「終わったのか」
「終わったわよ。まさか昨日の今日で負けるとは思わなかったわ」
「負けたのか!?」
「へへっ、初勝利だぜ!」
「スペルも使わず被弾も無し、まさに完封されたって感じね」
「剣撃が飛ぶってのはいいな!昨日はほとんど攻撃できなかったが今日はバシバシ攻撃できたぜ!」
「簡単に言ってくれる。それだけで勝てるほど甘い相手でもないだろうに」
「いやいや、もともと回避にかけちゃ天下一品だったんだし、こっちの攻撃を鈍らせる手段を得た今は敵なしなんじゃない?」
「敵なしはねえだろう。回避はヘイストとスピードあってこそだし」
「気を払うべきは回避より攻撃ではないのか?妹紅が攻撃の手を緩めるほどの攻撃となると相当のものだろう」
「それそれ、聞いてよ藍。ギルってば時間差で閉じる弾幕とか、隙間の空いた壁みたいな弾幕とか出してきてさ、こっちが隙間抜けようとすると追加の弾幕放ってきたのよ!」
「それはおそらく妖夢の使っていた弾幕だろう」
「そうだぜ。剣士としちゃお粗末な腕だったが、剣撃弾幕で弾幕ごっこをする分にはなかなか使えそうな技をいろいろ持ってたからな」
「ギルってば物覚えがいいのね」
「技を盗むのが上手いのと物覚えがいいのは違うだろう」
「使える技はバンバン盗んでいくべきだろ?」
「まあな。だが、それにしてもお前の成長ぶりは恐ろしいな」
「ほんとにね。この分なら霊夢にもそう遠くないうちに勝てるんじゃない?」
「そうなって貰わなければ雇ったかいがない」
「昨日の紅白だよな?強いのか?」
「弾幕ごっこで勝てる奴はいないんじゃないかな?」
「実戦の方が厄介だがな」
「そんなに強いのか、そりゃ楽しみだな」
「強いのもあるけど、無敵になる技を持ってるのが問題なのよ」
「無敵?どういうことだ?」
「霊夢には人や場所の常識から外れることができる特異な能力があるんだ」
「それが無敵とどう関係するんだ?」
「世界の常識の外に出ることで、この世界に存在するありとあらゆるものからの干渉をすり抜けるようになるのよ」
「攻撃が体をすり抜けちまうのか」
「そういうことだ。弾幕ごっこでは制限時間をつけることで絶対の勝利はなくしているが、無敵になっている間は攻撃に専念できるからな」
「避けながら攻撃するしかないこっちはそうそう時間切れまで耐えられないってね」
「それってこの世界の人間じゃない俺がこの世界のものじゃない攻撃をしたらどうなるんだ?」
「やってみないことにはわからんが、おそらく通用するとしても一回だろうな」
「一回か。なら初回でバシッと決めないとな」
「次の相手は霊夢?もうちょっといろんな相手とやってみてからの方がいいと思うわよ?」
「私もそう思う。とはいうものの、次の相手は誰がいいか……」
「ギルって空飛べないのよね?」
「ああ。仮にレビテトを習得しててもあんな風に自在に飛び回るってわけにはいかねえしな」
「レビテトが何かはわからないけど、魔法使いの誰かから飛び方教わってきたらいいんじゃない?」
「すっかり失念していた。よし、明日の予定はそれで決まりだな」
「今からじゃダメなのか?」
「じきに日も暮れる。今から行っても教わる間がないだろう」
「もうそんな時間か」
「今日も飲んでいく?」
「いや、今日はうちで済ませるよ。それと、一応屋台の準備はしておいた」
「そっか。ありがとね」
「ああ。それじゃ、お休み」
「はいはい。またよろしく」
「また来るぜ」
ラーニングは魔理沙の専売特許ではないもよう