「........」
黙って俺も西木野さんを見る。
疑いの眼差しは変わらず俺を見据え続けて目を逸らすことすら許されない、そんな空気が漂っていた。
「西木野さん、俺に何か用?」
「あなた確か......」
「ん?真姫ちゃんどうしたんだにゃー?」
「別に何でもないわよ?ほら、次の授業図書室だから鐘が鳴る前に移動するわよ?」
言葉の続きを聞き出せないまま図書室に向かう。
授業が始まり読書感想文用の本を探していると、西木野さんに声を掛けられた。
人気の少ない後ろの本棚に連れていかれる。
「ここなら大丈夫ね」
「急に何?」
「あなた、確か代々何かの祠を守っている家系だったわよね?」
「....へー。何でそのこと知ってるの?俺誰にも言ってないんだけど」
家系の事を何故西木野さんが知っているのか謎だったが、接点を思い返してる内に気付く。
希先輩に。
先輩は、西木野さんと同じスクールアイドルだから内密な話もしているかもしれないし、俺と同じ学年だと知って教えたのかもしれない。
「ここら辺に祠は無いわよね?何で転校してきたの?」
「そんな事西木野さんが知ってどうするの?」
「.......私、祠に祀られてる神様を1回だけ見たことあるの」
西木野真姫は、そう言ってハッキリとした口調で言葉の続きを話し出す。俺の事を見据えて話し出す。
「その神様、イミゴ様にとても似てるわよね。あなた」
「っ!!」
イミゴ様。その昔、人々も妖も関係なしに倒した半妖怪の者。瞳は紅く、皆に恐れられイミゴ様と呼ばれていた者。
その村で名のある僧が祠を作りイミゴ様を祀ったことで祟のようなものは途絶えたという。
小さい頃から両親に聞かされてきた話。
その話に出てくるイミゴ様に俺が似ているという西木野さん。
そして、右眼だけ紅色の俺。
「西木野さん、きっとそれは勘違いだと思う」
「何でそんなことが言い切れるのよ?」
「だって、俺が聞いてきたイミゴ様は両眼が紅色だった。俺は稀に産まれてくるオッドアイなだけで似ても似つかないと思うけど?」
「.....嘘ついても意味無いんだから」
別に嘘はついていない。
そう、嘘はついていない。
ただ事実を述べただけ。そこに嘘があるとしたら、それはまだ見抜かれてはいけないことで、まだ話してはいけないこと。
「イミワカンナイ!」
「意味わかんないって言いたいのはこっちなんだけど。大体、何で俺の家系のこと知ってるの?」
「ヴェッ....それは.......」
「何?」
西木野さんは、息を整え先程とは違って顔をそらす。
逆光で表情は分からない。
「す、少しあなたの事が気になったからよ!!」
そう言って星空達のところへ戻っていってしまった。
肝心なことは結局聞き出せず、謎だけが深まる。
次回は、イミゴ様について風夜に聞かれる話です
まきぱなのイベントで二枚目の真姫ちゃん遅れながらゲットしました