私の所為で絶体絶命の大ピンチ。そう言えば前回の戦いでのベルの活躍をみんなに話してなかった。
他に報告する事が有ったからだ。レフィーヤは心の中でアイズ、ティオナに謝った。
ジリジリ膠着状態が続きレフィーヤがもうダメ、と思ったとき紅い何かが壁を走るのが見えた。
次の瞬間モンスターは一瞬で灰になり、アイズが穴の中から飛び出す。
苦労して穴から這い出ると、あたりは騒然としている。あちこちで戦っている様だ。
アイズさんを探すと物陰で何かをしている。
近寄ってみるとティオナさんの下半身をマントの残骸で拭いている所だった。
その後、ハイポーションを傷に丁寧にふりかけ、皮膚が再生していくのを確認して己のマントを掛けた。
そこでようやくレフィーヤに気が付いた。
そして「レフィーヤ、ティオナをお願い。」と言って走り去った。
ティオナさんのこと忘れていたことを後ろめたく思いながら看病する。
暫くしてティオナは目を覚ました。すぐハイポーションを飲ませてから聞いた。
「ティオナさん毒は大丈夫ですか?」
「ほとんど解けて出てったみたい。それよりレフィーヤこそ大丈夫だった?」
「はい、ティオナさんに助けてもらいましたから。」
「レフィーヤごめんね、あたしが暴走した所為で危ない目にあわせちゃったね。」
「気づいていたんですか?」
「うん、あれだけポイズン・ウェルミスの毒にやられた部分を集中的に攻撃されたらね。」
「そうですか、でも最後のあれは何だったんだろう。何かが壁を登って行ったような。」
「あー、それあたし。」首を傾げるレフィーヤ。
「あたしのスキル、あの液体に溶かされ続けてたから瀕死になって発動した。」
「そ、そうだったんですか。なら謝らなければならないのはこっちの方です。
2度目なのに倒すのに手こずってごめんなさい。」
「ならおあいこってことで。」と言ってマントを羽織りガバッと立ち上がる。
「ティオナさん!!」レフィーヤは顔を真っ赤にする。
「ん、なんかスースする、そう言えば下半身は溶かされちゃったんだ。」
そうレフィーヤの前で下半身マッパで仁王立ち、ティオナはまさに変質者そのものの格好だった。
「レフィーヤお願い、なんか着る物持ってきて。あたしここにいるから。」流石のティオナもそう言った。
「分かりました待っててくださいね。」レフィーヤはアイズが行った方向に走り出した。
アイズさんを探すついでに探そうと思いながら。
アイズは本殿を目指して進む。戦いの気配は次第におさまっていった。
本殿は酷い有り様だった。中はめちゃくちゃ、そこかしこに瀕死の状態で人が倒れている。
階段も壊されていてロクに調べられない。そのうち巨大な光を感じて外に出る。
神の送還の光だ。暫し見とれていると突然殺気を感じた。
オッタルだ。腕に誰かを抱えて上から降りてくる、神威を感じるから神フレイヤだろう。
だがそのまま去っていく。さっきのは撤退の為の牽制だろう。
神フレイヤは屋上から降りてきた。何かあるのか気になって登ってみることにする。
そこで見た光景に一瞬で目と心を奪われた。
それは月明かりに照らされた寄り添う一組の少年少女の後姿だった。
なぜかアイズはいけない物を見たかのように隠れてしまう。
男の方はベルだ。特徴的な髪からすぐに分かった。
少女の方は誰かわからない、だが自分と同じ金髪、そのことにさらに衝撃を感じた。
おそらくベルが言っていた『助けたい人』なんだろう。
今のアイズには判らないが、この光景は自身の中の幼いアイズが夢見た物、絶望に捨て去った幻。
訳のわからない衝撃に翻弄され、近くに隠れたまま動けないアイズ。
その後、ベルの周りが急に騒がしくなったかと思うとすぐ静かになった。
不思議に思ってベル達が居た別館の屋根に降り立つ。
そこにはベルが一人で立っていた。まるでさっきの光景が幻であるかのように。
良く見るとベルはボロボロでゆっくり降りようとしているみたいだ。
その内視線に気が付いたのかゆっくり近づいてくる。
ほぼ真下で止まりしばし無言で見つめ合う。
ベルが不思議そうに首を傾げた時、いたたまれず反対の右手に跳んで逃げてしまう。
ベルは無事目的を果たした。だが自分はどうだ、まだ目的は果たしていない。
まるでなにかから逃げるようにその場を立ち去った。
レフィーヤはアイズを探そうとした時、巨大な光の柱が出現した。
アイズ同様見とれていたが、光の終息で我に返りアイズを探し回る。
なかなか見つからなかったが、ついにある高い建物の上に居るのを発見した。
近づこうと建物に入ったが中はめちゃくちゃ階段は破損している。
仕方なく壁を登る。ちょうどアイズの真後ろに出た。
アイズは何かを覗き込んでいて、こちらに気付いた様子はない。
エルフのレフィーヤから見るとアイズに格好は溶解液を浴びてボロボロだ。
そこでレフィーヤは悪戯心を起こした。
後ろからこっそり近づいてマントでくるみ「アイズさんボロボロじゃないですか駄目ですよ」
「あ、ありがとうレフィーヤ」と言って微笑みかけてくれるのを夢想しながら近づいて行く。
飛び掛かったそのタイミングでアイズは横に飛んで行ってしまう。
間の悪い事にマントが屋根に引っ掛かる、そしてマントを両手で持っていた為、顔から地面に落下。
だが丁度そこにあった何かがクッション代わりになり怪我はなかった。
それが何かを確認して飛び起き、あわてて言った。
「今のは事故、ノーカンです。アイズさーん。」唇を抑えながらアイズの後を追った。
「あーここに居ました。」とリリ。
その声にベルと春姫はパッと離れた。
「やれやれやっと見つかったか、ベル君無事かい。」とへスティア。
「あ、はい。」とベル。
ヴェルフ達が後に続いた。
「大変です、命ちゃんが重傷です。」とあわてて駆け込んでくる千草。
「どこだ」と桜花。
「こっちです。」と言い駆け戻る千草。
ボロボロのベルを残してみんなそっちへ行ってしまう。
ゆっくりと後に続こうとしたベルだが、視線を感じて振り返る。
屋根の上にアイズが居た、そっちへ近づいて行く。
昨日足を引っ張った手前、何も言い出せず静かに見ている。
だがアイズも何も言わない。不思議に思い首を傾げるとアイズが横に跳んだ。
思わず目で追う、そのため頭上の脅威に対応できない。
何かを感じて振り仰いだ時に何かが顔面に直撃、そしてそのまま気を失った。
「ベル様、ベル様どこにいらっしゃいますか。」あんまり遅いのでリリが呼びに来た。
倒れているベルを見つけて、あわてて近寄ってくる。
心臓の鼓動と呼吸を確かめ寝ているだけかと安心する。
満月に照らされた無邪気なベルの寝顔にリリは言った。
「無事終わってほっとしたんでしょうか。かわいい寝顔です。」
周囲を見渡し、誰もいないことを確認して、そっと顔を近づけるリリ。
ベルを担いで仲間と合流する頃には、頬のほてりは収まっていた。
これで終了です。原作を読むとより楽しむことが出来ます。
本作品はオラトリア7巻のエピローグ中の話であり
あとがきに書かれていた没シナリオを拾って書いています。
なるべく本編7巻と矛盾が無くなるように書いたつもりですが。
7.1にしたのは誰かがこれより2倍以上面白い7.2や
3倍以上凄い7.3などを書いてくれることを期待しての事です。
(7.5は原作者様の為にとっておきましょうね)
斜め下の7.01なんかもちょっと見たい気もする。
もちろんこれはほんの一例にすぎません。
ですから書かれる場合は、これとは全く違う内容でお願いしますね。
オラトリア7が無い場合(具体的にはクノッソスの激闘が無い)は1話で
フリュネに文句をつけた時、ペナルティで魔法を封じられる。報復を恐れて仮面に警備を依頼する。
またはレヴィスに依頼するで行けると思うのですが。
(要するに、ベル+アイズで勝てない事が必要です。レヴィス戦ならばベルの英雄願望で対応します。)
熱いベーゼとはもしかして18禁のほうだったのだろうか