お前にふさわしいソイルは決まった!!   作:小此木

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骸骨王様誤字報告ありがとうございました。


第4話

 

 

 

六魔将軍(オラシオンセイス)のレーサーはグレイ、リオンの氷の造形魔法を操るコンビに〝自分が早くなっているのではなく、周りの速度を遅くしていた事〟を見破られ敗れた。エルザは助け出されたウェンディによって無事治療された。が、皆の奮闘も虚しくニルヴァーナは起動されてしまった。

ニルヴァーナ起動の反転魔法の影響で六魔将軍(オラシオンセイス)のホットアイは『愛』に目覚め改心し、ジュラと共に元の仲間たちを止める為にニルヴァーナへ。それとほぼ同時に星霊魔導士同士の激闘の末ルーシィがエンジェルを打倒。

場所は移り変わりニルヴァーナ上で毒竜のコブラは耳が良すぎてナツの咆哮により気絶し、ブレインはジュラによりあっけなく打倒された。ミッドナイトを追い詰めたと思ったホットアイ。だが、それは幻覚魔法であり敗れてしまった。しかし、復活したエルザの義眼であった右目には幻覚は効かず、ミッドナイトも倒された。

しかし、六魔を打倒したせいでブレインのもう一つの人格、六魔将軍(オラシオンセイス)のマスターゼロがナツ達の前に立ちふさがったのだった。

 

 

 

「オレは、只破壊してぇぇんだよ!! 何もかも全てなぁー!! ニルヴァーナ発射だぁぁ!!」

 

ゼロが化猫の宿(ケット・シェルター)へニルヴァーナの砲身を向けた。

 

「さ、させるかぁ!! 岩鉄壁(がんてつへき)!!」

 

ナツ達を庇いダメージを受けたジュラは気絶していたが、ゼロの声を聞き目覚めニルヴァーナの発射を阻止せんと魔法を放った。

 

「邪魔すんじゃねぇよ!! オラァ!!」

 

ゼロはその石の壁をブレインが多用していた魔法常闇回旋曲(ダークロンド)でいとも簡単に破壊した。ブレインが使っていた時より、魔法の強さがけた違いに強かった為だ。

 

「クソッ!ここまでか!! …あ、あれは!?」

「ん?何だ?化猫の宿(ケット・シェルター)の前に変なヤツが立ってやがる!?ま、このままニルヴァーナの餌食になっちまうがなぁぁ!!」

 

 

■□■□

 

 

その男の声は、激しい戦いの中で不思議とジュラとゼロの二人には聞こえた。

 

 

 

 

 

『貴様にふさわしい、ソイルは決まった!!』

 

風は六本の足で歩行する古代都市ニルヴァーナへ向け叫ぶ。

 

「す、凄まじい魔力だ!!」

 

ジュラが驚愕し、

 

「な、何なんだこの男は!?」

 

ゼロが吠える。

 

『冴えわたる知性の煌めき、マーベラスオレンジ!』

 

ベルトに刺していたソイル入りの弾丸を顔の前に持って来て、指ではじき一本目を魔銃へ装填する。

 

『限りなき探求への欲望、マニアックパープル!』

 

同じように二本目を装填。

 

『そして、完全勝利の誓い、ウルトラショッキングピンクゥゥ!!』

 

最後はベルトを叩き、弾丸を勢いよく飛ばしシリンダーに装填した。魔銃にある風の心臓の鼓動が早くなりドリルが唸りを上げる。

 

「これぞ完璧無敵の組み合わせ、唸れ魔銃、ソイルの導く生ご…ソイルが導くがままに!! ………出でよ!究極の召喚獣! 砲撃獣(バハムート)!!」

 

 

 

「ド、ドラゴンだと!?」

 

誰が叫んだかは分からない。だが、いまこの()()に頭が三つの銃口の形をもった、異形の竜が姿を現した。

 

「そ、そんなモノもうこの世に存在しねぇ!! ミッドナイトと同じ幻覚魔法だ!! 行け! ニルヴァーナ発射ぁぁ!!」

 

ゼロの号令と共にニルヴァーナが放たれる。

 

「そんなちんけな攻撃で俺を倒せるかってんだ!! それに、俺を倒したければ白い雲を呼んで来るんだなァァァ!! やっちまえバハムートォォォォ!!」

 

 

 

一閃。…それですべてが終わっていた。

 

 

 

「な、何が起こったんだ!?」

「こ、この目でドラゴンを見る時がこようとは…」

 

ゼロは何が起こったか分からず、ジュラはドラゴンを見た事に感激を覚え、

 

「あ、あれがドラゴン…」

「ナツ達、ドラゴンスレイヤーが倒す相手…」

 

ルーシィは唯々呆然とし、グレイはその凄まじさにドラゴンスレイヤー達を心配した。

 

ニルヴァーナの魔法はバハムートの攻撃に拮抗すらしなかった。バハムートの攻撃はニルヴァーナの砲塔を簡単に貫き、中心にあったコアを全て破壊。―するだけでなく、ニルヴァーナの背後にあった2つの山の(いただき)を簡単に消し飛ばし、地面や山に抉られた後を大きく残し大空に消えて行った。そして、バハムートは大きな咆哮をあげ()()を壊して何処かへ行ってしまった。

 

「あ、あんなのイグニール達ドラゴンじゃねぇ!!」「あれは私達が知ってるドラゴンじゃないです!!」

 

だが、ナツとウェンディは()()をドラゴンとは認めなかった。自身が知っているドラゴンは心を持ち、人と語り合うことが出来たのだ。今、目の前に出現した感情の無い無機質の生物とはかけ離れた存在だったからだ。

 

「残念無念、また来てねん!!」

「き、貴様ぁー!!」

 

ゼロは風に向け得意の常闇回旋曲(ダークロンド)を放つ。

 

「ちょいなっ! 回避成功!! 反撃…は無しだ! 後は任せたぜツンツン頭!!」

「…すまねぇな風! それに、やってくれたな黒目野郎!! 行くぞ!! リベンジマッチだ!!」

「まだ生きてやがったかクソガキ!!」

 

ゼロの魔法を軽々と躱し反撃しようとした風は、ジェラールの炎を喰らって復活したナツにその場を任せた。

 

 

■□■□

 

 

「…戻った。」

 

(ようや)く口調が元に戻った。てか、戻らなくても良かったかもしれねぇな~。あと、その場のノリで砲撃獣(バハムート)を召喚しちゃったけど~。ま、勝てたから問題ねぇな!! って、しまった!!

 

「ウェンディを救出しなければ…」

 

ウェンディちゃんを救出するのが目的だった!! や、ヤッベー。あの変な城には居なかったよな!! 中心撃ち抜いちゃったよ!?

 

「あ、あの…」

「何だ?」

 

何だよホントに!! こっちはウェンディちゃんを探しにまた走り回らなければならないって言うのに!! は~、どれどれ、誰が話しかけてきたのかな? 腰まである青い髪に羽をあしらった可愛らしいコーディネートのワンピース。あらら、ミストガンに聞いたウェンディちゃんの容姿にぴったりじゃん。…ウ、ウェンディちゃん!?

 

「…良かった。無事だったか」

「あ、あのあの…わ、私達のギルド、化猫の宿(ケット・シェルター)を守ってくれてありがとうございました!!」

 

おおう!? そ、そんなに勢いよく頭を下げなくても良いって!!

 

「…気にするな。俺が勝手にした事だ。それに、六魔将軍(オラシオンセイス)を壊滅させたのはお前達だ。俺は何もしていない」

 

そうそう、気にしなさんな。俺ってば、オッサン助けた後は森を彷徨(さまよ)ってただけだし…変な魔法受けて口調が元に戻ったのは嬉しかったけど、確実に足手まといだったからあれぐらいしないと割に合わねぇぜ!!

 

「そ、それでもありがとうございました!!」

「…受け取っておこう。」

 

真っ直ぐな娘だ。おっちゃんそう云う娘の押しには弱いんだわ。

 

「おい! 風!! ドラゴンだせドラゴン!! 俺と勝b「メェーン!!」どうしたオッサン!!」

 

ん? 何か変な模様が足元にある? …あれ? この変な文字が書いてある場所から出れねぇ!?

 

「私は、新生評議員第四強行検束部隊隊長、ラハールと申します」

 

うわっ、こいつ絶対堅物の真面目ちゃんだ。眼鏡掛けて堅っ苦しい自己紹介してんだもん!!

 

「そこにいるコードネームホットアイを渡してください。」

 

ま、そうなるわな。どういった経緯で仲間になったか知らんけど、元々闇ギルドで悪りぃ事してた所の人間だ。ま、情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)の余地はありそうだがな。

 

「それと…脱獄犯、ジェラール。貴様は問答無用で牢獄へ戻ってもらう。ひっ捕らえろ!!」

 

あ~、どう言ったらいいのか分からん。犯罪起こして、刑期中に脱獄だもんな。更に罪が重くなって一生牢獄生活を送る人生になるかも……エルザって姉ちゃんには申し訳ねぇけど、こりゃとんでもない善行しないと釈放は無理だわな。

 

「それと、賞金稼ぎ〝黒き疾風〟」

 

だ、誰だそんな厨二な二つ名のヤツ!!そんな名前恥ずかしくて名乗れねぇぞ!!

 

「ハァ、君の事だ風君。様々な闇ギルドを潰している事には感謝している。しかし、ギルドに出されたクエストも勝手に請け負い、クエスト報酬も受け取っている。これは以前から評議会でも問題になっていた。今回、それも踏まえ評議院で証言してもらう。エーテリオン消滅の真相も聞きたい。来てもらうぞ」

「…分かった」

 

って、その二つ名俺かよ!! 上等だ!! 評議会でも何でも行ってやるよ!! その時、変な二つ名は絶対消させてもらうからな!!

 

ホットアイとジェラール、そして何故か風は評議院達によって連れていかれてしまった。

 

「あっ、あの人って、結局何で私達の助っ人に来たの!?」

「「「さぁ」」」

 

色々謎を残しながら。

 




2017.6.18修正、加筆しました。
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