東條家のお父様が登場します。
数ヶ月前、土宮家と繋がりのある家の者達を集めて会議を開いていた時に確か東條家がいた気がする。
俺は、次期当主だったので父さんと一緒にその会議に出ていた。
話の内容は、祠を今後どのようにして守り継いでいくか、だった。
土宮家が代々守ってきたのだから今後も土宮家なのでは?
そんな意見も飛び交う中発言したのは東條家。
「今や祠の力を抑えるのは土宮家では不可能と思われますが、正直なところどうなんですかな?」
「........確かに、祠は年々力が強くなってきている事も事実。しかし、ここで責任を放棄しては土宮家の恥でもある」
「夏目殿の右眼に何年も私は期待していた。だが、いくら待ってもその力は開花しないではないか」
父さんはその返答に返す言葉が見つからなかったのか黙り込んでしまう。あまり見たことのない父さんの暗い顔。
原因は、俺にある。
東條家以外の者も同意見を言い始める。
まるで待ってましたと言わんばかりの批判。
祠を守るのは神人(かみびと)にとって光栄な事であり、その役職につくだけで大きな組織を作ることが出来る。
初めから仕組まれていた。
俺の次期当主が決定した時から。
ずっと待っていたのだろう。自分達が一番上に立つための状況を。
「土宮殿には悪いが、これから祠を守るのは東條家に譲ってはもらえないか?私の娘は優秀でね。どうやら占いで外れたことは無いらしい。それに神社でお手伝いもしているから立場としては相応しいだろう。どうだね?悪い話ではないだろう?」
「..........確かに悪い話ではない。だが、今ここで決断するわけにももちろんいかないのでな。3日後にもう1度集まって頂きたい」
「ふっ....良い返事を待ってますよ。土宮殿」ニヤ
皆が帰った後、大広間に俺と父さんだけが残った。
重たい空気が流れる。代々受け継いできたその役目を俺の力不足のせいで途絶えさせてしまったのだから。
「.........」
黙って父さんを横目で覗いてみる。
正座したまま姿勢よくどこか遠くを見ていた。
まるで何かがそこにいるみたいに。
「俺にもいつか見えるのかな」
そう呟く。
父さんは、少し間を置いてから言葉を発した。
「........時が来れば時期に見える。今のお前には神は見えないが焦ることは無い。妖、幽霊、どちらも見えるのは貴重な事だ」
「.....でも、肝心なものが見えなければ意味ないよ」
「肝心なものっていうのはな、見るものじゃない」
父さんはそう言って俺の頭に手をポンと乗せる。
「無理して見ようと思って見えたものは答えではないし、大切なものでもない。気付いた時に近くで見えるものが肝心なものなんだ」
その時、俺はまだその言葉の意味がわかっていなかった。
「おーい、夏目ー?どうした、ボーッとして」
風夜の呼びかけで思考が現実に戻される。
「もしかして疲れたのかー?」
心配そうに訪ねてくる風夜を見たら笑ってしまった。
あまりにも、俺には大きすぎる日常が幸せで、そして何より
「なぁ?何で笑うんだよー」
「だって、お前顔見てみろよ」ハハハッ
風夜のおでこにマッキーペンで猫の絵が書いてあったからだ。
よく見なきゃ気づかないその絵を鏡で見た風夜は
「なんだこれええええええ?!」ゴシゴシ
必死にタオルで拭いていた。
そしてそれから2時間後部屋の整理が終了した。
二人でやると早いだろっ?と得意げな顔をしている風夜へのお礼は小泉さんと話すきっかけを与えることでいいだろうか、そんな事を思いながら俺は風夜を見送る。
次回は風夜とかよちんの話になると思います。
ラブライブのホワイトデーボイスは最高や。。。