少数でコクリアを破る。それは、例えるのならばガンダムvsガンダムで、量産機のジムでシャアが乗るゲルググに挑む様なものだ。一般的ならば。
俺の場合、遠慮、躊躇、慈悲等一切なく、シャアを相手にユニコーンガンダムを使うだろう。そんな事考えながら、コツ、コツという心地よい音を立てて歩いている。激戦地の筈が、誰もいなく、ただただ白い廊下を歩いているだけだと気が遠くなってくる。
話は変わるが、絶望の先にあるのは何だろうか。1回の不幸の先には幸せがあるだとかそんなメルヘンチックな事は考えずに、俺はこう結論付けるだろう。
「絶望の先にあるのは…深淵だな」
闇より深い常闇、黒より濃い漆黒、絶望より先のもの、深淵。俺はそう考えている。絶望に抗う希望、それが人の力だと、FF13のライトニングは言っていたが、人間はその抗う希望を捨てる生き物だ。楽して生きようとする。それは咎められるべき行為の筈だが、皆がそれを肯定している為か、合法的になっている。その分、そういった立場でない者は批判される。だから引きこもり、ニート、ゲーム廃人などと、忌み嫌われている非社会的な人間が存在する。
だが、そんな人間だろうと生きていけるのだ。だからこそ、絶望の先にあるのは深淵だ。例えばの話、受験に落ちたらどうなる?
────就職か、ヒキニートまっしぐらだ。俺はそんな人生は真っ平御免だ。
そして、そういう奴らに限って差別の対象となる。
これも例えばの話だが、HIV…ヒト免疫不全ウイルスに感染した人間は、通常の人間として扱われるだろうか?答えは否であり、「AIDSが映るからどこかへ行け」と忌み嫌われる。AIDS、正式名称
ちなみに、何故AIDSの例を挙げたかと言うと、さっきSAO見てたからだ。マザーズ・ロザリオ編はやべえと思う。
…灰色の景色に、色彩を加える。そこには、ある男が立っていた。
「お前もそう思うだろ?なぁ…」
────亜門鋼太朗。
「お前を────…伐つッ!!!」
「やれるもんなら…なぁ!!!?」
二つの影が交わった。
△▼△▼△
まるで弓をしならせる様に、赫子へ力を込める。滑らかな曲線を描き、次の瞬間には、その赫子が勢いよくはばたいた。少し強めの風圧が、亜門の身体を叩きつける。
当の八幡は、貼り付けた様な笑みを浮かべている。
「はぁっ!!」
対する亜門は、大剣の様なクインケを構え、飛んでいる八幡に目掛けてそれをぶち放つ。
そして、双方が衝突し、コクリア内に衝撃が走る。
「────…へぇ」
「ぐっ…!!押し、切る!!」
クインケが赫子を穿ち、赫子が衝撃を刈り取り、殺す。殺した衝撃を流すかの様に外部に放ち、それらはコクリアの地面を抉ってゆく。破片がパラパラと舞い、それは散った桜の様にも見える。
「まだ、薄いな」
「お前は、軽い」
そう言った瞬間には、2人はその場にはいない。平行移動する様に地面を移動し合い、剣を振るっては、赫子がそれを拒み、赫子が羽を放ったら剣がそれを圧殺する。時に、壁を蹴って奇襲をかけたりもするが、双方ともに、それらは通用しない。
「あーぁ…流石に壊れねえよな」
「何…?」
「────避けろよ?」
その声を聞いた亜門は、即座に回避行動へ移ろうとする。だが、時すでに遅し。放たれた赫子は、手には見えない速度で亜門へと襲い掛かっていた。
────単なる、撲殺用の赫子として。
メキメキ、と、鈍い音が何処かから発したと実感した時、既に亜門の身体は勢い良く吹き飛ばされていて、10m程先の壁に衝突していた。
「ごっ────…ッ!?」
無理矢理、肺から空気を抜かれ、消えた空気を取り入れようと喘ぐ肺。呼吸を整えようと胸を抑えるが、その瞬間、音もなく、八幡の赫子が伸びた。それは、巨大な鎌にも見えた。
「俺の前で動きを止めるなよ。────死ぬぞ?」
無造作かつ無慈悲に振るわれた赫子は、容赦無く全てを屠る。当たったら死ぬ、本能的に察した亜門は地面を転がってそれを回避する。
勢いを失わぬまま、地面を蹴って反撃に出る亜門。大剣型のクインケ────クラを二つに割り、双剣の様に扱い始める。その途端、急に亜門の動く速度が上昇し、少し呆気に取られる。
だが、それを平行に移動し、猪の様に突撃してくる亜門を躱す。だが、当の亜門は、クインケを地面に刺し、それを蹴って勢いを付け、そのまま更に八幡へ突撃する。「これは避けられないな」と察し、赫子で、繭を作るように自分を包み込む。その行為に少し苛立ちを覚えたのか、亜門は、力強くクインケを刺し込んだ。ある程度刺さったのか、一気に横へ切り開く。まさか防御が突破されるとは思っていなかったのか、焦ってバックステップする八幡。冷や汗が双方を撫でる様な戦いに、どこか快感を覚えている。
「っふぅ…この前とは大違いだな」
「お互い様だ────!!!」
そして、先程のように平行移動をし始める。お互いがお互いとぶつかりあうかの様に横に走り、鍔迫り合いの様になっている。埒が明かないと考えたのか、急に軌道を曲げ、純粋な力と力のぶつかり合いをする様に駆け抜け、二つの影が交わった。
火花が散り、空気は爆発する。轟、という衝撃を体で受け止めるが、数秒遅れて衝撃が二人を襲った。
「楽しいな」
「殺し合いに何を求めてるんだ貴様はっ!!!」
「結果だよ。誰も過程なんざ見ねえんだし、手っ取り早く示したいだけだ」
「そんなもの無意味だ!!」
「その無意味な事を証明する為の途中経過を俺達は現在進行形で行ってんだよ────っ!!」
お互いの武器がぶつかり合い、火花を散らしながら、双方共に後ろへと圧力が掛かり、流れに身を任せて後ろへと移動する。
亜門鋼太朗と、
(まさかコイツ────)
亜門がクインケを構えながら八幡を見ると、八幡は退屈そうに上の空になっていた。
「そりゃ勘違いだぞ」
亜門の考えを見透かす様にそう言った八幡。争いの中に考えなどいらない、と言わんばかりの表情に、亜門は息を呑んだ。
「っぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
叫びと共に、クインケを持つ亜門の手が注に上がり、腕には血管が浮き出ている。凄まじい力を蓄えているのだろう。
八幡は赫子を盾の様に構え、体制を整えた。口元には薄らとした笑みを。
「っうおおおあああああ!!!!」
亜門の力が勝り、盾を破壊した。赫子は千切れ、トカゲの尻尾のように、地面で蠢いている。
そして、クインケが八幡の身体を貫いた。
「────…」
「悪く、思うな」
クインケが刺さっている部位から、思い切り横に引き抜き、必然的に、八幡の腹部の半分が穿たれた。有り得ない程の赤黒い血が吹き出し、白いコンクリート製の床を真っ赤に染め上げた。それは得体の知れない魔法陣の様にも見える。
「────いってぇな」
だが、決して死んでなどいなかった。寧ろ、貫かれた前よりもピンピンしている。余裕を失わぬまま、首をゴキゴキと鳴らし、再度、赫子を展開する。
そして、数10mにも伸びた赫子をうねらせながら、嘲笑う様に言い放った。
「────こっからは俺のターンな」
亜門の肩部から血が吹き出した。
少し長くなりました!頑張りました!眠いです!寝ます!