「あ~れ~」
「ん?なふぎゃ!?」
「いてて。くそっ!流石にこいつは恨むぜ、エクスデス様よぉ!」
「ちょっとそこの貴方。何やら盛り上がっているようだけど、私の式を解放してくださらない?」
「ん?次元の狭間に封じられし魔物!?エクスデス様に匹敵する威圧感を出せる奴がいるとはな!」
「いいからそこをどいて踏みつぶしているその子を解放しなさい」
「んぉ?っとと、こいつはすまん。気付かなかったぜ。おい大丈夫か嬢ちゃん?」
「貴方みたいなごついなりした男が空から降ってきたのよ?大丈夫なわけないでしょう」
「それもそうだな。回復魔法はあんまり得意じゃないんだが……ケアル!!」
「あら、そんななりで魔法使いなの?」
「齧った程度だ。期待はしないでくれ……ケアル!!」
「齧った程度でそれだけ回復させられるとは恐ろしい話ね。後はもう寝かせておけばすぐに起きるわよ?」
「そうか?そうは見えねえが、まあ、あんたがそう言うならいいか。で?俺はどうすりゃいい?」
「どう、とは?」
「嬢ちゃんを寝かせた後勝負すんのかって話だ。正直あんたとは戦いたくないんだが、腹の虫が治まらねぇってんなら全力で相手させてもらうぜ?」
「遠慮しておくわ。貴方、物理戦闘特化型なのでしょう?それでそれだけの回復魔法が使えるとなるとこちらとしても戦いは避けたいわ」
「そうかい、そいつはありがたい。それじゃ、俺はもう行くぜ。嬢ちゃんによろしく言っといてくれ」
「待ちなさい。ここは隙間の世界よ?どこに行く気なの?そもそもどうやって入って来たの?」
「どうやっても何もデジョンで次元の狭間に落とされたんだが……これ以上話すなら先に嬢ちゃんを寝かせてやろうぜ」
「それもそうね。いろいろ聞きたいし、上がっていきなさい」
「ん?靴を脱ぐのか?変わってるな」
「その鎧も脱いだら?この家にいる間は安全を保障するわよ?」
「そう、だな。傷の付きやすそうな床だし、脱ぐとするぜ」
「お気遣いありがとう。橙?橙?」
「はい紫様!」
「私はちょっと藍を寝かせてくるから、貴女はお客様にお茶をお出ししておいて」
「はい!」
「悪いな」
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇ ◇◇◇◇ ◇
「待たせたわね。改めて自己紹介から始めましょう。私は八雲紫。物質・精神・概念問わず、あらゆるものの隙間を操る能力を持っているわ。橙」
「はい!私は橙といいます。紫様の式である蘭様の式で、簡単な妖術を使えます」
「藍はさっき貴方が踏みつぶした子ね。私の式で本人も式を扱えるわ。あと、私や藍は結構な妖術が使えるわ」
「えーと?あんたの子分がさっきの嬢ちゃんで、さっきの嬢ちゃんの子分がこの嬢ちゃんってことか?」
「まあそんなところね」
「で、全員が妖術使いで、あんたはよくわからん特殊な能力も持っている」
「そうね」
「流石は次元の狭間って感じだな。俺はギルガメッシュ。エクスデス親衛隊隊長だったんだが……デジョンで次元の狭間送りになった今はフリーランスだな」
「いろいろ突っ込みどころの多い紹介だけど、能力について先ず聞かせてもらえるかしら?」
「能力っつっても大したこたないぜ?せいぜい扱えない武器はないってくらいだな」
「あら、先程の回復魔法は大したものだと思うけど?」
「さっきもそんなこと言ってたがケアルなんて駆け出し白魔導士でも使える初歩の初歩だろ?」
「少なくともこちらではそうそう見かけない程度には凄いわね。初歩の初歩ということは貴方は他にも使えるのかしら?」
「白魔法が珍しいのか。他に使える白魔法はプロテスとシェルくらいだな。それぞれ物理攻撃と魔法攻撃を減衰する防御膜を体の表面に纏う魔法だ」
「また随分と厄介な魔法ねえ……白魔法以外にも使える魔法があるのよね?」
「時空魔法のヘイストが便利だな。2倍の速さで動けるようになる」
「貴方が見た目、というか存在感以上に強いことはよくわかりましたわ。正直これ以上聞きたくなくなってきましたわね」
「搦め手として妖術の類をいろいろ修めてるんだが、話さないほうがいいか?」
「物理戦闘特化型だと思ったのはとんだ誤解だったようね」
「あの時点でわざわざ誤解を解いてやる意味もなかったしな」
「私もまだまだ未熟ですわね」
レベル4のシェルが使えるのに一番の初歩であるケアルが使えないってことはないだろうということで勝手に使えることにしてます
他の魔法は追加するつもりはないけど、すでに弾幕ごっこじゃないガチバトルだったら結構いい戦いができそう