大冠彩る七の一   作:つぎはぎ

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フッフー!!やあみんな!つぎはぎお兄さんだよ!!え?なんでこんなにテンションが高いかって!?みんなはアポクリファの最新PVはもう鑑賞したかな!?うん、いたね!いましたよね!?アタランテがいましたよね!?セミ様もジャックちゃんも動いていたよね!!
ブルアアアアアアアアアッッッ!!!!!
なんてこったい7月だぜ!?あと三ヶ月弱!!たったそれだけでアタランテが喋って動いている姿が見えるんだ!!最高じゃないか!これはもう二クールあると考えて来年まで健康に生きろっていう神の啓示じゃないか!!やってやる!やってやるぞ!!課金と貯金を頑張ってアタランテのグッズ集めたらぁ!!
わっふううううううう!!

(意訳:アタランテ可愛いね。みんなもアニメを期待しよう)


ざわざわざわ

 

「皆さん、本当に、本当に申し訳ありませんでした…」

 

「もージャンヌが暴れたりするから」

 

「私ではありません! 貴方が変なことを言うから!!」

 

「変なことじゃないぞー! 全部真実だ、それはヒッポメネスが保証してくれる!」

 

「…!」

 

「ん~、真実は闇の中ということで」

 

「それは肯定ということじゃありませんか!? ああ、本当にすいません!!」

 

 作戦会議のなか、最も参加しなくてはいけなかったというのに激昂して不参加という醜態を晒してしまったジャンヌは頭を何度も下げていた。アストルフォはどこ吹く風と口笛を吹いていたがアルトリアに頭を殴られていた。

 

「は、ははは…。えっとジャンヌ、君は一緒に行動することに問題はないかな?」

 

「はい…、本来は私一人でもやらなければいけないことでした。力を貸していただくだけでも、感謝しきれません」

 

 『竜の魔女』と恐れられているサーヴァントの正体が本当に自分の別側面だとするなら、それこそ自分の手でこの事態を終わらせなければならないと考えている。この地に死を振り撒いているのは自分だ。ならば、自分が責任を取らなければならない。それを手伝ってくれる者がいるのだ、本当に心強いし、ありがたい。

 

「今の私は、サーヴァントとして未熟ですし…」

 

 今のジャンヌには本来のルーラーのクラスとしての機能が働いていない。サーヴァントの真名と能力を一目で把握できる真名看破と絶対命令権である令呪をサーヴァント一騎ずつに対し二画保有できる神明裁決。この二つが召喚されてからまともに起動しないのだ。死んで間もない時期の召喚だからか、もう一人自分がいる影響なのか。

 

「大丈夫。それなら俺も唯の一般人だし、最近魔術師になった半人前だ」

「私も最近デミ・サーヴァントとして目覚めました。そういうことなら私も先輩やジャンヌさん同様に半人前です」

 

「立香さん、マシュさん…」

 

「やることは一致しているんだ。みんなで頑張ろうよ」

 

「…はい! よろしくお願いします!」

 

 固い握手がジャンヌと立香によって交わされた。これにより、最初の現地協力者を得られたのであった。

 

 

 

 ○ ○ ○ ○ ○

 

 

 

 地元をよく知るジャンヌ主導のもと、カルデアの面々はフランスの地を歩く。

 所々で立ち寄る街は軒並みワイバーンにより焼き払われ、見るに堪えない光景が広がっている。街の内部にはリビングデッドが彷徨いていることもあり、第二次の被害が出ないように見つけ次第討伐していく。そこで立香は徐々にサーヴァントの運用方法と個々の能力を実体験として把握していくのであった。

 そんな日々が数日ほど続き、一同はまた新たな街へとたどり着いた。

 

「ここもまた…」

 

 その街も他と同じような状況だった。崩れ落ちた家、焼けた田畑、無惨に道端に転がり落ちる屍体。今のところ、仲間となってくれそうなサーヴァントと出会っていない。会うのは糸が切れた骸ぐらいだ。

 

「・・・・・」

 

「ジャンヌ…」

 

 もう一人の自分の所業に口を閉じるジャンヌに立香達はどう声をかけたらいいかわからない。ただの慰めの言葉は時として責めの言葉よりもきついのだ。

 

「…ん?」

 

 彼女の背中を黙って見守っていたヒッポメネスの鼻が何かを嗅ぎつけた。

 

「なんだ…?」

 

「どうしたのヒッポメネス?」

 

「いや…、なんか?」

 

 鼻の奥に来る謎の、懐かしい匂い。どこかとても馴染みがあるのに、どこか遠い郷愁に似たなにか。風によって運ばれてくる胸を掻き立てる何かの匂いがヒッポメネスの意識を奪っていく。

 なんだこれは、この匂いは、かつてどこかで、いや間違いなく覚えているこの匂いは…。

 

「おい、待ちたまえヒッポメネス」

 

 前触れもなく、誘蛾灯に集まる蛾の如くふらつきながらどこかへと向かいはじめたヒッポメネスをエミヤが肩を掴み止めた。

 

「……あれ? 僕はなにを?」

 

「どうした、なにかあったのか」

 

 エミヤに止められたことにより、意識がもどったヒッポメネスは周りを見渡した。

 先ほどの匂いは消えており、感じるのは焦げた廃材と屍体の匂い。あまりに酷いに僅かに顔を顰めていた。

 

「あれは…いや、まさか」

 

 

 

 

 

 

 ああ、よかった。

 

 彼女の心に染み渡ったのは安堵だった。意識全てを掻き毟る狂気の坩堝の中、彼女の心は一瞬だけだったが正気へと戻ったのだ。

 すべてはあの忌々しい魔女の命令により、目に映った全てを撃ち抜いていた最中だった。優れた嗅覚が幸いだった。どうしようもない殺意の中、()の匂いが風に乗って来た時は嘘だと思った。意識があるうちに走った。走って、走って、走って、走って追いついた。

 

 ああ、本当によかった。

 

 この時ばかりは己の幸運に感謝しても良い。これでこの呪いの様な現界に終わりが来る。

 それは間違いなく、酷いことだ。だがやらなければ、多くの子供たちがまた血を流させてしまう。

 彼はきっと、また泣いてしまうだろう。私が泣かせてしまう。しかし、やってもらわなけらばならなかった。そうでもしなければ、終われない。

 彼が気づく距離まで、後一歩。少しは話せる気力はあるだろうか。ただの一言で、彼は理解してくれるだろうか。もしくは周りのサーヴァントが代わりに手を下してくれるだろうか。どちらにしても急がなくては。また、あの魔女が。

 

 ───アーチャー、なにをやっているのかしら?

 

 くそ、なんて間が悪い。

 

 ───そこにいるなら下がって狙いでも定めていなさい。前に出るアーチャーなんて論外です

 

 狂気が心を蝕み始める。もう、正気を保てない。最後に一目、彼を見た。

 いつも呑気そうな顔に必死さが混じったように、なにかを探しているような素振りをしていた。

 

 …ああ、すまない。

 

 

 

 

 

『みんな! サーヴァント反応を感知したぞ!!』

 

 モニター越しのロマンの忠告に臨戦態勢に入った。

 

『数は五騎! 急速にこちらに向かっているぞ!』

 

「五騎!? そんな、多すぎです!」

 

 まるでこちらの居場所を把握したような動きにマシュの目が大きく広がる。それに伴い、ジャンヌも苦虫を噛み潰したように顔を歪ませた。

 

「そうか、あちらにも私が召喚されているのなら召喚されたクラスはルーラー。あちらの私は我々の居場所を把握できる…!」

 

「狙って現れたというわけか、罠にかかってしまったようだな」

 

「アストルフォ! 貴方はマスターを逃せるようにヒポグリフに乗せてください!」

 

「了解!」

 

 現れた幻馬に乗せられた立香は、空を見た。遥か先から点ほどの大きさから徐々に大きくなりながらこちらへと寄ってくる集団を肉眼で確認したのだ。

 

「先輩!」

 

「ああ‥」

 

 迎撃か撤退か。相手はこちらの動きを把握した上で攻めてきたのだ。相手も五、こちらは六。数の差は明らかにこちらが上回っている。

 勝つ自信があっての作戦か、慢心あっての蛮行か。どちらにしても、ここは…

 

「迎え撃とう」

 

 迎撃を選んだ。ここまで幾つもの亡骸を目にした。そこで何度も胸を痛めた。ここで逃げて、何か変わるのだろうか?

 何も変わらないだろう。ここで勝てる成果を挙げられなくても、今この場でこの地獄を作り上げた張本人の顔の一つでも拝まなければこの先、ずっと変わらない。

 

「みんな! 迎え撃とう!」

 

 立香の声に皆が同時に頷く。

 

 やがて鮮明に見えてきた、敵の姿。数多のワイバーンにの背に乗り、こちらを見下ろす五つのサーヴァント達の姿。一人一人、統一性がない服装をしている。その中で一人、顔に覚えがあるサーヴァントがいた。

 

「…ねえ、なんてことかしら」

 

 その少女の肌は青白かった。金の髪はくすんでいた。黒い衣服に鎧を着込み、竜の紋章が描かれていた旗を握り締め、こちらをいや、ジャンヌ・ダルクを見ていた。

 

「ええ、なんて滑稽なのかしら!? まるで溝鼠! みっともない羽虫が私の目の前にいるじゃない!?」

 

「…貴女は」

 

 心底可笑しそうに、地面でそちらを見上げているジャンヌを嘲笑していた。ジャンヌと()()()のサーヴァントが顔を歪ませて、笑っていた。

 

「こんな哀れな小娘にこの国は縋っていたなんて、ほんとに哀れな! あぁ、本当に…反吐が出る!!」

 

「貴女は。誰ですか!?」

 

「何を。貴方がそれを言いますか。私は貴女ですよ? 哀れな聖女、ジャンヌ・ダルク」

 

 立香達の前に、歴史を歪ませる張本人にして竜の魔女、ジャンヌ・ダルク・オルタが現れた。

 





今回は短くてすみません

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