「邪魔するぞ」
「あらいらっしゃい」
「ああ。どうだ、少しは飛べるようになったか?」
「少なくとも浮いてるときに落とされる心配はなさそうだぜ」
「飛び回るのはまだ無理みたいだけど、移動手段として使うなら十分なくらいにはなっているわ」
「ほう。一日でそれだけ飛べるようになれば上出来だろう」
「それより藍よう、こいつ何者だよー。私の全力でも全然効いてなかったんだけどー?」
「お前がすねた子供みたいな喋り方になるとは珍しいな。そういうことは本人に聞けばよかろう」
「俺はただの人間だって言ったんだがな」
「嘘つけ!お前が普通の人間なわけあるか!」
「まあ普通の人間は戦場を駆け回ったり親衛隊の隊長になったりはせんだろうな」
「でも戦闘能力が高い以外は普通の人間よね」
「武具の蒐集が趣味なのはちと普通じゃないかもしれんな」
「そういうことじゃないっての!お前らわかっててやってるだろ!」
「そうはいってもなぁ、俺の生い立ちは変わりようがないぜ?……いやまあ、人間じゃなくなる手段もなくはないが」
「そうそう、今日お前のメモをその手のことに自信のあるやつに渡してきたんだがな」
「別の用事ってそれだったのか」
「ああ。それで、再現できそうなものもできそうにないものもあるらしい」
「何の話?」
「俺の元居た世界での特殊な薬の話だ」
「魔法薬なら私も多少はできるぞ?」
「特殊な薬ではあるが魔法薬ではないな」
「魔法でなければ何なのだと言いたくなる効果が目白押しだがな」
「そうかぁ?」
「例えばどんな薬があるのかしら?」
「簡単なのでいくと聖水と目薬を調合した物を飲めば全ての属性魔法の威力や特殊効果が強化される」
「パチュリーが喜びそうな薬だな」
「それ本当に魔法薬じゃないの?」
「魔法じゃないな。知識に依存した特殊技能だぜ」
「私が注目したのはブレス系だな。飲むと強烈な属性効果の付いた息を吐けるというやつだ」
「何だそりゃ?」
「上手くイメージできないわね」
「ドラゴンブレスだよドラゴンブレス。こっちには龍の類はいないのか?」
「伝説の中には存在するし、幻想郷は竜神様に守られていることはそれなりに知られているよ」
「伝説上の存在でしかないから実物なんて見たことないわね」
「私もだな」
「そうなのか。俺のいた世界じゃでかいのから小さいのまでいろいろ居たぜ」
「だから竜の牙などというものが当たり前のように材料として出てくるのか」
「こっちじゃ手に入らないのか?」
「手に入るわけなかろう」
「そりゃ手に入らないだろ。実物がいないんだから」
「もしそんなものが手に入るのなら、間違いなく私たちみたいな魔法使いが研究材料にしてるわね」
「ふーん。使うか?」
「「「え?」」」
「あんまり数はないが、一応持ってるぞ」
ギルガメッシュだって人間だもの、アイテムくらいいくらか持ってるでしょう