「ん、戻ったか」
「いやー、負けた負けた。状態異常は効かねえわ、攻撃当てても特別ルールとやらで復活するわ、散々だぜ」
「小細工であたしに勝とうなんて1000年早いって」
「妹紅は長らく妖怪と命のやり取りをしてきたからな。いい経験になったろう?」
「ああ、弾幕ごっこは相手の精神をいかに削るかって戦いなんだな」
「間違ってはいないが……」
「妹紅、一体何をやったんだ」
「あたしは潰す気でやってくれって言われたから全スペル避け切りにしただけよ」
「初心者相手に何をやっているんだ」
「私も初心者にそれは酷いと思うぞ」
「潰す気でって言ったのは俺だし、妹紅は悪くないだろ」
「そうよ。ついでに言えば被弾3回見逃してあげたとはいえ、奥の手まで使わされたわよ?」
「奥の手というと文を追い払うのに使っていたあれか?」
「まさか天邪鬼を追いかけていた時に使っていた方じゃないだろうな?」
「ブンヤを追っ払うのに使ってた方よ」
「ふむ、どちらにせよ大したものだな」
「妹紅はスペルも多いし、合間合間に挟んでくる通常弾幕もなかなかだからな」
「もしギルの攻撃手段がもっと充実してたら負けてたのあたしだったかもね」
「次は負けねえからな」
「何だ?再戦の約束でもしたのか?」
「ああ、剣撃で弾幕を打ち出すってやつからやり方を教わってリベンジだ」
「妖夢に稽古をつけてもらうのか」
「あいつはあいつで未熟なところもあるが、お互いに成長が期待できるな」
「あたしはあの子のことはよく知らないんだけど、確か八雲と白玉楼はそれなりに繋がりがあるんでしょ?」
「ああ、主同士が友人であることが大きいが、役目的にも関わりは大きいからな」
「やることやったんだから小難しいことは置いといて飲もうぜ?」
「それもそうだな。熱燗と、適当に盛り合わせで」
「あいよ、そっちに座って待っててね」
「私も少し飲んでいこうかな」
「慧音が飲んでくれるのは久しぶりだね。何にする?」
「確かスズメバチの漬け込み酒があったな」
「あいよ。相変わらず変わり種が好きだね」
「漬け込み酒もあるのか」
「飲んでみるかい?」
「興味あるぜ。一杯頼む」
「あいよ。んじゃこれ二人の分ね。熱燗はもうちょい待ってて」
「ああ」
「そいつがスズメバチか?魔物じゃないんだよな?」
「ああ、普通の虫としての蜂だな」
「何か気になるのか?」
「普通の蜂にしちゃあ随分でかいな」
「まあ、人の生活にかかわりの大きい蜂では世界でも最大級だからな」
「こんなのがその辺飛んでたら一般人にゃきついんじゃねえか?」
「まあ、毎年こいつが原因で死者が出る程度には危険だな」
「こいつの退治を専門にしてる人間もいるくらいだしね。はい熱燗」
「ありがとう。それじゃあ、乾杯」
「「乾杯」」
「おお、何かピリピリするな。こいつの毒か?」
「一応無毒化されてるけど、刺激は残るようになっててね」
「面白い酒だな」
「だろう?毒蛇の漬け込み酒なんかも面白いぞ?」
「こらこら、うちの新人を変な道に誘い込むのはやめてくれ」
「面白い酒だが俺は普通の酒の方が好みだな」
「むう、そうか」
「あはは、振られちゃったね慧音」
「ははは、どれ、私が注いでやろう。お猪口を持て」
「お、ありがとな。ん、熱くした酒ってのも初めてだが、これも面白いな」
「塩気の強いものと飲むと美味いんだ」
「あ、今日は酒盗があるよ」
「ほう、そいつはいいな。ぜひ貰おう」
「シュトウ?」
「盗まれるように酒がなくなっていくとか盗んででも飲みたくなるとかいう意味でつけられた名前だよ」
「そんなに合うのか」
「単品で食べると口が大変なことになるが、酒と合わせると止まらなくなるぞ」
「ほい。魚の内臓が材料だから量はあんまりないんだけどね」
「珍味ってやつか。んん?ん、っぷはぁ!こいつはいいな!」
「だろう?妹紅、熱燗追加で」
「横で見てるとほしくなるな。妹紅、私にも燗と酒盗」
「あいよ。ほい、焼き鳥盛り合わせ」
「味付けが2種類あるのか」
「塩とタレはしばしば喧嘩の種になるんだけど、初めてなら食べ比べてもらわないとね」
「私は断然塩だな。タレは酒飲みの食べるものじゃない」
「いやいや、タレ焼きこそが焼き鳥というものだろう」
「はいはい、二人とも落ち着いて。ほい、熱燗と酒盗だよ」
「ああ、ありがとう」
「まあ喧嘩してもしょうがないな。熱いうちにいただこう」
タレ派と塩派の対立はキノコ派とタケノコ派の対立並みに深いと思う
ギルはどっち派だろう?