【#013】嗤う道化師
あれから、2ヶ月の月日が流れた。あの原稿から俺の小説家としての人生が始まった。まず、代表作として短編「腐」を出した。これは俺の考えを綴った物だ。その中で綴られた俺の考えは日本中に広まり、今では「ぼっち最強理論」というネット用語として使われる事も少なくはない。
本名は名乗る訳にはいかないとなり、戸塚、川崎、エトさん…そして、小町。彼ら彼女らから名前を取ることにした。
「
俺はこう名乗っている。
町は小町から、崎は川崎から、愛はエトさんから、加は戸塚から。名前だけ見れば女性に見えなくもないが、中身は紛れもない男だ。
そして、喰種としても本格的に活動を始めた。
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「ウタさん、あれ」
「ん…?あ、よく見つけたね、ぼーっとしてた」
「マイペースですね、そんなウタさんも嫌いではないですが」
「好きとは言ってくれないんだね、ぼくはキミの事友達として結構好きだけど」
ウタさん。これは俺のパートナーであり、友達だ。ウタさんが赫子を使っている所はあまり見た事がないし、好き好んで誰かを殺しているという訳でも無さそうだ。
だが、ウタさんは「無表情」と言われるSSレートの喰種だ。その実力は計り知れない。
それに加え、俺。道化師の中でもトップクラスの強さを誇るらしく、CCGからは「
まず、6本の黒い翼。気が付いたら何か白から黒へと変色していた。そして、その黒はまるで濁っているかの様に、何も見えない。それをずっと見つめていると、精神が壊れそうな程、SAN値が削られる赫子らしい。
そして、マスク。これはウタさんに作ってもらったのだが、例えるのなら、METAL GEAR RISINGの雷電みたいな感じだ。
そんな2人で、今はCCGの観察をしている。「キミの小説のネタもできるかもしれないよ?」と言われたら断れないだろう。
(見覚えがあるな…あの後ろ姿…もしかして)
「あれ、あの人、宇井 郡じゃない?」
宇井郡。CCGの特等にして、俺の天敵。
「仕掛けよっか?」
ウタさんは俺の方を向き、気だるけな声でそう言った。俺もその意見に賛同して頷き、マスクを装着する。
「じゃ、行こうか。
「ええ、行きましょう。
△▼△▼△
「!!お前は!!」
突然の襲撃に、焦る宇井 郡。そんな中でもクインケを展開できる優れた瞬発力は素直に褒め讃えよう。
「…しかも虚無の翼、
「グダグダ言わずに、殺らなきゃだぞ。殺られる前に殺る。これが普通だろ」
「言ってくれるじゃないか、それは私を馬鹿にしているのか?」
「自覚出来てるならまだいい方だな」
「…殺す」
冷徹な声で、クインケを振るう宇井。八幡は難無く、体制を低くしてそれを躱し、赫子を展開する。
展開した直後、肩部から生える黒い翼が、硬化した羽根を飛ばす。
「宇井特等!」
だが、その攻撃は、盾の様に展開したクインケを持つ男によって防がれる。カキン、カキン、と、耳に心地よい音が入るのを、感覚器官が感じ取る。その中に、「ギジン」という、一際重たい異常な音が聴こえた。
「へえ、やるじゃねえか、その玩具。まあでも、もう使い物にならなそうだな」
「なっ…!?なんだと!?」
見てみると、八幡の一撃で破壊されてしまっている。
「これが虚無の翼…いや、待て、
「ここだよ」
隊員が言い終わる前に、ウタの手刀が、その身体を貫いた。穿たれたその部位からは、待ってましたと言わんばかりに血が流れだし、白いコートが紅に染まる。
「…容赦ないなーっと」
その様子を眺めている八幡。隙が出来た敵を見逃す訳でもなく、宇井が八幡の首を、クインケで貫いた。
「地獄に落ちろ、俗物」
冷たく言い放ち、クインケに込める力を更に強くする。強くする度に、八幡の喉から数多もの血が吹き出している。
「…いやー、痛えな。もうちっと手加減してくれよ」
だが、噴き出す血になど目を向けず、喉を穿ったクインケを引き抜こうとするが、宇井は膝蹴りでクインケを蹴り、更に喉の奥に突き刺した。
「!」
「死ね」
宇井は冷たく言い放ち、手でクインケを構え、穿つ。穿たれた喉からは大量の血が流れ出し、八幡は膝を付く。その様子を眺めているウタが、鼻歌を歌うかのように呟く。
「…そんな戦い方もあるんだね、はちくん大丈夫かなあ」
ウタは、刻み終わった捜査官の死体を両手に持ち、ビルの上で嗤う。
とうの八幡は、刺さったクインケを喉に押し込んだ宇井を蹴り飛ばし、刺さったクインケを無理矢理引き抜いた。そして、宇井に言い放った。
「CCG、いつか手の内を洗いざらい流してやるよ」
「俺が、俺達がな。それに、最後に嗤うのは」
「まあでも、最後に嗤うのは」
「「
嗤う。