「治療!っと……ケアル!!」
「斬った指もくっつくなんてお医者さん要らずね~」
「どっかで止められると思ってたんだが、結局何もしなかったな」
「妖夢の成長のためよ~。地力の差と手札の差の重要性ってなかなか学べないのよね~」
「そりゃお稽古ごとばっかりやってちゃ身につかなくて当然だろ。剣士として成長させる気があるならそれなりの相手と緊張感のある戦いをさせてやらにゃ」
「幻想郷は弾幕ごっこ以外の戦いが禁止されちゃったのよ」
「そうなのか?」
「言っていなかったか?」
「聞いてないぜ。いくらごっこ遊びが主流でも平和ボケが過ぎると思ったら……」
「主流どころかそれ以外は懲罰の対象だよ。具体的に言うと幻想郷の全勢力が殺しに行く」
「うへぇ。それ、今回の勝負も対象だったりしないよな?」
「今回はこれを問題にするような目撃者がいないから大丈夫だ」
「隠れてやるならいいってことか?」
「そういうことだ。あとは自衛のためにやる分には文句を言われることはない」
「自衛がダメだったら欠陥ルールにもほどがあるだろ」
「世の中には自衛でもダメだなんて言うバカもいるんだよ」
「平和ボケここに極まれり、だな」
「本当にね~。妖夢は他人に影響されやすいからそういう変な思想にかぶれないか心配なのよね~」
「おいおい、そこはしっかり見といてやれよ」
「大丈夫よ~。仮に変な思想にかぶれても、今の妖夢にはお尻を叩いて連れ戻してくれるお友達がいるもの」
「ほう、そいつはいい友人を持ったな」
「ちなみに、その友人というのは昨日飲みに来ていた二人だぞ」
「あー。知り合った経緯はわからんが確かにあいつらはその辺しっかりしてそうだな」
「あら、巫女ちゃんや魔法使いちゃんもあれで結構抜けてるのよ?」
「そりゃそうだろ。あんたらと違って見た目通りの年齢なんだろ?あの歳でどこも抜けてませんって方がおかしいぜ」
「ははは、あいつらを年相応に扱うのは難しいぞ?」
「私は死んだときの姿そのままらしいから、年齢と姿が一致していないってわけじゃないと思うわよ?」
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇ ◇◇◇◇ ◇
「あああああああぁぁぁぁぁ!!!!!」
「どうしたの妖夢?怖いお化けでも見たの?」
「はぁっ、はぁっ、っぁっゆ、ゆこ…さ、ま?」
「酷い顔ね。それに凄い脂汗。よっぽど怖い夢を見たのね」
「幽々子っ様!幽々子様ぁ!」
「大丈夫。大丈夫よ」
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇ ◇◇◇◇ ◇
「夢ってことにしちまったら成長しないんじゃねえか?」
「ちゃんと向き合えるようになるまでの応急処置だろう」
「あー……確かにあの様子じゃすぐに向き合うのは無理そうだな」
「お前はしばらく鉢合わせに注意しておけよ?」
「おいおい、俺が気を付けたからってどうなるもんでもねえだろ」
「気を付けないよりはましさ」
「そりゃそうだが」
「それじゃ、妹紅に塩を届けに行こうか」
「おう。昨日の今日だが再戦だ」
「攻撃手段が増えたからって攻撃にかまけてると思わぬところでへまをこくぞ」
「そんなしょうもないことするようならとっくに死んでるよ」
「それもそうだな。戦場で生きてきた男に言うことではなかったか」
蛙から戻ったことはスルーされるみょんちゃん