西木野さんと風夜に意味深な発言をされてから一週間が経った。
時間が経つと共に少しずつ引っ掛かりが薄れていた。
HRで決まったイベント委員の仕事に追われる日々が続いていたせいもあるのだろう。
そんな時だった。
「ねぇ、あなた1年の土宮夏目よね?」
放課後、教室から出た時に声をかけてきた相手は現生徒会長である絢瀬絵里だった。
生徒会長に名指しで呼び止められたという事は委員会の仕事で何かをミスしてしまったのかもしれない、と思った俺は絵里先輩に尋ねる。
「はい、そうですけど。生徒会長がわざわざ教室まで来て呼びに来たって事は委員会の仕事で俺何かミスをしてしまったんですか?」
「いいえ、違うわ。ただ希から色々聞いて少し気になったから来てみたの」
「希先輩が何か言ってたんですか?」
絵里先輩は、希先輩から何か話を聞いたらしく気になった点があったから来たと言っているが、生徒会長が気になる点とは何なのだろうと疑問に思いながらも俺は話を続けた。
立ち話もなんだし教室で話しましょう、と言われ適当に席に座り話を再開させた。
少し、いつもとは違う厳しい顔つきをしながら希先輩から聞いたことを話す。俺はただ黙って聞いてる事しか出来なかった。
言葉を発したらそれだけで、空気が変わりそうな気がしたからだ。
「私が聞いたのはここまで。それで、あなたに聞きたいことは土宮家って2種類あるのか、という事」
「いえ、俺はその様な話は聞いたことがないです」
「それじゃあ、希との関係性とかで分かることはある?」
希先輩との関係性。
あの会議を見ている限りとても親密だとは思えなかった。
「.....希先輩の家とは今は恐らく関係性が親密ではないと思います。どちらかと言うと関係性は悪く、両家とも存続と名誉の為に1歩も譲らない状態です」
「そう。なら、何であなた達土宮家の人達は代々受け継がれてきた仕事から追い出される形になったのかしら?」
「.........そこまで絵里先輩に言って何になるんですか?他者がこれ以上両家の問題に足を踏み入れる様ならば、いくら先輩と言えども手加減はしませんよ」
その言葉を聞き察したのか絵里先輩はこれ以上踏み込もうとはしなかった。決まりが悪そうな顔をしつつも、話してくれてありがとう、と言ってどこかへと行ってしまった。
希先輩と絵里先輩は仲がいいからここまで踏み込んだのか?
いや、違う。
恐らく絵里先輩は希先輩に迫る何らかの危険を察知して俺の所に来たのだとしたら、まだ納得がいく。
力が衰退した土宮家に代わり東條家が祠の仕事を打って出た。
それに反対する者は多少いたが、力でかなうものはその場にいなかったので反対していた者は大人しくその行動に従った。
土宮家は綻びた。
いつの日か言われた言葉が夕焼けの空を見つめる俺の頭に浮かんだ。
この後、エリチとのんたんと夏目に何かが起こります。
何かが起こった後は仲良くなるか険悪になるかのどっちかですが
恐らく険悪にはならないと思います