お前にふさわしいソイルは決まった!!   作:小此木

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第17話

 

 

 

カグラ達が風を探しに行っている間、5代目マスターに任命されたギルダーツは、ラクサスを再び妖精の尻尾(フェアリーテイル)の家族と認め、6代目をマカロフに押し付けたのち、

 

「マスター………とか(わり)ぃが、ガラじゃねぇ。それと、道中で風の野郎を見つけたら連絡するわ。」

 

とミラに言い残し旅に出て行ってしまった。

 

ナツ、グレイ、ルーシィ、ウェンディはシャルルとハッピーを連れポーリュシカの元へ赴き、鍛えてもらえるよう頼みに行ったが……予想通り追い返された。しかし、なんとポーリュシカは〝何十年も前にエドラス世界から来たグランディーネ(ウェンディの育ての()の名前)〟だった。

ポーリュシカはグランディーネからウェンディが〝強くなりたい〟と赴いた時に渡すよう言われた魔法書を彼女に渡した。グランディーネから魔法か何かで心に直接語り掛けられ、それを(つづ)ったものだ。その中身は、『ミルキーウェイ』と『(しょう)()(てん)(くう)穿(せん)』と云う滅竜奥義。

 

そして…

 

「「「わーい!海だー!!」」」

 

エルザ達は海合宿で自身達を強化する予定だ。

 

 

~3カ月後~

 

 

「ジェット、ドロイ。エルザ義姉さんは何処にいる?」

「え、えっと…」

「な、なんて言えば良いのか…」

 

私は風殿の手掛かりを探す為、エルザ義姉さんとは別行動していたんだが…

 

「早く言うんだゾ!エンジェルちゃんは暇じゃないんだゾ!!」

「貴様と同意見なのは尺だが…早く言え!義姉さんは何処にいる?今日義姉さんと手合わせする予定なんだ!!」

 

今日、この浜辺で手合わせすると3カ月前エルザ義姉さんと約束していたんだ。……何故かエンジェ、このクソアマも予定していたがな!!

 

「せ、星霊界が滅亡の危機だったらしく…」

「俺達以外、天狼組だけで星霊界へ乗り込んで行っちまった。でも、問題ねぇ!!」

「「アイツ等なら、サクッと星霊界救って帰ってくるぜ!!」」

「成程、そんな事情があったとは…」

「また、大きい事に巻き込まれているんだゾ。」

 

な、なんと、義姉さん達は星霊界の危機を救いに行っているのか!?さ、流石、私の義姉さんだ!!(錯乱)

 

「まあ、大魔闘演武(だいまとうえんぶ)には数日ある。此処で修行がてら待っておこう。」

「カグラは出場するのか?」

「愚問だな、私は風殿を探しに行く!!」

「アハハ、いつも通りのカグラだな。」

 

さて、義姉さんが帰って来るまでどんな修行を―「カグラ。」チィ、このアマまだ私の近くに存在していたのか!もっともっと鍛えて、今度こそ切り刻んでやる!!

 

「…何だ?」

「手を貸すんだゾ。」

 

ハァ?手を貸せだぁ?いつもいつも、上から目線で話し掛けて来て!!今じゃ身長も同じくらいだし!む、胸だって育ってきてるんだぞ!!

 

「知らん!一人で「頼むんだゾ!!」…お前一人では太刀打ち出来んのか?」

「無理だゾ。お前も知っている〝ソイツ〟との差がどれだけ埋めれたのか、確認がしたいんだゾ!!」

 

〝彼〟との差、か。良いだろう!!

 

「邪魔はするなよ!!」

「ハッ、どっちがだゾ!!」

 

今度こそ私の全身全霊を掛けた剣撃で、()()()()程度は喰らわせてやる!!

 

 

 

 

■□■□

 

 

 

 

「エンジェル合わせろ!!」

「任せるんだゾ!!」

 

此処は浜辺。

 

「この至近距離なら!!」

「カグラ待つんだゾ!あぁもう!!」

 

刀と剣が互いを切りつけ金属音が鳴り響き、その刹那に魔力の弾が発射される音が鳴る。カグラの刀が敵を切りつけ、それを回避ないし打ち合っている隙を付きエンジェルが銃で追撃をしている。だが、カグラとエンジェルの攻撃は簡単に弾き返され、躱され、相殺されてしまう。二人が対峙するのは一人の最強。

 

『流石だね。あんなに頼りなかった射撃制度が驚くほどに飛躍している。』

「当たり前なんだゾ!でも、3年間鍛えたのに一発も当たらないってどうなっているんだゾ!!」

『年期が違うからね。それに僕は、頭上全面を覆い隠すような銃弾の雨を(くぐ)り抜けた経験もあるよ。』

「も、もうお前の話を一々驚いてやんないんだゾ!!」

 

彼を表現するなら〝白〟。

 

「無駄口を叩いている暇があるなら加勢しろ!!」

 

そして、カグラの渾身の力を込めた刀を片手で持った剣で止めていた。

 

「分かっているんだゾ!見様見真似、聖爆(セイバー)!!」

「って、私も巻き込むつもりかぁ!?」

「ライバルは少ない方がいいんだゾ。」

 

カグラから加勢を言われたエンジェルは、最近風の蹴りを真似て出来るようになった聖爆(セイバー)でカグラ諸共倒しに出た。

 

『じゃあ、少し本気を出そう。ミストが(かなで)光の前奏曲(あやかしの歌に抱かれて)、眠るがいい!白銀の練習曲(エチュード)!!』

「「うわぁぁぁぁぁ!!」」

 

彼の名前は〝白い雲〟。元々ミステリアと云う世界の住人だったが、混沌に全てを破壊され、一時は混沌の下で客将をしていた経緯を持つ。だが、その心の奥底では混沌を倒す事を目論んでいた。黒き風と双子やリサ達の力を借り、やっとの思いで混沌を倒し永い眠りに付き、以前ファーブラの手からエンジェルの手に渡った。因みに、呼吸をすることで召喚に必要な〝ミスト〟を自身で生成したり、生あるものを〝ミスト〟に変える事が出来る。

 

「クソォ!<ブチュ!!>悪いエンジェ……ルゥ!?」

 

一刀獣に吹き飛ばされたカグラは起き上がる為、後ろに居るナニカに手を付いた。カグラは恐らくエンジェルを下敷きにしてしまったと思い謝ろうとした。が、

 

「どうしたんだカグラ?エンジェルちゃんはこっ……ちぃ!?」

 

エンジェルは別の場所に倒れていた。そして、驚愕する二人の目の前には、

 

「「―ンンッ!?」」

 

目の前には、

 

「いい度胸だ。……その首叩き切ってやる!!」

「あ、朝からそんな関係は…つ、慎むんだゾ!!(風との朝チュン…想像しちゃったんだゾ!!)」

 

抱き合ってキスをしているジェラールとエルザがいた。

 

 

 

 

■□■□

 

 

 

 

「「「「アァァァァァァァァァァ!!」」」」

 

小さな小屋でナツ達の悲鳴が響いていた。

 

「殺す!殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!」

「ま、待て!早まるなカグラ!!」

「お子ちゃまのカグラには、キスを見るにはまだ早かったんだゾ。」

 

刀を振り呪術かと思うような言葉を出しながらジェラールへ迫るカグラ。それを羽交い絞めにし止めるエルザ。そして、不干渉でカグラに毒を吐くエンジェル。まさに混沌(カオス)である。

 

「さ、さっき説明したようにこれで彼らも第二魔法源(セカンドオリジン)が目覚めるわ。ってか、何でアンタら平気なのよ?」

「簡単な事だ。私は修行していたからな!後、ジェラール殺す!!」

「どうどう!落ち着くんだカグラ!!」

「風に近づく為なら、エンジェルちゃんはなんだってやるんだゾ!!」

 

エンジェルとカグラは、さっきのキスは事故だと説明され、エルザから今までの経緯(いきさつ)を聞いた。星霊界の滅亡が嘘だったのは衝撃だったが、エルザ達が星霊達に歓迎されたのは喜ばしい事だった。だが、星霊界の1日がこっちの3カ月とはこれ如何に。

そんな時現れたのがジェラール達だった。新たに発見された第二魔法源(セカンドオリジン)と云う器官を活性化させ魔力等の底上げを行う、所謂(いわゆる)荒療治を今行っている。

 

「そ、それじゃあ…」

「あ、ああ…」

 

何か別れを惜しむ様なジェラールとエルザ。

 

「ま、まt<斬!!>のわっ!?」

「さっさと行けー!!」

 

が、怒れる鬼神。カグラに切りつけられジェラールは逃げる様に去って行った。

 

「バイバーイ!!」

「みんなによろしくね。グレイの事もお願いね!!」

 

そして彼女らウルティアとメルディも彼を追って去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大魔闘演武(だいまとうえんぶ)二日目~

 

 

 

今日私は、カグラをこの観戦に連れて来ていなかった事を後悔した。

 

『本日の最終試合!人魚の踵(マーメイドヒール)ブラック・ウインド!!』

 

な、何だと!?

 

『対するは、剣咬の虎(セイバートゥース)ユキノ・アグリア!!』

 

ブラック=ウインドだと!?確か奴は男だったはずだ!!

 

『新人同士の対決になりました。な、なんとブラック選手は一週間前に入ったばかりと言う異例の新人。女性ばかりの人魚の踵(マーメイドヒール)に唯一の男だそうです!羨ましい!!そして、その実力は未だベールに包まれたまま!!一方最強ギルド剣咬の虎(セイバートゥース)に所属しているだけでユキノ選手の強さは期待がかかります!!』

 

クソッ!カグラと連絡を取るのは後だ!!

 

「皆、この戦い絶対に目を離すな!!特に()()()()()()()のブラックは!!」

「ど、どうしたのよエルザ?」

「良いから良く見ておけ!!」

 

彼の動きを観察し、誰にその技を習ったかを聞き出し、それが風なら…居場所を聞き出す!!

 

 

 

 

■□■□

 

 

 

 

「命を…賭けましょう。」

 

あ~。何だこの嬢ちゃん?命を賭けるってか。じゃ、俺も。

 

「あ~。分かったよ嬢ちゃん。俺も賭けよう。命…ってか、負けたらお前のギルドに入ってやるよ!!」

 

外野からギャーギャー姉ちゃん達が騒いでるけど、このぐらいじゃなきゃ釣り合わんだろ。

 

(わり)ぃな姉ちゃん達。負けたら俺は向こうに行くわ。」

「そんな軽くていいのですか?」

「良いの良いの。ま、入れてくれた恩は返せたと思うし。」

 

ま、大魔闘演武(だいまとうえんぶ)に出る為の助っ人要員だったしな。

 

剣咬の虎(セイバートゥース)の前に立ったのが、貴方の不運。『開け、双魚宮の扉』!!」

 

来るか!!

 

「ピスケス!!」

「キモッ!!」

 

キモイ魚は跳躍で躱してっと。

 

「『開け、天秤宮の扉』!ライブラ!!」

 

今度は何だ?

 

「ライブラ、標的の重力を変化!!」

「了解!!」

 

ぬ!?

 

「ピスケス!!」

 

身動きが出来ない俺に魚で攻撃するつもりか。だが、俺には効かねぇ!!

 

「世の中上手くいかないもんさ、こいつが!」(BGM:DARK KNIGHT脳内再生希望)

 

へっ、簡単に抜け出してやったぜ!こんな重力前会ったサルの方が…ん?サル?サルが何で重力を?

 

「私に開かせますか。十三番目の門を。とても不運な事です。」

「運がいいか悪いかは俺が決める事だ。嬢ちゃんが決める事じゃねぇぜ!!」

「『開け、蛇遣座の扉』オフィウクス!!」

 

でっけー機械の蛇が出て来たよ!?でも―

 

「記憶がなくても、技の威力は変わらんぜ!!」

 

さ~て、怪物退治と洒落込みますか!!

 

「クルダ流交殺法・陰流!!空牙(クーガ)!!」

 

コイツは5本の指から出る真空刃で攻撃する技だ!!お次は………は?

 

「あり?これで終わり?」

「そ、そんな…」

 

もっと頑丈そうだったのに、アレ一発で終わっちまった。あっ、ユキノって嬢ちゃんは呆けてるわ。

 

『こ、こんなことが!?始まりは圧倒的有利だったユキノ選手ですが、ブラック選手の放ったたった一つの技で星霊<ビシ!!>ッ!?訂正!!星霊を倒し、驚く事に闘技場を守る魔法壁にヒビを付けました!!よって勝者ブラッ―』

 

さて、目立つのは好きじゃねぇから帰りますか。

 

『え~。大変申し上げにくいのですが、規定により勝者ユキノ選手!!』

 

はぁ!?ど、どう言うこどだ!?

 

大魔闘演武(だいまとうえんぶ)では、〝魔〟を競い合う事を主としています。競技パートではそれだけではないのですが、このバトルパートでは、魔法を使()()()戦って頂いています。……ですが今回驚くべき事に、あれ程大きな威力にも関わらず、ブラック選手から大きな魔力反応が全くありませんでした。その為、魔法を使()()()にユキノ選手と戦った事になります。その為ブラック選手は規定上失格。勝者はユキノ選手になります!!』

 

「「「「「はぁー!?」」」」

 

やべ、俺今日から剣咬の虎(セイバートゥース)へ居候決定だな。

 




感想に「ミストガンの代わりにジュラと戦う風様見たいです!」とありましたが、出来なくて申し訳ありませんでした。番外編や個別の没ネタで出すかもしれません。
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