あれ、サボりじゃん。お前サボってんのにモンハンのssなんてあげんじゃねーよ死ね。
…そのような思いも受け止めます。そして死にます。
すみませんでした、では7話。
飛んだ腕に目が生き、まるで何が起きているのかわからない、と言った顔をしている喰種。
思考回路を張り巡らせ、「自身の腕が飛んだ」と理解したのだろう、悶え苦しみ始めた。
その様子などまるで興味無いかの様な黒い眼差しで、八幡は喰種を見下ろす────いや、見下していた。
死んだ魚の様に腐っていた目は更に腐り、表情はまるで氷のように固まり、そこからは動かない。
だが、そんな彼の表情で一際異臭を放っているのが、右目だ。
絵に書いたように赤黒く塗り潰されている。そこから伸びるヒビの様なものと共に、禍々しさを放っている。
その禍々しさに加え、尚も縦横無尽かつ軟体に動く翼は、八幡本体とは違った、神々しさを放っている。右から生える3本の白翼、左から生える3本の白翼、合わせて6本。天使にも悪魔にも見えるそれは、ただただ佇んでいるだけ。
痛い筈だった穿たれた腹の痛みなどもはや気にならないのだろうか、返り血と前髪で作られた影に浮かぶ瞳は、狂気を灯している。
口角は釣り上がり、引き裂いたような笑みを浮かべている。
その笑みから零れる言葉は、人のものとは思えない、この世のものとは思えない、残虐な────
「今から…お前…死ぬ直前まで刻んでやる…刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで刻んで────」
ロボットの様に無機質に何度も同じ単語を繰り返す、残虐な内容。
「────ぶっ、殺すから、楽しませろよ、?」
クックック、と笑う八幡。
「ンだよ!!てめえのそれはヨ!!?」
焦りと困惑を浮かべて問う喰種。
「ッハハ、ハハハ!!俺にも、わかんねえな!!!ァ!!!」
その問いかけに、八幡は答えない。未然形で語られた八幡の赫子は、先ほどとは一切変わらぬ様子でヒュンヒュンと空を切る音を立てながら、縦横無尽に暴れ回っている。
そして、次の瞬間には、八幡の赫子が喰種の腹部を貫いていた。
「────ガァッ!!!!!?」
貫かれた影響か、血を吐き出す喰種。吐き出した血は溜まり、血だまりを作る。よく観察してみると、八幡が貫かれたのと同じ場所を貫いている。
鮮血が流れ、その鮮血は止まる兆しを見せない。喰種の再生力さえ超越する威力。次喰らえば身体がバラバラになるのでは、と身震いをする喰種。
先程の通り、赫子を縦横無尽に振るい続けている。木さえ薙ぎ倒し、ビルの側壁はまるで爆破したかのように空白ができている。そんな赫子を振るっている八幡。
だが、川崎沙希のいる所には一切赫子は行かず、まるで避けているかのようにしている。
「オラァ!!!」
喰種は赫子を川崎沙希へと飛ばす。
鱗赫の為、そう上手くは行かないであろうが、人一人殺すのは簡単だ。八幡は赫子を伸ばしただけで、その攻撃を遇うかのように圧殺する。川崎沙希を守っている。
意味さえ理解してないが、その様子を噛み締めた喰種は、一つのことを考えた。
(あの女の所行きゃ赫子勝手にあたんだロ。)
そして、有言実行。
喰種は、人の目では追い付けないほどの速さで川崎沙希へと駆けた。
△▼△▼△
突然の出来事に、俺は反応しきれなかった。赫子を無我夢中で振るっていた俺には反応しきれない。赫子を止めたまではいいが、そこまで考えていなかった。
そして、川崎との距離も少し離れている。赫子を伸ばせば届きそうな距離だが、それでは川崎沙希も傷付けてしまうだろう。傷付けてしまった上に、俺の目の前で川崎は死んでしまう。何としても防ぎたい、
ではどうするか。
答えは一つ。自分も飛び込む、だ。
俺が飛び込んだ所で何になるかと言われたらぐうの音も出ない。が、仮定だけの話は嫌いだ。仮定があるのなら、結論はある筈。数学が苦手だとしても、証明の法則程度はできる。
俺は、赫子を振るっていたのと同じように、無我夢中で飛び出した。
運悪く、そこで川崎は目を覚ましてしまった。
何が起きたか理解できない様子の川崎だが、コンマ0〜秒後には、恐怖を浮かべた。トラウマと呼べるほどの怖さが全身を伝わってると思う。その怖さは計り知れないだろう。死が地道に近付いてきているのだ。川崎は涙を流し────さえしない。全てを観念したかのような表情のまま、俯く。
殺させない。俺が守ってやるんだ。
────ぐしゃり、と。
肉が潰される、穿たれる、抉られる、切られる、そんな音が路地裏に響く。
ポタポタと、血が赫子を伝う。
「か…わ……さ、き…」
────。