魔球闘士イナズ☆マギカ~魔法少女と革命(カゼ)の少年達~ 作:サニーブライト
シスターももこ
「この一年間、このご時世であなたも色々ありましたね。しかし、それでも読んでくださる読者の皆様のおかげで何とか書き上げたのでしょう?昨年からの遅れはこれから取り戻せばよいのです」
シスターももこ…!ああ、なんて慈悲深い……
シスターももこ
「そして私も……昨年やり損ねた事をやらせてもらいます」
え?どうしてシスターの衣装に手を掛けて……
バサァ!
~~どこかの教会~~
リンゴーン、リンゴーン
タキシード優一
「京介!実は俺はももこさんと結婚していたんだ!これからは彼女の事を
ウェディングももこ
「かえで、レナ!お先ゴメンな!結婚のチャンス逃してたまるか!」
かえで
「ももこちゃーーーんっ!?」
レナ
「ももこーーーっ!?」
剣城
「兄さーーーんっ!?」
ハンカチを噛む早乙女和子
「………(ギリギリギリギリ!)」
エッジオブユニヴァース!ハッ、夢か……というわけで皆様、空白期間最高記録を更新してしまい、申し訳ありません。
明日人
「作者さんもこの一年で色々変わったりして大変でしたからね」
ああ。明日人も大変だな。イナイレ新作の発売日変更とかあって、でも自分は変わらず応援してるからな。
明日人
「ありがとうございます。そして言うべきことがありますよね」
その通り。というわけで
イナGO&まど☆マギ10周年&まど☆マギ劇場版新作おめでとう!
マギレコアニメ第二期放送おめでとう!そして第三期決定おめでとう!
マギレコ4周年&イナイレ13周年おめでとう!
明日人
「そしていろはさん、円堂さん!誕生日おめでとうございます!」
いろは
「ありがとう明日人君!」
円堂
「これからもよろしくな!」
てなわけで、投稿遅れがちな駄文を読んでいただき、ありがとうございます。
今回はかなり難産でした。代わりにちょっと趣向を凝らしてみたかと思います。
楽しんでもらえたら幸いです。
では、どうぞ。
~~夕方・???~~
「どうして、こんなことになったのかしら……」
ほむらは困惑していた。彼女は現在、湯気が立ち上る浴室で椅子に座っていた。すると、浴室のドアが開いた。
「お待たせ、ほむらちゃん!」
そこから顔を出したのはツインテールに纏めている髪をほどいたまどかだった。ここはまどかの家の浴室であり、二人はこれから一緒に風呂に入るところであった。
(え~と確か、会議が終わった後……)
~~~~
「ほむらちゃん、今夜はウチに泊まろうよ」
「え?」
「わたしの事を守ってくれるならこうした方がいいでしょ?」
「え……で、でも……ご家族に迷惑をかけてしまうわ」
「そんな事気にしなくていいよ。ほむらちゃん一人暮らしだから、きっとママ達も説得できるよ」
こうしてまどかの勢いに押され、ほむらは鹿目家にお邪魔することになったのだった。
~~~~
「ふふふ」
「………」
そして現在、まどかはニコニコしながらほむらの髪を洗っていた。そんなまどかとは対照的にほむらは顔を真っ赤にして固まっていた。何故一緒に入ってるのかというと、帰ってみたが主夫である父と弟はまだ買い物から戻っていないようで誰もいなかった。そこで先に風呂に入るという話になったのだが、何故かまどかは一緒に入ることを提案したのだった。突然の提案にほむらは慌てふためきながら断ろうとしたが、”織莉子に狙われているから”という理由で押し切られてしまったのだった。
「いつも思ってたけど、ほむらちゃん髪キレイだよね。何か特別なお手入れでもしてるの?」
「と、特にしていないわ……」
「ホント?それでこんなにツヤツヤなの!?いいなぁ~、わたしなんてすぐ寝癖ついちゃうから羨ましいよ」
「そ、そう……」
ほむらはこれまでまどかを救う為、何度も時間遡行を行った。その度にまどかとの関係も変えていた。まどかが魔法少女だった時のように親密になったり、時には全く関わらないようにしていた。が、ここまでのスキンシップをするような関係になるなど今まであっただろうか。
「それじゃ、今度は身体洗ってあげるね」
「えっ!?な、何でそこまで……」
「今日の事、さやかちゃんに話したら、お風呂でここまでするのが基本だって言われたの」
「さやか、覚えてなさいよ……」
脳裏にニヤニヤしたさやかの顔が浮かびながら顔を歪ませるほむら。一方、まどかはボディタオルを泡立てていたが、ふと、ほむらの背中に触れてみた。
ピトッ
「ひゃっ!」
「わあ!ほむらちゃん髪だけじゃなくて肌もキレイだよね!すごく柔らくてスベスベだよ!」
「う、ううう……」
結局ほむらは終始顔を赤くしたまま、まどかに身体を洗われた。ほむらにとっては死ぬほど恥ずかしかったが、まどかは肌に触れる度に声を上げるほむらがとても可愛かったそうな。
~~夜・美国邸~~
「織莉子さん、大丈夫かな……」
「分からない……キリカさんが来てくれなきゃどうなってたか……」
不安げな顔をしながら荒れ果てた書斎を見渡す輝と狩屋。嫌がらせの後始末からしばらくして、輝と狩屋は書斎の片付けをしていた。高価な家具は倒れ、本棚から落ちた本や割れたツボの欠片がいくつも散乱していた。しかし、これは全て嫌がらせでやられた後ではない。織莉子自身がやったことだった。
~~~~
「うあああああっ!」
ガシャーン!
「「「!」」」
織莉子の獣のような叫びと共に大きな音が響くと二人は書斎に駆け込んだ。そこにはなんと、怒り狂ったように飾られていたツボを次々と床に叩きつける織莉子がいた。ツボの欠片で切ったのか織莉子の手は既に血まみれだった。
「織莉子さん!?」
「ちょ、何してるんすか!?」
「うあああああっ!!!」
二人は必死に織莉子を止めようするが、家具まで倒し始めて中々近づけない。
「織莉子!」
~~~~
「飛び起きたキリカさんが飛び込んで抑えてくれなきゃどうなってたか……」
「でもそのせいでキリカさんはまた気絶しちゃったんだよな……」
自分達が情けなく思う狩屋達。二人掛かりでも織莉子を止めることが出来ず、負傷しているキリカに無理させた事が申し訳なくて仕方なかった。
「狩屋くん……織莉子さんが暴れた理由って……」
「やっぱり、あれだよな……」
二人は書斎の机を見る。そこには完全に開かれた引き出しから露わになった久臣の手帳があった。隠したかった秘密を守れなかった事実が二人を更に落ち込ませる。
「織莉子さん……」
二人はただひたすら無力感に打ちひしがれるばかりだった。
~~寝室~~
「キリカ……」
織莉子はベッドで死んだように眠るキリカを見つめていた。彼女のおかげで冷静さを取り戻した織莉子はキリカを再びベッドで寝かした後、自身の魔力で手を治した。そしてその掌には今、黒く濁り、ヒビが入ったキリカのソウルジェムが乗せられていた。このままジェムが砕け、彼女は峠を迎えてしまうのか。織莉子はそう思うと、胸が苦しくなりそうだった。
「う……」
「キリカ…!」
その時、キリカが目を覚ます。織莉子は傍に置いた台にジェムを置いて駆け寄った。
「織莉子……」
キリカはゆっくりと目線を織莉子に向ける。織莉子は安心しながらも焦っているように見えた。
「何だか、身体が重いや……」
「起きたばかりだからでしょうね……ずいぶん深く眠ってたから……」
「ううん……織莉子もわかってるんだろう?」
「!」
台の上に置かれたジェムを見るキリカ。身体が重いのは寝起きのせいだけでは無いことを彼女は既に理解していた。そして視線を天井に戻して尋ねる。
「織莉子、見たんだよね。アレを」
「……ええ」
キリカの問いに織莉子は静かに答える。
「荒れ狂ったのも仕方ない。でも、自分を見失わないでほしい。君には、私が尽くすと誓った君であってほしい。私もそれに相応しい私になるよ」
「それって……」
「私は、もうすぐジェムが砕ける」
「!」
「だけど、ただ砕けて死ぬんじゃない。織莉子に相応しい姿になる……最期まで織莉子の為に動くよ……」
キリカは虚空を見つめたままそう告げた。彼女が何をしようとしているのか、何になろうとしてるのか、織莉子は理解してしまった。
「そんな……そんなの私には、重すぎるわ……」
「重くていいんだよ。重くなけりゃダメだ。君が君でなくなりそうになったら、私の事を想って欲しい。君がどこかに行ってしまわないよう、私が君の枷になるよ」
「キリカ……」
「だから、私の告白を聞いてほしい」
「え…?」
~~~~
キリカは語った。自分にはかつて、幼いころに親友がいた。しかし、その親友に裏切られた事で、傷つくことを恐れる内向的な性格になってしまった。自信を持てず、何にも興味を持てないフリをして、自分に無いものを持っている者たちをただ黙って妬むようになってしまった。そうして不登校気味になり、いじけている時だった。
~~~~
チャリンチャリン。
「あーあ。何やってんだよ。とっととしろよなー」
「後ろ、つかえているので早くお願いします」
「………」
買い物をしている時、レジで財布の中身をぶちまけてしまった。キリカが文句を言われながら黙って小銭を拾っていると、
スッ。
「!」
「これで全部かしら」
「う、うん」
たまたまその場に居合わせた織莉子が拾うのを手伝ってくれた。その時、キリカは何故か織莉子に惹かれるものを感じた。
~~~~
―――あの子だ……。
それからキリカは街で織莉子を探すようになった。そして、彼女を見つけると偶然を装って接触しようとする。
―――私の事、覚えてますか……?
そう言おうと彼女の背中に向けて手を伸ばそうとした。しかし、その手は伸ばしきる前に止まってしまう。
―――どうせ……私の事なんか、覚えてるわけない。
そんな言葉が頭によぎると、キリカは手を引っ込めた。遠ざかっていく彼女の背中は正に自分の手の届かない世界のように感じられた。
―――私の事を気に掛けてくれる人なんて、いない。
結局、拒絶されることが怖くて話しかけることすら出来なかったのだった。変わりたくとも変われない。キリカはそんな臆病な自分が大嫌いだった。
―――変わりたい……違う自分に変わりたい。
彼女はそう願って、キュゥべえと契約したのだった。
~~~~
「ごめんよ。織莉子が知ってる私は、魔法で作ったニセモノだったんだ。本当の私は嫌われるのが怖くて、友達も恋愛も何にも出来ない、向き合えない、ただのいじけた子供だったんだ」
「………」
織莉子はキリカの告白をただ黙って聞いていた。
「……ウソに付き合わせてゴメンね……ありがとう」
キリカは屈託無い笑顔で謝罪し、感謝した。すると、織莉子は俯きながら言った。
「許さない……」
「織莉子?」
「許さない……絶対に許さないわ!」
織莉子は声を荒げていく。
「あなたには私を欺いた罪に報いる義務があるわ!だから!」
織莉子はキリカのジェムを両手で包み込むように持つ。
「例え……どんな姿になり果てようとも、最期まで私の為に尽くし、護りなさい。でなければ、絶対に許さないわ……!」
織莉子は目に涙を溜めながらそう命令した。全てを打ち明け、それでもなお自分に尽くすと誓ったキリカの覚悟を受け入れたのだった。だからこそ、お互いが離れないよう、互いに枷を付け合うことにしたのだった。その姿にキリカは安心したように微笑む。
「わかった……約束するよ」
キリカがそう言うと、織莉子も微笑み、静かに涙を流した。
「「………」」
そんな二人の話を輝と狩屋は廊下の壁にもたれかかりながら黙って聞いていた。
~~鹿目家・まどかの部屋~~
「こうして二人で寝るとちょっと狭いね」
「だから私は布団を敷いて寝ると言ったのに……」
「そんなの悪いよ。一緒に寝た方が安全でしょ?」
「ま、まどか……」
夕食を終えた後、ほむらはまどかの部屋で寝ることになった。が、まどかが今度はベッドで一緒に寝ようと言いだしたのだった。先ほどと同じ理由で押し切られ、二人は並んで寝ることになった。すぐ隣で横になっているまどかから安らかな笑顔を向けられ、ほむらは再び顔を赤くする。先ほどの風呂の時といい、もし、人が羞恥心で死ねるのならきっと自分は今すぐ死ねると思えた。
「ねえ、まどか。聞いてもいいかしら…?」
「ん?なに?」
「どうして私を家に誘ったの?」
「………」
ほむらは聞きたかった。いくら織莉子に狙われているとはいえ、突然家に招いたり、ここまで積極的なスキンシップを取るのは普段のまどかから想像も出来ないくらいだった。
「もしかしたらって思ったんだ」
「え?」
「わたしが死んじゃったりしたら、こういう事とかも出来なくなっちゃうんじゃないかって」
「!」
ほむらに衝撃が走る。
「まどか、あなた…!」
「わたしね、ホントはすごく怖いよ。死んじゃったらパパやママにタツヤ。ほむらちゃんやさやかちゃん達、天馬くん達とも二度と会えなくなるし、絶対みんなを悲しませちゃうから」
「………」
まどかの声色は不安げに聞こえた。やり方は極端であったが心の奥底では恐怖心を堪えるのに必死だったのだ。
「ゴメンね。こんな事言っちゃって」
「ううん。私も、今でも怖いわ。こうして分かり合えたあなたが死ぬことが……あなたがくれた温もりを失うことが」
それは慰めではなくほむらの本心だった。天馬達の助力でようやくまどかと心から繋がったのに、その繋がりが同じ相手に再び断ち切られてしまうかもしれない。もう過去には戻らないと誓ったばかりなのに、その決意を揺るがすような壁が立ちふさがる現実に心が折れそうだった。
「それなら、こうしよっか」
「え?」
そう言うとまどかはほむらの手を包み込むように優しく握った。
「ま、まどか!?」
「これなら怖くないよ。ほむらちゃんと繋がってるって、思えるから」
自身の手を握るまどかの手はとても温かった。それはまるで不安で塗りつぶされる心を照らす陽だまりのようだった。そのせいか、ほむらも無意識のうちにまどかの手を握り返していた。自分もまどかの不安を包み込むかのように。
「でも正直、いつまであなたを織莉子から守れるのか分からないわ。彼女をどうにかしない限り、あなたに平穏は訪れないわ」
ほむらは少しだけ目線を下にずらしながらそう漏らす。以前の戦いのように始末すれば手っ取り早いだろうが、そんな事はきっとまどかや天馬達は望まない。ならばどうすれば良いかと頭を悩ませていると、まどかが口を開いた。
「その事なんだけど……」
ほむらはまどかに視線を戻す。すると、まどかは再び微笑みながら言った。
「天馬くんなら、その織莉子さんとも分かり合えるんじゃないかな……」
「なっ……織莉子と!?」
あまりにも予想外の言葉にほむらは声を荒げる。
「だってあの天馬くんだよ?天馬くんは誰も犠牲にしようとしない、優しい男の子。きっとそうしちゃうよ。だからわたし、天馬くんならいつか本当に全ての魔法少女を救ってくれるんじゃないかって思うんだ」
「………」
そう語るまどかの目は天馬への信頼に満ちていた。ほむらには想像できなかった。以前の時間軸で執念の果てにまどかを殺した織莉子と和解できるとは到底思えなかった。しかし、ほむらは思い出す。
―――ほむらさん……俺は、例えどんなことが起こっても誰も見捨てたりなんかしませんよ。
さやかが魔女化した事件で自身が初めて涙を見せた時、天馬はそう宣言した。そしてその後、天馬は決して諦めることなく戦い抜き、誰一人死なせなかった。その結果、自分はこうしてまどかと分かり合い、数多くの仲間が出来た。自分にとっては奇跡とも言えるこの時間軸は、まどかさえ無事なら、誰が犠牲になろうと構わなかった自分だけではとても辿り着けなかった世界だった。他者への期待を捨て去った自分に人を信じる心を取り戻させ、繋がりを与えてくれた松風天馬。そんなイレギュラーの彼を同じイレギュラーである織莉子にぶつけたらどうなるか正直分からなかった。しかし、だからこそ彼に賭けてみたいと、ほむらも思い始めていた。
「わたしは信じるよ。守り抜いてくれるって信じてるから。天馬くんの事も、ほむらちゃんの事も……」
「まどか……」
「ふああ……そろそろ眠たくなっちゃった。電気、消しちゃうね……」
「ええ……」
「おやすみ、ほむらちゃん」
「おやすみ、まどか」
電気を消すと、二人は互いの顔を見合わせたまま目を閉じた。そして身体をベッドに預けたまま、安らかな夢の世界へと旅立った。
~~河川敷~~
バシュゥン!
「出来た…!出来ましたよ、マミさん!」
「ええ!タイミングもバッチリ!これなら実戦でも使えそうね!」
天馬とマミが粉々になったリボンの的を見て喜ぶ。会議の後、二人は河川敷に人払いの魔法を掛け、魔法とサッカーを組み合わせた新たな連携技を開発していた。途中、マミの家での夕食を挟みながら特訓を続け、ようやく完成したのだった。
「熱中してたら遅くなっちゃいましたね」
「ええ。今夜はここまでにして、明日また調整をしましょう。早く寝ないとお肌にも悪いわ」
「はい」
マミは変身と人払いの魔法を解き、特訓用に用意したドリンクやタオルをバッグにしまって片付けを始める。一方で天馬は顔を引き締めながら夜空を見上げた。
「守り抜いてみせる……まどかさんを……そして、魔法少女達の未来を…!」
煌めく星々を見据えながらそう誓った。誰かの為、未来の為、それぞれの想いは重なり合いながら夜は更けていく。十色の想いは静かな眠りの暗闇に溶け、夜明けの光で再び色づいていく。戦いの始まりを、告げるように。
―ED『放課後ケミストリー』(歌:狩屋マサキ&影山輝)―
次回予告
「キュゥベぇと協定を結んだ俺達。そして織莉子はまどかさん達の学校を襲撃し、戦いの火蓋が切って落とされる!」
次回!
『魔球闘士イナズ☆マギカ ~魔法少女と革命(カゼ)の少年達~』
第20話『激震!見滝原中学攻防戦!』」
はい、長い長い19話をやっと終えることが出来ました。
今回は織莉子とキリカの部分で相当悩みました。
自分はおりマギ本編と新約の両方読んでまして、その両方をうまく繋ぎ合わせようとして苦労しました。それでも書くしかありませんが。
こんなんでも応援してくれると嬉しいです。
ご感想お待ちしております。