魔法少女育成計画 electric   作:怠惰のブルーコ

10 / 11
作品に高評価を付けてもらったら書くしかない。
という訳で気力で書いたのでおかしいところが多々あるかもです。
それではどうぞ。

※キャラ崩壊してるキャラが若干います。


第八話

☆???

 

赤い。

見えるもの全てが赤い。

壁も、床も、天井も、自分自身でさえ(・・・・・・・)真っ赤だった。

何の色かは分かっている。

原因が自分だということも分かっている。

 

分かっていて、それでも???は思ってしまった。

 

なんでこんなことになってしまったのだろう?と。

 

ーーー

 

☆ルーラ

 

いきなりだった。

ライデンがこちらにもたらした情報は、衝撃的だった。

全てはファヴの陰謀で、森の音楽家クラムベリーの協力のもと、魔法少女を集めて殺し合いをさせていたというのだ。

 

荒唐無稽な話で、その証人の片割れであるクラムベリーは、既にライデンによって亡き者とされている。

流石にルーラも信じられず、その事をライデンに伝えたが、ライデンは「信じないならそれでもいいけど、たまちゃん以外は何があっても知らない」と言ってくる。

 

今のルーラ陣営がライデンと敵対などしたら、それこそ目も当てられないことになる。

渋々ながら信じることにして、結果ルーラ陣営はそれを事実として受け止めることになった。

 

ただ、ルーラも正直その話を信じたわけではない。

ライデンの言っていた事が事実だろうがそうでなかろうが関係ない。

ライデンがこちらと協力者である間は、少なくともライデンとの敵対は避けられ、上手くいけば保護してもらえるかもしれない。

 

ルーラは認めていた。

ライデンには勝てない。

カラミティ・メアリを圧倒する実力者相手に、どうしろと言うのだ。

 

ルーラの魔法は当たれば最強だが、ライデンに当てるなど天地がひっくり返っても出来ないだろう。

それくらいルーラの中で、ライデンは圧倒的強者として存在していた。

 

いや、もしかしたら、スイムスイム達を盾として使うのなら、奇襲すればもしかしたら成功するかもしれない。

しかしそんな事試すことなど出来ない。

失敗は即ち死を意味するのだから。

 

他人に守ってもらうのは不本意ではあるが、仕方ないのだ。

そうしてルーラは自身を納得させ、ライデンの庇護下に入ることを了承した。

 

ピーキーエンジェルズは文句を言っていたが無視した。

こっちも色々考えて決定を出しているというのに、これだから無能共は。

その点たまとスイムスイムは静かだからマシだろう。

まあ結局は役立たずなのだが。

 

そしてその時、ルーラはふとスイムスイムの方を見た。

 

そして、その瞬間、ルーラの背筋が凍った。

 

スイムスイムはルーラを見ている。明らかにこちらに目を向けている。

しかし、その目には何も映っていない。

いや、実際には映ってはいるのだが、全くそれを見ていない。

 

映っているものに対して、欠片の興味もない。

気に止める必要などない。

その目はそう言っていた。

 

さらにその目は、暗にこう言っているようにも見えた。

 

もういらない、と。

 

その目に映っている、リーダーであるはずのルーラ(・・・・・・・・・・・・・)は、もういらない(・・・・・・)、と。

 

まるで、期待して回した福引で出てきた、ハズレのティッシュに向けるような目だった。

 

失望。

それを極限まで濃くしたような、そんな感情が見えた。

ルーラは目の前のライデンが訝しむのにも気付かず、スイムスイムのその目に恐怖していた。

 

殺される?

いや…捨てられる?

私は…どうなる?

 

「おーい。ルーラちゃん?しっかりしろー」

 

「…ぁ、…コホン。悪いわね。少しぼうっとしてたみたい」

 

「そりゃ珍しいね……ん?」

 

誤魔化すようなルーラにライデンが首をかしげながら、定期的に叩いていた太鼓を叩くと、突然ライデンが何かに気付いたように後ろを見た。

 

「…何、敵?」

 

「分からない…けど、そうじゃ無さそう。スノーホワイトちゃんと、ラ・ピュセルちゃんと、あれは…マジカロイドちゃんか」

 

どうして敵じゃないと言えるのか聞きたいが、ここは別のことを聞くべきだろう。

 

「…なんであいつらここの場所が分かったの?貴女誰かに教えた?」

 

「そんなことする理由が無いでしょうが。なんかマジカロイドがなんか道具持ってるし、それじゃない?」

 

「道具?何よそれ知らな」

 

「ちょっと見てくるねー。すぐ戻るから」

 

「え、ちょ」

 

すると、ライデンはルーラの制止を振り切り寺の外へ出ていった。

ルーラがその自由さに苛立っていると、ピーキーエンジェルズが騒ぎ出した。

 

「あーあ。あの人マジで何なのかね。怖すぎだわー。もう今のうちにサックリやっちゃわない?」

 

「それだよそれ、お姉ちゃんマジクール。あんなのの味方とか刺されそうだわー」

 

「それな」

 

「お前ら…」

 

ルーラは二人に怒鳴りつけようとした。

今そんなことをしても絶対に成功しない。

ルーラが様子を見て隙があれば魔法を使い、無ければ無いで保護してもらえばいい。

だが、そう言おうとしてハッと気がつく。

 

スイムスイムの前で守ってもらうというのは危険だ。

タダでさえ身の危険を感じる今、これ以上評価を下げたらどうなるか分かったものではない。

スイムスイムの顔色を窺っている自分にどうしようもない苛立ちを感じるが、仕方ないのだ。

 

ルーラは自分を納得させた。

先程から、自分が抵抗もなく人の下に入っていること(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)に何の疑問も抱かず。

 

 

ーーーーー

 

 

☆スイムスイム

 

スイムスイムは、今表情に感情を見せないよう限界まで努力をしていた。

スイムスイムは見てしまったのだ。

ライデンに弱気になっているルーラを。

 

カラミティ・メアリに対しては、敵意はあったがいつか倒すという、下に見られることに強い怒りを感じていた。

だが、さっきのルーラは違う。

ライデンに憤るどころか、保護してもらえるのを安心している節すらあった。

 

何度も見間違いだと思ったが、スイムスイムは記憶には自信がある。

見間違いではないのだろう。

 

ああ、とスイムスイムは理解した。

 

ルーラはもはや『ルーラ(・・・)ではない(・・・・)

 

スイムスイムが憧れたお姫様であるルーラは、もういないのだ。

そこにあるのはタダの抜け殻。

そう思った途端、吐き気がした。

どうしようも無く気持ち悪い。

吐いてしまえばどんなに楽か。

 

だが、だめだ。

スイムスイムは決めたのだ。

自分自身が、ルーラになる(・・・・・・)と。

そのためには、こんな所で痴態を見せるわけにはいかない。

ルーラなら、『本物のルーラ(・・・・・・)』ならそう言うだろう。

 

吐き気を堪えながら、寺に先程感知した三人を入れようとするライデンに小言を言うルーラを、スイムスイムは見つめていた。

本来のルーラなら怒鳴り散らすはずだ。

 

やはり、違う。

もうあれは、ルーラじゃない。

そして、ルーラは一人で充分だし、抜け殻など邪魔なだけだ。

スイムスイムはルーラを強く見据えながら、ルーラなら今からどんな行動を起こすか悩み始めた。

 

 

ーーーーー

 

 

☆スノーホワイト

 

寺には五人もの魔法少女がいた。

もちろん、チャットからある程度の情報は聞いている。

ルーラ陣営の魔法少女達だ。

 

ルーラはこちらを睨んでおり、スイムスイムとミナエルとユナエルはこちらを見てすらいない。

たまは一度目が合ったが、怯えるように物陰に隠れてしまった。

この中では仲良くなれそうだと思っていたのに…。

と、スノーホワイトが人知れずションボリとしていると、物陰からたまがこちらを覗いていた。

そのたまから、心の声が聞こえてきた。

 

(うう…、三人とも怖い…、でも白い魔法少女の子は優しそうだったのに隠れちゃった…。怒ってるのかな…、謝った方がいいのかな…どうしよう)

 

チラチラとこちらを覗きながら、そんなことを考えているたまだったが、スノーホワイトには丸聞こえで、そんなたまを微笑ましく思い、つい顔を綻ばせてしまった。

すると、たまもこちらの表情が柔らかいことに気づいたのか、恐る恐るこちらへにじり寄る。

 

それを迎えるように、スノーホワイトも少しずつたまの方へ近づく。

お互い無言で会話をしながら近づきあっていると、それを見て不思議に思ったラ・ピュセルが声をかけた。

 

「…何やってるんだ?」

 

「ッッ!」

 

「あ……」

 

すると、突然声をかけられて驚いたのか、たまはまた物陰に隠れてしまった。

 

「…え、ちょっと何だよスノーホワイト。な、なんでこっち睨むのさ。…え、ちょっ、何?え、わ、私が悪いのか?…わ、分かったから。そんなに睨まないでよ…」

 

じとーっと、スノーホワイトがラ・ピュセルになんとも言えない視線を送っていると、流石に居心地が悪かったのか、ラ・ピュセルはたまの方へ謝りに行った。

 

 

ーーーーー

 

 

☆ラ・ピュセル

 

なぜかたまに謝れと、スノーホワイトに言われている気がした。

気がしただけなのでしなくてもいいはだが、スノーホワイトのこの視線を長時間受けるのは辛い。

そう判断したラ・ピュセルは、素直に謝ることにした。

 

できるだけ驚かせないよう、ラ・ピュセルはたまに近づいた。

相変わらずたまはビクビクしている。

 

「…えーっと」

 

「ビクッ!?‥‥」

 

ビクビクしながら聴く体制を取ったたまに、ラ・ピュセルが話しかける。

 

「そ、その…すまなかった」

 

「‥|´-`)チラッ」

 

ラ・ピュセルのハートに10のダメージ。

 

「(何この可愛い生き物)…私も、悪気は、なかったんだ…」

 

「‥|´-`)ウンウン」

 

ラ・ピュセルのハートに80のダメージ。ラ・ピュセルは瀕死だ。

 

「(え、待ってなんでこんなに可愛いの頭撫でたい)……ハッ!…コホン、その、ほら、…と、友達に、ならない?……私と」

 

「.*・゚(*º∀º*).゚・*.✨✨」

 

ラ・ピュセルのハートに500のダメージ。ラ・ピュセルは堕ちた。

 

「(うんよし)結婚しようこっちおいで」

 

「え」

 

「( *´ -`))´ω`)スリスリ」

 

たまは女神のような表情を浮かべるラ・ピュセルに安心しきっている。

ラ・ピュセルは放っておけばそのまま昇天しそうだった。

というか半分していた。

 

(はあ…もうこのまま死んでもいいかもしれない…)

 

「ちょっと待っ「ちょっと待った!!」

 

流石に止めようと声をかけようとしたスノーホワイトだったが、ライデンがそこに割って入った。

 

「私にNTRの属性は無いんだぞー。ということでたまちゃんを寝盗られるわけにはいかない!」

 

「そんなことどうでもいい。この娘が安全に暮らせる環境を整える。それが第一だろう」

 

「概ね同意だけどどうでも良くない。ちょっといい加減離れろ」

 

ライデンとラ・ピュセルの間でバチバチと目線がぶつかる。

さらにライデンが太鼓を叩き、電気を体に纏う……ように見えたが、纏ったビリビリに怯えたたまを見て慌てて魔法を解除した。

その時ルーラがライデンに話の続きを求めた。

マジカロイド44と、これからについて話し合っている途中なのだ。

 

「ちょっとライデン。まだ話は終わって…」

 

「ラ・ピュセル?その子はそこにいると危険よ。早く手放しなさい」

 

「貴女のビリビリの方がよっぽど危険に見えますが?」

 

聞いちゃいねえ、というルーラの愚痴もライデンには聞こえていない。

周りで、スノーホワイトはラ・ピュセルをあんなにまで魅了するたまに戦慄しており、ピーキーエンジェルズは面白そうだからと見物。

スイムスイムは、たまのその魅了の力を何かに生かせないか検討しており、マジカロイドは欠伸をしながら見物していた。

 

誰も真剣な雰囲気を纏っていない。

ルーラは思いっきりため息をつくと、ラ・ピュセルとライデンの決闘(下らない道化)が終わるのを待ちながらこれからの事を考えだした。

 

 

この時はまだ、誰も知らなかった。

こんな平和な日々が続く期間は、もうほとんど残っていないと。

 




先に言っておくべきでした。
すみません。
深夜テンションで書いたので消すかもしれないです。
まあ不穏な空気を混ぜながらも魔法少女達が楽しくやっているのが分かってくれたら嬉しいです。
マジカロイド空気だ…許せ。
ホントにノリで書いたので、色々言いたいことがあるかもしれませんが、ご了承ください。

感想や評価、お待ちしております。
モチベとか湧きます。
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