俺達と神達と空想神話物語   作:赤色の魔法陳

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 こんにちは。
赤色の魔法陣です。
 やっとヒロイン登場だーーー‼
はい、これが言いたかっただけです。
どうぞお楽しみください。


天才占い師

「ようこそ、占いの館へ」

 

「はぁ」

 

「どうぞお掛けください」

 

「あ、失礼します」

 

 部屋に入った瞬間俺は少し驚いた。呪具のような物が部屋の中に沢山存在していたからだ。

 座っていた占い師は黒いマントを頭から被っており、体どころか顔さえ見えなかったからだ。暗闇から生えたような色白い手には、占い師が着けてそうなブレスレットや指輪の類いは無かった。声からして女性とわかったがやはりどこか怪しい感じがした。

 

 しかし、俺が不思議に思ったのはそんなことではなかった。

 

……何だ?この感じ?見に覚え、いや聞き覚えがあるような声...知り合いか?

 

「して、何を占いましょう?見たところ高校生ですか、占うのはさしずめ勉強や恋愛のことですか?」

 

 実際女運はこれと言ってないのでこのままでは彼女のかの字も無いから実際恋愛面は聞いておきたい気はするが...

 

「いいえ、そんなことではなく」

 

「では何を?」

 

……どうする?あの“神”ってやつ他に何も言ってなかったじゃねーか

 

(後はその一番の占い師に聞け)

 

 それだけでどう話を切り出せっていうんだよ⁉

 

「どうして挙動不審にしているのですか?」

 

「へ⁉いや、別にッ」

 

「あまり言いにくい事でしたら気持ちが落ち着くまで待ちますよ?」

 

 仕方ない、このままでは埒が明かない。もし人違いだったら謝れば良い、そこまで気が滅入ることはないだろう、そう思った俺は覚悟を決めて話を切り出した。

 

「あ、あのッ…」

 

「はい?」

 

「かッ、神様って信じますか?」

 

「...え?」

 

 口に出た言葉がこれだった。これでも何とかコミュニケーションを取ろうと思って考えた言葉ではある。お察しの通り初対面の相手に掛ける言葉がこれなので友達が少ないのも納得出来る。

 

……まぁ普通この反応だよね。唐突に神様信じますかって宗教の勧誘か何かかよ

 

「いや、ここに入った時受付の人が占いの神がどうのこうの言ってたんで」

 

「あ、あぁあの人が。そうですか、あなたは神様を信じるのですか?」

 

「はい‼神様ってこの宇宙を創った存在だし、この大地も空もそれにッ……あ、ごめんなさい。神様の話になると熱くなってしまって」

 

 途中で我に返り、顔が真っ赤になる。とんでもなく恥ずかしかった。初対面の人ににここまで熱烈に語るだろうか?

 

……困らせたかな?

 

 しかし、俺の予想とは裏腹に占い師の反応は違った。

 

「くすっ、ふふふっ」

 

 フードで見えない顔の下で占い師は笑っていた。

 

「え?」

 

「あははっ、あ、ごめんなさい。“神”から新人を連れてくるって聞いていたけど、こんな面白い子だったなんて」

 

 その反応を見て俺の不安は吹き飛び、逆に恥ずかしくなった。

 

「知ってたなら言ってくださいよ」

 

「どんな子かわからなかったからちょっと意地悪したくなっちゃって、ごめんネ」

 

 そう言って占い師は頭のフードをとった。

 

「……ッ」

 

 その動きを間近で見た俺は掛ける言葉をなくしてしまった。

 

「はじめまして♪」

 

……ッ凄ぇ美人

 

 そう思ったのも無理はない。

 

 薄暗い電灯に照らされた赤茶色のショートボブに吸い込まれそうな茶色い大きな瞳、笑顔が可愛らしいと言うよりは少し大人びた雰囲気を醸し出している。

 

 一言で表すなら絶世の美女といえるのではないか、まぁ俺の美女の基準が果たしてあっているのかどうかは別として。だが俺が生きてきた中であった女性でトップの美しさである。背は俺より十センチほど低いが年上だろう。

 

「どしたの?顔赤いよ?緊張してるのかな?」

 

「へッ⁉あッ、は、はじめまして」

 

 覗き込むようにして上目遣いになる彼女にたじろいてしまう。そもそもまともに女性経験を積んでいないのだ。特に歳上に関しては皆無である。

 

……近いッ...ヤバイめちゃくちゃいい匂いがする...

 

「君の名前は?」

 

「俺の名前は神木 零矢です」

 

「へぇー、私は妖美(ようみ) 卯一(ういち)。よろしくね♪」

 

「はいッ‼」

 

 彼女が漢字を教えるように綺麗な指で空中に時を書く。しかしいつになくいい返事だな、自分で言ってそう思った。って歳上と話すのなんて何時ぶりだ?

 

……妖美?妖しく美しいってまさにぴったりのイメージだ...

 

 そんな事を一人で考え一人で納得する。

 

「君、もしかして神聖学園の生徒?」

 

「そうです」

 

「え?じゃあ私の後輩じゃん。私そこの卒業生で今神聖大学に通ってるんだよ」

 

……神聖大学って確か、エリートの中のエリート達が集まる大学だよな。うちの高校からそこに行けるのは上位数名だし凄いな、この先輩

 

 いくつぐらい歳上なんだろうか。流石に彼女に直接聞くほど野暮ではないが。そんなに離れてないだろうし別に聞いても良いのか?

 

「失礼ですけど今おいくつなんですか?」

 

「いくつに見える?」

 

「二十...二?」

 

 そう答えると彼女は少しがっかりした素振りを見せると、

 

「私今年で二十歳なんだけど...そんなに歳上に見える?」

 

「えっ?すいません!」

 

「君は?」

 

「今年で十八です」

 

「じゃあ二歳差だ。どこかで会ってたりしてね♪」

 

 意外と歳は離れていなかった。ということは二年前まで同じ校舎内にいたことになるが彼女のような美人を見たことはない。と言っても上の学年にさほど興味を持っていなかったので仕方ないとは思うが。

 

「じゃあ、そろそろ行こうか?」

 

「え?どこに行くんですか?あー、えーと、妖美さん?」

 

「えー、妖美さんはなんかヤダな。私と君二歳差なんだからあだ名で良いよ♪私、卯一だからウィッチさんって呼んでよ」

 

……いいのかな?ウィッチだと「魔女」って意味になるけど...

 

「わかりました。……ウィッチさん?」

 

「そうそう。じゃあ私は後輩クンって呼ぼうかな?」

 

 その悪戯っぽい笑顔がとても可愛らしい。もはや何でもいい、呼ばれさえすれば。そう思ってしまう。我ながらチョロい。仕方ないかもしれない、同級生すら相手にされない俺にとって歳上とは憧れの存在でもある...ぶっちゃけドストライクだった。

 

「何でもいいっすよ」

 

「じゃあ後輩クンにしよっかな、ちょっと待っててね」

 

 そう言うとウィッチさんは部屋の隅の電話を取り、電話を掛けた。

 

「あ、妖美です。しばらく休憩します。…え?あー、その子なら来たので占いましたよ。お題?貰いました……あ、はいわかりました。…はい。では」

 

 電話が終わるとウィッチさんは部屋の真ん中を開けるように机などをどかし始めた。だがかなり大きい机であり、女手一つでは全く微動だにしない。

 

「あ、手伝います!」

 

 見かねた俺が手を貸しに入り、しばらくして机をどかし終えると、

 

「あ、後輩クンこの言葉これから何回も使うだろうから覚えといて」

 

「え?」

 

 そう言うとウィッチさんは手を床に当て、祈るように呟いた。

 

「神よ、私達を神域へと誘え……」

 

……何だ呪文か?

 

「『神聖解錠(ディバインアンロック)』ッ‼」

 




 はい。登場したけどまさかの顔だけ。でも絶世の美女です。
 あ、最後のキーワードはこれからよく出ます。意味は字の通りです。
 では次回予告。
次回は再び“神”登場です。そして秘密基地へ……
どうぞお楽しみに。
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