魔球闘士イナズ☆マギカ~魔法少女と革命(カゼ)の少年達~ 作:サニーブライト
この1~2か月で変動しながらもこんなにお気に入り登録してくださった方々がいて嬉しい限りです!これからももっともっと登録や感想を下さる方々が増えるような話を書けたらと思います!
所でこのところ台風が良く出てきて嫌になりますね。皆さんは大丈夫でしょうか?
今回はついにここまで来た!とモチベーションに任せたらキリのいいところまで掛けました。
ついにほむらがキュゥべえの事について語ります。明らかになった真実に天馬達は何を思うか?
楽しんでいただけたら幸いです。
それではどうぞ。
―――OP『おはよう!シャイニング・デイ』―――
~~夕方・公園~~
「じゃあ、とりあえず今日はこれで解散しましょう」
長い一日を終えた天馬たちはほむらから翌日の放課後、自宅にて大事な話があると告げられる。今日のところは全員疲れ切っているため、とりあえず解散することにしたのだった。
「まどかは私が家まで送り届けるわ」
まどかを背中におぶるほむら。
「ほむらさん、俺も一緒に行きますよ」
その様子を見兼ねた天馬が手伝おうと名乗り出る。
「……わかったわ」
「佐倉さん」
「なんだ?マミ」
一方でマミは杏子に笑顔で話しかけていた。
「佐倉さん、今日からはウチで一緒に暮らしましょ」
「は!?いきなり何言ってんだよ!?」
マミの同居宣言に面喰らう杏子。
「決めたのよ。これからは私も皆を支えていくって。これ以上佐倉さんをホームレスにさせるわけにはいかないわ」
「い、いいよそんなの!あたしはこのままでも…」
「ダーメ!もう決めたんだから。それに佐倉さんだっていつもちゃんとしたご飯や寝床が欲しいでしょう?」
「う……」
マミの衣食住の誘いに心が揺れる杏子。
「……わかったよ…」
「ホント!?良かった!」
しかし誘惑に負け、やがて諦めたように了承する杏子。
「剣城君もいらっしゃい」
「ええ、お世話になります」
「ありがとう。佐倉さんもこれくらい素直になってくれればかわいいのにね」
「うるさい!///」
マミにからかわれ、顔を赤くする杏子。しかし、これから居候する身でありその誘惑に負けた故にそれ以上強く言い返すことは出来なかった。
「上条君、さやかさんを連れて先に行っててもらえます?」
「え?志筑さん?」
「仁美、どうかしたの?」
さやかが怪訝な表情で尋ねる。
「いいえ、大した用事ではありません。すぐに追いかけますから先に行っててもらえます?」
「わかった。じゃあさやか、神童君。行こうか」
「ああ」
「二人共、ホントにゴメン……仁美もありがとう。また後でね」
「ええ。必ず行きますのでご安心を」
「………」
さやか達に笑顔を向ける仁美をそんな彼女を水鳥だけがただ黙って見つめていた。
「………わりい。あたしもちょっと寄ってくとこ出来たわ。先に帰っててくれ」
「そうですか?じゃあ、先に帰ってますね」
「ああ」
「気を付けて帰って来るのよ、瀬戸さん。さ、佐倉さんも一緒に」
「お、おう」
「では、みなさん。また明日」
仁美はさやか達の姿が見えなくなるまで手を振り、その後ろで水鳥は仁美を背中を見続けながら仲間達を見送っていた。
「どうして……残ったんですか?」
自分たち以外誰もいなくなったことを確認した仁美はさやか達が去った方向に顔を向けたままそう尋ねる。
「決まってんだろ。たくっ…無理しやがって」
「!」
水鳥は頭を掻きながら何かを察しているように答えた。そして仁美も何となくだが気づいていた。彼女が何故自分と共に公園に残ったのかを。
「……私はさやかさんが生き返って本当によかったと思っています」
仁美は水鳥に顔を背けたまま語り出す。
「さやかさんを助け出したことは……後悔していません。だってそうじゃなかったら私は一生後悔していましたから。さやかさんは私の大切なお友達……私のせいで一度は魔女にしてしまったものの、皆さんが私に
仁美は満足げな笑みを浮かべながら、その笑顔を公園に差し込む夕暮れで照らしだす。
「上条君の事はきっぱり諦めます。そうするしかありませんから。でも…」
ここで仁美は突如振り返り、水鳥の胸に顔をうずめる。
「少しだけ、いいですか…?」
水鳥は少しだけ不意を突かれたが、仁美が涙声で訊くと、
「……ああ」
水鳥は目を閉じて優しく微笑みながら静かにそう答えた。水鳥は既に彼女の行動とその理由を理解していたのであった。
「気が済んだら…すぐにさやか達を追いかけろよ」
「………ひっく……ぐすっ…」
仁美は水鳥の胸に顔を押し付けながら泣き出した。さやかの命が助かり、恭介と結ばれたことは確かに仁美も望んでいた事だった。しかしそれは同時に仁美が失恋したという事でもあった。これからも二人と友好的な関係続けるため、新しい一歩を踏み出すために、仁美は自分の中にある失恋の悲しみを涙と共に吐き出したかったのだった。その事を感づいていた水鳥は穏やかな笑顔のまま、自分の胸に顔をうずめて泣く仁美の頭と背中に手を回す。その両手の掌で彼女を慰めるように。
「私、負けてしまいました…」
「…ああ」
「……これが失恋の痛み、というモノなのですね…」
「そうだな」
水鳥は目を閉じたまま、ただ一言ずつ答えていった。しかし、仁美にとってはそれだけで十分だった。自分の痛みを受け入れてくれる事が何より嬉しかったからだ。
「ひっく……うっ、う……うう…」
「おう泣け泣け。誰にも言わねーからよ。このあたしがどーんと受け止めてやらあ」
夕焼けで赤く染まる公園で、水鳥は仁美の気が済むまで泣き続ける彼女の頭を優しく撫でていたのだった。
それからは色んな事があった。さやかが帰宅した直後、両親からこっぴどく怒られ、後から合流した仁美が恭介と神童と一緒にさやかの為に謝ったり、ほむらと天馬に送られながら帰宅したまどかが目を覚ました直後に学校をサボってさやかを助けに行った事が詢子にばれて叱られ、ほむらと天馬が弁護したり、翌日の朝にさやかと恭介が手をつないで登校したらクラスのみんなに驚かれたり、冷やかされた(ちなみにさやかが恭介を好きだという話は当人以外はクラスの中で密かに有名だったようでさやかは顔を真っ赤にして驚いていた)。なお、その時さやかと恭介は担任の女性教諭(34歳・独身)から何故か黒いオーラを放たれながら睨まれていたとか。
―――そして、放課後。
~~夕方・ほむら宅前~~
「ここが、ほむらさんの家…」
天馬がくすんだ薄茶色の古いマンションの前で呟く。あらかじめ住所を教えてもらっていた天馬は雷門の仲間や魔法少女達、そして恭介や仁美と共にここまで足を運んだのだった。しかし、何故かその中でまどかの姿だけが無かった。そんな事を気にすることも無く、一同はエレベーターを使って四階まで上がり、『暁美』と掛かれた表札の部屋にたどり着く。天馬は一度全員と目を合わせてから表札の下のチャイムを鳴らす。
「ほむらさん、天馬です。皆と一緒に来ました」
天馬が呼びかけると入り口のドアの向こうから足音が聞こえてくる。やがてドアがガチャ、と開くと制服姿のほむらが出てきた。
「待っていたわ。さあ、中に入って」
「………」
~~ほむらの部屋~~
真剣な表情で出迎えてくれたほむらに招き入れられた天馬達は、まず中に入って全員が驚いた。そこは明らかに色んな家具が置いてあるマンションの一室ではなく、広い宇宙ステーションのような真っ白い空間だった。唯一家具と言えるものは小さな丸いスタンドテーブルとそれを中心に二列に置かれているの曲線型の白いソファだった。そしてどういう原理なのか、宙にはいくつものパネルが浮かんでおり、そこにはたくさんの数値や街の地図、そして異様に大きく不気味な姿をした魔女の姿が映し出されていた。
「これは…」
「おそらくこれは、魔法の力で作り出した空間。そうよね」
天馬に続くように尋ねたマミに対し、ほむらはただ一言「ええ」と、返すと奥のテーブルの前に立って集まったメンバーを確認する。
「約束通り、まどかは連れてこなかったようね」
「………」
~~回想~~
天馬はほむらの言葉で思い出す。それは昨日、気疲れで眠ってしまったまどかをほむらが背負いながら共に家まで送り返している最中の時だった。
「松風天馬、あなたにお願いがあるわ…」
「お願い?」
「明日の話に……まどかは連れてこないで」
「え!?な、何でですか!?まどかさんが一番聞きたがっているはずなのに!」
「私の話は、この子にだけは聞かせるわけにはいかないの…!」
「でも!」
「
「!」
「
「………」
ほむらは弱々しい声で心から懇願するように頼み込む。その姿はキュゥべえを目の前で一度射殺した後に自分とまどかに見せた時と同じ姿だった。理由はわからないが、その時と同じく必死に頼み込むほむらに天馬は了承するしかなかった。
~~~~~~
そして現在。パネルを背後にほむらがテーブルに前に立ち、彼女から見て左側のソファの前列にマミたち魔法少女。後列には一般人である恭介と仁美。そして右側の前列には雷門のメンバーとその後ろの列に葵たち三人のマネージャーが座っていた。
「さて、どこから話せばいいかしら…」
「じゃあ、まず一つ。キュゥべえは一体何者なんだ?何故普通の女の子を魔法少女に変えるんだ?」
神童が待っていたかのように話を切り出す。
「そういえば僕達、キュゥべえの事を何も知らないんですよね……」
「ええ。考えてみれば私もこの前まではただ魔法少女を生み出してサポートするだけだと思ってたわ。ずっと一緒にいたのにキュゥべえの事を何一つわかっていなかったなんて…」
信助とマミが神童の疑問を補足する。マミはこの中の誰よりも親しいはずなのにその存在自体に疑問を持たなかったことを不覚に思う。
「キュゥべえ………いいえ、あいつらはそんなかわいらしい名前なんかじゃない。……あいつらの本当の名前は、『インキュベーター』よ」
「インキュ……ベーター?」
天馬がオウム返しをする。
「“
「
「そうよ、上条恭介」
「でもどういう意味なんですか?キュゥべえが卵を孵化って…」
葵が怪訝な表情で尋ねる。
「そうね……まずはそこから話すべきなんでしょうけど、その為に先に話しておかねばならないことがあるわ」
ほむらは一度目を閉じて呼吸を整えると改めて全員と目を合わせる。
「あなた達は、『エントロピー』という言葉を知っているかしら?」
「
「エントロピーだ。聞いたことが有る。確か、焚き火で得られる熱エネルギーは、焚き火に使う薪の元となる木を育てる労力と釣り合わない、という熱力学の法則の事だろう?」
神童が錦のボケに呆れながら解説する。
「そう、エネルギーは常に形を変えるごとにロスが生じてしまう。エネルギーを消費する量は、そのエネルギーを生み出す量を上回ってしまい、常に目減りしていく一方という事よ」
「………ゴメン、話が難しすぎてわかんなくなってきた」
「あたしも……頭が爆発しそうだ」
「ワシもぜよ…」
「「「う~ん……」」」
さやかや杏子、錦が理解できずに頭を悩ましていた。天馬や信助なども同じように苦い顔をしながら首を傾げていた。彼らには難しすぎたようである。
「………例えるなら、車の燃料などで常に使われている石油は、大量に使うのは簡単だが、その分の石油を見つけ出して掘り出すのは大変。結果、石油は少なくなり、いずれ無くなってしまう、ということだ」
「おお」
「なるほどな」
「さすが神サマ!」
神童は自分達中学生が現代社会で学ぶエネルギー問題で例えて理解させる。
「それと同じように、この宇宙全体のエネルギーも目減りしていくというのがキュゥべえ達の話なのよ」
「待て待て待て。急に話がでかくなったぞ。宇宙って何のことだよ?」
水鳥が手を左右に仰ぎながら話を止める。
「簡単に言えば、キュゥべえは熱エネルギーの法則に縛られないエネルギーを求めてこの地球にやって来た、ということよ」
「この地球にやって来た…?じゃあ、キュゥべえは宇宙人って事ですか!?」
天馬が仰天しながらほむらに問う。
「私たちから見ればそういうことになるわ。彼らはこの宇宙を形成するエネルギーが枯渇し、消滅することを恐れ、知的生命体の感情をエネルギーに変換するテクノロジーを発明した。そして私たち一人一人の人間の魂が生み出す感情エネルギーは、その人間が誕生し成長するまでに要したエネルギーを凌駕し、エントロピーを覆すほどのものだとわかり、奴らはそこに目を付けたのよ」
ここでほむらは自分のソウルジェムを取り出して掌に乗せる。
「とりわけ最も効率がいいのは、第二次性徴期……いわば私たちぐらいの少女の、希望と絶望の相転移らしいの。希望を叶える代わりに私たちの魂をこの卵の形をしたソウルジェムに変え、絶望に堕ちて燃え尽き、グリーフシードに変わる瞬間に発生する膨大な感情エネルギーを回収する………それがあいつらの、宇宙の寿命を延ばすという目的であり役目なのよ」
ほむらの話を聞き終えた一同は唖然としていた。しかし全員がすぐに頭の中で話をまとめた。考えてみれば魔法少女になる為の道具が何故、ソウルジェム(魂の宝石)と呼ぶのかも、何故、卵の形をしているのかも、何故、奴らが“孵卵器”と呼ぶのかも全てつじつまが合う。
「つまり、キュゥべえは普通の女の子の魂をソウルジェムというエネルギーの卵に変え…」
「そのエネルギーを、魔法少女の絶望の証である魔女と共に孵化させて回収する…」
「だから………“
仁美、葵、剣城が緊迫した表情で話を要約する。
「何よそれ!結局は全てあいつらが元凶ってことじゃない!」
一度魔女になったさやかが怒りを露わにして叫ぶ。
「ふざけたマネを…!」
「キュゥべえにとって、私たちはただの消耗品でしかなかったと言うの…?」
「私たちが憧れた魔法少女の正体に、そんな事情があったなんて…」
杏子、マミ、茜もそれぞれの思いを漏らしていた。そう、茜の言うとおりキュゥべえ達がもたらす魔法少女システムは彼女達が思い描くようなファンタジーな要素など何一つ無かったのだ。全ては宇宙の存続という大義のために自分達が犠牲にされるという誰かにとって都合のいいシステムでしかなかったのだった。
「許せない…」
「天馬?」
天馬は爪が食い込むほど手を握り、その握り拳を震わせていた。
「希望を信じて生まれた魔法少女が、絶望で終わって死んじゃうなんて………そんなの、どんな理由があろうと許されるはずが無いよ!!」
天馬は火が付いたように顔を上げて叫びだす。
「でも、あいつらにそんな理屈は通用しない。何故ならインキュベーターには感情が無いのだから」
「感情が無い?」
「そう、彼らは感情をエネルギーに変えるテクノロジーを生み出した。しかし、あいにく自分達には感情を持ち合わせてはいなかった。だから感情を持つ知的生命体を探しだし、その白羽の矢が当たったのが地球人だったということよ」
天馬たちは思い出す。これまで自分達がどんな事になろうとも、キュゥべえ自身がどんな目に合おうとも決して自分達のように慌てたり、悲しんだりと感情を露わにすることはなかった。ソウルジェムの真実を知られても慌てなかったあの声色も、さやかが魔女になっても悲しまなかったあの人形のような表情も、全ては感情が無いせいだとわかると自分達の感情が伝わらず悔しく思えるぐらいだった。
「気に入らねえな……要は、あたし達はあいつらの為のエネルギーに変えられて、そのエネルギーの残りカスの後片付けをさせられてたって事じゃねえか…」
「やりきれませんね…」
杏子と剣城が険しい表情で悔しそうに歯噛みする。
「これがキュゥべえ、インキュベーターの正体よ。そして彼らの生み出したこのシステムが、この星にとんでもない
ほむらが顔を上空のパネルに目を向ける。全員がその目線を追うと、あるパネルが目に入る。そこには白い肌といくつもの巨大な歯車で出来ている下半身を青いドレスで包み込み、逆さのまま宙に浮かぶ魔女の絵が映し出されたパネルがあった。
「ほむらさん、あそこに映し出されている魔女は…?」
天馬が何気なく訊く。ほむらは顔を強張らせて答えた。
「あれは……“ワルプルギスの夜”よ」
「!?ワルプルギスの夜、ですって!?」
「マミさん、知ってるんですか?」
信助がただならぬ様子で声を上げるマミに尋ねる。マミは一筋の汗を流しながら唇を引き結ぶ。
「ええ……魔法少女たちの間で有名な……
「さ、最悪の敵…!?それって史上最強の魔女ってことですか!?」
「そう。でもその存在を正確に知る者はいない、何故なら戦った魔法少女は皆死んでしまったからだと聞くわ。一人二人の魔法少女でどうにか出来る相手じゃないの……」
「その通りよ、巴マミ」
信助達に語っていたマミはほむらに向きなおす。
「こいつはあなた達が今まで見てきた魔女とは次元が違う。ただ一度現れただけで何千人もの犠牲が出てしまうわ」
「な、何千人も!?」
「どういうことですか!?」
葵と天馬が驚愕しながら問い直す。
「普通の魔女は…皆、自分の結界に隠れて身を守るというのはもう知っているでしょう?でも、こいつはそんな必要なんて無い。ただ一度具現しただけでその周囲が吹き飛び、多大なる被害をもたらすわ。もっとも、魔女であることに変わりはないから普通の人には見えないし、被害も竜巻とか、地震とか、そういった大災害と誤解されるだけだけど」
「…?」
神童は何故そこまで詳しく知っているのだろうと首を傾げ、同時に何かを思い出すように辛そうな表情を浮かべるほむらの様子が気になる。
「そしてもう少ししたら……このワルプルギスの夜が、この街にやって来るわ」
「「「!?」」」
「な、なんだって!?」
「ワルプルギスが、この街に…」
ほむらのその一言は全員の心に戦慄を走らせる。つい先ほど話したばかりの超弩級の魔女が近づいていると聞き、モノトーンな白い空間が一気に緊張感に支配される。
「そういえば……前にそんな話をしてたような…」
「杏子、あんた知ってたの!?」
「ああ。そいつを倒すために協力してくれって頼まれてたんだ。さやかの事ですっかり忘れてたぜ」
「上を見て」
ほむらに呼び止められ、さやかと杏子は空中に浮かぶパネルに目を戻す。そこには見滝原の地図が描かれており、街の中心部にあたる場所に×印が付いており、そこを中心にその周囲が円を描くように赤く塗りつぶされていた。そしてその範囲はまどか達の通う見滝原中学や放課後に利用するショッピングモール、そして彼女達の家も全て含まれていた。
「ワルプルギスは見滝原に上陸した後、この場所まで移動してこの範囲を全て消し去る。出来ればここに来るまでに倒しておきたいの」
「でも、ほむらさん。あなたはどうしてそんなことまでわかるんです?」
「キュゥべえの事といい、君は一体…」
天馬と神童がおそるおそる訊くと、ほむらは視線を彼らに戻して訊きかえした。
「チーム雷門。あなた達はこの世界に来るまで、時空を超える旅をしていたわよね」
「え?そうですけど……何で、その話を急に…?」
ワルプルギスの話から一転、自分達の時空最強イレブン集めの話題を出された天馬たちは混乱する。何故ほむらはこんな時にそんな話を持ち出したのか。その衝撃的な理由をほむらはついに告白する。
「私も、ある意味ではあなた達と同じ事をしていた…」
「え?」
「私は、未来から来たの……」
「「「!?」」」
ほむらの爆弾発言に天馬達の心に再び衝撃が走る。
「み、未来!?」
「どういうこと!?暁美さん!」
慌てふためく天馬達。そんな彼らとは裏腹に極めて冷静なほむらは再び口を開く。
「そうね……やはりここまで来たら、話さなければならないわ………ワルプルギスの夜、それは私の魔法少女としての原点であり、私が何度も戦い続けてきた相手……」
「ほむらさんの、魔法少女としての原点…!?」
「いやそれよりワルプルギスと…、何度も戦った…!?」
天馬と剣城が言葉を繰り返しながら驚愕する。それは一同も同じく、二人と同じようにほむらの話に耳を傾けていた。そして心の整理を終えたほむらは真剣な眼差しで言葉を紡ぐ。
「話すわ……私の真の目的、そして……
―――私の
というわけで前半でした。
タイトルの意味でもあるほむら自身の過去は次回語らせてもらいます。
明かされるほむらの魔法少女としての始まり、その胸中とは……そして語り終えた時に思わぬ来客が……。
ご感想お待ちしております。