雷帝【偽】の物語   作:うたまる♪

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久しぶりに投稿してみます。

リハビリみたいな感じなので誤字、脱字が多いと思います。

徐々に文字数も増やしていきたいと思うのでよろしくお願いします。


転生の刻
少年と堕天使


皆さんは【転生】と言う言葉をご存じだろうか。

 

 

大雑把に説明すると、転生とは生あるものが死後に生まれ変わり、再び肉体を得ることだ。

それだけなら特に気にすることが無いだろう。それが実際に自分の身に起きたのでないならば。

 

 

通常の転生では、所謂前世の記憶と言うものを持たずに記憶を消去された状態で転生される。

これが普通だ。

当然自分もそう言うものだと思っていた。

漫画やアニメの世界と違って前世の記憶をもって生まれてきたと言うのは現実ではありえないものだと思ってたし。確かにそう言う強くてニューゲームみたいなことに憧れが無いかと言われればそれは嘘になる。でもだからと言って実際に体験することになるとは思っていなかった。

 

 

「貴方は若くして不慮の事故で亡くなってしまいました。しかし、貴方にもう一度チャンスを与えましょう」

 

 

起きたら【知らない場所】に立っていて、そこで神様と名乗る女性に会い自分が【転生】することになったことを、一方的に告げられた。

その時は余りの出来事に脳が内容を理解できずに呆然としていた覚えがある。

ただ鮮明に覚えていることが一つだけあり、そのことを今でも自分は後悔している。

 

 

自分は神様が話してくれた言葉を何一つも覚えていない。それだけ俺は混乱していたんだと思う。あの時の自分はとにかく死にたくないと言う気持ちでいっぱいだった。なまじ一度死と言うものを体験したからだろうが、自分は死と言う漠然とした概念にとてつもない恐怖を抱いていた。

 

 

そんな時に神様は自分の第二の運命を決める言葉を告げた。

 

 

「貴方は特典は何を望みますか?」

 

 

自分が覚えている神様の言葉はそれだけだ。

 

 

自分はその特典に対して自分が如何に死にたくないかを神様に説いた。自分がどんな言葉を言ったのかは覚えていないが、最後に神様は笑顔を浮かべてこう言ってくれた。

 

 

「わかりました。貴方を死なせません」

 

 

神様は見惚れるような眩しい笑顔を浮かべて自分に手を翳した。

 

 

「それではよい人生を」

 

 

その言葉を最後に自分の意識はなくなった。

 

 

次に目を覚ましたのは赤ちゃんの頃だった。出産した時から自分は意識を持っていて、なんというか不思議な気分を感じた。なんて説明をすればいいのかはわからないが、あえて言い表そうとするならそれは【生きていることへの安心】だろう。

 

 

自分はありとあらゆることに感謝した。

 

 

自分を生んでくれた母親に

 

 

自分が生まれて涙を流している父親に

 

 

自分が生まれる手助けをしてくれた医師に

 

 

そしてこんな自分を転生させてくれた神様に心から感謝をした。

 

 

 

 

 

転生してからは本当に幸せだった。優しい父と母が毎日自分を見てくれる。それが、自身が生きていることの何よりの証だと自分に教えてくれる。ただ平凡な日常を過ごす。それだけで自分の心は満足だった。

 

 

 

そんな日常が崩壊したのは自分、いや、俺が5歳の頃だった。

 

 

俺はいつも通り家族と平凡な日常を送っていた。そんないつも通りの毎日にあの出来事が起きた。

 

 

俺と両親はその時偶然にも海外に旅行に出かけていた。その時は俺も両親もその場で何か起こるとはつゆにも思っていなかった。

 

 

旅行先の施設でそれは起きた。

 

 

旅行は最初はバチカン市国の世界遺産巡りだった。世界遺産事体に興味はあまりなかったが、家族で旅行をしていると言う事実だけで俺は満足だった。最後に人里離れた教会にお祈りをすることで旅行は終了するはずだった。

 

 

そこで事件は起きた。

 

 

教会に向かっている最中に突然視界が爆ぜた。

 

 

俺は辛うじて残る意識を保ちながら今の状況を整理しようとする。

此処まで冷静でいられたのは現実に頭が追いついていなかっただからだと思う。

 

 

俺の身体は宙を舞っていた。

 

 

宙を舞っていた俺の身体は重力に従い地面に落ちる。

地面と衝突すると同時に肺に入っていた空気が体外に吐き出される。

 

 

俺は動かない身体の代わりに辛うじて動く首を動かし両親の姿を探す。

 

 

だが、現実は非常だった。

 

 

俺の視界に入ったのは血だらけで倒れる両親の姿だった。

その姿は五体満足ではなく、四肢の一部は欠損、腕や足は曲がるはずのない方向に曲がっていた。

 

 

むせかえるような血の匂い、飛び散る肉片

 

 

その状況を理解した後、俺の意識は遠のいた。

 

 

それは俺の中の最後の防衛本能だったのかもしれない。俺の中の心の均衡を保つために現実から俺は意識を遠ざけたんだ。

そこからの記憶は俺にはないはずだった。だけど、その後の記憶が俺の中には確かにあった。

 

 

それは夢や幻だったのかもしれないと思った。

 

 

俺の身体から迸る雷が目の前にいるナニカを唯々消し去っていく。時には雷を超えるほどの雷をその手から放出する。時には高濃度に圧縮されたプラズマを駆使し跡形もなく消しさっていく。時には俺に近づくものが勝手に破裂していく。

そんな夢や幻のような記憶が俺の中にははっきりと残っていた。

 

 

次に意識を取り戻したのはベッドの中でだった。

 

 

そこにはチョイ悪親父と言う言葉が似合いそうな男が俺が目を覚ますのを待っていた。

 

 

そいつの名前はアザゼルと言う名前らしく、アザゼル曰く、彼は人間ではないらしい。アザゼルは自身の事を堕天使と呼びそこの総督をやっていると言っていた。

 

 

そこから俺はアザゼルに事の顛末を全て聞いた。

 

 

あそこで起きていたのは堕天使と天使の小規模な戦闘で、俺と両親は運悪くその現場に遭遇してしまったらしい。

両親は即死だったらしく、まだ助かりそうな俺をアザゼルは助けてくれたらしい。

 

 

それからは俺は唯々泣いた。

恥も外聞もなく、大きな声で泣いた。

 

 

そんな俺をアザゼルは不器用な手つきで優しくあやし続けてくれた。その時の感触は俺は一生忘れることはないだろう。

 

 

それからアザゼルは住む場所を失くした俺を養子にすると言い、俺はアザゼルの言葉に従いアザゼルの息子になることを決めた。

 

 

多分あの時の俺は両親を失った穴を何かで埋めるためにその提案を受けたんだと思う。そうじゃなけりゃ、知り合って間もない人間でもない奴の養子になることなどあるはずがない。

アザゼルはそんな俺の気持ちを汲んだのかそれとも単に俺を育てる時間が取れないためか、母親役としてレイナーレと言う堕天使の女を俺の世話係として付けた。

 

 

当時の俺はアザゼル以外の堕天使を信用することができなかった。当然と言ったら当然かもしれないが、そんな俺の態度が気にくわなかったレイナーレと俺はよく喧嘩をした。まあ、その後何やかんやでレイナーレの事を信用できるようになり、彼女から世界の事を教えてもらった。天使や堕天使だけではなく、この世界には悪魔や神話の神々が存在していることを教えてもらった。

そして俺は彼女から俺が新しく生きるための名前を与えてくれた。

 

 

 

 

 

 

俺の新しい名前は

 

 

 

 

 

天野銀次

 

 

 

 

 

それが俺の新しい名前だ

 

 

 

 

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