【ラブライブ μ's物語 Vol.4】オレとつばさと、ときどきμ's ~Winning wings 外伝~ 作:スターダイヤモンド
【オレとつばさと、ときどきμ’s…について…】
ストーリーとして決めていたのは『夢野つばさでなく梨里を主人公とすること』と『そこに海未を絡ませること』くらいで、ゴール(結末)を設定しないまま、半ば見切り発車的に連載を始めました。
後述しますが、スタートの段階では梨里の結婚相手を誰にするか、固めていなかったのです。
いえ、最後まで決めていませんでした。
故に…頂いた感想の返信などで何度か触れておりますが、良く言えば…書き進めるごとにアイデアが沸くタイプ…なので、自転車操業的といいますか、行き当たりばったりといいますか…自分でもどんな展開になっていくのか、まったく予想ができませんでした。
そう言いながらも、過去のエピソードと矛盾が生じないよう…物語が破綻しないよう…というところはだいぶ気を使いましたが。
前作からの続編とした為、なるべくその時の登場人物やエピソードを流用しようと思いながら、ストーリーを作りました。
真姫に度々「…タートル」と間違えられるメンバーのひとり『中目黒結奈』などは、その代表格なのですが…彼女たち4人の名前には、ある共通点が隠されています。
気になった方は探してみてください。
ちなみに『前作から出演させそこなったキャラ』として『希御用達のランジェリーショップのお姉さん』と『凛が通うラーメン屋の店員』がいます。
特に後者は、前作の中で『りんぱなとの関係』の伏線を張っておきながら、回収しないまま終わらせてしまったので、今作でフォローするつもりでしたが…完全に忘れてしまいました…。
今更ながら『凛の彼氏』はこの店員という設定でもよかった気がします。
なお最終話でことりが娘に写真を見せながら「この人は誰、この人は誰…」と説明しているシーンにおいて、凛の名前はありませんでしたが「けいじくんのママ」というのが彼女です。
何故『けいじ』なのかは…こちらも作中にヒントがありますので、推測してみてください。
オレ…こと高野梨里は、私の化身です。
外見やスペックは似ても似つきませんが…彼の考え方や発言…は、わりと私が思っていることを代弁してもらっています。
今作のテーマは、いくつかあるのですが、そのひとつが『IFの世界』です。
このことは、わりと早い段階で梨里が語っておりますので、ここで私が述べるのもどうかと思いますが…「自分が自販機でコーヒーを1本買っただけで、もしかしたら未来が変わってしまうのかも」…と思うと、不思議な気がしませんか…。
…とはいえ、傍(はた)から見ると、アスリートでありながら理屈っぽくて、もし付き合うとなったら面倒なヤツだと思います。
相手が海未だったから、色々、話を聴いてもらえましたが…他のメンバーだったら、きっと上手くいかなかっただろうなぁ…という感じです。
そういえば、梨里の名前の由来を書いていなかったですね。
『たかの りさと』は、そもそも私の本名のアナグラム(並び替え)で、普段でも(ゲームなどをする場合などでは)良く使っています。
したがって、まず、この名前ありき…で作品が作られています。
今作の設定としては…彼が生まれる3年前に母親は流産しており、その子に付ける名前が『百合』だった…です(某ビューティークリニックとは、なんの関係もありません)。
作中でも触れておりますが『百合』を英語にすれば『Lily(リリー)』となり…夫婦は、新しく生まれた命に『彼女の名前』を密かに宿していたのです。
しかし2人はこれを一生の秘密として、梨里に明かすことはありませんでした。
彼に『彼女の人生』を背負わせるような…余計な負担は掛けたくないと考えたのでしょう。
誕生前である為、当然、戸籍には載っておらず、周囲でそのことを語る者もいなかった為…彼は自分の名前の由来の真相を知ることなく、この世から旅立ったのでした。
流産のキッカケが、横山一族によるものだった…と一瞬考えたのですが、それは余りにしつこいのでやめました。
「ただ、まだ命を落としたわけではないので、今は私たちが悲観的になっていてはいけない…そう、頭を切り替えました。悲しい気持ちは家に置いてきたのです。ですから…今は…回復を祈る、それだけなのです」
梨里がICUにいる時、彼の父親が述べた言葉の裏に、実はこのことがあったからこそ…だったのです。
自分で言うのもなんですが、意外と(?)真面目に考えてたんですね…。
さて梨里と海未との出会いは『交通事故』で…のちに加害者の少年は、つばさの父親を撥ねたドライバーの息子…ということが判明するのですが、これは前述した…旧作で私が消化できないと思い採用を見送った『さくらの父親が犯人だった』…という設定を流用しました。
7年の時を経て、花開いたというところでしょうか。
夢野つばさ…こと藤綾乃は、海未とは別の意味で健気な女性です。
人前では決して弱さを見せず、常に気丈に振舞ってきました。
その分、彼女が唯一、素直になれる場所…浴室のバスタブ…で、どれだけ涙を流したのか…。
作品を振り返ってみれば、反省点はいくつもあるのですが、もっともっと彼女のその部分を書いてあげればよかったなぁ…と思っています。
ちょっと、アッサリしすぎました。
そういう意味では、緑川沙紀も人物像を描き切れなかったひとりです。
旧作では、つばさと梨里の関係に嫉妬して、彼に「別れるよう」迫ったりします。
その上で『つばさを好きな梨里を、沙紀が好きになってしまう』という難しい役どころを演じてもらう予定だったのですが…そのあたりの心情を掘り下げることなく、終わらせてしまったのは少し後悔しています。
綾乃の中学生時代のライバル『山下弘美』の自殺の原因については、旧作では謎としておりました。
これは当時の話の展開で『性的虐待』などというのは、あまりそぐわなと思っていたからです。
完全に自己満足で、皆さまにはまったく関係ない話ですが…自分としては今作で消化できて良かったです。
先に述べましたが、当初は綺羅ツバサを主役に据えようかとも考えていました。
最終的にそれはボツとしましたが、どうしても『つばさ×ツバサ』というのは残したくて、無理やりA-RISEを絡ませました。
彼女たちが出演してくれたことで、物語に幅を持たせることができたのかな…と自負しておりますが、その結果『チャリティライブ開催』などと口走ってしまい…私自身の首を絞めることにもなりました。
今文中でライブは『年末』と言っていたのが『3月』に変更されたのは「どうせなら『Aquour』も出演させよう」と欲張ったからですが…そのシーンを書く準備が出来ていなかった…というのが実情です。
※『サンシャイン』については、別途、述べさせ頂きます。
選曲は迷いに迷いましたが『アニメに準拠』と制約を付けた分、無難なところに落ち着いた感じでしょうか。
書いていて、つくづく「難しいなぁ」と感じたのは、音楽を文字にすることです。
自分の力量のなさを痛感しつつ、読んで頂いている方々に申し訳ないという気持ちでいっぱいでした。
『知らないうちに終わっていた』という『ラブライブシステム』を採用しようか…と思ったほどです。
『花陽のトラブルで、曜が代役』…というのは『Aquours』を出演させようと決めたときから、アイデアとしてありましたが…『ワンコーラス歌ったあとに、ご本人登場』という案を最後の最後まで捨て切れず、UPする直前まで悩みました。
それはそれで面白かったと思うのですが…いかがでしょうか…。
困ったのはサンシャインのアニメ展開が『アレ』だったので、決勝に出れるのか?優勝するのか?がまったくわからなかったことですね…。
…ということで、次回はサンシャインについて、少し語らせて頂きます。
~つづく~