お前にふさわしいソイルは決まった!!   作:小此木

23 / 34
一部変更しました。


第23話

 

 

 

『決着!!大魔闘演武(だいまとうえんぶ)優勝は……妖精の尻尾(フェアリーテイル)!!』

 

…すげぇな、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士ってのは。

 

どんなにボロボロになろうとも立ち上がり、力の差を見せつけられても立ち向かい、どんな絶望的な場面だろうと諦めない。

 

俺は知ってる、そんな奴らを。俺は出会った、そんな奴らに。

 

「…あいつ等元気にやってんな。(小声)」

「ん?どうかされました?風お義兄様?」

「…いや、何でも無いんだな。これが。」

 

…あいつ等?あいつ等って誰だ?それに妖精の尻尾(フェアリーテイル)の連中を見てたら、少し懐かしい気持ちになる。

 

「…カグラ…ちゃん…」

 

クソッ!黒髪の綺麗な嬢ちゃんにさっき会ってから、偶に幼女が俺の頭をよぎっていく。一体なんなんだ!俺の娘か!?はたまた養子か!?再婚相手の連れ子か!?ってか、俺には恋人がいる!!だから、俺はまだ未婚って事でいいんだよな!!…よ、よ~し!未婚かどうかは、隣にこ、恋人のソ、ソラノがいるんだから聞いてしまえ!!

 

「ソ、ソラノ…き、聞きたい事が……あれ?」

「さっきからどうされました風お義兄様?ソラノ姉さんならついさっき、知り合いの方が来られて席を外されましたよ。」

「へ?そ、そうなのか!?」

 

大魔闘演武(だいまとうえんぶ)の観戦を堪能しすぎたな。

 

「じゃ、大会も終わったしソラノを探して帰るか。…一応あると思う我が家へ。」

「あ、あると思います。多分、恐らく!!」

 

…そう言う時は嘘でもあるって言ってくれよ義妹(予定)ユキノ嬢ちゃん。

 

 

 

 

■□■□

 

 

 

 

大魔闘演武(だいまとうえんぶ)は〝エクスプリス〟と云う魔道具を起動させる為、魔導士から少しずつ魔力を集める為に開かれた大会であった。エクスプリスは二通りの使い道がある。一つはその門を通った者を〝時間の移動〟させる事。そして、もう一つは一万のドラゴンをも倒し得るE(エクスプリス)・キャノンを発射できる。……と云うのが、〝未来から来たローグ〟の話しだ。

 

「オレはその扉を〝閉める〟邪魔者を抹殺する為に、此処へ来た。それは、お前だ!『ルーシィ・ハートフィリア!!!』」

 

そう言うや否や未来のローグはルーシィ目掛け闇魔法を放った。

 

「え?」

「ルーシィ!?」

 

<ドム!!>

 

が、闇の剣を横から割り込んで来たフードを被った人物が庇い…それを庇う様に現れた黒い何かに未来のローグが放った剣は刺さり、ルーシィには届かなかった。

 

「…悪いな。俺も〝闇魔法〟を少しは使えるんだ。」

「…え、何で貴方が生きて…」

 

そこに現れたのは、

 

「…貴様、何者だ?それに、何故ルーシィが二人存在する!?」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)内で闇魔法が唯一使える〝男〟。

 

「俺は妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士!シモンだ!!…それに、ルーシィが二人存在している事に俺()も驚いている。」

「俺達だと…」

 

未来のローグが顔をしかめた時、そいつらは現れた。

 

「囲まれてるから助太刀しようと思ったけど、一応大丈夫だったミャ。」

「…風殿に嫌われた。…はぁ。あっ、皆無事?」

「って、まだ落ち込んでいたんだミャ!?」

 

ミリアーナと何故か意気消沈したカグラ。そして、

 

「フフン、これでエンジェルちゃんの完全勝利で決着だゾ!!それと、ルーシィ達が捕まってるって聞いて手助けしに来たけど、これはどう言う状況だゾ?」

 

カグラとは真逆に上機嫌なエンジェル(ソラノ・アグリア)が現れた。

 

「う、嘘!?何で死んだはずのシモンが此処に!?私、もう死んだ!?…それに、カグラってミリアーナと一緒に人魚の踵(マーメイドヒール)の主力じゃなかったの!?そ、それに何で捕まっているハズの六魔将軍(オラシオンセイス)のエンジェルが此処にいるのよ!!」

 

流石ツッコミ担当(?)のルー…()()から来たルーシィが自分の理解の及ばない事へマシンガンの様に絶叫に似た質問を繰り出した。

 

「ん?ルーシィ、何言ってんだ?シモン達は俺達妖精の尻尾(フェアリーテイル)の家族だぞ。エンジェルは…恐らくギルドの誰かが助っ人を頼んだんじゃねぇのか?」

「そ、そう言う事じゃなくて「そんな事はどうでもいい!!ルーシィ!二人纏めて死ね!!」って、私達ピンチ!?」

 

突然の事で未来のルーシィが説明を求めている時、いち早く思考が復活した未来のローグが二人のルーシィ目掛け闇で作った剣を次々投擲した。

 

が、

 

『ソイル!我が力!!』

 

一人の男がルーシィ達の目の前へ現れ、渦の様な魔力を発生させる事によって、闇の剣は全て弾かれてしまった。

 

「こ、今度は誰が来たの!?」

 

 

 

 

~side 風~

 

 

 

 

…俺の名前は…『黒き風』。この名前で呼ばれると凄くしっくりくる。それと、ソラノの右腕にある魔道具。どっかで見た…いや、使った事がある。それに、ミストガンと云う男の名前。良く知ってる、のか?う~ん。分からん。

 

「風お義兄様、此処は何処なんでしょう?」

「…分からん。此処無駄にデカすぎるからな。下手に戻ろうとしてもっと迷いそう…人の声がしたら、そっちに行って道を尋ねようか。」

「私もそれが良いかと。」

 

どうも、絶賛迷子中の風とぎ、義妹です。いや~、簡単にソラノさんを見つけられると高を括ったのが運の尽き。ユキノ嬢ちゃんまで巻き込んでしまったぜ。

 

「ム?あっちから人の声が聞こえる!!」

「えぇ!?私には何も聞こえませんでした!!」

 

フフフ、風様ear(イヤー)は地獄耳ってな。…あれ?

 

「ま、行ってみるか!!」

「はい!!」

 

さてさて、声の聞こえる方へ来たんだけど、

 

『そ、それに何で捕まっているハズの六魔将軍(オラシオンセイス)のエンジェルが此処にいるのよ!!』

 

お取込み中でしたね。それと、ソラノさん発見!これで家へ帰れる!!それにしても、六魔将軍(オラシオンセイス)のエンジェル?どっかで聞いたことが…

 

『二人纏めて死ね!!』

 

黒い、剣?闇、魔、法?…闇………こ、ん、と、ん…混沌(異界を創った化物)!?

 

「…混沌(異界を創った化物)は俺が全て消滅させる!!」

「か、風お義兄様!?」

 

…待っていろ、アウラ!今俺が、全て終わらせてやる!!

 

 

 

 

~side out~

 

 

 

 

「ソイル!我が力!!」

 

突然現れた男、ブラック=ウインド―黒き風がそう力強く叫ぶと

 

「…あっ!!(そ、そんな風の記憶が戻っちゃったんだゾ!?)」

 

ソラノの右腕にあった魔道具―魔銃は光の粒子となり、流れる様に風の右腕へたどり着き

 

「魔銃、解凍!!」

 

黄金に輝く一丁の銃へ変わった。

 

『お前にふさわしいソイルは決まった!!』

 

風は呆然としている未来のローグへと指を向け叫ぶ。そして、その人差し指の周りに魔力が集まり出し三つのソイルが精製された。

 

『全ての源、マザーブラック!!』

 

一つ目の弾丸を顔の前に持って来て、指ではじき一本目を魔銃へ装填する。

 

『全てを焼き尽くす、ファイヤーレッド!!』

 

更に、二本目。

 

『そして、全てなる臨界点、バーニングゴールド!!』

 

最後は弾丸を勢いよく弾き飛ばし、シリンダーに装填した。魔銃にある風の心臓の鼓動が早くなりドリルが唸りを上げる。

 

『燃えよ、召喚獣!フェニックス!!』

 

一体の不死鳥が場内の廊下を破壊しながら現れた。

 

「こ、これって星霊!?」

「何なんだこの生物は!?」

 

初めて見る存在に驚愕する未来のルーシィとローグ。

 

「これって、まさか貴方風!?」

「探したぞ、こん畜生!!」

 

現代のルーシィとナツが探していた人物に会え喜んでいる。

 

「混沌は焼き尽くす!!」

 

風はその場に妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士達がいるにも関わらず、問答無用で攻撃に移った。

 

「えぇ!?ねぇ私!私達の仲間じゃないの!?」

「…一応私達の仲間、だったけど…私も何で攻撃してくるか分からないわ!!」

「こ、この炎食えねぇ!?」

「嘘ついたのは私が悪かったんだゾ!!怒らずに話を聞いて欲しいんだゾ!!」

「風殿が私を嫌って…」

「風!どうしたって言うんだ!?」

 

そして妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士達は混乱し、

 

「クソッ!此処は引く!!」

 

その隙を付いて未来のローグは影に入り逃げて行った。

 

「混沌は、混沌は何処へ行った!!」

「か、風お義兄様!?どうされたんですか!?」

 

風が突然人が変わったように走り出し、黄金の銃を片手に叫んでいる様を見たユキノはそれを止めようと駆け寄った。

 

「キャア!?」

 

が、ユキノはソラノ達の方向に弾き飛ばされたしまった。

 

「ユ、ユキノ大丈夫なんだゾ!?」

「ソラノ姉さん!私は大丈夫ですが、風お義兄様が突然『混沌』と言う言葉を呟いたらこんな事に…」

 

そして、絶望的な言葉が風によって放たれた。

 

「なら、この建物全てを燃やし、混沌の隠れ場所が無いようにしてやる!!」

 

風がフェニックスへ指示を出そうとした時、

 

『風、君はまだ完全に記憶を取り戻してないようだね。混沌はアイやユウ、リサ達と力を合わせて倒したじゃないか。』

 

白い思念体の青年が現れた。

 

『此処は僕が止めるよ。さ、君たちは安全な場所へ行ってくれ。』

 

そして、雲の実力を知っている妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士達はその場を任せエクスプリスへと駆けて行った。

 

「雲、私は此処へ残る!風殿を正気に戻す手伝い、私もやろう。第二魔法源(セカンドオリジン)にも目覚めた。此処で風殿に認めてもらいたい!!」

「エンジェルちゃんも当然残るんだゾ!!ちゃんと謝らないと…(小声)」

「ソラノ姉さんが残るなら私も。それに、家族になるはずの方を見捨てるなんて私には出来ない!!」

 

三人を残して。

 

『フフフ、それじゃ今回は皆本気で行くよ!ミストが(かなで)光の前奏曲(あやかしの歌に抱かれて)、眠るがいい!白銀の練習曲(エチュード)!!』

「風殿、カグラは強くなりました!今それをお見せします!!」

聖爆(セイバー)だゾ!!」

「『開け、天秤宮の扉』!ライブラ!!ラブラ、風お義兄様へ重力変化を!!」

 

残った一振りの剣と三人は風を止める為、正気を取り戻させる為戦う。

 




亜蘭作務村様誤字報告ありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。