雪が降る。雪が降る。雪が降る。舞い降り続ける白い結晶の集まりは、彼女の頬に張り付きそして涙と一緒に溶け落ちる。ああ、そんな顔をしないでくれよ。俺はどこで間違ったのだろう。俺達はどこで迷ったのだろう。君はどうすれば、泣き止むのだろう。その答えを出すのに俺はまだ若過ぎた。そして、遅過ぎたーーー
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俺達はいつも一緒だった。それが当然だと思い続けていた。小学校、中学校、高校。だからお互いの進路が異なった物になり進む道が分かれてしまった時、漠然とした不安を感じたんだ。俺も彼女も。でも世間一般じゃ寧ろその方が自然なのだと尤もらしい理由をつけて、前に進もうとした。その時点ではそれが正解だった。そのはずだった。ここ、峰城大学で彼女と出会うまでは。
私達はいつも一緒だった。それが当たり前だった。だから、離れ離れになるとわかった時、自分が真っ先に考えたのは進路を捻じ曲げてでも一緒にいる事だった。だけどそれは彼が許さなかった。不安だった。悲しかった。苦しかった。彼がいない生活を考えるだけで胸が締め付けられる。でも彼が進むと決めたのならば、私もそうしなければ彼の隣に立つ権利がない。そんな風に自分に言い聞かせて、前を見ようとした。そうするのが彼にとっても私にとっても一番だと信じていた。あの時までは。
私はいつも孤独だった。周囲の人間は自分の事を知れば離れていった。嫉妬、憧れ、軽蔑。自分が欲しかった友情は、手に入らなかった。ある時から、「それも仕方がない」と理解という名の諦めが芽生えた。人は、異物を受け入れるようにはできていない。手段はどうあれ自分から遠ざけようとする。だから自分がこうなるのは仕方がないと。幸い、そんな物なくとも打ち込めるものがあった。だから自分はこれでいい。これがいい。そんな風に考えていた。ここで彼と出会うまでは。私達は出会ってしまった。欠けたまま、迷ったまま、違ったまま。私は気付けなかったんだ。この出会いで自分が変わる事を。変わってしまう事を。
そしてまた、白い季節がやってくる。雪が降るこの街には、今日も明るくあの歌が流れている。それは恋人達を暖かく祝福する。そして同時に彼らに残酷なまでの現実を突きつける。この歌が作ってきた物語と同じように。この物語は歪な愛の物語。歪で寂しい恋の物語。3人は出会い、捻れ、また絡まる。自分達が望む望まざるに関係なく。そして彼らは大人になる。この曲と一緒に。
ーWHITE ALBUM。