夏目の家系にいるはずのない長男の存在を話され少し
困惑する話です
その後は何事も無かったかのように食事を済ませ、午後の授業を受けて、放課後帰宅しようと校門を出た時声を掛けられた。
「あ!ちょっと待って!」
声がした方を振り返るとそこには違う学年の人がいた。
「穂乃果!急に声をかけては相手の方に失礼ですよ」
「う、海未ちゃん。一応初めて話す人の前だからお説教は.....」
「そうだよ海未ちゃん!ことりちゃんの言う通りだよ!」
「何故私が悪者扱いなのですか?!」
穂乃果、海未、ことりと呼ばれる3人の内の穂乃果先輩に声を掛けられたらしい俺は呼び止めた理由を聞いてみる。
もしかしたら落し物か何かをしたのかもしれない。
「あの、穂乃果先輩。俺に何か用事ですか?」
「あ!そうだ!忘れてた〜。あははは....」
「笑い事ではありません!」
穂乃果先輩のド忘れにタイミングよくツッコミを入れる海未先輩。そして2人を落ち着かせようとあたふたすることり先輩を見ていると、まるでコントか何かを見ているような気持ちになった。
「実はあなたに、聞きたいことがあるんです」
「聞きたいこと、ですか?」
穂乃果先輩の代わりに話を続ける海未先輩は、鞄からお札を取り出して俺に見せてきた。
「これに見覚えはありませんか?」
「......確かそのお札って、土宮家が使っているお札ですか」
「それでね、真姫ちゃんから土宮って名字の人が最近転校してきたって聞いたからここで待ってたの!あ、穂乃果達は怪しい人達じゃないよ!」
「穂乃果ちゃん、それを言ったら逆に怪しまれちゃう様な気が....」
海未先輩は、それよりもこのお札についてですが、と話を戻し俺に説明をしてきた。
弓道部に所属している海未先輩は、このお札が括りつけられた弓矢があるのを見つけ、紙を開いてみたところお札だというのに気付いたらしい。
そこで、お札関連に詳しい希先輩に聞いてみたところ土宮家が使っているお札だと分かり、そして今に至るというザックリした説明をされた。
土宮家の者が弓矢に何故お札を括りつけた?
そんな事をやる人物は両親しかいない。だけど、そんな回りくどい事をするような人でもない。
「希に聞いてみたところ、この印の書き方は土宮家の長男のものに似ていると言っていました」
「俺の家に長男はいません。俺1人だけです」
「ことりもお母さんに夏目くんの事を聞いてみたけど、兄弟はいないって言われたよ」
「でも、希ちゃんは長男って言ってたんだよね?」
「はい。確かに長男と言っていました」
俺の家に長男はいない。
ましているとしても俺が知らないなら絶縁状態にあるということになる。それに、会議でその話が持ち出されてもおかしくはない。
人違いだということになったその話にあまり納得出来ていない様子の海未先輩だったが、穂乃果先輩とことり先輩になだめられ、調子を取り戻した。
「希、あんたの言っている土宮家って本当は2種類あるんじゃないの?」
「にこっちもそう思うん?やっぱりそうなんかな~」
「あんたねぇ、絵里にも言われてるでしょ?あまり首を突っ込むなって」
「そうやけど、事情が事情やからね〜。もし、あの夏目くんがイミゴ様やったら一大事やし....」
そう話すふたりは、校門の裏に隠れて俺達の話を盗み聞きしていた。
次回はのぞにこメインになります