多少カップリング要素ありますので気になる方はご注意を。
「……本当にここにいるの?」
「うん、そうだよ」
マスターに連れられて案内された先は、予想の斜め上を行く場所だった。
「……でも、ここは」
「ここって、食堂ですよね? 人間がご飯を食べるっていう……」
「そうだよ?」
私の言葉を遮り、(なぜか)ついてきたパッションリップの問いにも、首を傾げ答える我がマスター。
そう、リップの言う通り、食堂だ。
食欲、睡眠欲、性欲。人間の三大欲求とされるもののうち、性欲を除くふたつは定期的に摂らねば人間は衰弱しいずれ死に至る。その摂理に従い人間は定期的に食事をする必要があるので、こうして食事専用の施設もある。このカルデアに召喚された際に付与された情報によれば、食事の作成を専門職とする人間もいるらしい。
だが、あの人はサーヴァントだ。サーヴァントの存在意義など、使い魔として活動する以外にある筈もない。
「褐色の肌に、白髪に、赤い外套のアーチャーでしょ? それならエミヤしかいないよ。似たような外見と同じ名前のアサシンならいるけど」
「……そう」
確かに、あの人は世話焼きだった。私みたいなアルターエゴを命懸けで救ったりと、サーヴァントとしてはあり得ない行動もしていた。
「わあ、私一度、食事をしてみたかったんですう」
と、リップがふんにゃりと緊張感のない顔で笑う。SE.RA.PHにいた頃では、考えられない程に柔らかな笑顔。
でも本当に何しについて来たんだか……。
「食事をしに来たんじゃないわよ。大体なんであんたがついて来るの」
「だ、だって……メルトがどうしても会いたい、なんて言う人なら私も見たいし……」
「なんでよ。貴女には関係ないでしょう?」
「か、関係なくないもん! それにメルト、口が悪いからうまく話せるかなって、思って……」
まるで今から好きな男に告白に行く女子を、応援するという建前でついてくる出歯亀だ。
余計なお世話よ、と吐き捨ててやりたいところだが、そのお節介も今ではこそばゆい。悪くない、と思う自分に辟易しつつも妙な安心感を覚える。
私は、二度のSE.RA.PHを経験し、変わったのだろう。きっと。
アルターエゴという、人間を憎み否定するプログラムとしてではなく、ひとつのメルトリリスという存在として。
「はぁ……大体、その手じゃナイフもフォークも持てないでしょう」
「う……」
「だーいじょうぶ、まーかせて! 私があーんして食べさせてあげるから!」
「ほ、本当ですか?」
「…………」
私の毒舌をさり気なくフォローしてくれるマスターもいる。
どこか頼りないマスターではあるけれど、あの彼女同様に揺れない鉄の意志と鋼のメンタルを持っている。
BBですら彼女に従うことを良しとしているのだ。そうとなればもう私を遮るものは何もない。私を取り巻く環境に、懸念すべき材料もない。
ならば自分の為に一度、けりをつけておこう――そう思って、あの人に会うことをマスターにお願いしたのだ。
「はあ……食事はいいけど、それ以上重くなっても知らないわよ」
「わ、私そんなに食べないもん!」
「あはは、エミヤのご飯は美味しいからわかんないよ?」
さて、おふざけはここまでだ。
食堂と言うからにはカルデアの職員もやって来る。晒し者になるのだけはごめんだ。人が来る前に片をつけてしまおう。
入り口に立ち、二人を振り返る。
「じゃあ、行ってくるわ。悪いけど二人にさせて頂戴」
「こ、ここで応援してるから! メルトは思ってもいないこと言っちゃうクセがあるから気を付けてね!」
「……リップ、貴女ね」
「そういう時はね、自分の気持ちに素直になるといいよ! 心からの言葉なら、きっと相手に伝わるから!」
私を何だと思ってるの、と一喝してやろうとも思ったけれど、怯えた子犬のように必死ににじり寄るその顔を見て、怒る気も失せてしまった。
お節介にも程がある――けれど、リップのその余計な心遣いも今は少しだけ、嬉しかった。
「ああもう、うるさいわね……わかったわよ、気をつけるわ」
「いってらっしゃーい」
「がんばってね!」
食堂に足を踏み入れた途端、こつん、と乾いた足音がやけに大きく響く。緊張しているのだろうか。この私が?
食堂の厨房には、エプロンを着て皿を洗っている男の後ろ姿が見える。白髪に褐色の肌。
間違いない。私が見間違える訳がない。
血の通わない
愚直なまでの正義の味方。
私は貴方に会って話をすることで、変わった自分をようやく認めることが出来る――そんな、気がする。
「ん?」
私に気付き、振り返る。
ああ、間違いない。
「やあ、初めましてだなメルトリリス。SE.RA.PHでの活躍はガウェインやトリスタンからここで聞いている。私はエミヤ、弓兵のサーヴァントだ。どうしたんだ?」
「食堂に来たのよ。食事をする以外に何かあるかしら?」
そうではないのだが、私の口は勝手に皮肉を紡ぎ出す。リップにすら懸念されたのにこの有様だ。とは言え、この加虐趣味はもはや私の一部。
「それとも私が来たら何か不都合でも?」
「そんな事はないさ、他のサーヴァントもここを利用している。何が食べたいんだ?」
「何を……?」
そう言えば、何も考えていなかった。そもそも食事が目的ではないので当たり前なのだが、口実として何か考えてくるべきだった。
「…………えっと」
馴染みがないため、食事、と言われてすぐに思い付くものがない。なんと言えば違和感なく済ませられるのだろうか、などと無為な思考が巡る。
……実を言うと、食べたいものはある。マスターの話を聞いて、一度食べてみたいと思ったのだが、あまりにも私には似合わない。マスターにならまだしも、彼の前で口に出すのは躊躇われる。
私らしくて、かつ材料がありそうで、更に普遍的な料理。
「――――」
そんなもの、料理どころか食事の知識も経験もほぼない私にわかるはずなかった。
「……実は茨木のわがままでチョコレートが大量に余っていてね、先ほどオペラを作った。君さえ良ければどうかね?」
と、なんと答えていいのかわからなくて固まっている私を気遣ってくれたのか、助け舟を出してくれる彼。
「そうね、それでいいわ」
断る理由もないので平静を装い答え、席に着く。
……ところでオペラとは何なのだろう。まさかそのままオペラの舞台が出てくる訳ではあるまい。まあ、さすがに食べられないようなものは出さないだろう。
「では少し待ちたまえ」
言って、背を向け湯を沸かし、食器を取り出す。
その大きな背中は間違いなくあの彼のものだ。
でも――――。
わかっている。
彼はあの人ではない。
姿形こそ似ているどころか同じだが、私がこの世に生を受けてから唯一慕った、あの人では決してないのだ。
気障で、皮肉屋で、現実主義かと思えばお人好しなあの人では。
「お待たせ。紅茶はアッサムで良かったか?」
「結構よ、ご苦労様」
と、目の前に置かれたのは一杯の紅茶と茶色の四角い固形物。これがオペラとやらなのだろうか。
色合いからして、先ほど言っていたチョコレート料理なのだろうが、チョコレートも食べた事はないので味の予想はつかない。召喚された際の知識では黒くて甘い、程度の認識しかないのだ。
それに紅茶の種類なんて聞いたところでわかりはしない……が、経験したことのない、いい匂いがする。
「いただきます」
現界して、初めての食事。
サーヴァントとしてほとんど意味のない行為とはいえ、私が人間に擦り寄る為の第一歩。
備え付けのフォークを手に取り、尖った先端を刺し入れると、それはほぼ抵抗なく通った。
手先の感覚はほぼない私だが、ものを持つくらいならば可能だ。言うなれば高性能の義手をつけているようなものなので、細かい動きが出来ないだけでフォークやスプーン程度なら扱える。
拙くたどたどしい動きで切り分けた一片を突き刺し、口へと運ぶ。
「……おい、しい」
産まれて初めての衝撃に、思わず声が喉をついて出る。
触感覚の鈍い私でさえしかと感じる、噛む感触さえ不確かな蕩ける柔らかさ。濃厚な甘味と香り立つチョコレートの芳香。カブリオルのように跳ね回る心地よい弾力の生地。
なるほど、これがチョコレート……。
年頃の女性を中心に好まれる、と知識にはあるが、なるほど納得のいく内容だ。
すかさず二口目。舌が初めての衝撃に慣れたためか、一度目よりも鮮烈にオペラの輪郭が感じ取れる。
続いて一緒に出された紅茶を甘味で支配された口内へ。一転して微かな苦味と共にコクのある香りが鼻腔を伝う。
なんということだ。このオペラと紅茶の組み合わせは素晴らしい。互いが互いを引き立て合い、一種の永久機関と化している。
SE.RA.PHに居た時は必要性が皆無な為、『食べる』という行為そのものに意義を見出せなかった私とリップだが、これほどの衝撃があるとは思いもしなかった。これならリップも喜んで間抜けなほどに表情を崩して食べるだろう。
「お気に召してくれたようで何よりだ」
と、その一部始終を見ていたらしい彼が、にやにやと無駄に包容力の高そうな笑顔でそんな事を言う。
「レディの食事を盗み見るなんて貴方、いい趣味を持っているとは言えないわね?」
「盗み見るとは人聞きの悪い。ここに食事をしに来たのは君の方だろう?」
「む……」
「冗談だよ、失礼した。あまりにも美味そうに食べるものだからつい見入ってしまった」
「――――――――」
その彼の困ったような笑い顔は、SE.RA.PHにおいてついぞ見なかったものだ。
何かに追われて裂帛した状況ではあんな顔は出来まい。
信頼できる仲間と、安心できる場所、共にひた進める目的。それらの全てが、ここカルデアにはあるのだろう。
――そう。
貴方は、今が幸せなのね。
……よかった。
「……その、本当は、ケーキというのを食べてみたかったのだけれど」
「……ケーキ?」
気が緩んだからか、隠し通すつもりでいた本音がほろりと漏れた。
仕方ない、今更誤魔化したところで滑稽なだけだ。
「ええ、女子供が好むと聞いたわ……可笑しければ笑いなさいな」
「なに、そんな事はないさ。大の大人でも好んで食べる者は大勢いる」
「マスターがとても美味しいから一度は食べてみなさい、と言うものだから」
「……ちなみに、それがケーキというものだぞ」
「えっ? うそ……これがケーキ? そうなの?」
「ああ、広義的には間違いなくケーキだが?」
なにかおかしいかね、と首を傾げる。
「……マスターに聞いた話では、白くて甘くてふわふわしてると聞いたから」
「それは生クリームを使った一般的なスポンジケーキのことだな。チョコを使えばこの通り黒くなる。ケーキを食べたかったのならば最初からそう言え。マリーやナーサリーなどお茶会を開きたがる輩が多いせいで、ケーキならば他にも作り置きがあるぞ?」
「そ、そう……」
図らずも密かな目標を達成してしまい、気が抜けてしまった。
彼の言う他のケーキとやらも興味が尽きないが、今日はケーキを食べに来た訳ではない。
「ところで、話とは何だ?」
「話?」
「外でマスターとパッションリップの三人で何やら喋っていただろう? 女性同士の会話に聞き耳を立てるほどデリカシーが欠如しているつもりはないので何の話かは知らんが、結果一人で来たからには私個人に用があるのではないか?」
「……そうね、大事な話よ。私にとっては、ね」
今日の本来の目的。
私と貴方の関係の清算、というのは意味合いが違うか。何しろ彼にとって私は新たにカルデアにやって来た一体の新たなサーヴァントに過ぎない。
それに――、
「でも、もういいの」
彼と少し話し、オペラケーキを口にした事でどうでもよくなってしまった。
こんなにも楽しそうに。
まるで普通の人間であるかのように。
そんな振る舞いを見せられたら、もう何も言えない。
純真無垢な赤子に説法するようなものだ。何を言うのも馬鹿らしくなる。
「……その様子だと、どこか別の世界で私に似た者に会ったのか」
「そうね、そんなところよ」
「私は他の英霊とは違い、人に語り継がれた結果英霊となったのではなく、世界そのものと直接英霊の契約をしている……どの時代でもどんな場所でも召喚されて役目を果たす便利屋としてね」
「そう」
だからか、名もない英霊があのSE.RA.PHに現れたのは。
「だからと言う訳ではないが、すまない。今ここにいる私は君の事を一切知らない……が、君の知る別の私が何か失礼をしたのならば代わりに謝ろう」
「やめて頂戴、そんな事じゃないわ」
「いや、ここにいる私が知らぬとは言え、女性に失礼を働いた罪は深い。私に出来る事はないか」
「……っ!」
ぐい、と強引に迫ってくる彼。その誰にでも優しいドンファン振りも変わらないのね。蹴り飛ばしてやりたいくらい。
「あ――え、っと、その、」
「……メルトリリス?」
「…………っ」
なんでだろう。
声が出ない。
彼の顔が近付くのに比例して、胸が高鳴りが速く、大きく増して行く。思考はかき乱されまともに考えることなんて夢のまた夢。
そんな人間みたいな
「おい、メルトリリス?」
急かさないでよ、デリカシーのない男ね。
そんな呆れの感情とは裏腹に、頭の中がぐるぐるとかき回される。
話。何を話せば? こういう時、この人は違う、でも同じ、駄目、ああ。どうしたら――、
『そういう時はね、自分の気持ちに素直になるといいよ!』
混沌とした思考の中、先ほどのリップの言葉が脳裏に浮かぶ。なによ、私より精神年齢幼いくせに。
素直――私の、素直な、気持ち。
なんだったっけ、ああ、思い出した。
それは、
「……………………すき」
「――――」
ぴしり、と空間に亀裂が入った音が聞こえた気さえした。
彼と私の周囲が、固有結界に囚われたかのように時間停止する。
「――――――――っ!」
勢いで口にした言葉を理解してしまうにつれ、顔を中心に全身が加温されていくのを感じる。
当たり前だ。気に入ったものは本人の意思なんて関係なしに所有物とすることで好意を示す私が、よりによって思春期の小娘みたいに囁くことしか出来ないなんて。
見ると、入り口ではリップが嬉しそうに頬を染め、マスターがガッツポーズをするのが見えた。後で覚えてなさいよ。
それよりも優先されるべきは、この状況の打破……ならば!
「す、隙ありっ!!」
「ふぐぉっ!?」
身を沈め、軸足に全力を込めて鳩尾に突き蹴りを叩き込む。私の脚技は手を使えない分、他の英霊よりも特化していると自負している。そう、大の男であろうと身体が浮くくらいには。
すぐさま垂直に跳躍。宙に浮いた彼を地に落とさないよう、跳躍の勢いを利用し下から上への膝蹴り、左右の脚でのサマーソルトを一撃ずつ。蹴りによる慣性の法則でバック宙した後、背中から魔力を放出、前方への推進力とする。もう意識はないのか、されるがままの彼の身体を百八十度の前後開脚で蹴り上げ浮力を維持。その勢いでかかと落としを腹部に入れる。このままでは地面に落下してしまうので、彼の腹筋にめり込ませた踵をそのままに空中で前方宙返り。頂点で脚を抜き、共に重力に引かれながら落ちる中、念の為、渾身の胴回し回転蹴りを側頭部に叩き込む。
「出たァーっ! メルトの空中浮きっぱなし七連コンボ!」
「メルト……」
「……はあ、はあ……」
受け身を取る意識もないのか、地面に叩きつけられぴくりとも動かない彼。
具足はつけていないとは言え、私の蹴りを余すことなく受けたのだ。ここまでやっておけば先ほどの記憶もきれいさっぱり消えていることだろう。うん、これでいい。
「……さて」
食堂の入り口へと歩を進め、マスターとリップの元へと。
「おかえりなさいメルト、やったね!」
「いやー、メルトがここまでピュアだとは思わなかったよ。可愛いなぁ」
「…………」
「メルト?」
「貴女たちの記憶も消さなければいけないわ……そうよね。そうだわ。そうでしょう?」
「 」
「 」
私とあの人とのお話は、これでお終い。
彼はエトワールじゃなく、私もプリマじゃない。
後は、お馬鹿なマスターと一緒に、精々無様に華麗に踊るとしましょう。
//
「殿…………エミヤ殿?」
「む……?」
身体と声に揺り動かされ、意識が覚醒する。共に開いた視界に入って来たのは、髭をたくわえた作家サーヴァント、シェイクスピアの姿だった。後ろには同じ作家のアンデルセンの姿も見える。
「なんだ……どうした?」
「どうしたはこちらの台詞です。ここに来たら貴方が倒れていたのですよ」
「倒れて……?」
どうにも記憶が薄い。確か、メルトリリスが来て、オペラケーキを出した辺りまでは覚えているのだが……。そのメルトリリスの姿もない。身体の節々も痛む。何があったのかわからないが、後ほどメルトリリスに聞くとしよう。
「大丈夫ですかな?」
「サーヴァントが倒れるとは抱腹絶倒ものだな。求められるからといって働きすぎなんじゃないのか?」
「いや、〆切に魂を削ってる君達に比べたら無理はしていないよ……ところで何か用かね」
「いやなに。原稿に一区切りつきましたので、一杯やろうかとアンデルセン君と話が弾みましてな」
「先日、御伽噺で意気投合した鬼にこれを貰ってな。聞けば酒に非常に合うという話じゃないか」
と、アンデルセンが片手に吊り下げるのは、小振りな木製の容器。アンデルセンが僅かに蓋を開けると、きつい匂いと共にイカの塩辛のような色合いが見える。
「これは酒盗か?」
「ああ、いい機会だからこの際、片付けてしまおうと思ってな……ワインを出せ」
「構わんが酒盗にワインは合わんと思うぞ……」
酒盗は魚の内臓を発酵させたものだ。匂いも味も濃厚で好き嫌いが分かれるところだが、文字通り酒を盗むと言われるほど酒が進むので、肴としては優秀だ。意気投合した鬼とは恐らく酒呑童子のことだろう。
「じゃあ日本酒だ。冷酒にしてくれ」
「では我輩も同じものを……おや、これは何ですかな?」
「ん?」
シェイクスピアの指摘に目を向けると、机の上に小さな人形がひとつ。
「お前を模した人形に見えるが?」
アンデルセンの言う通り、その手のひらサイズのガレージキットは、確かに私をモデルにデフォルメ化した物のようだった。
が、なぜそんな物がここにあるのか見当もつかない。
「いや……全く心当たりがない」
「ふむ、稚拙なれど細部にまで拘りが見えますな」
確かに所々塗装が雑だったり細かい造形が欠けていたりと出来がいいとは言えなかったが、私を再現しようとしている心意気は読み取れた。
「はは、在り方が歪なところまでお前にそっくりじゃないか。どこの物好きが作ったのかは知らんが、貰っておけ」
「ああ……そうするよ」
「では腹ごしらえも兼ねてアルコールで胃を痛めない為にもまずは食事を頼みましょう! 我輩は袋ラーメンを塩で」
「俺は醤油だ。海苔とゆで卵もな」
「了解、少し待ってろ」
その小さな人形を、厨房のよく見える場所に置いておく。
あまり考えにくいが、誰かから私へのプレゼントで、私が昏倒していた間に置いていったのかも知れない。
もしそうならば、その内誰かが名乗りあげるだろう。