ここは次元の狭間ですか?いいえ次元の隙間です。   作:ガラフ

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竜の牙

「これはウィルムの牙、こっちはドラゴンゾンビーの牙、んでこいつはブルードラゴンの牙な」

 

「このうち調合に使えるのはどれなんだ?」

 

「どれでも使えるぜ。上顎にある特に大きな牙が、きれいな状態で一対ってのが調合素材としての条件らしいからな」

 

「牙ならどれでもいいというわけではないのね」

 

「そうらしい。俺には理屈はわからんが、目立って大きい牙で欠けたり傷ついたりしていないものじゃないと使えないんだと」

 

「ゾンビになってるようなやつの牙がきれいな状態ってのは違和感あるな」

 

「あいつら元が何だったかわからないくらいに肉は腐ってるが骨はきれいに残ってるんだぜ?おかげで確実に調合に使える牙が手に入るって重宝されてる」

 

「生前に欠けたりしなかった個体だけがゾンビになってるのかしら……」

 

「そういう説もあるな」

 

「ちなみに、この牙の持ち主はそれぞれどんな特徴をもってるんだ?」

 

「この中ではウィルムが一番の雑魚だな。竜ではあっても翼竜だし、獣に近い。ブレスウィングが厄介だが、まあ、お前のアレなら一発で倒せると思うぜ?」

 

「一発で倒せることに喜ぶべきなのか、雑魚相手にアレがなきゃ無理みたいな含みを感じることを嘆くべきなのかわからんな」

 

「雑魚相手にとっておき使わなきゃいけない時点でダメダメでしょ」

 

「なにおう!アリスなんて火力のある攻撃持ってないじゃないか」

 

「あら、昔のことは忘れちゃったのかしら?」

 

「そういえば突っかかってきた誰かさんを吊るしたことがあったような気がするな」

 

「うぐっ、ま、まあ、大切なのは今の実力よ今の」

 

「こいつらは何の話をしてるんだ?」

 

「女の過去を詮索するのは感心しないな」

 

「そういうつもりはねえよ。話を進めていいか?」

 

「ああ、続けてくれ」

 

「じゃあドラゴンゾンビーの話しな。こいつは腐ってるからかよく燃える。あと鎮魂歌を歌うとかなり効く。単純な強さでいえばウィルムより上なんだが、コイツの方が狩り易いな」

 

「鎮魂歌はともかく、火に弱いってのはわかりやすくていいな」

 

「魔法の中でも基本的なものだし、確かに狩り易そうね」

 

「だが、それならウィルムを一番の雑魚とは言うまい。何かあるんだろう?」

 

「ああ、こいつは腐ってるせいか息が毒になっててな、吸い込んじまうと毒に中てられちまうんだ。しかもただの毒と違って吸い込んだ時に直接体が傷付くっておまけつきだ」

 

「中毒症状以外に害があるのか」

 

「ああ、吸い込んだ量や濃度にもよるが、最悪の場合は核熱の魔法が直撃した時くらいのダメージがある」

 

「おいおい、そりゃいったいどんな毒だってんだよ」

 

「異常としか言いようがないわね」

 

「対策は何かないのか?」

 

「ないな。体力に物を言わせて生き残るだけだ」

 

「力技にも程があるだろ。いやまあ、お前なら大丈夫なんだろうけど」

 

「まあな。それで、最後のブルードラゴンだが、こいつは正真正銘の強敵だな」

 

「ほうほう。ついに本命ってわけだな」

 

「ああ。吹雪を操るドラゴンで、冷気にあたるとその分回復しやがる。こっちは寒さにやられてどんどん体力が削られていくってのによ」

 

「レティの凶悪版って感じだな」

 

「そうね。彼女とは危険度が全く違うけど」

 

「何か弱点はないのか?」

 

「ないな。だからこその強敵ってわけだ」

 

「うへぇ、よくもまあそんなのと戦えるな」

 

「そうは言うが、お前のアレを3、4発撃ちこめば倒せると思うぜ?」

 

「いやいやいや、そんなに撃ち込むまでに私が何回やられてるんだって話だろ」

 

「そうよね。吹雪の中で戦うとなるとかなり勝手が違うし」

 

「春雪異変の時は別に吹雪ってわけでもなかったのに戦いにくかったしなぁ」

 

「参考までに聞いておきたいんだが、ブルードラゴンの生息域と生息数は?」

 

「野生種の生息域は知らないが、エクスデス様が城で放し飼いにしてるぜ。数はかなり多いな」

 

「おいおい、そのエクスデスってやつは正気か?」

 

「そんな危険な生き物を放し飼いだなんて、よっぽどの馬鹿なのかしら」

 

「エクスデス様からしたらこいつらは揃って雑魚だからな。ついでに言うと、雷を操るイエロードラゴンとアトミックレイを多用するレッドドラゴンも放し飼いになってるぜ」

 

「そいつらもブルードラゴンに並ぶ強敵なのか?」

 

「ああ。イエロードラゴンはブルードラゴンの冷気を雷に置き換えただけって感じだな。ただし、頭がいっぱい生えてるっていう身体的な差がある」

 

「頭がいっぱい?何だそりゃ?」

 

「肩のところから五本も六本も首が生えてるんだよ」

 

「想像したら寒気がするわね」

 

「ふむ、八岐大蛇の類だな。厄介なのは雷よりも多い頭の連携なのではないか?」

 

「そうだな。吹雪に体力を削られる心配がない代わりに、純粋な戦闘能力が問題になってくる相手だ」

 

「やはりそうなのか。ではレッドドラゴンの方はどうなのだ?」

 

「レッドドラゴンは炎だな。ただし、こいつには他と違って弱点がある。冷気と地震に弱いんだ」

 

「冷気に弱いってのはともかく地震に弱いってなんだ?」

 

「意図的に地震を起こせる存在なんているものかしら?」

 

「向こうにはいくらでもいたが、こっちにはいないのか?」

 

「地震を操るなど天候操作とは次元が違う自然操作だぞ。そんな化け物がホイホイいてたまるか」

 

「そういうところもいろいろと違うんだな」

 

「まあそれは置いておこう。それで、その三種の中ではレッドドラゴンが一番弱いのか?」

 

「いや、むしろ一番強いだろうな」

 

「唯一弱点を抱えているのにか?」

 

「ああそうだ。それだけ地力が高いってことだ」

 

「そう、それで、イエローとレッドの牙がないのは貴方が倒せなかったからかしら?」

 

「いや違う。そいつらの牙は使い道がないからだ。代わりにイエロードラゴンは水にあたると回復する指輪を、レッドドラゴンは炎にあたると回復する指輪を作る材料になる石が腹の中にある。たまにだけどな」

 

「それはまた研究心をくすぐるアイテムね」

 

「実物はないのか?実物は?」

 

「指輪になってるものならあるぞ……こっちが炎でこっちが水な」

 

「何故雷を操るドラゴンが水なのだ?」

 

「さあな。そんなこと俺に聞かれても困る。ちなみに、炎を吸収するやつは水を無効化する効果と冷気に弱くなる効果もある。同じく水を吸収するやつは炎を無効化する効果と雷に弱くなる効果もある」

 

「イエロードラゴンとは全く逆じゃないか」

 

「その点も含めて研究したいわね」

 

「まあそいつらは好きに使えよ」

 

「いいのか?」

 

「本当に貰っちゃうわよ?」

 

「俺には無用の長物だからな」

 

「調合に使う分の牙はあるのか?」

 

「まだいくらかあるぜ。こっちは全部調合用にしちまえばいいだろう」




SFCではサンゴの指輪で雷吸収だったような気がするけど、それだと神龍の開幕タイダルウェイブ対策がなくなるからただの記憶違いだろうね
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