魔球闘士イナズ☆マギカ~魔法少女と革命(カゼ)の少年達~   作:サニーブライト

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お待たせしましたBパート。
今回は今までで一番の胸アツ展開を目指してみました。
イナズマらしさを再現できたか不安が有りますが楽しんでいただけたら幸いです。

ではどうぞ。


第12話『人魚姫の涙!』 Bパート

 

「天馬くん……」

 

まどかをはじめとする見滝原組は絶対に諦めないと宣言する天馬に唖然としていた。

 

「松風天馬……わかっているの?上条恭介の声も彼女には届かなかった。なのに…どうしてあなたは諦めないの?このままじゃあなたもあなたの仲間達も、元の世界に変える事無く死んでしまうのよ?」

 

ほむらには理解できなかった。恭介の言葉でもさやかは自我を取り戻さず、もはや彼女を元に戻す手段は失われている。何を根拠に彼は戦いを続けるのか。

 

 

 

 

「ほむらさん……俺がほむらさんに言った事、覚えてますか?」

 

「!」

 

 

 

 

『例えどんなことが起こっても、誰一人見捨てませんよ』

 

 

 

 

 

「まどかさんとも約束しました」

 

「!」

 

 

『さやかさんの事は……俺たちがなんとかします!……絶対、なんとかしてみせます!』

 

 

「悔しかったんです。俺、さやかさんが一番苦しんでいた時、何にも出来なかった」

 

拳を強く握る天馬。彼は思い出していた。魔法少女の残酷な真実を知らされ、やり場のない悲しみで自分を傷つける、あの夜の惨めなさやかの姿を。彼もまだ一人の少年であり、たった一人だけで全てを救うことは出来ない。その事を身を持って実感をしていたのだった。

 

「そのままさやかさんは絶望に落ちて、魔女になった……その時、俺は思いました。俺はなんて無力なんだと……錦先輩が現れなかったらそのまま落ち込んでいたままだったかもしれません」

 

天馬は顔に影を作り、その視線を下に落とす。

 

「でも思い出したんです。俺たちが……ホーリーロードで本当のサッカーを……俺たちの希望を取り戻せた理由を…」

 

「希望を取り戻せた、理由…?」

 

「それは……俺たちが絶対に諦めなかったからです!」

 

「!」

 

天馬は握っていた拳を更に強く握りしめながら顔を上げ、ほむらは天馬の言葉に目を見開く。

 

「円堂監督が言ってました!諦めない奴だけに掴めるものがあると!どんなピンチでも、どんな絶望が襲いかかっても、諦めなかったから俺達は今こうして立っているんです!気持ちで負けたら……諦めたらそこで終わりなんです!」

 

「…!諦めたら、そこで終わり……」

 

心に響いた天馬の言葉をまどかが繰り返す。

 

「俺は諦めたくない!さやかさんには生きて知ってもらいたいんです!絶望を超えた先には必ず希望があるって事を!このままさやかさんを絶望のまま死なせたくないんです!仲間は誰も死なせない!代わりなんて一人もいない!ここにいるみんなは、そしてさやかさんは俺の大切な仲間なんです!」

 

「仲間…」

 

今度はほむらが繰り返した。

 

「俺は大切な仲間を絶対に守り抜きたい!仲間一人守れずに元の世界に帰っても意味なんて無い!ここでさやかさんを見捨てたら、俺は絶対後悔します!だから俺は最後の最後まで諦めない!後悔したくないから!」

 

「「「!!!」」」

 

この絶体絶命の中でも決して諦めようとしない天馬の姿に一同の心が震えた。

 

「………天馬くんっ…!」

 

何が何でもさやかを助け出すと断言する天馬の決意の姿にまどかは大粒の涙を流す。

 

 

 

 

 

「お前……」

 

「天馬の言うとおりです」

 

杏子が天馬に注目している中で彼女を抱える剣城が語りかけるような声でそう言った。

 

「杏子さん…さやかさんを一人にしたくないのは痛い程よくわかります……でもここであなたまで死ぬことなんて……俺たちは望んでいません!」

 

剣城は一度顔を下げて同情するように呟いた直後、火が付いたように顔を上げてそう叫んだ。

 

「剣城…」

 

「ここであなたまで失ってしまったら、俺たちはきっと立ち直れない!だから、諦めてさやかさんと共に死のうなんて考えないで下さい!」

 

「!」

 

刹那、杏子は父親が母や妹と共に一家心中した時の事を思い出す。大切な人が亡くなり、残された者がどれだけ悲しみに打ちひしがれるかは杏子が一番よく知っていた。そして今の自分とさやかには自分達をこんなにも大切に想ってくれる存在がいる。杏子は邪魔されたことを不愉快に思いつつもさやかと共に死のうとして彼らに同じ苦しみを与えそうになった自分を少しだけ恥じた。

 

「俺も諦めません……俺は知っています!絶望の中にいても決して諦めなかった人を!」

 

剣城の頭にある人物がよぎる。それは一度たりとも再びサッカーをするのは無理だと口にせず、いつか弟と同じフィールドに立つために治る見込みの無い足のリハビリを必死に続けた一人の兄だった。剣城はそんな兄を心から尊敬していたのであった。

 

「ここであなたたちを見捨てたら………俺はその人に顔向けが出来ない!」

 

ここで剣城は杏子を抱きかけたままさやかの魔女を見据える。

 

「俺は諦めない!俺と同じ、“誰かの為の願い”から始まった二人を……こんな所で終わらせはしない!」

 

剣城のその決意は自身の瞳を煌めかせていた。それは刃が放つような鋭く真っ直ぐな光で、その瞳に宿った彼の固い決意に杏子は圧倒され言葉を失う。

 

「絶対に助けてみせる!さやかさんの命も、杏子さんの命も……俺が必ず守ってみせる!!!」

 

「つる…ぎ…!」

 

その瞳に熱い想いを込めた剣城の姿が杏子の目に焼き付き、その胸がトクンと高鳴った。

 

 

 

 

 

「さやか…」

 

「上条」

 

一方で恭介が振り向くと神童が自分の肩に手を置き、視線を自分の目から魔女に移しながら言った。

 

「取り返すぞ………失ってはならない、大切なものを!」

 

「……ああ!」

 

恭介も再び魔女を見て相槌を打った。

 

 

 

 

「ワシも負けんぜよ!」

 

「あたしもだ!」

 

「うん!」

 

「絶対にさやかさんを助けましょう!」

 

錦、水鳥、茜、葵も同じ気持ちだった。

 

「私も諦めません!」

 

「志筑仁美…」

 

「何も出来ないかもしれませんけど……それでもさやかさんを助けたい!さやかさんとこれからも親友であり続けるために!」

 

「あたしも…だ…!」

 

「杏子さん…!」

 

杏子は魔力で自らの傷を癒し、剣城に支えられながら何とか立ち上がる。

 

「あんたたちの言葉で目が覚めた……やっぱこういうのはハッピーエンドじゃなきゃ納得できねえよな!」

 

杏子は八重歯を見せながら笑みを見せる。

 

「佐倉杏子…!」

 

「さやかちゃん……」

 

「!まどか……」

 

「わたし……わたしたちの言葉が届かなかったら、きっとさやかちゃんを助けられないって思ってた。でも…」

 

まどかは流れていた涙を拭いて顔を上げる。

 

「天馬くんのおかげでわかったの!本当に助けられなくなるのは、さやかちゃんを諦めた時だけ!わたしはこれからも、さやかちゃんと一緒にいたい!希望に満ち溢れたさやかちゃんの顔が見たい!だからわたしも、天馬くんと同じ……絶対に諦めない!」

 

「!!!」

 

まどかの決意の叫びにほむらは突風を受けたような感覚に陥る。そして周りを見てみると天馬を初めとした全員が真っ直ぐな瞳で魔女になったさやかを見つめていた。目の前の絶望のその先に、必ず希望はあると信じて。

 

(誰も諦めてない……まどかまでも…!彼の諦めない思いが……全員を鼓舞したというの……!?)

 

ほむらは彼らの心を動かした少年を信じられないような目で見る。

 

(これが、松風天馬…!ハッ!)

 

その時、ほむらの心に雷のような衝撃が走った。

 

(そうか……やっとわかったわ……何故、私が彼の言葉に胸が苦しくなっていたのか……)

 

ほむらは目を閉じて胸に手を当てる。そして憑き物が落ちたかのように心が穏やかになっていくのを感じていた。

 

「さやか!僕はいつも僕を支えてくれた君が好きだった!そしてこれからは僕も君を支えていく!戻ってきてくれ!さやか!」

 

「さやか!あたしはホントはあんたと友達になりたかった!昔のあたしそのものだったあんたと友達になりたかったんだ!最初は殺し合う仲だったけど、これからは友達として一緒に過ごしたい!だから帰ってこい!さやか!」

 

「さやかさん、本当にごめんなさい!あなたを魔女にする要因を作ってしまって…許してもらおうなんておこがましくして出来ませんけど……私はただ、あなたに謝りたい!本当のあなたに謝りたいのです!だから帰ってきてください!さやかさん!」

 

「君にはこんなにも大切に想ってくれる人たちがいる!絶望に堕ちる必要なんてないんだ!」

 

「さやかちゃん!わたしたちがさやかちゃんの帰ってくる場所になるから!お願い、目を覚ましてさやかちゃん!本当の自分を思い出して!いつもわたしたちに笑顔を向けていたさやかちゃんに!」

 

「ウウウウウウウゥゥ!!!」

 

恭介、杏子、仁美、神童、まどかの呼びかけに魔女は剣を落として頭を抱えてもがき苦しんでいた。一人一人の言葉が彼女を穿つように。その様子に天馬はとっさに地面にボールを置いて後ろに下がる。

 

「「「さやか!!!」」」

 

「「さやかちゃん!」」

 

「「「さやかさん!」」」

 

「さやかさーーーーん!!!」

 

全員の想いを乗せて天馬はボールを魔女に向けて放つ。それはシュートではなくパスを送るようなスピードで綺麗な弧を描き、リボンがついた魔女の胸に当たって弾んだ。

 

 

 

 

 

―――その直後、全てのマギカボールと指輪が光り出す。それと同時にボールが当たった魔女の胸から薄く輝く光の波紋が現れ、水面に触れたように魔女の全身に広がっていった。

 

 

 

「こ、この光は…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、少年たちの能力の一つに、ある一つの力が付加された。それは魔法少女が生まれるときに彼女達に与えられる奇跡の力に近い物だった。しかし、これは魔法少女の様に後に絶望に変わる力ではない。彼女達を救おうとする少年たちの想いの力と魔法のボールと指輪の力が合わさって初めて生まれる、少年たちが生み出した奇跡の力。ここから始まるのは少女達の絶望の物語ではなく―――

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女たちの絶望を吹き飛ばす、少年たちの革命の物語である。

 

 

~~~~~~

 

 

 

 

 

 

―――ここは、どこ?あたしは一体……。

 

 

 

誰もいない。音も無い。光も無い。そんな深海のような暗い空間に尾びれのついた一人の人魚姫がいた。彼女は体を丸め、さかさまに泡を立てながら沈んでいた。ただ一人、孤独のままで。

 

 

 

―――ああ……あたし死んじゃったんだ。一人で馬鹿やって……皆を傷つけて……。

 

 

 

人魚姫は一人で思いつめ、仲間達に八つ当たりをして悲しませたことを悔やんでいた。自分が魔法少女になったことの全てを悔やんでいた。自分の全てを後悔と自責の念で染め上げた彼女はもう何も変わらないと涙を流す。その涙は後に消えていく泡と共に上昇しては見えなくなった。

 

 

 

 

―――このまま……あたしも消えちゃうんだ…。

 

 

 

人魚姫は物語のようにいずれは自らも泡のように消え、見えなくなった涙のように誰にも認識されなくなると思っていた。

 

 

 

 

―――あたしはもう、皆のところには帰れない……このまま一人…暗い中で一人ぼっちなんだ……。

 

 

人魚姫はただ悲しげに消滅するのを待ちながら瞼を閉じた。

 

 

 

 

 

(さやか!)

 

「!」

 

 

 

その時、哀しみに暮れた人魚姫の耳に一人の声が聞こえた。それは想いが届かないと思っていた王子の声だった。

 

―――きょう、すけ……。

 

 

(さやかさん!)

 

(さやかちゃん!)

 

(さやか!)

 

 

―――!

 

 

王子の声を皮切りに自分を呼ぶ仲間たちの声が次々と聞こえてくる。

 

 

 

―――みんな……!

 

 

 

仲間たちの声を認識した人魚姫の前に一つの光が現れる。その光から二つの手が自分に向けてスッと差し伸べてきた。人魚姫は引き寄せられるように手を伸ばすとその二つの手は自分の手首を握って一気に引っ張り上げる。

 

「―――!!!」

 

水面から飛び出す水音と共に光の中に引き上げられると服装は自分が着なれた制服に、尾びれは人間の両足に変わっており、その綺麗な両足で光に包まれた世界に着地する。そして前を見ると桃色の髪の少女と風になびかれたような髪型の少年が笑顔で自分の手を握っていた。二人が握っていた手を放し、人魚姫に見せるように前を開けるとそこには人魚姫の想い人である王子が待っていた。彼の右側には自分の事を気にかけてくれた指揮者の少年と親友である緑髪の少女が。左側には自分と同じ願いから始まった赤髪の少女と黒い尖がった髪の少年が。そして後ろには彼らと共に自分の為に動いてくれたそれぞれ髪の色が違う四人の少女と一本お下げの少年がいた。彼らは満面の笑みで人魚姫を待っていた。彼女を受け入れるように。彼女を迎えに来たように。そんな彼らの温かい笑顔に呆然としていた人魚姫の顔に一筋の涙が伝った。

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

「こ、この光は……!?」

 

マギカボールと指輪の強い光に一同は驚く。その光は強すぎるわけでは無く、今までで一番綺麗だと言えるほどの美しい輝きを見せていたからだった。

 

 

 

―――そして光がおさまると同時に彼らの想いが生んだ奇跡が起こった。

 

 

 

 

 

 

(みんな……!)

 

 

 

 

 

 

「!―――この声は!」

 

「さやかちゃん?さやかちゃんなの!?」

 

「こんな、ことが…!」

 

ほむらが魔女から聞こえてくるさやかの声に驚愕する。

 

(みんなの声……聞こえたよ…!みんながあたしに呼びかけてくれたから…!あたしの事を諦めなかったから…)

 

さやかは魔女となっている今の姿とは真逆に希望に満ちた声で自分たちに語りかける。

 

 

 

ドクン!

 

(ぐううっ!)

 

さやかの身体に衝撃が走り、跳ね上がるようにその巨体を震わす。

 

「さやかちゃん!どうしたの!?」

 

(あたしの中の魔女が……暴れ出してる!)

 

「何だって!?さやか、堪えるんだ!」

 

(恭介……ぐっ!抑えるのも、もう限界みたい……みんなと話せるのも、これが最後…かもしれない……)

 

「弱気な事を言わないでくれ!こうして魔女になった君とも話が出来たんだ!きっと元にも戻れるはずだ!」

 

(神童……ぐううっっ!!も、もうダメ…!意識が遠のいていく…)

 

さやかは魔女の本能に再び体を支配されかけており、地面に落ちた剣を再び拾い上げる。

 

「そんな…さやかちゃん!」

 

まどかがやっとつかんだ希望が失われるように涙を流す。

 

「さやかさん!」

 

そうはさせまいと言うように天馬が大きな声で呼びかける。

 

「俺は……俺達は決して、あなたの事を絶対に見捨てません!」

 

(天馬…!)

 

すると天馬は呼吸を一度整え、もがいているさやかと向き合う。

 

「さやかさん……今の内に、あなたに訊きたいことが有ります」

 

(な、なに…?)

 

「……あなたの……今のあなたの願いは、なんですか…?」

 

(……!)

 

天馬の言葉にさやかは一瞬だけ動きを止める。そして今度は意地を張る事も、自らを追いつめようとすることも無く、素直な気持ちを打ち明けた。

 

(……あたしは……恭介や、まどか、仁美……ううん、みんなと……みんなと一緒に生きたい!ぐううっ!!)

 

「さやか!」

 

(お願い……あたしを……

 

 

 

 

 

 

―――あたしを助けて!!!)

 

 

 

その言葉を最後に、さやかは剣をこちらに向けて振り下ろす。

 

「うわっ!」

 

天馬たちは後ろに下がって剣を躱すも、さやかは魔女に再び支配されたようで魔女は激昂するように雄叫びを上げる。

 

「さやかさん!」

 

「そんな……せっかく僕たちの声が届いたのに…」

 

神童が叫び、恭介は再び自分たちに襲いかかるさやかに絶望的な顔をする。

 

「いや、ワシらの声は届いたんじゃ!後はやる事は決まっとろうが!」

 

「錦…」

 

「ここまで来たらやるしかないじゃろ!さやか、必ずおまんを助けて見せるぜよ!」

 

パアアア!!

 

錦が高らかにそう叫んだ直後、錦のマギカボールが強い光を放った。

 

「あ、あの光は!」

 

見覚えのある光に天馬は驚きの声を上げる。

 

「ぬおお!力が湧いてくるぜよ!ドォリヤアアアアアア!!!」

 

錦が叫びながら四股を踏むように大きく足を前に出すと背中から藍色のオーラが出現する。オーラの上部から鎧武者の顔のような輪郭が形作られると刃物で切り裂くような音と共にオーラに切り目が走る。

 

 

 

「『戦国(せんごく)武神(ぶしん)ムサシ』!!!」

 

 

 

切り目から藍色のオーラが払われると両手に刀を持った鎧武者が出現した。

 

「これが化身か…!」

 

葵達から化身の話を聞いていた恭介が驚嘆する。

 

「オオオオォォォッ!!!」

 

化身の出現に反応したのか、魔女は生成した車輪の内のいくつかを打ち放つ。

 

「ムンッ!」

 

錦は紅葉が再び舞い散る中でボール共に飛び上がる。

 

「ヌン!ハッ!」

 

そのまま空中で右足で横、縦の順に刀を振るうようにボールに蹴りを放つ。同時に背後でボールにパワーを溜めるかのように『ムサシ』が両手の刀でボールに向けるように一回づつ振るうとボールは赤いオーラを纏って上昇する。

 

「『武神(ぶしん)連斬(れんざん)』!!!」

 

最後は落下してきたボールに『ムサシ』がボールを中心に×を描くような交差切りを放ち、それと同時に錦がシュートを放つ。パワーを溜められたボールは飛来した車輪を全て粉々に粉砕する。

 

「オオオオオオォォォ!」

 

攻撃を防がれたことを怒っているようで、その怒りをぶつけるかのように錦に剣を振り下ろす。

 

「やらせんぜよ!」

 

錦が身構えると『ムサシ』が両手の刀を交差させ、ガキィンという金属音を響かせながら魔女の大剣を受け止める。

 

「ぬぐぐぐぐ!」

 

魔女をそのまま押し切ろうと剣に力を込め、負けずと錦も必死に魔女の圧力に耐えながら押し返そうとする。それはまさに魔女との力と力の押し合いという根比べだった。

 

「錦先輩!」

 

「踏ん張れ!錦!」

 

「ぬおおおおおぉ!!」

 

天馬と水鳥に応援されながら錦は気合いの雄叫びと共に剣を押し上げようとする。

 

「オオオオオォォ!」

 

しかし魔女は再び剣を振り上げて『ムサシ』の刀に打ち突かせるとついに弾き飛ばす。

 

「ぬわあっ!」

 

直撃はしなかったものの錦は『ムサシ』が打ちつかされた事によって吹っ飛び、背中で地面を滑る。

 

「錦先輩!」

 

「オオオオオォォォ!!!」

 

天馬が錦に呼びかけたと同時に魔女は剣を振りかざして今まで最大の数の車輪を生み出す。

 

「どうやら今まで一番ヤバそうだな……」

 

「元に戻す方法もつかめてない……どうすれば……」

 

「さやかちゃん……!」

 

杏子とほむらとまどかの顔から焦りの表情が出る。恭介や仁美、マネージャー達からも不安な表情を浮かべる。

 

「―――それでも諦めません!」

 

「天馬くん!」

 

「錦先輩の言うとおり、俺たちの声は確かにさやかさんに届いたんです!そしてさやかさんも俺たちに助けを求めてる!だったら助けるしかありません!みんなでさやかさんを助けて、この戦いの“勝利”を掴みとるんです!」

 

天馬は両手で拳を作りながら一同に呼びかける。

 

「そうだ!一瞬でもさやかさんを正気に戻せたんだ!ここで諦めるわけにはいかない!」

 

「このチャンスを逃してはいけません!」

 

わずかでも掴んだ可能性を最大限に生かそうとチームを鼓舞する姿に神童と剣城も叫ぶ。

 

「諦めない!!さやかさんは俺たちが―――」

 

 

 

 

 

 

 

「「「―――絶対に助けるんだ!!!」」」

 

 

 

 

 

三人がそう叫んだ直後、三人のマギカボールが再び光り出す。

 

「「「!」」」

 

そして三人の身体を金色のオーラが包み込み、やがてボールの光と共に消えていった。

 

「今の光はあの時と同じ…!」

 

一同が驚く中、まどかはマミがお菓子の魔女に殺されそうになり、その時天馬たちが化身を復活させた時の事を思い出す。

 

「この感じは…!行ける!」

 

意気高揚する天馬は再び身構えて遠くに下がった魔女を見据える。

 

「あの時もこんな風に自分の力が甦ってマミさんを助けられたんだ!俺たちは絶望なんかに負けない!」

 

「「「天馬(君)!」」」

 

「はあああああぁぁ!!!」

 

天馬は力を溜めて化身のオーラを出現させ、形を成していく。

 

「魔神ペガサスアーク!!!」

 

そしてそれは再び大きな白い翼を持った巨人に姿を変える。

 

「絶対なんとかなる!いや………何とかするんだ!」

 

天馬はそう叫ぶと両腕を交差させて再び力を溜め、さらなる力を解き放つ。

 

「魔神ペガサスアーク、

 

 

 

 

 

 

 

 

――――“アームド”!!!」

 

 

 

 

 

 

~~挿入曲『感動共有!』~~

 

 

 

 

 

 

天馬が交差させた両腕を大きく開いて叫ぶとペガサスアークは再び金色の膜の藍色のオーラに変わりながら大きく上昇する。オーラが最高点に到達すると花火のように複数に弾けて分裂し、天馬の身体をまとわりつくように包んでいく。そして包み込んだオーラが弾けると、腕には強靭なガントレット、背中には大きな翼の装飾、額にはペガサスを模した額当て、そして胸の部分にイナズマのマークが付いた輝白のアーマーが天馬の身体に装着されていた。それらを身にまとった天馬の姿は彼の化身である『魔神ペガサスアーク』を彷彿させるものがあった。

 

 

 

 

「て、天馬くんが…!」

 

「魔法少女みてえに…!?」

 

「変身した!?」

 

まどか、杏子、ほむらの順に驚きの声が上がり、恭介と仁美は呆然と驚く。

 

「やったあ!天馬、化身アームドを取り戻したのね!」

 

「化身、アームド…!?」

 

歓喜の声を上げる葵にほむらが驚愕に満ちた声で問う。

 

「化身を鎧のように纏い、化身を外に出している時よりも飛躍的にパワーアップする力なんです!」

 

「化身を鎧に…!?すごい……天馬くん…!」

 

葵に説明にまどかは感激していた。彼女から見た天馬の輝かしい鎧から発する光はさやかを飲み込んだ闇をかき消す希望の光に見えた。

 

「剣城!俺たちもやるぞ!」

 

「はい!」

 

天馬がマギカボールの光と共に化身アームドを取り戻したことにより、同じく自分のマギカボールが光った自分達にも出来ると確信した神童と剣城も力を溜めて化身の力を解き放つ。

 

「奏者マエストロ!」

 

「剣聖ランスロット!」

 

 

 

「「―――――“アームド”!!!」」

 

 

 

二人が叫ぶと天馬と同じように化身が藍色のオーラに変わって弾けると二人の姿を変えていく。神童は背中に孔雀の羽のような装飾が付いた紫色の指揮者のような姿に。剣城は背中に赤いマントを着けた騎士のような姿に変わった。

 

「剣城たちも化身を纏いやがった!」

 

「オオオオオォォ!」

 

「!」

 

魔女は化身アームドの放つ光が忌々しく思ったのか多数の車輪の一部を放ってくる。

 

「でやあああぁぁ!」

 

天馬がとっさに迎え撃つようにボールを転がってくる車輪に放つ。天馬がその時放ったのは地面に置いたボールをただ蹴るという普通のシュートだった。にも関わらず、放ったシュートは豪速球で飛んでいき、突風で吹き飛ばしたかのように車輪を全て破壊した。

 

「すげえ…!ただのシュートでなんてパワーだ!」

 

「化身を出していた時の力をはるかに凌駕してるわ…!」

 

杏子やほむらをはじめとした見滝原組は化身アームドで放つシュートのすさまじさに驚く。

 

「オオオオォォ!!」

 

すると魔女は悲鳴に似た叫びと同時に新たな車輪を生み出しながら後ろに下がる。その悲鳴に天馬たちが気づいた時には魔女は遥か後方に下がっており、その前衛には辺り一面を埋め尽くさんとばかりの数の車輪が張り巡らされていた。

 

「くっ!これじゃいくらシュートが強力でもここまで多くては……」

 

「さやかを元に戻す方法も浮かばねえし……」

 

剣城と杏子は苦虫を噛んだように歯を食いしばる。

 

「いや、方法はあります!」

 

「天馬!?」

 

「さっき、俺たちが全員で呼びかけた時に、みんなの想いを乗せたマギカボールでパスを送ったらさやかさんの意識が戻ったんです!だから今度はパスではなくシュートを当てれば…!」

 

「さやかを助けられるってのか!?」

 

「確証はありませんが、今はそれが一番可能性があると思うんです!」

 

「でも、どうするの?私の時間停止はもう限界。その上彼女はあの車輪の波の向こう。熟練の魔法少女だって、この中を突破するのは至難の業よ?」

 

その作戦に同意しかねないとほむらが天馬に問う。いくらマギカボールで一度に大量の車輪を破壊出来ても、体力と魔力がギリギリの彼らでは次々と襲いかかる車輪の波を切り開くのは困難であった。

 

「ならば……俺がみんなをさやかさんの元へ導く!」

 

そう言ったのは神童だった。

 

「そんな事、出来んのか!?あの車輪の中を!?」

 

「…!もしかして神童先輩、あれをやるつもりですか!?」

 

「ああ。長い時間戦っていたおかげで、車輪やさやかさんの魔女の動きのパターンは大分把握できた。今こそマミさんとの特訓の成果を見せる時だ!」

 

そう言った直後、戻ってきたボールを天馬がトラップする。それを確認した神童は全員と目を合わせる。

 

「俺、天馬、剣城、ほむらさん、杏子さんの五人で攻める。錦、お前は万が一の時の為に残りのみんなを護衛しながら後ろに下がってくれ!」

 

「わかったぜよ!」

 

錦が答えるとまどかたちと共に後ろに下がり、いつ車輪が飛んできてもいいようにボールを構え、葵達は展開した指輪のバリアの中で全員の安全を確保する。一方で神童は四人を前に並ばせる。

 

「行くぞ!今こそ俺たちのサッカーと魔法少女の力を合わせる時だ!」

 

「「「おお!(ええ!)」」」

 

残りの四人が神童の号令に答えると神童は両手を交差させながら指を三本立てる。すると神童の両腕に光のリボンがまとわりつく。

 

「これが……さやかさんにたどり着くための俺たちの光だ!」

 

天才ゲームメーカー神童拓人がベテランの魔法少女のマミとの特訓で編み出したもの、それは―――

 

 

 

「『神のタクト』!」

 

 

 

神童のゲームメイク、『神のタクト』の魔女戦闘への応用だった。

 

「これは…!」

 

「光の道…!?」

 

神童が指揮棒を振るように腕を振りかざすと光のリボンが車輪の波に向かってあちこちに伸びていき、光の道を作り出していた。ほむらと杏子はまるで自分達の道しるべを描いているかようなその光景に驚いていた。

 

「その光に沿って進むんだ!」

 

「わかったわ!」

 

神童の指示に従い、全員は走り出した。それと同時に神童もドリブルしながら走り出す。

 

「!」

 

ほむらが目の前に伸びていく光に沿って進んでいると目の前にいくつかの車輪が立ちはだかる。

 

「天馬!」

 

「はい!でやあぁっ!!」

 

天馬が光に沿って右斜め前方にシュートを放つとそのまま一直線に車輪を蹴散らし、ほむらの前にいた車輪も全て粉砕した。

 

「進むんだ!」

 

「ええ!」

 

神童の指示と天馬のシュートによって開けた道を進むほむら。

 

「でやあっ!」

 

一方で杏子も車輪を破壊しながら突き進む。

 

「杏子さん!」

 

神童が杏子の斜め前から向かって落下しようとする車輪に向けて光を伸ばす。

 

「おらあ!」

 

車輪に気づいた杏子が神童のタクトの光に従って飛び上がり、空中に漂っていた車輪を薙ぎ払う。その後華麗に着地し、杏子は一瞬どこから進もうか迷ったが、

 

「こっちだ!」

 

「おう!」

 

神童が予見していたようにすぐさまタクトで導く。

 

「剣城!」

 

「はい!」

 

今度は光に沿って神童と剣城が正面と右からそれぞれシュートを放つ。二つのマギカボールが車輪を破壊しながら軌道を交差しかけたその時、マギカボールに更なる変化が起きた。

 

「「!?」」

 

二つのマギカボールが重なるように一つになり、淡い光を放ち続けていた。

 

「マギカボールが一つに…!?」

 

「剣城!」

 

「っ!でやっ!」

 

剣城が気を取られているうちに新たな車輪が転がってくる。神童の声に気づいた剣城はすぐに合体したマギカボールに接近し、弾き飛ばすつもりの加減でシュートする。するとシュートは車輪をいとも簡単に粉々した。

 

「!弾き飛ばすぐらいのはずだったのに…」

 

「どうやらマギカボールは複数のボールを合体させるとさらに威力を増すようだ。天馬!」

 

「はい!」

 

神童も剣城と共に驚きつつも冷静に分析し、天馬が合体したボールに向けて自分のボールを送り、マギカボールは更に合体して三個分のパワーを持った。

 

「ここからはパスとシュートを繰り返しながらいくぞ!」

 

「「はい!」」

 

マギカボールが一個になったため、神童は神のタクトを試合で行う本来の形に近いやり方で行うことにした。

 

「剣城!サイドを押さえろ!」

 

「はい!」

 

神童は光のタクトを送りながら左前の剣城にパスを送る。

 

「天馬、杏子さん!攻め上がるんだ!」

 

「「はい(おう)!」」

 

杏子と天馬が右から縦並びで攻め上がる。

 

「ほむらさん!」

 

神童がほむらの前に立ちふさがる車輪に向けてタクトを伸ばすとほむらはすかさずバズーカで車輪を破壊する。

 

「剣城!」

 

「でやあぁ!」

 

ほむらが爆破したスペースから切り崩すように剣城が車輪の波を横倒しする形で貫く。

 

「天馬!ダイレクトで撃て!」

 

「はあっ!」

 

剣城のシュートはそのまま天馬にパスするように伸びていき、天馬はそのままダイレクトで目の前の車輪の塊に放って吹き飛ばす。

 

「杏子さん!そのまま進むんだ!」

 

「ああ!」

 

そこから杏子が攻め上がる。

 

「新たな車輪が来る!ほむらさん!」

 

「ええ!」

 

神童は魔女の動きだけで次の攻撃を予測し、タクトの光が伸ばしたポイントに向けてほむらがその場所にバズーカを向ける。次の瞬間、新たな車輪が生まれると同時にほむらがバズーカを放ち、車輪を爆破する。

 

(目の前の車輪の波だけじゃなく魔女の動きも見えてた……なんて広い視野の持ち主なの!)

 

それからはまどかたちにとっては驚きと感激の舞台だった。たった五人で巨大な波と思えるほどのおびただしい数の車輪をまるで五人の方がはるかに巨大な波のように破壊しながら前に進んでいる。そしてそれを実現させているのは明らかに神童のゲームメイクだった。彼の指揮棒を振りかざして舞うような動きで指示を出すゲームメイクが絶望に打ち勝つ希望の舞台を作り出していた。まるですぐれた指揮者が演奏者の力を最大限に引き出し、最高のオーケストラを奏でるように全員の動きを見事にコントロールしていた。

 

「すごい……これが神童くんのゲームメイク!」

 

恭介は神童の卓越したゲームメイクに感激する。

 

「神サマ!」

 

「さすが神童ぜよ!」

 

「………」

 

バリアの中で恭介が何かをうかがう目つきで魔女を見つめていた。一方で魔女が生み出す車輪の数は数えるほどしかなくなっていた。

 

「オオオオオォッ!!」

 

魔女は車輪が少なくなったことに魔女は焦りを覚えたのか叫びだす。

 

「今だ、天馬!」

 

その隙を逃さず神童が天馬に向けてパスを送る。

 

「はい!でやああ!」

 

天馬が魔女に向けてボレーシュートを放つ。

 

「オオオオォォ!!」

 

しかし魔女はすぐさま剣を振ってボールを弾き飛ばしてしまう。

 

「ああ!」

 

「ボールが!」

 

水鳥と葵が声を上げる。

 

「そんな…!」

 

まどかもチャンスが無駄に終わったことに絶望的な顔をする。

 

「まだだっ!」

 

「「「!」」」

 

しかし弾かれたボールに食らいつこうと走っている者がいた。それは雷門でも魔法少女でもなく。

 

「上条!」

 

上条恭介だった。彼はいつのまにかバリアから抜け出し、仲間に頼るだけでなく自分の力で大切な想い人を助けるためにまだおぼつかない足で必死に走りボールに追いついたのだった。そして片足を踏ん張って魔女、いやさやかに目を向ける。

 

「僕だって……さやかを助けたいんだ!僕の想いをさやかに届けてくれ!」

 

恭介は必死に足に力を込め、ボールを天馬と剣城の頭上へと蹴り上げる。

 

「上条さんが作ってくれたこのチャンス、絶対に逃さない!剣城!」

 

剣城はコクンと相槌を躱すように頷くと、天馬と共に体を捻らせ、竜巻の様に回転しながら炎を纏って跳ね上がる。

 

「あれは、天馬くんと剣城くんの連携技!?」

 

まどかが天馬と剣城が放とうとしている技に注目する。

 

「「はあああああっ!!!」」

 

天馬と剣城はそのまま上昇し、その軌道が交差する。それはかつて二人が憧れた炎のストライカーの必殺シュートを二人技にしたもので、この技で彼らは自分たちのサッカーを取り戻したのだった。

 

「皆の想いがこもったこのシュート!絶対に届かせる!」

 

「兄さん!俺に彼女たちを救う力を!」

 

「さやかさんを蝕む闇を!」

 

「絶望を!」

 

「「吹き飛ばせえぇ!!!」」

 

ボールと自分たちの高さが最高点に達したところで、二人は全員の想いを乗せたツインシュートを放つ。失われた自分たちの希望を取り戻すために。

 

 

 

 

 

「「『ファイアトルネード(ダブル)(ドライブ)』!!!」」

 

 

 

 

 

二人の放ったシュートは炎を纏った竜巻となり、軌道がずれることも無く魔女の脳天に命中した。

 

「アアアアアァァァ……」

 

魔女が叫び声を上げていく内にその姿が波を打ちながら薄らいでいき、結界も消えて元の工事現場に戻っていった。

 

「やった!」

 

「ど、どうなったの!?」

 

一同が結果を待っていると、マギカボールは元の三個のボールに分裂する。そして三個のボールが落ちた先を見るとあるものがあった。

 

「あ、あれは………」

 

そこにあったのは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何も変哲もない一個のグリーフシードだった。

 

 

 

 

「そ、そんな……!?」

 

「さやか…!」

 

「さやかちゃん……ウソでしょ…!?」

 

「こんなのアリかよ…!?」

 

さやかを救うために頑張ったのは何だったのかと、こんなことがあっていいのかと一同の心に絶望が押し寄せると天馬たちの化身アームドが解け、鎧が金色のオーラに戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、奇跡は起きた。

 

 

 

 

 

 

 

「「「!?」」」

 

天馬たち三人の化身のオーラがそのまま消える事無くさやかのグリーフシードに向かって伸びていき、グリーフシードをくるむように包み込む。やがてグリーフシード全体が包まれると、その中から青い光がこぼれ出す。化身のオーラがシャボン玉のように弾けるとそこには一切の穢れの無い青いソウルジェムがあった。

 

「さやかちゃんのソウルジェム…!」

 

「化身のオーラが、グリーフシードをソウルジェムに戻した…!?」

 

ほむらが信じられないように呟くとまどかが恭介と共に慌ててさやかのソウルジェムを両手で持ち、大事そうに胸に抱え込む。

 

「さやかちゃん…!」

 

「さやか…!」

 

まどかと恭介は涙を流す。取り戻した希望の光を彼女たちはその手で確かに取り戻したのだった。

 

「よし、急いでさやかの身体の元に行くぞ!」

 

杏子の導きの元、一同はさやかの身体の元に急ぐのであった。

 

 

 




というわけで愛と勇気が勝ちました。

少しご都合主義だったでしょうか?
後にこの物語特有の用語集を作りたいと思っております。

Cパートはエンディングを描くつもりです。果たして人魚姫は最後にどんな涙を流すのか。

感想お待ちしております。

文章力と語彙が欲しくなる暑い夏……。
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