俺達と神達と空想神話物語   作:赤色の魔法陳

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 こんにちは。
赤色の魔法陣です。
 今回からはタイトルにある通り、神話の世界での物語となります。
 では、どうぞ。


第2章 俺と和神と天岩戸物語
高天原


「え?ここどこ?」

 

 誰もいない野原で一人呟く。吹き抜ける風が気持ちいいのだが周りに人らしきものが何も確認出来ず、正直迷子の気分である。

 

「マジ、ちゃんと説明しろよ。これからどうすればいいんだ?ってかここどこ?」

 

……神話の舞台って言ってたな。どの神話だ?この舞台は

 

「百聞は一見にしかず、見た方が早いだろ」

 

「うわっ⁉」

 

 God-tell(ゴッテル)が喋った。驚いて画面を見るとあの“神”が画面の中で笑っていた。

 

「なんだ、お前かよ」

 

案内(ナビゲート)してやるよ。まぁ話すより集落でも先に探した方がいいな」

 

「あぁ」

 

 俺は集落を探す為、草を掻き分けながら野原を歩いた。日中だというのに道には松明が立てられ近くを通る度暑さで汗が滲み出る。

 

 もしかしたら足下に虫でもいるのではないか、そう考えると足がすくみそうになるのでなるべく考えないようにする。十分ぐらい歩いただろうか、少し離れた所に家らしき物が見えた。

 

「あった、やっとか‼」

 

「そうだな、そこの人達にここはどこだか聞いてみ」

 

 俺は走ってそこへ向かった。

 

 

 ※ ※ ※ ※ ※

 

 

「で、何すんだ?」

 

 数分前にこの世界に来た俺達は自分達の背丈よりも大きな岩のすぐ近くにいた。

 

「お前はさっき言った通り行動しろ。お前は私と来い」

 

 仲間の一人が俺に命令するとまた別の一人に声を掛けて作戦の内容を再び話す。

 

……リーダーぶりやがって、まぁいいか

 

「わかった」

 

 その言葉を交わすと俺は分かれて目的の場所へと急いだ。この作戦は何としても成功させてやる...

 

 

 ※ ※ ※ ※ ※

 

 

「ここが神様の世界か...」

 

「ボケかましてないでさっさと尋ねろ」

 

 “神”に鋭いツッコミを入れられ俺は家の近くで農作業をしていた人に話しかけた。

 

「あの、ここどこですか?」

 

 その人は白い胴着のような物を着て、首に勾玉のネックレスを付け、長いであろう髪を顔の横にもってきてリボンを縦にしたような形に結んでいる。

 

「どこって、ここは高天原じゃないですか。あなたもその格好なのだからここに住んでるのでしょう?」

 

「え?格好って...」

 

 不思議に思い自分の姿を見る。

 

「えっ⁉何だこの格好!」

 

 やけに動きやすいと思ったら俺の服は白い胴着のような物になっていた。流石に髪はリボンを縦にしたような形に結ぶ程長くはなかったのでそのままだった。その代わり、首には勾玉ではなくダイヤモンドのような宝石が付いたペンダントをかけていた。

 

「ひょっとしてあなた、酔っぱらっているんじゃ...」

 

「そ、そうですね。ちょっと飲み過ぎたかもしれません。し、失礼しましたッ」

 

 変な発言をして怪しまれるといけないのでそそくさとその場を離れた。

 

「で、ここがなんの神話かわかったか?」

 

 先程の家から大分離れた所で“神”が話しかけた。

 

「あぁ、高天原という名前、さっきの人みたいなみずらの髪型、日本神話の世界か」

 

「大正解」

 

 日本神話と言えば大抵の人は八岐大蛇退治や天地創造を思い浮かべるかもしれない。後は伊勢神宮の天照大御神とかだろうか。何にせよもしかしたらそれらの神に出会えるかもしれない。現世ではあり得ない事がこの世界なら可能になる、何て素晴らしいんだ。

 

「そう言えばこの服何?俺着替えた覚えないんだけど」

 

「ん?サービスだよサービス。神話の世界へ行くならまずは形からだろ?転送の際に服をすり替えておいたのよさ。ま、また戻ってきたら元の服に戻してやるよ」

 

 瞬時に服をすり替えれる辺り本当に“神”とは何者なんだろうか。これで奇術師とかだったら拍子抜け、いや最早手品の次元はとっくに越えているか。

 

 そう考えていると、先程の家の近くの方向から悲鳴が聞こえた。

 

「「「「「きゃあぁあぁあぁッ‼‼」」」」」

 

「え、何だ?」

 

 空気を裂くような女性の悲鳴、しかも一人じゃない、大勢の。

 

……もしかして

 

 嫌な予感がした。ここが日本神話の世界なら大勢の女性の悲鳴が聞こえる事件など俺が覚えているのは一つだ。

 

 悲鳴の聞こえた方へ無我夢中に走る。たどり着いたのは...機織り部屋。そこに倒れていた女性に話しかけた。

 

「大丈夫ですか⁉」

 

 その女性はパニック状態なのか涙を流しながら行った。

 

「う、馬が...皮を剥がれた馬が天井から、いきなり」

 

 嫌な予感が的中した。その女性をなんとか立たせ、安全な場所を探すため外に出る。

 

「ここで安静にしていてください」

 

 近くの木の影に女性を座らせると、俺はもう一度部屋へと戻った。

 

 そこには馬が暴れたような形跡と馬が逃げたであろう、壁に穴が空き、機織りの道具が散らばっていた。

 

 そこに誰かが倒れているのを見つけた。近くによって自分の膝の上にその人の上体を乗せる。

 

「大丈夫ですか⁉」

 

 応答はない。よく見ると、下半身から尋常ではないほど血が出ている。

 

……これって、やっぱり...

 

 その女性は陰部に機織りの道具が刺さり、もう息をしていなかった。俺はゆっくりとその場に寝かせた。

 

……またかよッ...

 

 目の前で人が死ぬのは三度目である。そうなるたび、自分は救えなかったのかという罪悪感がこみ上げてくる。

 

 もしあの時、離れていなかったらこの人が死ぬ前に助けられたかもしれない。そんな空しさが俺の頭の中を駆け巡った。

 

 その時、頭上から不謹慎な笑い声が響く。

 

「ハハッ、凄い驚き様だったな」

 

 その声の主は空いた天井の穴に腰を掛け、笑っていた。伸びきった黒髪に腰に挿した剣、全てが予想通りだった。

 

「まぁ、姉貴が神力でなんとかするだろ」

 

 その言葉で俺は完全にキレた。俺は倒れている機織りの道具を足場にすると天井付近まで跳びあがる。壊れた屋根に手を掛けて、そのまま腕の力で屋上に上がると見世物を楽しんでいるかのようなその声の主を殴った。

 

まさか攻撃されるとは思わなかったのだろう。その声の主は攻撃をまともにくらい、屋根から地上に落下した。

 

「痛ッ、てめぇ誰に何したかわかってんのか⁉」

 

 しかし、無傷だった声の主は俺に怒鳴った。

 

「あぁ、わかってるさ。須佐之男命だろ。って事はどうやら本当に神話の世界らしい。しかも神話通り胸くそ悪い神だ。遠慮なく殴れる」

 

 俺は屋根から跳び降りると、追撃を仕掛けた。




 今回、少しシリアスでしたね。
 では次回予告、まぁおそらく全部須佐之男命との戦いですね。
 お楽しみに。
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