魔球闘士イナズ☆マギカ~魔法少女と革命(カゼ)の少年達~   作:サニーブライト

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間に合った!

というわけで皆様、さっそく宣言通りやらせてもらいます。




円堂!いろは!




誕生日おめでとう!!!



いろは
「ありがとうございます!」

円堂
「いやー今年もダメかと思ったぜ」

明日人
「なんとか誕生日に投稿間に合いましたね!」



ここ最近悲しい出来事が多くなってるから祝い事もやらないとね。
マギレコ2周年にイナイレ11周年。それから……





まさか不動とアリナが結婚するとは……





不動
「いや、してねーよ!」


あれ、不動が日本に帰ったのって、アリナと駆け落……


不動
「なわけねーだろが!足の治療の為だ!」


鬼道から祝辞が届いてるぞ。えーと『孤高の問題児、不動へ』」


不動
「違うつってんだろ!しかも反逆児だっての!」

明日人
「違いますよ作者さん。結婚したのは小僧丸で……」

小僧丸
「俺でもねーよ!」

明日人
「あれ、小僧丸が痩せたのってアリナさんを口説き落と……」

小僧丸
「んな事するために山籠もりしたわけじゃねーよ!いつまで中の人ネタで引っ張ってんだ!早く始めろ!」




円堂
「いやーやっぱ誕生日は楽しいことがいっぱいだなー!」

いろは
「もう少しマジメにやれるといいんですけどね……皆さん、これからもマギカシリーズとイナイレシリーズ、そして本小説の応援よろしくお願いします!それでは本編です!」






第18話『漆黒の愛』 Cパート

「はあ、はあ……」

 

キリカから離れた二人は毛糸玉の影に隠れていた。マミの足には大きな切り傷があり、血があふれ出ていた。

 

「マミさん、ごめんなさい……僕のせいで…」

 

「大丈夫。これぐらいならすぐ治せるわ」

 

そう言って余裕を見せながら足を治すマミ。しかし、額には汗が滲み出ており、大ケガに治癒魔法を連続で使ったことによって魔力と体力の消費が激しくなっていた。

 

「それにしても、あの魔法は思ったより厄介ね。結界の崩壊が遅いから脱出出来ないし、真正面から向かっても太刀打ちできない」

 

「それなら結界が無くなるまでこのまま隠れてるのはどうです?無くなったところを一気に……」

 

「いえ、結界の崩壊がいつになるか分からない以上、得策ではないわ。それに、結界が無くなれば人目につくから流石に彼女も逃げるでしょう。そうなったら織莉子の情報を掴むチャンスが無くなってしまうわ」

 

「そ、そっか…」

 

提案を却下された信助はしゅん、と落ち込む。

 

「すいません、マミさん……今の僕、足手まといですよね…」

 

「そんなことないわ」

 

「だって、出しゃばったばかりに助けるどころかケガをさせちゃいますし……」

 

「でも、そうしなければ私が危なかったし、信助君のおかげで呉さんの魔法がわかったのよ」

 

「だけど、結局ただ見てるだけなんです!それじゃあ……」

 

自分はただの役立たず。そう続けようとした信助にマミはあっけらかんと言った。

 

「それもキーパーの役割の一つでしょ?」

 

「……え?」

 

思わぬ返答に固まる信助。するとマミは一息吐いて語りだした。

 

「神童君が言ってたの」

 

 

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

 

 

「………」

 

それはアルティメットサンダーを成功させた直後の事。神童は黙々と何かを手帳に書き込んでいた。その様子がふと目に入ったマミは話しかけることにした。

 

「神童君」

 

「マミさん…」

 

「その手帳は?」

 

「この世界での戦いの記録です。戦略を組み立てるのに必要ですから」

 

「そう。もし良かったら見せてもらってもいいかしら?」

 

「ええ。どうぞ」

 

マミは神童の手帳を手に取り、パラパラとめくる。そこには雷門イレブンの個々のデータ、魔法少女達の魔法と戦術。それらを融合させた幾つもの戦略。そして実戦に用いた後の改善点などが事細かに記されていた。

 

「すごい。私達の動きまで細かく書いてある。私も魔女との戦い方をノートに纏めたことはあるけど、こんな人数の動きをここまで書き留めたことは無いわ。サッカーの試合でもコレを?」

 

「はい。魔女との戦いでも役に立つと思って今まで書き続けていたんです」

 

「なるほど。神のタクトを私達にまで応用できたのは、神童君の努力の賜物だったわけね」

 

チーム一人一人の動きを把握する観察眼と、緻密な計算で戦略を組み立てる神童に舌を巻くマミ。

 

「いえ、マミさんの協力のおかげでさやかさんの時も活用できたんです。それに戦略を纏めても実践では通用しなかった場合もあります」

 

「そうね。いつどんな魔女と戦うか分からないし、戦況は常に変化し続けるから、その場に合わせて臨機応変に対応する必要があるわ。神童君でもフォロー出来ない部分は私達で補い合わないとね」

 

「ええ。特に今のこのチームにおいては、信助が主にその役割を担っています」

 

「その通りね。今の信助君は魔女の攻撃すら防げる守りの要。サッカーにおける“守護神”ね」

 

「フフッ」と、頼もしそうに語るマミ。

 

「それもありますが、その為に必要な“見る力”も、信助は磨き続けていますから」

 

「“見る力”?」

 

マミは怪訝そうな顔をすると、神童は説明する。

 

「サッカーにおいて、キーパーが守護神と呼ばれるのは、ただゴールを守っているだけじゃない。ゴールの位置からフィールド全体を見渡し、俺達の視点からではわからない綻びを見つけ、仲間に伝えて補うことが出来るからなんです。俺のようなゲームメイカーが攻撃の司令塔なら、キーパーは守りの司令塔……信助も少しずつですが、その司令塔としての役割が出来るようになっています。来年からは信助が正GKになります。それを考えると今から楽しみです。きっと信助を後継者に選んだあの人も……」

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

「神童先輩……」

 

「私はこれまで何度もあなた達に助けられてるわ。病院に現れた魔女との戦いの時も、ソウルジェムや魔女の秘密を知った時も。そして今も!あなたのおかげで私はこうして生き長らえているわ」

 

迷いなく言い切ると、マミは膝立ちになって信助の両肩を掴む。

 

「自信を持って!あなたは立派な雷門の……いえ、私達の守護神よ!」

 

「マミさん…」

 

ゲームメイカーである神童。危険な魔女と戦い続けてきたベテランのマミ。まだまだ未熟だと思っていた自分が、その二人に信頼されている。そう思うと信助は心がスッと軽くなった。そして吹っ切れたように顔を引き締め、拳を握った。

 

「ありがとうございます!絶対キリカさんに勝ちましょう!」

 

「ええ!」

 

気合を入れ直した信助にマミも力強く返した。もう不利な状況に飲み込まれることは無いと確信したからだ。

 

「さて。さっきの話の続きだけど、あんな魔法じゃケガしてなくても鈍くなってしまうわね。どうすれば……」

 

「サッカーの試合だったら、ある程度予測して対応できますけど……」

 

「そうね。特に信助君みたいなキーパーは相手が常に真正面にいるから、背後を意識することなんてほとんど無いものね………ん?」

 

 

 

 

 

(鈍く……)

 

マミは次々と思い出す。自分の動きを遅くして連続攻撃を仕掛けるキリカ。

 

 

 

 

(背後……)

 

信助がシュートで乱入した時の光景。

 

 

 

 

(意識……)

 

信助の背後に回って襲い掛かろうとしたキリカ。

 

 

 

 

「!」

 

その時、マミは閃いた。

 

「………信助君」

 

「?」

 

マミは信助に見つめられながら不敵な笑みを浮かべて告げた。

 

「一発逆転、仕掛けるわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~美国邸~~

 

 

 

チーン

 

「焼けたみたいね。輝、お皿を出してくれる?」

 

「はーい」

 

織莉子は機嫌を直した後、ケーキ作りに挑戦していた。焼き上がったケーキをオーブンから出すと、香ばしい香りがキッチンに広がる。

 

「えーと、焼き上がったら型から出して……それからどうしたんだったかしら?」

 

織莉子は今度こそ成功させようという一心でブツブツと手順を呟く。しかし、それが仇となり、無意識に生地のふくらみを確かめようと素手で焼きたてのケーキを触ってしまう。

 

「あっつぃ!」

 

火傷しそうな熱さで我に返った織莉子は直ぐに両手に息を吹きかけて冷ます。

 

「大丈夫ですか!?」

 

ケーキ用の皿を用意していた輝がすぐさま声を掛ける。

 

「ええ……でも、お菓子作りはやっぱり難しいわ」

 

「まずケーキの外側を型に沿って切って外してから粗熱を取るんじゃないですか?」

 

「そうだった!急いでたから忘れてたわ。よく覚えてたわね、マサキ」

 

「まあ、4回も失敗してるとこ見てたら、自分で調べたくもなりますよ……」

 

「何ですって?」

 

「あ、いえ。でもそんな慌ててやらなくてもいいんじゃないですか?」

 

「でもまたあの子ったら、お腹空いた!って駆け込んでくるに違いないから…」

 

「確かに」

 

「てゆうか、あの人は帰ってきたら必ず甘いもの食べてますからね」

 

今にも飛び込んでくるキリカの姿を想像する輝と狩屋。一方で織莉子は焼きたてのケーキを見つめながら一日千秋の思いで呟いた。

 

「早く帰ってこないかな…」

 

 

 

 

~~魔女結界~~

 

 

 

「見つけた」

 

キリカは空中の毛糸玉を伝っているうちに物陰に隠れているマミと信助を発見する。二人はまだ気づいてなかった。

 

「かくれんぼでもしてるのかな?よし、刻もう!」

 

そう言うと、キリカは狙いすまして鉤爪を突き出し、二人に飛び込んでいく。しかし、キリカは違和感を覚えた。

 

(動かない?)

 

不審に思いながらも逃げられないように速度低下の魔法を発動する。そして爪が二人を捉えた―――と思った瞬間、マミ達の身体が無数の細いリボンとなってばらけた。

 

「!?」

 

キリカが見つけたのはマミのリボンで作ったニセモノ、すなわち罠だった。リボンはキリカを捕らえるように広がっていく。

 

「こんなもの!」

 

キリカは爪を増やして一気に切り払う。その時、キリカの背後の結界にヒビが入った。

 

「フーッ…」

 

獣のような息を吐くと、前方からマミと信助が現れる。今度の二人は先ほどのニセモノとは違い、鋭い眼差しでこちらを見ていた。

 

「今度は本物のようだね……舐めたマネしてくれるじゃないかっ!」

 

キリカは再び二人めがけて駆け出す。それを迎え撃つように信助が前に出ると、背中から化身のオーラを放出する。

 

「!」

 

キリカはとっさに足を止めて後ろに下がる。一方で信助は既に護星神タイタニアスを出して身構えていた。

 

「どうしたの?いきなり後ろに引いて。信助君の化身に驚いたのかしら?」

 

「………」

 

勢いを落としたキリカにわざとらしく挑発するマミ。しかしキリカが引いたのは信助が化身を出したからではない。

 

 

 

―――その後ろにいたマミが笑っていたからだ。

 

 

 

獲物を狙う目で駆け出した刹那、何かを狙っているかのようにマミは笑っていた。キリカを後退させたのはそんな野生の勘のようなものが働いたからだった。

 

「いくぞ、アームド!」

 

タイタニアスが信助を包み込み、鎧へと変化する。

 

「へぇ……おチビの恩人は随分とカッコよくなったじゃないか」

 

「僕の化身はキーパー型だけど、アームドすれば他の能力も上がりますよ!」

 

「それだけじゃないわ!」

 

信助を見下ろしていた視線を上げると、マミが大きな大砲を作り上げていた。

 

「でっかいね……」

 

「あなたの確かに“速い”けど、攻撃は“軽い”わ。だから……あなたが私達を殺す十手を打つ前に、私達の一手であなたを倒す!」

 

「ふーん……くっ。くっくっく、くくっ」

 

マミの宣言にキリカは滑稽に思ったのか、面白そうに笑いだす。

 

「大した大口だね。それなら………やれ。やってみてくれよ!」

 

キリカが甲高い声で叫ぶと彼女の両手の鉤爪が5本になる。

 

「爪が…!」

 

「ご期待に添えまして、手数を増やしたよ。これで十手で一手だ。さあ、散ね」

 

笑顔から一転。無表情に変えたキリカが両手を構えると背後の結界に再びヒビが入る。直後、キリカは二人を切り裂かんと一気に走り出す。そして、その瞬間を待っていたようにマミは信助に呼びかけた。

 

「信助君!」

 

「はい!」

 

 

 

((チャンスは一度!))

 

 

 

「くらえ!」

 

信助がキリカに向けてシュートを放つ。アームドしているおかげでスピードも段違いに上がっていた。

 

(速度低下!)

 

キリカは自身の魔法でシュートの弾速を下げ、高くジャンプすることで躱す。

 

「スキあり!」

 

その瞬間を狙っていたマミが間髪入れず大砲を放つ。

 

「無駄だってば!」

 

しかし、速度低下を持続させていたキリカはマミの弾丸すら躱す。そして即座に爪を連結させ、両手に鉤爪の鞭を作り出す。それはまるで死神の大鎌を彷彿させた。

 

「残念。両方とも外れだね。それじゃ、ばいばい!」

 

キリカは笑顔で両手を振り上げた。

 

 

 

 

 

 

 

~~数分前・美国邸~~

 

 

 

 

ガシャン!

 

「「!?」」

 

何かが割れる音がキッチンに響く。狩屋と輝がとっさに振り向くと、織莉子が尻もちを着きながら床に落ちて粉々になったカップを呆然とした顔で見つめていた。

 

「………」

 

「織莉子さん!?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

二人が呼びかけても織莉子は反応しない。その直後、織莉子は何かに怯えるように震えだし、両手で頭を抱えた。

 

「あ、ああっ…!」

 

「織莉子、さん…?」

 

「キリカ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

~~魔女結界~~

 

 

 

 

 

 

 

何が起きた。その一言だけがキリカの心を覆いつくした。自分は二人の攻撃を躱し、トドメを刺すはずだった。ところが背後から強烈な破裂音が弾け、他の感覚を全て忘れさせる程の激痛が背中を襲った。キリカはまるで撃ち落とされた鳥のように地面に倒れ、天を仰ぐ背中の衣服は破れ、火傷で赤くただれていた。

 

「背後、から…?なん…で…」

 

息も絶え絶えながら呟くと、マミは言った。

 

「挑発に乗って攻撃を上乗せしたわね。速度低下を削って」

 

「な、に…?」

 

「信助君があなたに背後からシュートを撃った時、私は見たわ。あなたがボールを弾き返す直前、爪の形状を戻した瞬間、それまで剛速球だったボールが急激に失速した。それで気づいたわ。あなたの魔法は、魔力を攻撃に集中すると他の方向に対する効果が薄れるようね。あなたが爪を強化した時、あなたの背面の魔女結界だけ崩壊が進んでいたもの」

 

マミが淡々と解説すると、信助のボールが返って来る。信助は両手でしっかりとキャッチすると、キリカの背後を見据える。彼女の魔法が解けたのか、結界全体が崩れ始めていた。

 

「私はまんまと嵌められたのか…!だが、恩人達の攻撃は両方とも通り抜けたはず!何故、背後から攻撃がっ?」

 

弾丸は反転しないし、信助のボールもたった今戻ってきた。ならば自分を襲った爆発はなんだったのか、キリカには理解出来なかった。

 

「攻撃なんてしてないわ。私が撃ったのは炸裂弾よ」

 

そんな疑問をかき消すようにマミは再び説明し出した。

 

「本来、敵前で爆ぜるよう魔力を調整した弾だけど、あなたは前面のみに速度低下魔法をかけていたから破裂しないまま通過した後、魔法のかかっていない背面で即座に破裂した。つまり、あなたの魔法が命取りになったのよ」

 

「おチビの恩人の攻撃はオトリ……いや、あのニセモノの時から伏線を張ってたって事か……恩人はすごいね……」

 

「私だけの力じゃない。今の炸裂弾だって、信助君達のおかげで生み出したものよ」

 

マミは思い出す。自身も参加した必殺タクティクス、アルティメットサンダーを。エネルギーを溜め、最後は敵前で衝撃波を放った場面を見て、このような炸裂弾を思いついたのであった。

 

「私の仲間が窮地を救い、あなたを倒すための手段を授けてくれた。あなたが織莉子の為に動いているように、私も自分を救ってくれた人達を守る為に戦っている!一緒に過ごして、特訓して、時には対立することもあったけど、互いに本音をぶつけ合って、信頼し合って、強くなっていった!それはあなたの一方的な想いだけでは計り知れないものよ!」

 

孤独だった自分を支え、殺そうとしたにも関わらず救ってくれた仲間達。彼らと過ごした時間がマミの心身に確かな成長を促し、揺るぎない信念を与えたのだった。そしてマミは本来の目的の為に銃を突きつける。

 

「あなたの負けよ、呉キリカ。後で手当てしてあげるから、こちらの質問に答え…」

 

「―――嫌だね」

 

キリカは先んじて拒絶した。マミの流れを断ち切るかのように言葉を遮ったのだった。

 

「計りしれない…?くくく。馬鹿言わないでくれよ。言っただろ、愛は無限に有限だって……そもそも私の愛は誰かに計れるものじゃないのさ……」

 

キリカは不気味な笑みを浮かべると両手足に力を入れて立ち上がろうとする。

 

「もうやめてください!勝負は着きました!僕達だってこれ以上は……」

 

「勝負?フフフ、そんなの関係ないさ」

 

信助の情けなどお構いなしにキリカはゆらりと立ち上がった。

 

「負けようがボロボロになろうが関係ない!私の全てを守れるのなら、死すら大いに結構だ!質問は受け付けない。私に対する要求を完璧に拒否する!……っ!」

 

狂ったような目でマミを睨むキリカだったが、直ぐに片膝を着く。しかしこれではたとえ拷問したって口を割らないとマミも判断した。

 

「そう、残念ね。これ以上手荒なマネはしたくなかったけど、連れて行くしかないわ」

 

「マミさん…」

 

「大丈夫。手荒と言ってもこれ以上の深手を負わせるつもりはないわ。捕まえておけば、織莉子をおびき寄せるくらいは出来るはずだから」

 

そう言いながらキリカに歩み寄るマミ。

 

 

―――その時、幾つもの水晶玉がマミに向けて飛来した。

 

 

 

「きゃあああっ!」

 

それらはマミの目前で着弾し、土煙が立ちこもる。マミは驚きと着弾による衝撃で尻をついた。

 

「大丈夫ですかマミさん!?」

 

「ええ……けど何が…」

 

 

 

「『ハンターズネット』!」

 

 

 

「なっ!?」

 

すると今度は目の前に巨大なピンク色の網が現れ、マミ達とキリカを分断する。

 

「この技は…!」

 

信助が驚いていると、土煙の中から二つの影が現れる。それは自身のチームメイトである狩屋マサキと影山輝だった。

 

「狩屋!?輝!?」

 

「織莉子さん!今のうちにキリカさんを!」

 

「ええ」

 

「!」

 

織莉子。その名を聞いて、信助とマミは狩屋が呼びかける先を見る。するとそこには白い衣装で身を包んだ銀髪の少女がいた。彼女の傍には、ぐったりとしたキリカが小さな水晶玉に囲まれながら宙に浮いていた。

 

 

 

『やっぱりお嫁さんみたいに真っ白だったことしか…』

 

 

 

「白い……魔法、少女…!」

 

「じゃあ、あの人が…!」

 

ゆまの証言と特徴が一致し、狩屋も彼女の名を呼んだ。二人は目の前の人物が探していた“織莉子”だと確信する。

 

「私の事、ご存知のようですね」

 

織莉子は一度目を閉じて微笑みながら確認する。そして目をゆっくりと開けたその瞬間、

 

 

 

―――威圧。

 

 

 

魔眼とも呼べるような眼でマミ達を捉えていた。それはマミ達だけに向けられたもので、狩屋達は平然としていたが、あまりの覇気にマミ達は一歩も動くことが出来なかった。

 

「あなた方とはいずれまた会うことになるでしょう。そしてその時、あなた方は自分達の愚かさに気づくでしょう。その時まで、ご機嫌よう……」

 

織莉子はそれだけ言うと、キリカを連れて踵を返し、歩いて行った。狩屋達は一度互いを見合うと、信助に向けて申し訳なさそうな顔で告げた。

 

「信助君…」

 

「ゴメン!」

 

二人はそこから逃げ出すように織莉子の後を追った。織莉子に追いつくと、4人は吹き消されたロウソクの火のように消えた。そしてマミと信助の変身が解けると結界は完全に崩壊した。

 

 

 

~~街中・路地裏~~

 

 

 

結界自体が移動していたせいか、出てきた場所は通りから路地裏に変わっていた。その直後、マミは顔からドッと汗を流し、その場で膝を着いた。

 

「マミさん!大丈夫ですか!?」

 

信助が後ろに倒れそうなマミの背中を支える。信助は狩屋達の介入による困惑に意識が寄っていたおかげで、織莉子の覇気を少しだけ受け流せたのだった。

 

「何てプレッシャーなの……あれが、白い魔法少女……織莉子…」

 

織莉子のただならぬオーラに意気消沈するマミ。一方で信助はマミを心配しつつ前を見た。

 

「狩屋、輝……どうして…?」

 

仲間であるはずの二人が自分達を襲った敵を助けた事実を受け入れられず、彼らが消えた虚空をただひたすら見つめ続けていた。

 

 

 

 




―ED『夏がやって来る』(歌:空野葵)―


次回予告
「姿を現した織莉子と、忠実なる下僕のキリカ。そして二人に寄り添う狩屋と輝に困惑する俺達。それぞれの想いは……

次回!
『魔球闘士イナズ☆マギカ ~魔法少女と革命(カゼ)の少年達~』

第19話『交錯する想い』!」






というわけで二人の誕生日ギリギリの投稿でした。


こんなイベント開催中に滑り込む作品を変わらず読み続け、お気に入り登録や評価を下さる読者の皆様、本当にありがとうございます!


次はまどかの誕生日までに書けたらいいな。


ご感想お待ちしております。


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