「おーいアリスー!」
「お?」
「ん?誰かと思えば昨日のギルガメじゃないか」
「誰が金拾い洞窟の理不尽亀モンスターだ!」
「何のコントよ。魔理沙は何の用なの?」
「ああいや、時代錯誤の甲冑男がいたって話をしに来たんだが」
「本人が目の前にいるわね」
「ついでに言えば俺とお前が会ったのは昨日じゃなくて一昨日なんだから、そういうことは昨日のうちに話しとけよ」
「あれ?一昨日だっけ?」
「おいアリス、こいつ大丈夫なのか?」
「たぶん何かの研究に没頭してたんでしょ。たまにあるのよ」
「若い身空で昨日も今日もわからないとは……」
「それは何か違う!」
「それで、用はそれだけ?」
「そうなんだが、二人で何やってんだ?」
「飛べないのは不便だからな。飛行魔法を教えてもらってる」
「何だお前飛べないのか。っていうかその形で魔法なんて使えるのか?」
「その質問も聞き飽きてきたな」
「そりゃその格好だもの、誰でも同じこと思うわよ」
「その様子だとほんとに使えるんだな」
「そうだな、ちょうどいいし俺の練習に付き合ってくれないか?」
「そりゃ構わないが、私は何をすればいいんだ?」
「俺が浮くから本気で撃墜しに来てくれ。アリスは補助せず俺の魔力操作の観察に止めて、後で悪かったところを教えてくれ」
「おいおい、飛ぶことを覚えたばっかりでスピードスターであるこの私に撃墜されない自信があるってのか?」
「勘違いしてもらっちゃ困るな。俺は撃墜しに来いって言ったんだ。弾幕ごっこをやろうってんじゃねえぜ?」
「貴方耐久勝負するつもり?魔理沙は火力馬鹿よ?」
「誰が馬鹿だ!弾幕はパワーだぜ!」
「弾幕はブレインよ。とはいえ、耐久勝負となれば火力押しが有効なのは確かね。大丈夫なの?」
「自己強化と妨害はさせてもらうさ。で、どうする?」
「へっ、落ちたら一杯奢ってもらうぜ」
「あいにく金の持ち合わせがないんだ」
「あら、それじゃ師匠である私が払ってあげるわ」
「いいのか?」
「自信、あるんでしょう?」
「ああ、任せとけ」
「何だよ何だよいい雰囲気出しやがって!」
「そういうのじゃないだろ」
「そういうのじゃないわね」
「ちったぁ慌てろよ!落ち着いて返されると私が馬鹿みたいじゃないか!」
「いや、馬鹿でしょ」
「何おう!」
「お前ら二人でいがみ合うなよ。ほら始めるぞ?」
「お前何で緑色に光ってるんだ?!」
「防護膜かしら、それにしても緑色に発光する甲冑姿の男って……」
「これは魔法の威力を半減する優秀な魔法だぞ?」
「それが本当ならとんでもない魔法ね」
「へっ!半減したからって耐えられるとは限らねえだろ!」
「そう思うならやってみな」
「落とせたら奢ってもらう、落とせなかったら奢ってやる。でいいんだよな?」
「負けた時の金がアリスから出るからな、そこの決定権はアリスにあるだろ」
「私はそれでいいわよ」
「なら決まりだな!いくぜ!恋符「マスタースパーク」!!」
「ちょっ!いきなり魔力全開じゃないの!」
「今夜の酒代が浮いたな」
「おいおい、俺はまだちゃんと浮いてるぜ?」
「なっ!?」
「おいおい、マジかよ……マスパだぞ?」
「どれだけ自信があったのか知らないが、殺すつもりじゃなきゃ俺は落とせないぜ?」
「弾幕ごっこ用のスペルとはいえ、加減はしてなかった以上威力は本物のはずよね?」
「ああ、山を貫通とまではいかなくても、半分は掘削できるはずなんだが……」
「あんたそんなもんを人に打ち込んだの?」
「山が吹っ飛ぶ程度じゃまだまだだな。核熱の魔法にも耐える俺を舐めてもらっちゃ困るぜ」
「核熱ぅ?それ本気で言ってるのか?」
「そんな物騒な魔法聞いたこともないわ」
「珍しいといえば珍しい魔法だが普通のゴブリンでも使うぞ?」
「「はぁ!?」」
何故か紅魔郷チルノみたいなセリフがちらつく魔理沙……