まほいく大好きだけど二次創作少ないなーということで、自分で書いてみました。
それではご覧下さい。
何か楽しいことがしたかった。
桜華は住所不定無職で知り合いと呼べる者も一人もいなかった。家族は全員他界しており、まさに天涯孤独の状態である。
財産だけは何故か莫大にあるため、生きていくのに不自由なことは無いのだが、そんな人生の何が楽しいのだろうか。
だから、何か楽しいことがしたかった。どんなものでもいいから、自分の暮らしを充実させたい、そんな思いで様々なことを試した。が、どれも長くは続かなかった。
無意味に過ぎていく、灰色の景色。
自分は一生こうして生きていくのだろうか。
それはとても嫌だ。
今までの自分がどうだったかは知らないが、これからは人生を楽しく生きたい。
自分の中にそんな想いが強くあった。
桜華は気持ちを切り替えるべく、手始めに引越しをする事にした。
引越し先は、N市という場所だ。引越すアパートを決めて、桜華は荷物をまとめだした。
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☆森の音楽家クラムベリー
次の試験会場を決めた。N市という場所だが、これまでにないほど強力な魔法少女が生まれそうだ。
何の根拠もないが、クラムベリーにはそんな予感がした。
「今回は、流行りのソーシャルゲームを使って候補者を集めるぽん」
「ソーシャルゲーム、ですか。私もそれをする必要はないのですよね?」
「プレイヤーからファヴが候補者を見つけるためのものだから、それは必要ないぽん」
「そうですか。……N市には本当に魔法少女はいないのですよね?」
「いるわけないぽん。そんな確認をファヴが怠るわけないぽん。一体どうしたぽん?」
「いえ、それならいいのです」
何故だろう。N市には強大な魔力を感じる。
別に見た訳でも無いのにN市の候補者に自分が過大に期待しているような気がする。
ソーシャルゲームという全く新しい媒体で候補者を集めるからだろうか?
恐らくそれは関係ないだろうが、何故かワクワクしている自分がいることに、クラムベリーは自然と微笑んでいた。
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引越しは完了して、さて何かを始めようと思った時に、ふと自分のスマホを見た。
桜華は元々ゲームなどはしていなかったが(もちろん記憶喪失の前のことは分からないが)、広告で出てきた『魔法少女育成計画』というアプリには不思議と目が釣られた。
そういえば街中でたまに魔法少女という単語を聞く度に反応してしまっていた気がする。
過去の自分は捨てようと思ったのだが、魔法少女が好きだということを捨てるのには強い抵抗があった。
どうやら自分は、魔法少女のことが好きだったらしい。
せっかくなので桜華もアプリを入れてみることにした。
そうして初めてみると案外面白いもので、ついそれに没頭してしまう。
そのせいで無意味に1日を過ごしてしまったが、不思議と悪い気はしなかった。
それから桜華は1日の大半を魔法少女育成計画に費やし、仕事や学校に時間を取られないことが幸いしたのか、かなりの高ランクになることが出来た。
そしてゲームを始めて3日目。
そろそろゲームばかりするのも辞めようかと思いだした頃。
「おめでとうぽん!あなたは本物の魔法少女に選ばれましたぽん」
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☆ライデン
唐突に画面の映像が3Dになった。否、実際に飛び出した。桜華は5秒ほど固まった後、ゲームのやりすぎだと感じて布団に入った。すると、
「ちょっと、どうしたぽん?もしかして夢かなにかだと思ってるぽん?違うぽん、これは現実だぽん。寝られたら困るぽん」
おかしい。ぽんぽんうるさいあれが幻聴でないのならあれが言っていることは本当だということだが。
「えっと?……マジで言ってるの?」
「マジだぽん」
「マジかー」
魔法少女になれる。意味がわからない状況なのに、桜華はそれが分かっただけで嬉しかった。
だが桜華はまだ気づいていない。
「鏡を見るぽん」
言われた通りに鏡を見ると、そこには、本物の魔法少女がいた。
最初にファヴが飛び出してきた時から、既に桜華は魔法少女に変身していたのだ。
だが、
変身した自分の姿は、ゲームでのアバターだった“ライデン”となっていた。
ライデンは雷神や、雷様をイメージした見た目になっている。
頭には二本の角があり、服は黄色と黒色の虎柄のビキニに雲のような白いスカートを履いている。更に白い羽衣を身につけており、なんと言っても目立つのは背後に浮かぶ四つの太鼓だ。
ゲームで見慣れたその姿は、自分が変身して眺めると、何か懐かしいものを感じた。何故かはわからないが、どうやらこの姿になること自体を懐かしんでいる気もする。
気のせいだと言うには強過ぎる懐かしさに、脳がチリチリした感覚に襲われる。
次々と自分の頭の中に入ってくる映像を観て、これが自分の失った記憶だと理解したのは、もう少し後のことになる。
感想や評価、お待ちしております。
モチベとか湧きます。