魔法少女育成計画 electric   作:怠惰のブルーコ

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ちょっと空いたけど続き書けました。
なんだか最近は色々なまほいくのSSが読めて幸せですね。
でもみんな更新ちょっと早くない…?
それではどうぞ。


第七話

☆ラ・ピュセル

 

ライデンに話に行く。

スノーホワイトにそう言われたラ・ピュセルは、どう返事をしようかとても迷った。

 

確かに一度会ったときの印象とファヴが言う中のライデンはイマイチ噛み合わない。

ファヴが嘘を言っている可能性もある。

 

ただ、もしもファヴが言っていることが本当で、会った途端に襲いかかられたら。

その可能性も無くはないのだ。

 

スノーホワイトは優しい。

だがそれ故の甘さもあるのだとラ・ピュセルは思っている。

 

情報が足りない現状では会いに行かないのが懸命だとは思う。

ただ、スノーホワイトはそんな言葉では説得できなさそうな雰囲気を纏っている。

強い意志があるのだ。

 

「それで、ラ・ピュセルはどうする?」

 

「私は…」

 

そうちゃんと呼ばずにラ・ピュセルと呼ぶあたり、スノーホワイトの真剣さが感じられる。

いつまでも待ってもらう訳にはいかない。

ラ・ピュセルは応えた。

 

「…うん、私も行こう。ライデンの事は気になるし、スノーホワイトを守らないいけないしね」

 

私の答えに、スノーホワイトの表情は真剣なまま、笑顔に変わった。

 

 

ーーーーー

 

 

☆ライデン

 

深夜の街を、黄色い魔法少女が疾走している。

今、ライデンは、ルーラ一派が集まる寺に向かっていた。

 

あれから自分の管理者用端末と、魔法少女になった時の端末を試したが、どちらも使えなくなっていた。

ファヴの仕業だ。

憎たらしいマスコットキャラクターの顔が頭に浮かんだので、それを使って脳内サッカーをした。滅、ポン畜。

 

いや、今はそんな事よりさっさとルーラに協力させなければ。

このまま魔法少女全員を敵に回してしまえば、端末をどうにかするまでに、恐らく大量の犠牲を出す事になってしまう。

ライデンにとって、敵対者を手にかけるのに抵抗など無い。

 

ただ、そんなことをすれば魔法の国が黙っていない。

勿論報告しなければいいのだが、ファヴはライデンが候補生とクラムベリーを手にかけたことだけを報告するのだろう。

そんなことをすれば、ライデンは即座に試験官を下ろされ、もしかするとあの(・・)牢獄行きになるかもしれない。

 

恐ろしい想像を振り払い急ぐために、4の魔法を使って高速移動する。

ルーラ達の拠点へ到着すると、ルーラがたまを叱っていた。

普段ならルーラをちょっと虐めて楽しむところだが、生憎時間は限られている。

ライデンは4の魔法を解除するのも忘れて話しかけた。

 

「たまちゃんを虐めるのは許さないぞー」

 

声をかけると、驚いたようにこちらを見るルーラ。

周りにいたスイムスイム達も気づくのが遅れていた。

気づかないとかちょっと警戒心が薄すぎるな…と思案しながら、ライデンはルーラに話しかけた。

 

「さて、時間が無い。単刀直入に言おう」

 

流石に唐突過ぎたかと思ったが、ルーラは何となく急いでいる雰囲気を感じたのか、素直に頷いた。

やはり能力は優秀だ。

少し自信過剰な所がネックだが、本当に頭は良いのだろう。

 

「ファヴをどうにかするのに、君たちに協力して貰いたい」

 

「…ファヴですって?」

 

「そうだよ。ファヴは私を陥れるために色々やってる様だからね」

 

そう言いながら4の魔法を切る。

本当はルーラ達に襲われる可能性があるため付けたままの方がいいのだが、ルーラ達の戦闘力は高くない。

たまに引っかかれるか、ルーラに命令でもされない限り大丈夫だろう。

まあ単純に電力が勿体ないというのもあるのだが。

 

とにかく、まずはルーラ達に現状を理解してもらうために、この試験の真の目的…つまり、クラムベリーとファヴの仕組んだ殺し合いについて、説明することにした。

 

 

ーーーーー

 

 

☆スノーホワイト

 

 

ライデンに会いたいという連絡をしようとしたが、ファヴにダメだと断られた。

現在ライデンの魔法の端末は使用出来なくしているようだ。

 

それを聞いたあと、ファヴはこちらに忠告してきた。

 

「ライデンに関わってもいいことなんか無いぽん。みんなに敵扱いされてもいいのかぽん?やめといた方がいいぽん」

 

「それでも一度話し合うべきだよ。他にもシスターナナだってそう思うはず」

 

「私もそう思う。確かに危険かもしれないが、スノーホワイトは私が守るさ」

 

「…どうなっても知らないぽん」

 

そう言うとそれっきりファヴは黙り、ライデンの居場所も教えてくれなかった。

そこまで私たちに会わせたくないのか。

怪しい。

 

スノーホワイトの中でファヴに対する猜疑心が高まっていく中、ライデンがルーラ達の方に向かったという情報が入った。

情報の出どころは、マジカロイド44という魔法少女で、どうやら彼女もライデンの所へいくつもりだったらしい。

嘘をついている様でもないので、三人は共に向かうことにした。

 

「アナタ達はファヴの言うことを信用していないのデスか?」

 

「うーん。信用してないというより、信じられなかったというか…」

 

「つまり、ライデンさんのことを信用している、と」

 

「まあ…そうだね」

 

少し照れたのか、困ったようにスノーホワイトは笑った。

するとラ・ピュセルが聞いた。

 

「君はなんで会いに行くんだ?」

 

「私デスか。私はアナタ達のように信用しているとか、そういう訳ではないのデスが…」

 

「じゃあ、どうして?」

 

「…単純に強いからデス。話に行く、というより、敵にならないように交渉する、という感じデスね」

 

それを聞いたスノーホワイトとラ・ピュセルが、何とも言えない微妙な視線を送るが、マジカロイドは肩をすくめた。

 

「まあお二人の言いたいことも分かるんデスが、こちらだってカラミティ・メアリのようにはなりたくないデスし。敵対だけは避けたいんデスよ」

 

「…でも、それだとライデンがファヴの言う通りの人物でも、味方になるってこと?」

 

「…まあ、そうなりますね」

 

一瞬ラ・ピュセルが目を細めて剣呑な空気を漂わせるも、おどけたようなマジカロイドの様子に毒気を抜かれ、苦笑いのような顔をした。

 

「おっと、ライデンがいるのはあそこデスね」

 

マジカロイドが空気を変えるように呟いた。

 

彼女が今日使える未来の便利な道具は、探したい人を入力すると、その人の居場所が分かるというもので、便利だが一日限定だと微妙な道具だった。

ただ、今日に限っては都合がよく、丁度これのおかげでライデンの居場所を突き止めることができたのだった。

 

スノーホワイトとラ・ピュセルの表情に緊張が見えだし、マジカロイドは自分をどう売り込むか、もう一度シュミレーションしだした。

 

そんなふうに、3人がなかなか寺に向かえないでいると、逆に寺の中から当人がでてきた。

 

「えーと、私へのお客さん…だよね?」

 

「どうもお久しぶりデス、ライデ…」

 

「ライデン!」

 

マジカロイドがライデンに話しかけようとした時、重ねるようにスノーホワイトが大きな声で呼びかけた。

それに応えるように、ライデンがスノーホワイトの方を向き、話を聞く体勢をとる。

マジカロイドが何か言いたそうな目をしながら、後ろでスノーホワイトを見守るラ・ピュセルの隣へ下がったが、誰も気にもとめなかった。

 

「貴女が…クラムベリーを自分の快楽のために殺したっていうのは、本当なの…?」

 

「…は?」

 

「え?」

 

意を決したように問いかけたスノーホワイトに対し、ライデンは首を傾げた。それに釣られるように、スノーホワイトまで思わず首を傾げてしまった。

そのまま両者は動かない。

 

「…何のコントデスか」

 

ここで思わずツッコミを入れたのは、(´・ω・`) ショボーンな顔でそれを見ていたマジカロイドだった。

 

「…ちょっと良く分からないんだけど、何、それ。もしかしてファヴがそんなこと言ってたの?」

 

「う、うん。そうだけど…。チャット見てないの?」

 

「ファヴが見してくんないんだよねー。というか魔法の端末が使えないし」

 

「あ、そういえば…」

 

ここでスノーホワイトは思い出した。

ファヴは確かに言っていた。

彼女の魔法の端末を使えなくしていると。

だがそれなら、今の反応を見てようやくわかった。

 

「やっぱり…ライデンはそんな事しないよね」

 

「…よく分かんないけど、まあとりあえず話を聞こうかな。そっちのマジカロイドちゃんと、ラ・ピュセルちゃんからも。後は私からも話すことがあるし」

 

そうして4人は、ぞろぞろと寺の中に入って行き、勝手に三人を中に入れたライデンはルーラにグチグチと小言を言われるのだった。

 

 

ーーーーー

 

 

☆ライデン

 

あ、危ねー。

まさかスノーホワイトがあんなことをどストレートに聞いてくるとは…。

 

ライデンのぽかんとした様子は、半分は演技ではなかった。

ライデンがクラムベリーを殺したのは、勿論タダの殺し合いである試験を止めさせるため(それも魔法の国に成果を持ち帰るためなのだが)でもあるが、森の音楽家クラムベリーと戦ってみたい、という願望も少なからずあったのだ。

 

スノーホワイトから案外的を射ていることを聞かれた事自体に動揺し、また、そのお陰で後ろめたい気持ちを隠すことができた。

ともかく結果オーライ。

この雰囲気ならスノーホワイト達()仲間になれそうだ。

 

特に、ライデンはスノーホワイトに目をつけていた。

その純粋さと可愛らしさからお気に入りだったということもあるが、魔法が心を読む類の魔法なので、上手く行けばファヴをどうにかする方法がわかるかもしれない、とも思っていたため、彼女が仲間になるのはとても有難い。

 

ライデンは内心ほくそ笑みながら、スノーホワイトに心を読まれないよう必死に、スノーホワイトに勘違いされたら困る、と思うようにしていた。

 

 

だからだろうか。

瞳に怪しい光を持った、スイムスイムに気づかなかったのは。




殺伐とした無印まほいくに癒しをもたらすのは、スノーホワイトの純粋さや、ハードゴア・アリスやたまの健気さ。みんな大好きです。
という訳で、そろそろアリスを出したい今日このごろです。本編ではスイムスイムが不穏な空気を出してますが、安心してください。ライデンに抜かりはありません。

息抜きでちょっとした別のSSを書いていますが、結構書くの楽しいですね。良かったら見てみてください。
無印までにしようかと思ってたけど、オリジナル絡めてrestartまでやろうかな…。と言ってもまだ2話しかないですが。
因みに作者は原作ではrestartが一番好きです。丁度アニメの続きだし、みんなも原作読もう!

それでは、続きはまた暫しお待ちください。

感想や評価、お待ちしております。
モチベとか湧きます。
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