低評価の嵐が期待できるぞ!(白目)
どうか温かい目でお願いします!
銀次とヴァーリの食事は何の進展もない状態で終了した。
銀次は会計の際の料金に軽く驚きつつも、アザゼルから渡された小遣いで支払いを済ませる。まさか銀次も小遣いをこの食事にすべて使う事になるとは思わなかっただろう。
店を出た後、銀次はヴァーリの要望により街外れにある山に向かう事にした。
当然銀次はヴァーリが何か企んでいるだろうという事は予測していた。だが、此処でヴァーリの要望を断れば、ヴァーリの事は何もわからずじまいで、最悪そこでヴァーリは行方をくらますかもしれないという予感を銀次は感じた。
だからこそ、銀次はヴァーリの要望に従い街外れの山に向かう事にした。
………
……
…
――――――
「何が目的だ?」
ヴァーリは今までと違い力強く俺を睨め付ける。その視線には嘘をつくことは許さないと案に言っていることがわかる。
俺はまず何から話すべきか考えるが、ヴァーリの視線がそれを許さない。
「何だ、答えられないのか?」
ヴァーリは俺の返答が遅い事とから俺に警戒心を高めていく。
流石に唯の善意で見ず知らずの相手に食事を施そうと思った何ていえるはずがないし、本当の事を言ったとしても信用されるわけがないと言うのは自分でもよくわかっている。だからこそ俺はこういうしかできない。
「ま、待ってくれ!俺は別に目的とか何もない!」
「じゃあ、なぜ俺に食事をくれたんだ!目的もなしに俺に近づくわけがないだろう!」
ヴァーリの言葉が荒くなると同時にヴァーリの身体から何かが滲み出てくる。滲み出たそれは圧力となって銀次を威圧する。
それに俺は気圧され「うっ」と声が漏れる。
俺は気圧されたことによってヴァーリの言葉を否定するタイミングを逃してしまう。ヴァーリは俺が言葉を否定しなかったことにより、さらに視線を厳しくし、疑いを深めている。
「そうだ、何の目的もなしに俺に食事をくれるわけが無い。目的は何だ!お前も俺の
ヴァーリはそう言うと背中に白く綺麗な翼が広げる。だが、その翼は飾りや何かではなく、とてつもないナニカが感じられる。
そのヴァーリの行動に俺は背筋凍る。
俺の中の本能があの翼が唯の翼ではないことを告げている。あの翼はもっと気高く、暴力的なまでに理不尽な力の塊だという事が俺の直感が言っている。
アレハマズイ!
アレハキケンダ!
イマズグココカラニゲロ!
シヌゾ!
俺の頭の中でそう言った警鐘がなり続けている。久しぶりに感じる死に対する絶対的な恐怖が俺を支配する。
「お前も俺を傷つけるのか、なら――――――」
ヴァーリは右手を俺に向けて翳す。それと同時に掌に何かが収束されていく。
「俺の敵だ!」
ヴァーリの右手に収束された塊が俺に向かって飛来する。
俺は咄嗟に大きく横に跳び飛来する塊を避ける。俺は塊を避けることができたが、自分の背後にあった木を見て絶句する。
木が消えているのだ。
いや、その表現は正しくはないだろう。正しく言うならヴァーリから発せられた塊が木と接触した瞬間木っ端微塵に粉砕したのだ。その証拠に木々の欠片がそこら中に散らばっている。
俺は血の気が引いていく感じがした。
もしもあの塊が自分に当たっていたら俺は確実にタダじゃ済まなかっただろう。少なくとも肋骨の一つや二つ、簡単に折れるほどの威力だ。
「躱したか、思ったより身のこなしは良いようだな。だが今度は外さない。敵は殺す!」
そう言うとヴァーリは両手を俺に向け翳す。その両手からは先程とは比べ物にならない程の大きな塊が見える。
先程の一撃が拳銃だとするなら今回の一撃は大砲に匹敵するだろう。勿論、銀次がこの一撃を如何こうすることはできない。もはや避けたとしても余波で重傷は免れない。圧倒的な恐怖の中、銀次は死に対する恐怖に怯えながらも生きるために考える事をやめなかった。
「死ね」
無常にヴァーリがその言葉を告げた瞬間、銀次の中で何かが弾けた。
「わあああぁぁぁぁぁぁ!」
その行動は本能によるものだろう。
生きるために必死だった銀次は本能に従い右手をヴァーリに向ける。端から見たら人間である銀次が、ヴァーリの様な塊を生み出すことができるはずがないと思うだろう。だが、銀次は普通の人間ではなかった。
銀次がヴァーリに向けた右手からバチバチと放電するような音が鳴り、右手から雷が放たれる。ヴァーリは銀次から予想だにしない反撃に驚きつつもその身体はその雷撃を躱すために動いていた。
その結果、ヴァーリは銀次の一撃を避ける事が出来たが、銀次の一撃を避けたことによってヴァーリの一撃ずれが生じ、塊は銀次に向けられることなく空に向かって放たれることとなった。
「お、お前も
ヴァーリは予想だにしたい反撃を受けたことによって混乱している。だが、それ以上に俺の方が混乱は大きかった。
(な、なんだこれ!手から雷が出た!しかもバチバチって俺の身体が放電してたし、俺の身体どうなってんのマジで!神様俺って人間だよね?もしかして、これが噂に聞く神様特性の身体なのか!?)
ある意味混乱し過ぎて変な電波を受信してしまっていた。
「くっ、お前も
は?
「ちょ、ちょっと待って!急に言われても何の事かさっぱり何だけど!
「なに?とぼけるな!普通の人間が身体から雷を出せるわけがないだろう!それに戦うつもりが無いとはどういうことだ!」
ヴァーリは俺にもっともな意見を述べながらその右手を俺に向ける。
確かに普通の人間からは雷なんて出ないし、放電なんかしないけどさ、それは俺にもわけわかんないんだよ!むしろこっちが教えてほしいし!神様、俺の身体はどうなっているのか教えてください!
俺は変なことを考えながらヴァーリが攻撃をしてくる前にもう一度説得を試みる。
「いや、俺はヴァーリと闘うつもりなんて始めからないし、第一ヴァーリを食事に誘ったことに目的なんてないよ!」
「嘘をつくな!目的もないのに俺に話しかけるはずがない!」
「そんなことはない、信じてくれ!」
俺の必死の説得に納得したのかはわからないが、ヴァーリは一先ず俺に向けていた物騒な右手を下ろしてくれた。
「いいだろう、お前が嘘を言っていることはなさそうだ。お前の言葉を信用するわけではないが、食事の恩がある。殺すことはやめてやる」
「ああ、ありがとうヴァーリ」
俺は命の心配がなくなったことにより、安堵の息を吐く。
しかし、それはつかぬ間の安堵だった。
森の中から先程ヴァーリが放った塊と同じくらいの大きさの塊がヴァーリに直撃し小規模な爆発が起こる。
「グガッ!」
ヴァーリは突然起きた爆発に耐え切れず、そのまま吹き飛ばされ気に叩きつけられる。
「えっ―――――」
俺の頭は突然の出来事に真っ白になる。
「う、うぅぅぅ………」
ヴァーリは木に叩きつけら呻き声のようなものをあげているが、重症ではない。だが、身体は無事でも心は無事ではなかった。
ガタガタガタガタガタガタガタ!
ヴァーリの身体は異常なまでに震えていた。それは何かに怯える子供ように身体を震わせていた。
俺は先程までのヴァーリと違いっこまで恐怖に震えているヴァーリに愕然としてしまう。あそこまで勇ましかったヴァーリが何に対してここまで怯えているのか、その答えはすぐにわかった。
「やっと見つけたぞクソガキ!」
そこに現れたのは眼を血ばらせ、背中に10枚の翼を広げた悪魔のような男、ヴァーリ・ルシファーの父だった。