間違いの先に   作:さまそくん

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#1【序章】
【#001】比企谷八幡は、終わりの始まりの線に立つ


「じゃ、戸塚…と材木座。また今度な。」

 

 

 

「うん!八幡、今日はありがとね。」

 

 

 

「我の扱い酷k」

 

 

 

俺はthe・天使の戸塚と厨二に別れを告げ、第二の天使こと小町の待つ我が家に帰る。

帰ったらBLEACHの続きを見なければ。藍染惣右介どうなったのか気になる。

 

 

「…買い物頼まれてたっけな。」

 

 

 

俺は戸塚と過ごした幸せかつ恍惚なる時間(とBLEACHについての考え)のおかげで忘れかけていた…否、完全に忘れていた小町の頼み事を思い出した。「じゃがりこと小町がいつも読んでる雑誌買ってきて!お兄ちゃんよろしくね〜♪」なんて言ってたか。近くにコンビニがあることだし、俺はそこに入ることにした。

 

 

 

「っし!買って帰るか。」

 

 

 

小町に頼まれたじゃがりこと雑誌を手に取り、レジへ並ぶ。値段は思ったより安く、1000円以内で収まった。俺の財布の中も安心。男は女に奢ってやるのが当然だ、とか言ってる奴いるけど、俺はそうは思わない。化粧に気を使ってるから、服に金かけてるから、あん?知らねえよ。誰も頼んでねえだろ。そもそも俺そんなやついねえよ。

 

 

 

「ありがとうございましたー」

 

 

 

皮肉を内心に噛み締めつつ、店員の元気な声を背景にし、俺はコンビニを後にした。いつもお疲れ様だな。おでんツンツンするおっさんが出ないことを祈る。

 

なんて、下らないことを考えていると、交差点に差し掛かる。誰が建てたのかもわからない馬鹿みたいにデカイモニターにニュースが映る。

 

 

 

【喰種による被害は続発しており、今後ともCCGによる対処を行うに伴い、喰種0化を善処するとの事です。】

 

 

 

「…喰種、か。」

 

 

 

喰種。

曰く、化物。

曰く、人の形をしながら人を食す。

曰く、攻撃が通用しない。

曰く、触手の様なものを出す。

曰く、曰く、曰く。

実際にあったこともないから知らないが、その様な噂が絶えない。総武高校でも話題になっている。まあ俺友達いないから横見に挟んだだけなんだけどね!「怖い…」とか言いながらビシッとガシッと抱き合ってる。ハハッ。俺そんなことする友達いないんだけどね!

 

そんな時だった。

 

 

 

「…ん、戸塚?」

 

 

 

先程別れたばかりの戸塚と出会った。

 

 

 

「…や、八幡。八幡はさ。喰種って、本当にいると思う?」

 

 

 

いきなりそんな事言われても。と言おうとしたが口篭る。まあいてもいなくても俺に支障はねえな。

 

 

 

「実感が無いな。実際に会ってるわけでもねえし。」

 

 

 

俺は俺の思いをそのまま戸塚に伝えた。前髪で隠れたその表情は分からない。声は震えてはいるが、泣いてはいないだろう。そんな戸塚も可愛いよ!!

 

 

 

「…そっか。八幡、よく聞いて。」

 

 

 

その言葉を聞いた戸塚は、笑顔で俺に近付いてきていた。嫌な予感がする。第六感というやつだろうか。

 

 

 

「僕ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喰種なんだ。」

 

 

 

あー。やっぱり…。てか何でいきなり俺に言い出すの戸塚。

 

 

 

「でもね。僕は〝人〟として生きてるつもり。八幡とも…友達だもん。」

 

 

 

うるっと来た。喰種でもなんでも構わない。こいつ天使。俺の天使。

 

 

 

「戸塚。俺もお前はと…もだちだと思ってる。安心しろよ。誰にも言わねえし。」

 

 

俺のその言葉に、戸塚は泣きながら抱き着いてくる。ああああああ幸せ!!凄く幸せ!!

 

 

「ありがとう…八幡…!」

 

 

「っお、おう…」

 

 

 

幻想郷はここにあった。だが博麗の巫女やら白黒の魔法使いやらは見当たらない。でもここは幻想郷。

そんな満身創痍の中、何か音が聞こえた。紐が切れる音。

 

 

 

 

「…!!八幡、危ない────」

 

 

 

刹那、俺と戸塚に鉄骨が降ってくる。戸塚は俺に覆いかぶさる様な体勢をとり、まるで俺を守るようにしている。いきなりの展開すぎて頭が回転しねえよ。どうなってんだ。

 

 

 

「八幡────ッ!!」

 

 

 

戸塚は赫子という触手の様なものを出して、鉄骨を弾こうとする。赫子まで可愛いってなんだよ。

だが、戸塚の赫子は鉄骨を全て弾くことはままならず、数多の数の鉄骨が俺達に降り注ぐ。

 

 

 

 

(せめて……八幡だけでも…ッ!)

 

 

 

 

戸塚は、赫子で俺を覆う様に囲った。エアバッグの様な使い方だ。

 

死に際というのは、どうも過去の事がフラッシュバックするそうだ。走馬灯、とも言う。

俺の場合もそれはあった。現在進行形だ。全ての光景がスローモーションになり、何も考えられなくなっている。METAL GEAR SOLID Vのリフレックスモードかよ。

 

戸塚とテニスした思い出。

戸塚と職場見学した思い出。

戸塚に体育祭で癒された思い出。

戸塚とデートした思い出。

 

あれ、戸塚しかいねえ。でも、幸せだ。

 

 

刹那、俺の意識が黒一色に染まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△▼△▼△

 

 

 

 

 

 

 

 

ん────幡!…ち────

 

 

 

 

 

俺を呼ぶ声が木霊する。戸塚でもない、小町でもない、雪ノ下でもない、由比ヶ浜でもない、平塚先生でもない、葉山でもない、一色でもない、誰かの声。それは誰なのかはわからない。知りたくもない。俺は死んだのか、生きているのか、将又生死の境にいるのか。それすらも分からない状態だ。戸塚は平気かな。戸塚は無事かな。そんな事すらも考えられないほど、全てが〝真っ黒〟。

 

少し経つと、黒が白へと変わり、やがて光景を作っていく。

 

 

 

 

「────」

 

 

 

 

知らない天井だ。エヴァのパイロットも真っ青の知らない天井。ん?俺NERV来たっけ。

まだ覚醒しきっていない意識で、周りを見回す。やはり戸塚の姿は影も形も無い。だが、何故か気配と言うかなんというか、戸塚がどこかにいるような気がした。

 

 

 

「比企谷さん。調子はどうですか?大丈夫ですか?」

 

 

 

誰だお前。

 

ナースだった。

そして、俺は全てを理解した。

 

 

 

俺は過去、幾度となく悲劇を迎えてきた。

それは積み重なり、今では【黒歴史】として語られる。

俺は過去、幾度となく悲劇を迎えてきた。それは積み重なり、今では【黒歴史】として語られる。だが、今の俺はそんなチャチなもんじゃ語れない。

 

大切な友さえも失い。

人として生きる喜びを無くし。

新たな人生の始まり。だが、それは強くてニューゲームだとかじゃない。輪廻転生とかでもない。

 

 

 

 

終わりの始まりだ。

 

 

 




第二作品となります
クロスオーバーが大好きなもので、何故か書いてしまうのです。俺そんな余裕ないんですけどね!!
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