だが、それではまるでとにかく魔法少女を生み出したいと言ってるようなものだ)

 

 

 

『あれ?マミさん、ソウルジェムが少し濁ってますよ』

 

『あら本当だわ。おかしいわね………さっき確認した時は確かに濁ってなかったのに』

 

(昨日、彼女のソウルジェムが魔力を使っていないのに濁っていた……天馬たちの話からするとまるで絶望に反応して濁ったみたいじゃないか………)

 

 

 

『早く浄化しないと取り返しのつかない事になるわ』

 

(そういえばソウルジェムの穢れを浄化しなければどうなるんだ…?普通に考えれば、ソウルジェムが機能しなくなり、その魔法少女は死んでしまうと考えていいだろう……だが、それはソウルジェムの秘密を知った者ならば誰だって考えられること……わざわざ言葉を濁すほどの事なのか?)

 

 

 

『願いを叶えるのが魔法少女だとするなら、魔女は呪いから生まれ出た存在なんだ』

 

(魔女についても不可解な点が多い…。そもそも魔女は一体どこから来る?呪いから生まれたといっても、そこには必ず発生源……魔女が生まれる確かな要因があるはずだ)

 

 

 

 

『これがグリーフシード。魔女の卵よ』

 

(それに何故魔法少女のソウルジェムを魔女の落とすグリーフシードで浄化できる?相対する二つのものが何故共鳴反応を起こすんだ?………まるで同じ物のように………

 

 

 

同じ物のように?………ッ!?)

 

 

 

 

ここで剣城はある恐ろしい推測が浮かび目を見開く。しかしそれは剣城にとっても決してあってはならない、決して真実であってほしくない残酷なものであった。そう思いつつも剣城は真実にたどり着くため、自分の頭の中で魔法少女と魔女に関係する事をフル回転させる。

 

 

 

『僕と契約して、魔法少女になってよ!』

 

契約することにおけるキュゥべえのメリット。

 

 

 

『願いを叶えるのが魔法少女だとするなら、魔女は呪いから生まれ出た存在なんだ』

 

絶望の象徴である魔女。それを退治する希望の象徴である魔法少女。

 

 

 

『これがグリーフシード。魔女の卵よ』

 

『おかしいわね………さっき確認した時は確かに濁ってなかったのに』

 

『早く浄化しないと取り返しのつかない事になるわ』

 

絶望することによって穢れていく魔法少女のソウルジェム。

その穢れを浄化できる魔女のグリーフシード。

穢れが溜まり切ったソウルジェムの果て。

 

 

 

相反するのに共鳴する二つのもの。

 

 

 

希望と絶望。

 

 

 

「―――!!!」

 

そして最後に浮かぶのは、天馬が語ったキュゥべえとの会話。

 

 

 

 

 

『―――キュゥべえはどうしてあの怪物たちの事を魔女って呼ぶの?』

 

『―――あれらは、そう呼ぶのが一番ふさわしいからさ』

 

 

 

 

その瞬間、剣城の中の疑問が全て一本の糸に繋がってしまった。

 

「ま、まさか…!?いや、そんなバカな!?」

 

「剣城?どうしたんだ?」

 

「皆!一刻も早くさやかさんを見つけるぞ!!」

 

「え?」

 

「それは当然だが……どうしたんだ?急にそんなに慌てて……」

 

神童が怪訝な顔で問うと剣城は一度顔を伏せて話す。

 

「……今はまだ憶測にすぎない、だから詳しい事は話せません。だが………

 

 

 

 

 

俺のこの憶測が正しければ……最悪な事が起きるかもしれない!」

 

「「「ええっ!?」」」

 

剣城が顔を上げて緊迫した表情で言った言葉に一同は驚きの声を上げる。

 

「とにかく、急いでさやかさんを見つけるんです!」

 

「わかった!」

 

一同はその場で解散し、再びさやかを探しに散って行った。

 

「おい!最悪な事ってなんだよ!まさかさやかが死ぬって言うんじゃないだろうな!?」

 

再び剣城と共に探し出した杏子は走りながら剣城に問う。

 

「いえ……おそらく、それだけではすまないでしょう…!」

 

「何!?」

 

(くそ……間に合ってくれ…!)

 

 

 




というわけでさやかが暴走し、剣城が魔法少女の最悪の秘密にたどり着きました。
ここからまどマギでは絶対に避けて通れない問題への戦いが始まるんですよね。

実はBパートも完成に近づいており、明日には完成できそうですのでお楽しみを。

感想お待ちしております。ああ、ホントに文才欲しい…。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。