GGO-魔剣士と女神.side story- 作:ソル@社畜やってます
キャラ出すのは著作権的にアレだけど、武器と技くらいなら多分問題ない、よね?
王国心と鍵剣
死神のような禍々しさに、天使のような巨大な羽が一体化している混沌とした見た目のレイドイベントボス《ディビニダド》
ボスとしてふさわしい存在感を放つその機体は攻撃方法も豪快で、その巨体と堅牢な装甲を生かしての肉弾攻撃、頭部を変形させて放つ大型のメガ粒子砲、背中の羽から放たれる無数の誘導兵器フェザーファンネル。更に滅多なことでは拝むことすらできない隠し攻撃がもう一つ。
今回のレイドイベントに参加しているプレイヤーらの多くは、突如として空から舞い降りてきた複数のディビニダド相手に苦戦を強いられ、奮戦もむなしく数多くのプレイヤーはそのほとんどが強力な攻撃によって無残にもリスポーン送りにさせられてしまった。
トッププレイヤーであるリクもその内の1人であり、片腕を失いながらというハンデがあったとはいえリクを倒したディビニダドの存在は、イベントを考えた運営やリクの強さを妬むプレイヤー達からすれば大金星といっても過言ではないだろう。
しかし、そんな大金星もある意味最悪のトリガーと言わざるを得ない。理由として、まず第一にリクは根っからの負けず嫌いであるということ。そしてもう一つ最大の理由が、リクを倒したディビニダドが現在戦っている相手が最愛の人であるシノンだということだ。
「コウホウチュウイ!!コウホウチュウイ!!」
「っ!この!」
一歩間違えれば騒音に聞こえなくもないほどのハロから発せられる大音量を聞くと、シノンは腰のポーチからプラズマグレネードを2個取り出して、背後から飛来する無数のフェザーファンネルへ向かって投げつける。
プラズマグレネードに触れた瞬間、爆発が次々と連鎖して飛来してくるはずだったフェザーファンネルは全て消え去り、シノンはひとまず安堵しながらヘカートのボルトハンドルを引いてすぐさま硬直しているディビニダトの頭部へ強烈な一撃をぶちかます。
かれこれ20分は続いているこの戦闘に、さすがのシノンも焦りの表情が滲み始めてきていた。
「(グレネードはあと3個だけ…相手のHPはゲージ1本…ヘカートの弾はもう予備の分しか無い…!)」
つまり、フェザーファンネルを防げるのはあと3回まで、メイン武装であるヘカートの弾数が残り少ない中で相手のHPを削り切れるのかどうかという厳しい状況にある。
そんなシノンのことなどお構いなしに、硬直から抜け出したディビニダドは背部の翼からフェザーファンネルを射出させた。再び例の攻撃をしてくるのだとシノンはポーチからプラズマグレネードを取り出す。
しかし、次の瞬間シノンの思考は見事に裏切られた。攻撃してくるのだと思っていたフェザーファンネルはこれまで以上の数が射出されたかと思えば、飛来することなくディビニダドの巨大な全身をすっぽりと覆う球状のバリアを展開した。
SAOやALOのボスにもあったHPゲージが少なくなることで攻撃パターンが変わる、今までに何回も目の当たりにしてきたそれがまさかこんなところでも起こるとはシノンは思ってもいなかった。それがよりにもよって攻撃パターンの変化ではなく、防御行動だというのが最大の誤算といえよう。
ただでさえ残りの攻撃回数が限られているというのにも関わらず、展開されたバリアのせいでこちらの攻撃がまともに通らないだけでなく、そもそもバリア自体がどれほどの耐久力を持っているのか計り知れない。
「(こんなの…一体私一人でどうすればいいのよ…!)」
リクが倒されたことに激昂し目の前の化け物に挑んだが、現実は非情にもそんなシノンの気持ちを見事に踏みにじった。
-もうどうしようもない。柄にもなく諦めの気持ちが全面に押し出してきて、ヘカートを地面に下げて思わず瞳から一筋の涙が流れ出してきたシノンに、とどめをさそうとするようにファンネルバリアを纏ったディビニダドが体当たりをくらわせようとしたその瞬間、激しい轟音と共にシノンの背後から真紅の太いビームが発射されディビニダドのバリアとして機能していたフェザーファンネルを一気に破壊しただけでなく貫通して機体に直撃させた。
「え…?」
一瞬何が起こったのかわからなかったシノンは目の前で大ダメージにより疼くまっているディビニダドの姿を見て、そのダメージを与えた攻撃の正体を知ろうと後ろに振り向いた。
そこにいたのは黒に赤のメッシュが入った髪とその二色が混ざったような瞳をし、両肩にドクロのようなパーツを装備し、右手には白色の巨大な実体剣を、左手にはカートリッジが四つ装填されている大型のビーム兵器を持った、シノンが一番よく知っている姿があった。
「リク…!」
「よく戦ってくれたなシノン。あとは俺に任せろ」
優しい表情でシノンの頭を軽く撫でたリクは一転、怒りに満ち溢れた表情へと一瞬で変わりディビニダドをにらみつけつける。
すると、まるで自我を持っていてそれに反応したようにディビニダドは右腕を振り上げて接近戦時の攻撃パターンに入った。しかしリクはその場から避けようとすることもなく左手に持っていたライフルを腰にマウントして実体剣を両手で構えた。
「…セーフティ、解除!」
声と共に持ち手の部分にあったトリガーを引くと、剣の先端から長大なロングビームサーベルが伸びた。リクはそれをディビニダドが振り下ろしてくる右腕に向かって振るうと、頑強だった装甲をいとも簡単に斬り裂いて右腕が地面にゴトリと落ちた。
続けてリクはロングビームサーベルを展開したまま左腕、右足、左足と次々に斬り落とし続けていく。いかに破壊力と耐久性に優れている巨体と言えど、人間に比べれば小回りは利かず、瞬発力や運動性は特にディビニダドが今まさに相手をしているリクに比べれば天と地ほどの差がある。
リクの攻撃に反応できずに四肢を斬り落とされたディビニダドはフェザーファンネルでの攻撃を試みたが、新たに装備された大型のビーム兵器-銘をビームマグナム-によってあっという間に背部の羽型コンテナにあった分も含めてかき消された。ビームマグナムから放たれるビームは通常の4倍以上の威力を誇るだけでなく、発射されたビームの周辺をビームサーベルとほぼ同等の威力を持つスパークが走り、見た目以上に広範囲を攻撃するため、直線的な動きのみで突撃攻撃をしてくるフェザーファンネルはむしろ恰好の餌食だった。
気がつけばHPは残りわずかとなったディビニダドは、前述の滅多にすることのない攻撃パターンの一つである攻撃をするため、肋骨のような外観の胸部から複数のミサイルを前面に出した。そしてそのミサイルにあるマークを見た瞬間、シノンは驚きの声を上げた。
「核ミサイル!?」
たった1発だけで複数のプレイヤーを…否、街の一つや二つを消し飛ばすことなど容易い、圧倒的なまでの破壊兵器をディビニダドは使おうとした。相対している標的が目前にいるため着弾すれば当然自身も爆風にのまれることにはなるが、死なばもろともといった所だ。
しかし、そんな破壊兵器を前にしてもリクは怖じけづくどころか、展開しているロングビームサーベルを躊躇もなく核ミサイルに向けてなぎ払うかのように振るった。その攻撃によって核ミサイルは弾頭の部分だけが斬り落とされ、ディビニダドの正真正銘最後の攻撃は呆気なく無力化されることになった。
リクは直後にグローブからワイヤーアンカーをディビニダドへと発射すると、ロングビームサーベルを前方に突き出しながらその巨体へ直進する。
「うおぉ!」
貫通した実体剣のトリガーを押すと、まるで木の葉のように剣の両側から新たにビームサーベルが展開されてディビニダドのHPを0にした。
突き刺した剣を抜き、巨体を蹴って距離を取って爆発に巻き込まれないようにする。爆発音と爆風が止んだ跡には、禍禍しい姿も斬り落とした四肢も残らず、ただひたすらに砂だらけの荒野が広がっているだけだった。
「…ふぅ」
短く息を吐いたリクは白い実体剣を背中にマウントして、座り込んでいるシノンに近づいてから手を差し出した。
「立てるか?」
「あ、うん。ありがとう」
リクの差し出した手を握りながら立ち上がると、どこからか青色の球状サポートロボットのハロが転がってきて耳のような部分をパタパタさせながら機械音声を発する。
「ボス、タオシタ。デモ、マダオワッテナイ」
「あ、そうか。イベント自体はまだ続くのか…」
「どうするの?」
「…いや、一旦ここで止めておこう。幸いボスは倒したからポイントは余裕がある」
「わかったわ。…あの、リク」
「ん?なんだ?」
「助けてくれてありがとう。すごくカッコよかったわ」
「どういたしまして」
それから数日後、新たにリクが使用していた実体剣とビームサーベルの複合武器についての問い合わせがGGOに殺到し、それを使いこなして撃破ポイントが単独トップになったリクは上位入賞者の特典でヘカート似たビーム兵装のスナイパーライフルをシノンにプレゼントした。
そして新たにGGO運営から予告されたイベントに、男性プレイヤーたちは今回のレイドイベント以上の盛り上がりっぷりを見せることになる。
次回予告
突然GGO内のバーに呼び出され赴いたリクは、ダイン、銀狼、ゼクシード、ベヒーモスに頭を下げられながら言われた。
「「「「シノンの水着が見たいからイベントに誘ってください!」」」」
「この場で俺に斬り刻まれるか、自害するか…今すぐ選べ(ニッコリ)」
次回!
水着が見たい!果て無き男達の欲望!
これまでにリクが所持している武器一覧
ビームシザース、複合兵装グローブ(名前思いつかない)、バスターライフル、ビームライフルショーティ、ビームザンバー、ビームマグナム、ムラマサブラスター