書かなきゃいけない作品が沢山あるのに、性懲りもなく新作を作ってしまった……でも、ある方からこんな話を作ってみたら?と言われた瞬間、思い浮かんでしまったから後悔はない‼‼
それとこの話しはあらすじにある通り、作者の初作品の後日談的なものの1つです。ネタバレには注意してください。
では、良ければどうぞ。
日本のとある町、駒王町。
数年前までは天使や堕天使、悪魔による大きな事件に巻き込まれていたこの町も、今ではそのような事件が起こる事はなく、平和な日々が続いていた。
しかしその町にある山、そこの中腹にある開けた場所で特殊なフィールドが張られ、その中では戦いが繰り広げられていた。
戦っている二組は互いに似たような容姿をしているが、纏っている鎧に描かれている15ヶ所の模様と頭の飾りに違いがあった。
その近くで3頭身の体に胸にはゲームのコントローラーみたいな模様にゲージと武器の絵が描いてあり、両手にはバイクのタイヤを模した武器の様な物を持ち、頭にはハンドルみたいなパーツが付いた存在がその戦いを見ていた。
その戦いは壮絶なのかクレーターがあちこちにあり、二人が使っていたであろう武器が転がっていたり地面に突き刺さっていたりしている。
そして勝負は終盤なのか、二人は肩で息をしていて隙を伺っていた。
そこに一陣の風が吹き近くの木がしなる音が響き始めるが、長くは続かず吹き止むとしなる音も消える……
その瞬間、二人は同時に走り出して接近し拳を突き出すと腕を交差して、互いの顔面を打ち抜いた。
二人はしばらくの間、その体勢で固まるがゆっくりと後ろに傾き始め、そのまま同時に倒れた。
「はい、試合しゅ~りょ~。」
『ガシューン』
そこに3頭身の存在が声を上げ、腰にあるベルトからカセットの様な物を抜くと、3頭身の姿から肩までかかり左側の一部を纏めたサイドテールの髪型に水色の瞳をした8頭身の女性の姿になった。更に周囲の景色が開けた広場から、周りと同じ森に変わる。
「おーい二人とも、死んでる?」
「勝手に殺さないでよ……」
「ちゃんと生きてます…」
その女性が声を掛けると戦っていた二人が起き上がり、ベルトを外すと片方は青みがかった黒髪をピンクのリボンでポニーテールにしている金色の瞳の女性に、もう片方は黒髪のセミロングに翠の瞳の女性になる。
「まったく、【玲奈ちゃん】も【夏煉ちゃん】ももう少し周囲の被害を抑えられないの?私のゲームフィールドでももたないんじゃないかって場面が何度もあって、ハラハラものなんだよ?」
「ちょっと【夕夏】、それだと特訓の意味がないでしょ?」
「そうそう。」
「言い訳無用‼今後は現実世界にまで影響を与えない事、いい?」
「「はーい。」」
「…………絶対反省してないよ、この人達…」
サイドテールの女性【小鳥遊 夕夏】はポニーテールの女性【御堂 玲奈】とセミロングの女性【鬼町 夏煉】の軽い返答にため息を吐く。
「そういや、これで戦績はどうなるんだっけ?」
「今日ので全員99勝99敗999引き分け。」
「うわ~……見事にゾロったね…」
「ああ~‼まーた引き分け~!?そろそろちゃんとケリ着けないとね。」
「それは私の台詞だよ?今度も私が勝ち越す。」
「させるわけないでしょ。次は私が逆転してやるわよ‼」
「はーい、口喧嘩はそこまで。ほら、早くしないとお店が開店しちゃうよ?」
「「うっそ、マジ!?」」
口喧嘩はしばらく続くかと思われたが、夕夏の言葉に声をハモらせながら驚愕の表情となる。
「今日って翠屋の新作スイーツの発売日でしょ?早く回復と着替えをやらないとすぐに無くなっち「「回復‼着替え‼いずれもマッハで完了‼」」って早ッ!?」
夕夏の言葉が終わる前に、服を着替えて傷を回復させた二人は夕夏の両腕を抱えると、クラウチングスタートの体勢になった。
「へ?」
「「それじゃ、レッツゴー‼‼」」
「え、ちょ待ぴぎいぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!?!?」
そして、彼女を抱えながら、全速力(あまりの速さに夕夏の体が浮いている)で山を降りていき、夕夏の悲鳴が山に空しく響いた。
玲奈side
「ありがとうございました~♪」
あれから翠屋まで走り抜き、店の前に出来ていた20人程の列の最後尾に並んで待つこと10分、3人とも目当ての物を買ってホクホク顔で店を出て近くの公園のベンチに座った。
「間に合って良かったね。」
「ちょっと値段が張ったけど…これが翠屋の新作スイーツ…‼」
「そう‼【レインボーシューセット】よ‼」
箱を開けると中には7つの色違いのシュークリームが入っている。色は赤、緑、黄、灰色、青、紫、橙でそれぞれ苺、メロン、バナナ、黒胡麻、ラムネ、紫いも、オレンジ味だ。
「「「それじゃ、いただきまーす♪」」」
それぞれが自分の箱から違う色のシュークリームを持って、口にする。因みに夕夏は苺、私はバナナ、夏煉はメロンだ。
……なんか変な歌が聞こえてきそうな色の組み合わせ?歌なんて気にしないの‼‼
「「「う~ん、美味しーい‼」」」
一口食べると、パリッとした生地にクリームが絡んで程よい触感になり、そのクリームから使われている素材の芳醇な香りや味が口全体に広がっていった。
「やっぱり彼処のスイーツはサイッコー♪」
「ほわぁ~♪口の中が幸せ~♪」
「次は絶対に皆の分も買おう♪」
そんな感じにプチ贅沢を味わい、弾む会話を楽しむ。
「そういえば二人はもうすぐ高校を卒業するんでしょ?その後はどうするの?」
「私はまだ決めてないわ。これといってやりたい事もまだ見つかってないしね。」
「私もおんなじ…」
ずいぶん前に貰った進路希望調査表も、いまだに白紙のままで先生にせっつかれてるし……
「ふーん、色々大変なんだね。」
「そういう夏煉はどうなのよ?将来について。」
「私はもう陽太義兄さん達の手伝いをしてるし。」
「「そういやそうだった…」」
くそぅ…‼最初から進路が決まっている奴は羨ましいわね‼
「今度は別の世界に修行に行ってみないかって、陽太義兄さんに言われてて…」
へぇ……私も前に行ったけど、こっちと全く違う文化を見るのは面白かったわね。また行ってみたいなぁ……
「そこってどんな世界なの?」
「それは行ってからのお楽しみだって。」
「ふ~ん…」
「それで、ここからは二人にも関係ある話なんだけど…」
夏煉はそこで1度言葉を切り…
「よかったら、一緒に行かない?」
私達を見ながら、そう告げた。
「「………………はい?」」
「陽太義兄さんからも、数人だったら連れていってもいいって言われてて、だったら私は二人と一緒に行きたいなと思って……………どうかな?」
「いや、急に言われても…」
正直私としては行きたいけど、お兄ちゃん達がなんて言うか……
「とりあえず少し待って。一応お兄ちゃん達に確認してみるから。」
「私もお母さんと相談してからになるかな?」
「返事は二人の卒業式前までに聞かせてくれれば大丈夫だから。それじゃ、私はもう帰るね。」
そう言ってベンチから立ち上がり、私達から少し離れるとその間を幽霊列車が走り抜け、通り過ぎると夏煉の姿はなかった。
「玲奈ちゃんはどうする?夏煉ちゃんの提案。」
「ん~……正直に言えば行きたいかな?」
「実は私も行ってみたいって思ってる。」
「なら、後は説得だけね。」
お互いの意思を確認した私達は、保護者の説得のために別れて家へと向かう事にした。
「いいぞ、行ってこい。いや行け。」
「そうですね、行ってきなさい。」
「即答で強要ッ!?」
その日の夜、仕事から帰ってきた兄である【御堂タケル】とつい最近結婚した妻である【御堂エルナ】義姉さんに夏煉との話をしたらなんの躊躇いもなく、コンマの早さで笑顔で私にそう言ってきた。
「たりめーだ、進路もなにも決まってないお前には丁度いいし…………新婚の俺とエルナがイチャイチャしやすくなる。」
「そっちが本音かい‼‼」
「はい、だからなんの遠慮もなく行きなさい。」
「義姉さんまでッ!?」
この人達、私の扱い雑にし過ぎじゃないですかねぇ!?
「そうと決まれば早速旅の準備をさせとかないとな‼」
「ならその間にボクは夕御飯の準備をしますね♪」
「おう、いつもの美味いやつ頼むよ。」
「は~い、ア・ナ・タ♥」
「……………………先に準備してるよ…」
この新婚空間にいたら、後々もたなくなると感じ取った私は、準備を理由にしてすぐに自室へと退散した。そして夕夏に連絡を入れたら、向こうも許可を得られたそうなので、行く世界がどんなのなのか話し、眠気がきたので電話を切り眠りについた。
それから日は経って、卒業式が終わった私と夕夏は公園にやって来た。そこには幽霊列車に夏煉とその義兄さんである陽太郎さん、この世界でお世話になった人達がいた。
「よ、二人とも卒業おめでとう。」
「「ありがとうございます‼」」
最初に声をかけてきてくれたチームのリーダーである【龍見一誠】さんにお礼をいう。
「二人もいなくなっちゃうなんて、寂しくなっちゃうな…」
「ほーら響、笑顔で見送るんでしょ?」
「なにも今生の別れでもあるまい。」
「オメーは涙が脆すぎるんだよ。」
「そういう雪音先輩も、目元が潤んでますよ?」
「バッ!?それは黙ってろって言ったろ木場‼」
「病気には気をつけるのよ?」
「…頑張ってね。」
「応援してるデスよ‼」
「お土産待ってます。」
「小猫ちゃん、それなんか違くない?」
他のメンバーの方達も、それぞれ言葉をかけてくれる。ただ塔城先輩、お土産は無理です。後、木場先輩と雪音先輩はいつまでも恋人じゃなくて早く結婚すればいいのに…
「二人ともありがとう、夏煉一人じゃまだ心配だったからね。」
「ぷー、私そこまでドジじゃないし…」
「それでも心配するのが、家族だろ?」
「……じゃあ仕方ないか。」
陽太郎さんの言葉に夏煉は反論するけど、返答にすぐに納得していた。
相変わらず家族大好きね。
「玲奈、たまには連絡入れろよ?」
「夕夏ちゃんと仲良くね。」
「分かってるよ。」
「お任せください。」
「それと、これを持ってけ。」
そう言ってお兄ちゃんは私に1つのアタッシュケースを渡してきた。
「今日来れないアザゼルさん達からだとよ。」
「じゃあ、ありがとうって伝えておいて。」
「あいよ。」
お兄ちゃんとエルナ義姉さんに答えた私達は、幽霊列車に乗り込んだ。
「さて、それじゃ出発するよ。」
最後に陽太郎さんが乗り込んで、列車が走り始めたので私と夕夏は窓を開けてそこから手を振った。
「「行ってきまーす‼‼」」
『『『『『いってらっしゃーい‼』』』』』
そして皆に見送られつつ、時空を越えるための空間に入った。
この先の世界でどんな事が起こるのか、まさしくワクワクもんだ‼‼
そんな期待を胸に、ここから私の物語は始まった。
いかがでしたか?
最初を三人称っぽくやってみたけど………………精進しよう……
それとこの作品でレギュラーになる鬼町夏煉は悪維持さんの作品【煉獄の義姉弟】に出てくるキャラなので、良ければそちらも御覧ください。
では次回予告です。
幽霊列車に乗ってやって来た異世界。三人はそこを散策していたら、沢山の女性に暴力を振るわれている一人の女の子を見つけ、見るに見かねた三人はその子を助け出す。
そして傷を治している間、その子の口から語られるのはこの世界の歪みだった。
次回【IS編 歪んだ世界】
「なによそれ、馬鹿馬鹿しいにも程があるわ…‼‼」
では、次回をお楽しみに。